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【発明の名称】 加振装置
【発明者】 【氏名】坂本 豊

【氏名】杉本 栄治

【要約】 【課題】複数の永久磁石を組み込むことによりコンパクトで騒音の少ない安価な上下方向の1軸加振装置を提供すること。

【解決手段】ベースプレート56に対し浮上ユニット62を上下方向に摺動自在に取り付けるとともに、第1永久磁石92を水平方向に摺動自在にベースプレート56に取り付け、第1永久磁石92と同一磁極が対向する第2永久磁石96を浮上ユニット62に固定した。また、第1永久磁石92を駆動する第1アクチュエータ64を作動させることにより第1永久磁石92と第2永久磁石96との対向面積を変化させる一方、浮上ユニット62に接続された第2アクチュエータ102を作動させることにより浮上ユニット62を上下方向に振動させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベースプレートと、該ベースプレートに対し上下方向に摺動自在に取り付けられた浮上ユニットと、互いに離間し同一磁極が対向する複数対の永久磁石と、該複数対の永久磁石の一つである第1永久磁石を駆動する第1アクチュエータと、上記浮上ユニットに接続され浮上ユニットを上下方向に振動させる第2アクチュエータとを備え、上記第1永久磁石を水平方向に摺動自在に上記ベースプレートに取り付けるとともに、上記第1永久磁石に対向する第2永久磁石を上記浮上ユニットに固定し、上記第1アクチュエータにより上記第1永久磁石を水平方向に周期的に往復移動させて上記第1永久磁石と第2永久磁石との対向面積を変化させるとともに上記第2アクチュエータを作動させることにより、上記浮上ユニットを上下方向に振動させるようにしたことを特徴とする加振装置。
【請求項2】 上記第1アクチュエータを動電型アクチュエータで構成した請求項1に記載の加振装置。
【請求項3】 上記第1アクチュエータに負荷質量調整手段を取り付け、該負荷質量調整手段により上記第1永久磁石に加わる水平方向の荷重をキャンセルするようにした請求項1または2に記載の加振装置。
【請求項4】 上記第1及び第2永久磁石以外の複数対の永久磁石のうち、互いに対向する永久磁石の一方を他方に対し水平方向に移動させて対向面積を変化させることにより浮上ユニットの上下位置を調整するようにした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加振装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下方向の加振装置に関し、更に詳しくは、複数の永久磁石の反発力を利用して上下方向に振動を発生させる1軸加振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ある構造体の振動特性を調べるために、人為的に振動を発生させる加振装置が使用されている。また、加振装置としては、動電型のものと不釣り合い質量やカム式のものとが一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クランク等のリンク機構を使用した加振装置では、駆動モータに直接負荷が加わることから比較的大きな駆動モータが必要となり、動電型の場合、低周波の対応ができないという問題があった。また、装置自体が大規模なため、設置場所の確保及び工事が必要となるばかりか、発熱量が大きいことから強制空冷が必要となり、ファン等の排気音により異音評価ができないという問題があった。さらに、上記加振装置はいずれも構成が複雑で、重たく、かつ、高価であることから、軽量で安価なものが望まれていた。
【0004】本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、複数の永久磁石を組み込むことにより、コンパクトで騒音の少ない安価な上下方向の1軸加振装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、ベースプレートと、該ベースプレートに対し上下方向に摺動自在に取り付けられた浮上ユニットと、互いに離間し同一磁極が対向する複数対の永久磁石と、該複数対の永久磁石の一つである第1永久磁石を駆動する第1アクチュエータと、上記浮上ユニットに接続され浮上ユニットを上下方向に振動させる第2アクチュエータとを備え、上記第1永久磁石を水平方向に摺動自在に上記ベースプレートに取り付けるとともに、上記第1永久磁石に対向する第2永久磁石を上記浮上ユニットに固定し、上記第1アクチュエータにより上記第1永久磁石を水平方向に周期的に往復移動させて上記第1永久磁石と第2永久磁石との対向面積を変化させるとともに上記第2アクチュエータを作動させることにより、上記浮上ユニットを上下方向に振動させるようにしたことを特徴とする加振装置である。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、上記第1アクチュエータを動電型アクチュエータで構成したことを特徴とする。
【0007】さらに、請求項3に記載の発明は、上記第1アクチュエータに負荷質量調整手段を取り付け、該負荷質量調整手段により上記第1永久磁石に加わる水平方向の荷重をキャンセルするようにしたことを特徴とする。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、上記第1及び第2永久磁石以外の複数対の永久磁石のうち、互いに対向する永久磁石の一方を他方に対し水平方向に移動させて対向面積を変化させることにより浮上ユニットの上下位置を調整するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。互いに離間し同一磁極を対向させた少なくとも二つの永久磁石を有する磁性バネ構造体の場合、離間した永久磁石同士は非接触のため、構造体自体の摩擦損失等を無視すると、その静特性は入力時(行き)と同一ライン上を非線形で出力され(帰り)、さらに、非接触対偶特有の自由度、浮上制御系の不安定度を利用することにより、小さな入力で静磁界(磁石の配置)を変化させることで負の減衰を生じやすい。
【0010】本発明はこの事実に着目してなされたものであり、二つの永久磁石間の幾何学的寸法を運動行程内機構あるいは外力により入力側(行き)と出力側(帰り)で変化させ、その運動系内で反発力に変換させることにより、二つの永久磁石の平衡位置からの入力側の反発力より出力側の反発力を大きくしている。
【0011】以下、その基本原理について説明する。図1は、入力側と出力側における二つの永久磁石2,4の平衡位置を示した模式図で、図2は、いずれか一方の永久磁石に加えられた荷重と、二つの永久磁石の平衡位置からの変位量との関係を示した磁性バネ構造体の基本特性を示している。
【0012】図1に示されるように、永久磁石2に対する永久磁石4の入力側の平衡位置とバネ定数をそれぞれx,kとし、出力側の平衡位置とバネ定数をそれぞれx,kとすると、x0〜x1の間で面積変換が行われ、各平衡位置では次の関係が成立する。
−k/x+mg=0−k/x+mg=0k>k【0013】従って、その静特性は、図2に示されるように負の減衰特性を示し、位置xと位置xにおけるポテンシャルの差が発振のポテンシャルエネルギと考えることができる。
【0014】また、図1のモデルを製作し、荷重と変位量との関係を、荷重を加える時間を変えて実測したところ、図3に示されるようなグラフが得られた。これは、二つの永久磁石2,4が最近接位置に近づくと、大きな反発力が作用すること、また、平衡位置からの変位量が微小に変化すると摩擦損失が磁性バネのダンパー効果により発生し、そのことにより減衰項が現れたものと解釈される。
【0015】図3において、(a)は一定荷重を加えた場合のグラフで、(a)、(b)、(c)の順で荷重を加えた時間が短くなっている。すなわち、荷重の加え方により静特性が異なり、荷重を加える時間が長いほど力積が大きい。
【0016】また、希土類磁石は、磁化の強さが磁界に依存しない。つまり、内部磁気モーメントが磁界による影響を受けにくいので、減磁曲線上で磁化の強さはほとんど変化せず、ほぼその飽和磁化の強さの値を保っている。従って、希土類磁石では、端面上に磁荷が均一に分布していると仮定したチャージモデルを用いて、入出力が考えられる。
【0017】図4はその考え方を示しており、磁石を最小単位の磁石の集合と定義し、各単位磁石間の力の関係を三つに分類して計算したものである。
(a)吸引(r,mとも同一なので、2タイプを1つで定義する)
(1)=(m/r)dxdydxdyx(1)=f(1)cosθfz(1)=f(1)sinθ(b)反発x(2)=f(2)cosθfz(2)=f(2)sinθ(c)反発fx(3)=f(3)cosθfz(3)=f(3)sinθ従って、−fx=2fx(1)−fx(2)−fx(3)−fz=2fz(1)−fz(2)−fz(3)ここで、クーロンの法則は次のように表されるので、
上記−fx,−fzを磁石の寸法の範囲で積分して力を求めることができる。
【0018】これを図5に示されるように、対向する磁石を各磁気ギャップ毎に完全にラップした状態(x軸移動量=0mm)から完全にずれた状態(x軸移動量=50mm)まで移動させて計算したのが図6のグラフである。ただし、「内部磁気モーメントは一定」と定義してあるが、磁気ギャップが小さいときは磁石の周辺で乱れが生じるので、補正している。
【0019】上記計算結果は実測値とも略一致しており、図2のポイントaからbに移動させる力がx方向荷重で、出力はz方向荷重で表されており、不安定系故の入力<出力の関係が静的に明確になっている。
【0020】また、図7は、図5に示される磁石の離間距離を3mmに保持し、完全にずれた状態から完全にラップした状態まで移動させ、さらにこの状態から完全にずれた状態まで移動した時の関係を表したグラフである。このグラフは、x方向荷重の絶対値は同じで出力方向が逆になって出てくる特性で、完全ラップ状態に近づく場合は抵抗つまり減衰となり、完全ラップ状態から完全にずれた状態に移行する場合は加速されることを示している。
【0021】また、図8に示されるように、対向する磁石の回転角度を変化させると、図9に示されるようなグラフが得られた。当然のことながら、対向面積が減少すると最大荷重が減少し、所定の入力を加えることによる面積変換を介して出力を変化させることが可能なことを示している。
【0022】図10は、永久磁石としてネオジム系磁石を採用した場合の磁石間距離と荷重との関係を示すグラフであり、反発力は質量増加とともに増加する。ここで、反発力Fは、F∝Br×(幾何学的寸法) Br:磁化の強さで表され、幾何学的寸法とは、対向する磁石の離間距離、対向面積、磁束密度、磁界の強さ等により決定される寸法を意味する。磁石材料が同一の場合、磁化の強さ(Br)は一定であるので、幾何学的寸法を変化させることにより磁石の反発力を変えることができる。
【0023】図11は、永久磁石2,4の一方を他方に対しスライドさせて対向面積を変化させることにより幾何学的寸法を変化させるようにしたスライド型原理モデルを示している。
【0024】図11に示されるように、永久磁石2は基台6に摺動自在に取り付けられており、直動スライダ8は基台6に固定されるとともに、上方に垂直に立設せしめられている。直動スライダ8にはL型アングル10が上下動自在に取り付けられており、L型アングル10の下面には、永久磁石4が永久磁石2に対し同一(反発)磁極を対向させた状態で固定されている。
【0025】上記構成のスライド型原理モデルにおいて、永久磁石2,4として50mmL×25mmW×10mmHのもの(商品名:NEOMAX-39SH)を使用するとともに、合計質量3.135kgの負荷を使用して、永久磁石2をスライドさせたところ、図12に示されるような結果が得られた。
【0026】図12は、入出力の実験値を仕事(J)で示したもので、約0.5Jの入力仕事に対し約4Jの出力仕事が得られており、対向する二つの永久磁石2,4で構成される磁性バネが有する負の減衰特性を利用することにより、あるいは、静磁エネルギを変化させることにより小さな入力仕事で大きな出力仕事を引き出すことが可能となる。
【0027】図13は、上記スライド型原理モデルの応用例を示す振動発生機構を示している。図13に示される振動発生機構は、摺動自在の第1永久磁石12と、第1永久磁石12から所定距離離間し上下動自在の第2永久磁石14と、第1永久磁石12に連結されたリンク機構16と、リンク機構16を介して第1永久磁石12をスライドさせるVCM(ボイスコイルモータ)等の駆動源18とを備えており、第1永久磁石12と第2永久磁石14は、同一(反発)磁極が対向した状態で配置されている。リンク機構は、第1永久磁石12に連結されたロッド20と、ロッド20の略中間部に回動自在に連結された一端を有する第1レバー22と、第1レバー22の他端に回動自在に連結された第2レバー24と、第1レバー22の略中間部に回動自在に連結された一端を有する第3レバー26とを備えており、第2レバー24の他端は、例えばベースプレート等の基台28に回動自在に取り付けられるとともに、第3レバー26の他端は、駆動源18の往復軸18aに連結されている。また、ロッド20の第1永久磁石12との連結端部の反対側の端部は、ロッド保持部30に遊挿されるとともに、ロッド20に固着されたストッパ32とロッド保持部30との間のロッド20には負荷調整手段としてのスプリング34が巻装されている。
【0028】上記構成において、第2永久磁石14に負荷Wを加えた状態で、駆動源18からリンク機構16を介して第1永久磁石12を水平方向に往復移動させると、第1永久磁石12に対し同一磁極が対向する第2永久磁石14は上下方向に移動する。すなわち、図13の振動発生機構は、対向する一対の永久磁石12,14の対向面積を周期的に変化させることより励振を発生し、上下方向の周期的な振動を発生させる。
【0029】なお、第2永久磁石14に加えられる負荷Wに応じて、第1及び第2永久磁石12,14の片側に一対の永久磁石36,38と、その反対側にもう一対の永久磁石40,42とを同一磁極を対向させて配置することもできる。この構成において、第2永久磁石14と、その両側に配置される永久磁石38,42とを例えば頂板44に固着させる一方、頂板44を基台28に対し複数のリニアシャフト(垂直軸)等を介して上下方向に摺動自在に取り付けることにより、負荷Wに周期的振動を発生させることが可能である。
【0030】上記構成をさらに詳述すると、固定磁石36,38,40,42で荷重を支持するとともに、平衡点と加振磁石(第1永久磁石12)のボリュームで振幅を仮設定し、加振磁石12のスライド移動により上下方向の振動を発生させる。また、加振磁石12のストローク量については、荷重曲線、振幅及び負荷質量で設定する。その中心が基準位置となり駆動源18の中立位置とし、中立位置に設定するためにアシストメカ(負荷調整用スプリング34等)で荷重の谷を設定する。ここで荷重の谷とは、第2永久磁石14を介して加振磁石12に加わる水平方向荷重が駆動源のアシストメカでキャンセルされ、釣り合った状態になっている位置をいう。
【0031】また、加振磁石12の水平方向のストローク量で上下方向の上死点と下死点が決定され、上下各死点における加振磁石12の第2永久磁石14に対するラップ量とギャップ量で各点の水平方向及び上下方向の荷重が決定される。さらに、駆動源18のアシストメカのバネ定数については、上下各死点における水平方向荷重で決定される。
【0032】なお、上記構成において、互いに対向する永久磁石36,38及び40,42に代えて複数(例えば2本)のコイルスプリング等の弾性部材を使用することもでき、弾性部材の復元力を利用して第2永久磁石14に加えられる負荷Wを支持することもできる。
【0033】次に、上記構成の振動発生機構の制御について説明する。VCM等の駆動源18の駆動波としてsin波あるいはランダム波等が使用され、VCM等を所定の位置や加速度に制御(フィードバック)するためには、図14の機械モデルで示されるように、VCMの動きを感知するポテンショメータ等のセンサが必要となる。
【0034】すなわち、駆動波としてsin波を使用した場合、加振台(図13における頂板44)の動きを感知し振幅制御を行う場合、ロータリエンコーダやポテンショメータ等の位置センサが必要となり、加振台の加速度を感知し加速度制御を行う場合、加速度センサが必要となる。また、駆動波としてランダム波を使用した場合、加振台の動きを感知するロータリエンコーダ等の位置センサが必要となる。
【0035】図15は、駆動源18としてVCMを使用し、VCMを図16に示されるsin波で駆動する場合のクローズドループ制御のブロック図を示している。図15において、sin波テーブル46から所定のタイミング(例えば1msec毎)でD/A(デジタルーアナログ変換器)48にデータを出力し、その電圧値をPWM(パルス幅変調)制御アンプ等のVCM用アンプ50に入力し、VCM18を駆動する。VCM18にはポテンショメータ52が接続されており、ポテンショメータ52の値と出力を比較器54で比較するとともに、その差分をD/A48に出力してVCM18を目的の位置まで駆動する。また、sin波テーブル46を例えばパソコン等に接続し、パソコンからstartコマンドを送信することによりsin波テーブル46から所定のsin波を出力し、stopコマンドあるいはclearコマンドが送信されるまで出力し続けるようにすることもできる。
【0036】また、駆動波として図17に示されるようなランダム波を使用することも可能で、パソコンから送信されるstartコマンドに基づいて所定のタイミングでアンプ50より振幅値を出力し、VCM18が目的の位置に設定されるようクローズドループ制御を行うとともに、次のデータがアンプ50から送信されるまでその出力を保持することができる。
【0037】図18及び図19は、図13の振動発生機構をさらに具体化するとともに低周波振動のみならず高周波振動をも発生できるようにした上下方向の1軸加振装置Mを示している。この加振装置Mは、ベースプレート56と、4本のリニアシャフト58,…,58を介してベースプレート56に取り付けられベースプレート56から所定距離離間した頂板60と、浮上ユニット62とを備えている。
【0038】ベースプレート56の略中央部には、図20に示される動電型アクチュエータ64が固定されている。動電型アクチュエータ64は、ホルダ66と、ホルダ66の両側に設けられた磁気回路68,68(図20では片側のみ示されている)と、ホルダ66の下面に取り付けられたリニアベアリング70と、取付台72に固定されリニアベアリング70が摺動自在に取り付けられたリニアガイド74とを備えている。
【0039】磁気回路68,68はホルダ66の両端に巻回されたコイル(図示せず)と、ホルダ66の各側においてコイルと上下方向(ホルダ66の摺動面に対し垂直な方向)に所定距離離間した複数の永久磁石(図示せず)とからなり、コイルを挟んで上下に配設された永久磁石は逆磁極が対向している。
【0040】上記構成の磁気回路に励磁電流を流すと、フレミングの左手の法則に基づいてコイルには力が加わり、ホルダ66がリニアガイド74に沿って移動する。したがって、コイルにパルス励磁電流を流すと、コイルはホルダ66と一体的に往復運動を行う。すなわち、動電型アクチュエータ64は、電気エネルギを機械的エネルギに変換する。
【0041】リニアガイド74の一端部近傍において、ホルダ66の摺動方向に延在するシャフト76の一端が固定されたブラケット78が取付台72に螺着されており、シャフト76の周囲にはバランススプリング(コイルスプリング)80が巻回されている。バランススプリング80は、アーム82を介してホルダ66の一端に螺着されたガイドプレート84とブラケット78に挟持されており、負荷質量調整手段として作用する。ガイドプレート84の内面にはブッシュ86が取り付けられており、シャフト76との摺動抵抗を小さくしている。また、ホルダ66はプレート88を介して可動部水平位置検出センサ90に連結されるとともに、ホルダ66の上面には第1永久磁石92が固着されている。
【0042】一方、浮上ユニット62は、リニアブッシュ94,…,94を介してリニアシャフト58,…,58に摺動自在に取り付けられており、動電型アクチュエータ64に固着された第1永久磁石92と同一磁極が対向する第2永久磁石96が浮上ユニット62の下面に固着されている。また、浮上ユニット62にはテーブルフレーム98を介して加振テーブル100が取り付けられている。
【0043】また、リニアシャフト58,…,58の上端に固定された頂板60にはVCM(ボイスコイルモータ)等のアクチュエータ102が固定されており、アクチュエータ102の駆動軸は逆U字状のアーム104を介して浮上ユニット62に連結されている。
【0044】図18及び図19をさらに参照すると、動電型アクチュエータ64の両側には重量調整機構106,106が配設されており、重量調整機構106,106の各々は、駆動モータ108と、駆動モータ108に連結されたスライドスクリュー110と、スライドスクリュー110と螺合するスライドナット(図示せず)と、スライドナットに取り付けられた永久磁石112とを備えている。
【0045】また、永久磁石112と同一磁極が対向する永久磁石114(図19では片側のみ示されている)が浮上ユニット62を構成するテーブルフレーム98の下面に固定されており、動電型アクチュエータ64の両側の各々で二つの永久磁石112,114の反発力を利用して浮上ユニット62を浮上させるとともに、動電型アクチュエータ64の取付台72に固定されたテーブル上下位置検出センサ116により加振テーブル100の上下位置を検出している。
【0046】図21は、図18乃至図20に示される加振装置Mのブロック図を示している。図21に示されるように、動電型アクチュエータ64と、頂板60に固定されたアクチュエータ102と、重量調整機構106,106の駆動モータ108,108は全てアクチュエータドライバ118を介して制御ユニット(MPU)120に接続されており、各アクチュエータは、インターフェース(RS−232C)122を介して制御ユニット120に接続された端末機(図示せず)により適宜制御される。制御ユニット120にはさらに、可動部水平位置検出センサ90とテーブル上下位置検出センサ116が接続されており、可動部水平位置検出センサ90からの信号を受けて動電型アクチュエータ64のホルダ66は目的の位置まで駆動される一方、上下位置検出センサ116からの信号を受けて重量調整機構106,106の駆動モータ108,108が作動することにより加振テーブル100は一定の高さに保持される。
【0047】上記構成の加振装置Mの作用を以下説明する。ある対象物を加振テーブル100に載置して、その振動特性を調べる場合、加振テーブル100に載置される質量負荷の大きさに応じて浮上ユニット62が下降する。しかしながら、浮上ユニット62の上下位置はテーブル上下位置検出センサ116により検出されており、このテーブル上下位置検出センサ116からの信号を受けて、重量調整機構106,106の駆動モータ108,108がスライドスクリュー110,110を所定の方向に回転させる。スライドスクリュー110,110はスライドナットと螺合しているので、スライドスクリュー110,110の回転に伴い、スライドナットと永久磁石112,112とは一体的に摺動する。その結果、永久磁石112,112と対応する永久磁石114,114との対向面積が変化することになり反発力が変化する。本願発明では、加振テーブル100に載置される質量負荷の大きさに応じて、永久磁石112,112,と永久磁石114,114の対向面積を変化させることにより、浮上ユニット62の高さを略一定に保持している。
【0048】この状態で、動電型アクチュエータ64の磁気回路68,68にある周波数のパルス励磁電流を流すと、上述したようにホルダ66と第1永久磁石92とが一体的にリニアガイド74に沿って往復運動を行う。その結果、互いに対向する第1及び第2永久磁石92,96の対向面積が周期的に変化して反発力が変化することとなり、浮上ユニット62は上下方向の周期的な振動を行う。なお、ホルダ66の中立位置(上述)は、質量負荷の大きさに応じてバランススプリング80が適宜伸縮することにより決定される。
【0049】ここで、動電型アクチュエータ64のみを作動させただけでは、10Hzまでの低周波振動しか発生させることができないが、頂板60に固定されたアクチュエータ102を作動させて、駆動軸の上下振動をアーム104を介して浮上ユニット62に伝達することにより20Hzまでの振動を発生させることができる。
【0050】なお、動電型アクチュエータ64及びアクチュエータ102は、例えば図15に示されるクローズドループ制御と同様の制御に基づいて駆動されるので、その詳細については省略する。
【0051】図22乃至図24のグラフは、振動振幅をそれぞれ10mm、7mm、5mmの一定値に設定した場合の加振装置Mの加振特性を示している。図22乃至図24に示されるように、本発明にかかる加振装置Mは、いずれの振幅に対しても、0.1〜20Hzの周波数領域において良好な加振特性を示しているのに対し、従来のある加振装置は2Hz以下の低周波領域においては作動しない。なお、加速度(G)の大きさは、アクチュエータ102の能力に依存し、アクチュエータ102の能力を大きくすることにより加速度(G)を大きくすることができる。また、図中理論値とは、全ての抵抗が0で、どの周波数においても装置が完全に追従した場合の値であり、周波数の二乗に比例して大きくなる。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。本発明のうちで請求項1に記載の発明によれば、第1永久磁石を駆動する第1アクチュエータ(動電型アクチュエータ64)と、浮上ユニットに接続され浮上ユニットを上下方向に振動させる第2アクチュエータ(アクチュエータ102)とを設け、第1アクチュエータにより第1永久磁石を水平方向に周期的に往復移動させて第1永久磁石と第2永久磁石との対向面積を変化させるとともに第2アクチュエータを作動させることにより、浮上ユニットを上下方向に振動させるようにしたので、コンパクトな構成で20Hzまでの周波数にも対応できる安価な加振装置を提供することができる。
【0053】また、請求項2に記載の発明によれば、第1アクチュエータを動電型アクチュエータで構成したので、騒音が少なくコンパクトで安価な加振装置を実現することができる。
【0054】さらに、請求項3に記載の発明によれば、第1アクチュエータに負荷質量調整手段を取り付け、この負荷質量調整手段により第1永久磁石に加わる水平方向の荷重をキャンセルするようにしたので、負荷質量の大きさに関係なく所望の振動を発生させることができる。
【0055】また、請求項4に記載の発明によれば、第1及び第2永久磁石以外の永久磁石のうち、互いに対向する永久磁石の一方を他方に対し水平方向に移動させて対向面積を変化させることにより浮上ユニットの上下位置を調整するようにしたので、負荷質量の大きさに関係なく浮上ユニットの高さを略一定に保持することができる。
【出願人】 【識別番号】594176202
【氏名又は名称】株式会社デルタツーリング
【出願日】 平成9年(1997)9月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開平11−90331
【公開日】 平成11年(1999)4月6日
【出願番号】 特願平9−260270