| 【発明の名称】 |
複層塗膜形成法 |
| 【発明者】 |
【氏名】横山 哲也
【氏名】加佐利 章
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| 【要約】 |
【課題】カチオン電着塗料および水性中塗り塗料をウエットオンウエットで塗装し、加熱により両塗膜を架橋硬化せしめてなる複層塗膜の仕上がり外観(平滑性、ツヤ感など)や両塗膜の層間付着性などを改良することに関する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブロックポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とするカチオン電着塗料を塗装し、その塗膜を硬化させることなく、該塗面にブロックポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とする水性中塗り塗料を塗装し、ついで加熱してこの両塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成するにあたり、該電着塗膜の架橋硬化反応が該中塗り塗膜より早く開始するように調整してなり、しかも該中塗り硬化塗膜の伸び率が50%以上、破断点応力が50Kg/cm2 以上であることを特徴とする複層塗膜形成法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はカチオン電着塗料および水性中塗り塗料を塗装してなる複層塗膜の仕上がり外観(平滑性、ツヤ感など)、該両塗膜の層間付着性および耐チッピング性などを改良することに関する。 【0002】 【従来の技術とその課題】自動車外板などに、ブロックポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とするカチオン電着塗料、およびポリエステル樹脂とアミノ樹脂を含有する水性中塗り塗料をウエットオンウエットで塗装し、ついで加熱してこの両塗膜を同時に硬化せしめて複層塗膜を形成することは公知である。 【0003】しかしながら、この複層塗膜面の平滑性、ツヤ感などの仕上がり外観が十分でなく、これら欠陥は上塗り塗料を塗装しても解消することは困難であった。しかも、上塗り塗料を塗装した塗面に小石などがあたると、電着塗膜と中塗り塗膜との層間でチッピング剥がれ(ピ−リング)が生じやすいという欠陥も有している。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、カチオン電着塗膜および水性中塗り塗膜からなる複層塗膜における上記の課題を解決し、仕上がり外観や層間付着性、さらに耐チッピング性などのすぐれた複層塗膜の形成方法に関し、その特徴は、該両塗料の架橋剤としてブロックポリイソシアネ−ト化合物を使用し、かつ電着塗膜の架橋硬化反応が中塗り塗膜より早く開始するように調整し、しかも中塗り塗膜の伸び率および破断点応力を特定の範囲内に調整してなるところにあり、その結果、目的がすべて達成できることを見出し、本発明を完成した。 【0005】しかして、本発明によれば、ブロックポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とするカチオン電着塗料を塗装し、その塗膜を硬化させることなく、該塗面にブロックポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤とする水性中塗り塗料を塗装し、ついで加熱してこの両塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成するにあたり、該電着塗膜の架橋硬化反応が該中塗り塗膜より早く開始するように調整してなり、しかも該中塗り硬化塗膜の伸び率が50%以上、破断点応力が50Kg/cm2 以上であることを特徴とする複層塗膜形成法が提供される。 【0006】本明細書において、カチオン電着塗料(A)および水性中塗り塗料(B)の塗膜の架橋硬化開始時期の測定は、振子式粘弾性測定器(東洋ボ−ルドウイン製、レオバイブロンDDV−OPA型)を用いて行ったものである。具体的には、重量22g、慣性モ−メント850g・cm2 の振子を使用し、硬化塗膜に基づく膜厚が30μmになるように鋼板に塗装した未硬化塗膜にこの振子を載せ、振子を振動させながら、該塗膜を架橋硬化させるための所定の温度(例えば140〜180℃)で加熱して、振子の対数減衰率の値が上昇を始める時を「架橋硬化開始時期」とする。そして、加熱を開始してから架橋硬化開始時期までに要した時間を「硬化開始時間」とし、その時間の短い方が「架橋硬化反応が早く開始する」ことを意味する。上記塗料(A)および塗料(B)の両塗膜の架橋硬化開始時期の比較は同じ温度で測定して行う。 【0007】以下、本発明の複層塗膜形成法についてさらに詳細に説明する。 【0008】被塗物:本発明の方法により塗装しうる被塗物は、カチオン電着塗装可能な少なくとも表面が金属である製品であれば特に制限はなく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛およびこれらの金属を含む合金、ならびにこれら金属によるメッキもしくは蒸着製品などがあげられる。特に、これらの金属で構成される乗用車、トラック、バス、オ−トバイなどの自動車車体などが適している。これらの被塗物は、カチオン電着塗装に先立ってあらかじめりん酸塩、クロム酸塩などでその表面を化成処理しておくことが好ましい。 【0009】カチオン電着塗料(A):カチオン電着塗料(A)は、ブロックポリイソシアネ−ト化合物を架橋剤として含有するものであり、具体的には例えば、水酸基およびカチオン性基を有する基体樹脂(a−1)およびブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)を含有するそれ自体既知のカチオン電着塗料を使用することができる。 【0010】基体樹脂(a−1)において、水酸基はブロックポリイソシアネ−ト化合物との架橋反応に関与し、そしてカチオン性基は安定な水分散液を形成させるためのものであって、そのような基を有する基体樹脂(a−1)としては、例えば以下のものを挙げることができる。 【0011】i) ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物、ii) ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国特許第2450940号明細書参照)を酸でプロトン化したもの、iii) ポリイソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ又はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの、iv) 水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系モノマ−の共重合体を酸でプロトン化したもの(特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報参照)、v) ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3403088号明細書参照)。 【0012】これらのカチオン性樹脂の具体例及び製造方法については、例えば、特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報、特公昭49−23087号公報、米国特許第2,450,940号明細書、米国特許第3,403,088号明細書、米国特許第3,891,529号明細書、米国特許第3,963,663号明細書などに記載されているので、ここではこれらの文献の引用を以って詳細な説明に代える。 【0013】特に好ましい基体樹脂(a−1)としては、前記(i)に包含される、ポリフェノ−ル化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られる防食性に優たポリエポキシド樹脂のエポキシ基にカチオン化剤を反応せしめて得られる樹脂をあげることができる。 【0014】該ポリエポキシド樹脂は、エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物であり、特に少なくとも200、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜2,000の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。そのようなポリエポキシド樹脂としてはそれ自体既知のものを使用することができ、例えば、ポリフェノ−ル化合物をアルカリの存在下にエピクロルヒドリンと反応させることによって製造することができる、ポリフェノ−ル化合物のポリグリシジルエ−テルが包含される。ここで使用しうるポリフェノ−ル化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラックなどがあげられる。 【0015】これらのポリエポキシド樹脂の中で、基体樹脂(a−1)の製造に特に適当なものは、数平均分子量が少なくとも約380、好適には約800〜約2,000、及びエポキシ当量が190〜2,000、好適には400〜1,000のポリフェノ−ル化合物のポリグリシジルエ−テルである。このものはポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネ−ト化合物などと部分的に反応させて変性されていてもよく、さらに、ε−カプロラクトン、アクリルモノマ−などがグラフト重合されていてもよい。 【0016】基体樹脂(a−1)に包含される上記i)の反応生成物は、上記のポリフェノ−ル化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるポリエポキシド樹脂のエポキシ基にカチオン化剤を反応せしめて得られるものであり、カチオン化剤はポリエポキシド樹脂のエポキシ基の殆どもしくはすべてと反応することが好ましい。 【0017】カチオン化剤としては、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアミンなどのアミン化合物があげられ、これをそれ自体公知の方法でポリエポキシド樹脂のエポキシ基と反応させて、樹脂中に第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基などのカチオン性基を導入することにより水酸基とカチオン性基を有するカチオン化樹脂が得られる。 【0018】カチオン化剤としての第1級アミン化合物としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノ−ルアミン、n−プロパノ−ルアミン、イソプロパノ−ルアミン等をあげることができ、第2級アミン化合物としては、例えばジエチルアミン、ジエタノ−ルアミン、ジn−プロパノ−ルアミン、ジイソプロパノ−ルアミン、N−メチルエタノ−ルアミン、N−エチルエタノ−ルアミン等をあげることができ、第3級アミン化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジエチルエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン等をあげることができ、そしてポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等をあげることができる。 【0019】さらに、アンモニア、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチルヒドラジン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン等の塩基性化合物をカチオン化剤として用い、これとエポキシ基との反応により形成される塩基性基を酸でプロトン化してカチオン性基としてもよい。用い得る酸としては、ギ酸、酢酸、グリコ−ル酸、乳酸などの水溶性有機カルボン酸が好ましい。 【0020】基体樹脂(a−1)中の水酸基としては、例えば、カチオン化剤としてのアルカノ−ルアミンとの反応、エポキシ樹脂中に導入されることがあるカプロラクトンとの開環反応やポリオ−ルとの反応などにより樹脂中に導入される第1級水酸基;エポキシ樹脂中の2級水酸基などがあげられる。これらのうち、アルカノ−ルアミンとの反応により導入される第1級水酸基は、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(架橋剤)との架橋反応性がすぐれているので好ましい。 【0021】カチオン電着塗料(A)における基体樹脂(a−1)は、水酸基の含有量を水酸基当量で一般に20〜5,000、特に100〜1,000mgKOH/gの範囲内にあるものが好ましく、特に第1級水酸基当量が200〜1,000mgKOH/gの範囲内にあるものが好ましい。また、カチオン性基の含有量は、該基体樹脂を水中に安定に分散するのに必要な最低限以上であることが好ましく、KOH(mg/g固形分)(アミン価)換算で一般に3〜200、特に10〜80の範囲内にあることが好ましい。基体樹脂(a−1)は遊離のエポキシ基をは原則として含んでいないことが好ましい。 【0022】一方、架橋剤としてのブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基のすべてを揮発性の活性水素化合物(ブロック剤)で封鎖して、常温では不活性としたものであり、所定温度以上に加熱するとこのブロック剤が解離して元のイソシアネ−ト基が再生して、基体樹脂(a−1)との架橋反応に関与する。 【0023】ポリイソシアネ−ト化合物は1分子中に遊離のイソシアネ−ト基2個以上有する化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト等の脂肪族ジイソシアネ−ト;イソホロンジイソシアネ−ト、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロペンタンジイソシアネ−ト等の脂環族ジイソシアネ−ト;キシリレンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−ト、トルイジンジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシアネ−ト;これらのポリイソシアネ−ト化合物のウレタン化付加物、ビユ−レットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等があげられる。 【0024】ブロック剤としては、例えば、フェノ−ル、クレゾ−ル、キシレノ−ル、p−エチルフェノ−ル、o−イソプロピルフェノ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ル、p−tert−オクチルフェノ−ル、チモ−ル、p−ナフト−ル、p−ニトロフェノ−ル、p−クロロフェノ−ルなどのフェノ−ル系ブロック剤;メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、アミルアルコ−ル、エチレングリコ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビト−ル、ベンジルアルコ−ル、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコ−ル、シクロヘキサノ−ル、グリコ−ル酸メチル、グリコ−ル酸ブチル、ジアセトンアルコ−ル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのアルコ−ル系ブロック剤;アセチルアセトン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチルなどの活性メチレン系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、チオフェノ−ル、メチルチオフェノ−ル、エチルチオフェノ−ル、tert−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系ブロック剤;アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤;ジフェニルアミン、キシリジン、ジブチルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾ−ルなどのアミン系ブロック剤;イミダゾ−ル、2エチルイミダゾ−ルなどのイミダゾ−ル系ブロック剤;尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの尿素系ブロック剤;N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドンなどのカルバミン酸系ブロック剤;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系ブロック剤;ホルムアミドオキシム、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系ブロック剤;重亜硫酸ソ−ダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系ブロック剤などがあげられる。 【0025】ブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)を調製するための、ポリイソシアネ−ト化合物と活性水素化合物(ブロック剤)との反応は既知の方法により行うことができ、得られるブロックポリイソシアネ−ト化合物は実質的に遊離のイソシアネ−ト基は存在しない。 【0026】カチオン電着塗料(A)において、基体樹脂(a−1)とブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)との構成比率は、特に制限はないが、これら両成分の合計固形分重量に基づいて、基体樹脂(a−1)は40〜90%、特に50〜80%、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)は60〜10%、特に50〜20%の範囲内にあることが好ましい。 【0027】カチオン電着塗料(A)は、基体樹脂(a−1)中のカチオン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で中和してから、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)と共に、水に分散混合することによって調製することができ、その水分散液のpHは一般に3〜9、特に5〜7の範囲内にあることが好ましく、また樹脂固形分濃度は5〜30重量%の範囲内が適している。 【0028】カチオン電着塗料(A)には、必要に応じて、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、錫、アンチモン、ランタン、タングステン、ビスマス等から選ばれる金属の水酸化物、酸化物、有機酸塩、無機酸塩のような防錆性を有する硬化触媒;体質顔料;着色顔料;防錆顔料;沈降防止剤などを適宜配合することができる。 【0029】さらに、カチオン電着塗料(A)には、基体樹脂(a−1)とブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)との架橋反応を促進するために、錫オクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、マンガン、コバルト、鉛、ビスマス錫酸塩、鉛錫酸塩、ジルコニウムオクトエ−ト、ジンクオクトエ−ト、ジブチル錫−ビス−O−フェニルフェニレン、ジブチル錫−S,S−ジブチルジチオ−カ−ボネ−ト、トリフェニルアンチモニ−ジクロライド、ジブチル錫マレエ−ト、ジブチル錫ジアセテ−ト、ジブチル錫ジラウレ−トメルカプチド、トリエチレンジアミン、ビスマスステアレ−ト、鉛ステアレ−ト、ジメチル錫ジクロライドなどの硬化触媒を配合することができる。その配合量は、通常、基体樹脂(a−1)とブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)との合計100重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲内が適している。 【0030】本発明において、カチオン電着塗料(A)の塗膜の架橋硬化反応は、上層に隣接する中塗り塗料(B)の塗膜よりも早く開始することが必要であり、そのために、カチオン電着塗料(A)の塗膜の硬化が、中塗り塗料(B)の塗膜に比べてより低温で開始するようにすることが好ましい。例えば、カチオン電着塗料(A)の塗膜が、中塗り塗料(B)の塗膜に比べて1〜20℃、特に5〜15℃低い温度で開始することが好ましい。カチオン電着塗料(A)の硬化開始が中塗り塗料より遅くなると、該両塗料からなる複層塗膜の仕上がり外観(平滑性、ツヤ感など)や両塗膜の層間付着性などを改良することが困難になる。 【0031】カチオン電着塗料(A)塗膜の架橋硬化反応の開始時期は、例えば、ポリイソシアネ−ト化合物、ブロック剤、硬化触媒などの種類や配合量などを適宜選択することによって容易に制御することができ、加熱を開始してから架橋硬化開始時期までの「硬化開始時間」は、その塗装工程において約3〜約20分、特に約5〜約15分の範囲内にあることが適している。 【0032】カチオン電着塗料(A)の塗装は、例えば、上記の被塗物をカソ−ド、炭素板をアノ−ドとし、浴温20〜35℃、電圧100〜400V、電流密度O.01〜5A、通電時間1〜10分で行うことができる。塗装膜厚は硬化塗膜で一般に10〜40μm程度が好ましい。 【0033】本発明では、カチオン電着塗料(A)の塗装し、その塗膜を硬化させることなく、その塗面に水性中塗り塗料(B)を塗装する。その際、カチオン電着塗料(A)の塗膜を室温で放置してから、その塗面に水性中塗り塗料(B)を塗装することができるが、100℃以下の温度、例えば約60〜100℃の温度で約5〜10分間程度加熱して塗膜中の水分の一部を除去してから、好ましくは塗膜中の水分を実質的に除去してから、その未硬化塗面に水性中塗り塗料(B)を塗装することが好ましい。 【0034】水性中塗り塗料(B):本発明において使用する水性中塗り塗料(B)は、硬化剤としてブロックポリイソシアネ−ト化合物を含有する水性塗料であって、上記カチオン電着塗料(A)の塗膜より架橋開始時期が遅く、しかもその架橋硬化塗膜の硬化塗膜の伸び率が50%以上で、かつ破断点応力が50Kg/cm2 以上であることが必要である。具体的には、水酸基などのイソシアネ−ト基と架橋反応しうる官能基および樹脂を水溶化もしくは水分散化するのに有用なカルボキシル基などの親水性基を有する基体樹脂(bー1)およびブロックポリイソシアネ−ト化合物(bー2)を含有し、これらを水に混合分散せしめてなる水性塗料である。 【0035】基体樹脂(bー1)は、水酸基などのイソシアネ−ト基と架橋反応しうる官能基と樹脂の水溶化もしくは水分散化するのに必要量のカルボキシル基などの親水性基を有する樹脂であり、特に、水酸基およびカルボキシル基を有するポリエステル樹脂が好適である。 【0036】ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコ−ルとをエステル化反応させることによって製造することができ、その数平均分子量は1,000〜50,000、特に2,000〜20,000、水酸基価は20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/g、酸価は1〜100mgKOH/g、特に10〜70mgKOH/gが好ましい。 【0037】多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物などがあげられる。多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、トリエチレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパンおよびペンタエリスリト−ルなどがあげられる。 【0038】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は、ポリエステル樹脂の製造に際し、多価アルコ−ル成分としてグリセリン、トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−ルエタン、ペンタエリスリト−ルなどの3価以上のアルコ−ルを2価アルコ−ルと併用することにより行うことができる。また、カルボキシル基は、得られる水酸基を有するポリエステル樹脂の該水酸基の一部に上記のごとき多塩基酸をハ−フエステル化反応させることにより導入することができる。 【0039】ブロックポリイソシアネ−ト化合物(bー2)は、基体樹脂(bー1)の架橋剤であって、前記カチオン電着塗料(A)における架橋剤として説明したブロックポリイソシアネ−ト化合物(a−2)が同様に使用できる。 【0040】水性中塗り塗料(B)において、基体樹脂(b−1)とブロックポリイソシアネ−ト化合物(b−2)との構成比率は、特に制限はないが、これら両成分の合計固形分重量に基づいて、基体樹脂(b−1)は40〜90%、特に50〜80%、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(b−2)は60〜10%、特に50〜20%の範囲内にあることが好ましい。 【0041】水性中塗り塗料(B)は、基体樹脂(bー1)およびブロックポリイソシアネ−ト化合物(bー2)以外に、さらに、これら両成分による架橋反応を促進するため硬化触媒、体質顔料、着色顔料、表面調整剤を含有することができる。このうち硬化触媒としては、上記カチオン電着塗料(A)について例示したものが同様に使用でき、その配合量は、通常、基体樹脂(b−1)とブロックポリイソシアネ−ト化合物(b−2)との合計100重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲内が適している。 【0042】本発明において、水性中塗り塗料(B)塗膜の架橋硬化は、その下層に隣接するカチオン電着塗料(A)の塗膜に比べて遅く開始することが必要であり、具体的には、カチオン電着塗料(A)の塗膜の硬化開始してから、約0.5〜約10分遅れて、水性中塗り塗料(B)の塗膜の架橋硬化が開始することが好ましい。すなわち、塗料(A)の塗膜の架橋硬化が開始し、それから遅れて塗料(B)の塗膜の架橋硬化が開始するが、その時間差は約0.5分〜約10分の範囲内であることが好ましい。水性中塗り塗料(B)の塗膜の架橋硬化は、カチオン電着塗料(A)の塗膜よりも約0.5分〜約10分遅れて開始し、そして塗膜の加熱を開始してから約3.5分〜30分、特に約5.5分〜25分以内に架橋硬化が開始することが好ましい。水性中塗り塗料(B)の塗膜の架橋硬化開始時期は、例えば、ポリイソシアネ−ト化合物、ブロック剤、硬化触媒などの種類や配合量などを適宜選択することによって容易に制御することができる。 【0043】さらに、水性中塗り塗料(B)に関し、その単独硬化塗膜の伸び率が50%以上、好ましくは60〜200%、かつ破断点応力が50Kg/cm2 以上、好ましくは100〜300Kg/cm2 の範囲内に含まれることが必要である。それに加えて、単独硬化塗膜の静的ガラス転移温度が+50℃以下、特に+10〜+40℃の範囲内にあることが好ましい。 【0044】水性中塗り塗料(B)の単独硬化塗膜の伸び率、破断点応力および静的ガラス転移温度を上記の範囲内に包含させるために、基体樹脂(b−1)およびブロックポリイソシアネ−ト化合物(b−2)の組成を適宜選択することにより容易に達成できる。具体的には、基体樹脂(b−1)のポリエステル樹脂として、例えば、2価以上の多価アルコ−ルと2価以上の多価カルボン酸を反応させてなるポリエステル樹脂にラクトンおよび/またはラクタムを反応させてなる側鎖末端に水酸基を導入してなるポリエステル樹脂;ポリエステル樹脂、ポリエ−テル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂およびポリウレタンから選ばれた水酸基含有樹脂に、2価以上の多価アルコ−ル、2価以上の多価カルボン酸を反応せしめてなる生成物の水酸基に酸無水物をハ−フエステル化反応せしめてなる水酸基およびカルボキシル基を有するポリエステル樹脂などが適している。また、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(b−2)として、脂肪族ポリイソシアネ−トの多量体、該多量体のアダクト物、脂肪族ポリイソシアネ−トのアダクト物などが適している。水性中塗り塗料(B)の単独塗膜の伸び率および破断点応力は、恒温槽付万能引張り試験機(島津製作所製、商品名、「オ−トグラフS−D」)を使用し、175℃で30分加熱して硬化せしめた厚さ30μmの塗膜を、長さ20mm、幅10mmに裁断し、+20℃において引張り速度20mm/分で測定したときの値である。水性中塗り塗料(B)の単独塗膜の伸び率および破断点応力を上記の範囲内に包含させることにより、本発明によって得られる複層塗膜の耐チッピング性が顕著に向上させることができる。 【0045】水性中塗り塗料(B)は、基体樹脂(b−1)およびブロックポリイソシアネ−ト化合物(b−2)などを水中に均一に混合分散せしめることによって得られ、塗装時の固形分濃度を20〜70重量%に調製しておくことが好ましい。 【0046】本発明の方法は、上記のようにカチオン電着塗料(A)を塗装し、硬化させることなく、必要により120℃以下で乾燥したのち、該塗面に水性中塗り塗料(B)を塗装した後、加熱してこの両塗膜を同時に架橋硬化する。 【0047】水性中塗り塗料(B)の塗装は、静電塗装、エアレススプレ−、エアスプレ−などによって行われ、その膜厚は硬化塗膜に基いて、約5〜80μm、特に約15〜45μmが適している。また、カチオン電着塗料(A)塗膜および水性中塗り塗料(B)塗膜の両塗膜を架橋硬化させるための加熱温度は、該塗膜に含まれるブロックポリイソシアネ−ト化合部物の解離温度以上であるが、通常、130〜180℃で10〜40分に加熱することにより両塗膜を架橋硬化することができる。 【0048】本発明の方法により上記のようにカチオン電着塗料(A)および水性中塗り塗料(B)を塗装し、架橋硬化せしめた塗面に、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料およびクリヤ塗料などの上塗り塗料を用いて、既知の方法で、1コ−ト1ベイク方式(1C1B)、2コ−ト1ベイク方式(2C1B)、2コ−ト2ベイク方式(2C2B)、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)などにより塗装することができる。 【0049】本発明の方法によれば、次のような顕著な効果が奏される。 【0050】1.カチオン電着塗料および水性中塗り塗料をウエットオンウエットで塗装し、加熱により両塗膜を架橋硬化せしめてなる複層塗膜の仕上がり外観(平滑性、ツヤ感など)を向上させることができた。 【0051】2.カチオン電着塗膜および水性中塗り塗膜からなる複層塗膜の層間付着性を向上させることができた。 【0052】3.カチオン電着塗膜および水性中塗り塗膜からなる複層塗膜の耐チッピング性を向上させることができた。 【0053】以下に、本発明に関する実施例および比較例について説明する。なお、部および%はいずれも重量に基いている。 【0054】実施例および比較例におけるカチオン電着塗膜および水性中塗塗膜の架橋硬化開始時期の測定は、振子式粘弾性測定器(東洋ボ−ルドウイン製、レオバイブロンDDV−OPA型)を用いて行った。具体的には、重量22g、慣性モ−メント850g・cm2 の振子を使用し、硬化塗膜に基づく膜厚が30μmになるように鋼板に塗装した未硬化塗膜にこの振子を載せ、振子を振動させながら、該塗膜を架橋硬化させるための所定の温度(例えば175℃)で加熱して、振子の対数減衰率の値が上昇を始める時を「架橋硬化開始時期」とする。そして、加熱を開始してから架橋硬化開始時期までに要した時間を「硬化開始時間」とした。 【0055】1.試料の調製1)ポリエステル樹脂(1):ネオペンチルグリコ−ル348部、トリメチロ−ルプロパン150部、アジピン酸128部および無水フタル酸435部を反応容器に入れ、220℃で5時間反応させた後、無水トリメリット酸42部添加し、160℃で1時間反応させた。さらに、この反応物にεカプロラクトン88部およびドデシルベンゼンスルホン酸1部を加え、150℃で3時間反応させて、数平均分子量約5000、酸価25mgKOH/g、水酸基価110mgKOH/gのポリエステル樹脂を得た。 【0056】(2):ネオペンチルグリコ−ル272部、トリメチロ−ルプロパン136部、アジピン酸232部、無水フタル酸296部およびポリウレタンジオ−ル(注1)240部を反応容器に入れ、220℃で5時間反応させた後、無水トリメリット酸28部添加し、160℃で1時間反応させた。数平均分子量約4000、酸価25mgKOH/g、水酸基価110mgKOH/gのポリエステル樹脂を得た。 【0057】(注1)ポリウレタンジオ−ル:キングインダストリ−製、商品名、「FLEXOREZ UD−320−100」、数平均分子量約1000〜1500。 【0058】(3):ネオペンチルグリコ−ル756部、トリメチロ−ルプロパン109部、ヘキサヒドロフタル酸370部、アジピン酸292部およびイソフタル酸398部を反応容器に入れ、220℃で6時間反応させた後、無水トリメリット酸45部添加し、170℃で30分反応させて、数平均分子量約8000、酸価20mgKOH/g、水酸基価95mgKOH/gのポリエステル樹脂を得た。 【0059】2)カチオン電着塗料i):エポキシ当量630のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂(「エピコ−ト1002」商品名、シェル化学社製、)1260部をブチルセロソルブ450部に溶解し、p−ノニルフェノ−ル132部およびN−メチルエタノ−ルアミン105部を加え、140℃まで昇温させ、同温度で反応させて、固形分77%、アミン価52の付加エポキシ樹脂を得た。この樹脂130部に酢酸2.1部を加えてプロトン化した。ついで、このものに、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(硬化剤)30部、酢酸鉛1.3部およびポリプロピレングリコ−ル(数平均分子量4000)1.3部を加え、脱イオン水を徐々に加えて分散し、固形分30%のエマルジョンとする。これに、チタン白顔料15部、クレ−7部、カ−ボンブラック0.3部、ジオクチル錫オキシド3部を加え、さらに脱イオン水で希釈して固形分19%の電着浴とした。 【0060】上記ブロックポリイソシアネ−ト化合物は、2,6−トリレンジイソシアネ−ト174部と水酸基当量425のポリカプロラクトンジオ−ル85部との反応生成物にエチレングリコ−ルの2−エチルヘキシルアルコ−ルモノエ−テル(ブロック剤)を反応させてなる。 【0061】カチオン電着塗料i)の塗膜の架橋硬化反応の開始時間は10分である。 【0062】3)水性中塗り塗料a):ポリエステル樹脂(1)1000部(固形分量として、以下同様)、ジメチルアミノエタノ−ル(注2)40部、脂肪族系6官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物(注3)410部、チタン白顔料(注4)1400部およびカ−ボンブラック(注5)20部を脱イオン水1800部に混合分散して水性中塗り塗料を得た。 【0063】この水性中塗り塗料a)の塗膜の架橋硬化反応の開始時間は12分、硬化塗膜の伸び率は73%、破断点応力が127Kg/cm2 である。 【0064】(注2)ジメチルアミノエタノ−ル:日本乳化剤(株)製、商品名、「アミノアルコ−ル 2Mabs」 (注3)脂肪族系6官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物:ヘキサメチレンジイソシアネ−トの3量体のアダクト物をメチルエチルケトオキシムでブロックした。 【0065】(注4)チタン白顔料:「テイカJR806」(テイカ製、商品名) (注5)カ−ボンブラック:「三菱カ−ボンブラックM−100」(三菱化学(株)製、商品名) b):ポリエステル樹脂(2)1000部、ジメチルアミノエタノ−ル(注2)40部、脂肪族系6官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物(注3)410部、チタン白顔料(注4)1400部およびカ−ボンブラック(注5)20部を脱イオン水1800部に混合分散して水性中塗り塗料を得た。 【0066】この水性中塗り塗料b)の塗膜の架橋硬化反応の開始時間は13分、硬化塗膜の伸び率は67%、破断点応力が134Kg/cm2 である。 【0067】c):ポリエステル樹脂(3)1000部、ジメチルアミノエタノ−ル(注2)40部、脂肪族系6官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物(注3)410部、チタン白顔料(注4)1400部およびカ−ボンブラック(注5)20部を脱イオン水1800部に混合分散して水性中塗り塗料を得た。 【0068】この水性中塗り塗料c)の塗膜の架橋硬化反応の開始時間は12分、硬化塗膜の伸び率は65%、破断点応力が153Kg/cm2 である。 【0069】d):ポリエステル樹脂(3)1000部、ジメチルアミノエタノ−ル(注2)40部、脂肪族系3官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物(注6)410部、チタン白顔料(注4)1400部およびカ−ボンブラック(注5)20部を脱イオン水1800部に混合分散して水性中塗り塗料を得た。(比較用) この水性中塗り塗料d)の塗膜の架橋硬化反応の開始時間は8分、硬化塗膜の伸び率は38%、破断点応力が168Kg/cm2 である。 【0070】(注6)脂肪族系3官能型ブロックポリイソシアネ−ト化合物:ヘキサメチレンジイソシアネ−トの3量体をマロン酸ジエチルでブロックした。 【0071】e):ポリエステル樹脂(3)1000部、ジメチルアミノエタノ−ル(注2)40部、メラミン樹脂(注7)300部、チタン白顔料(注4)1400部およびカ−ボンブラック(注5)20部を脱イオン水1800部に混合分散して水性中塗り塗料を得た。(比較用) この水性中塗り塗料e)の塗膜の架橋硬化反応の開始時間は7分、硬化塗膜の伸び率は25%、破断点応力が221Kg/cm2 である。 【0072】(注7)メラミン樹脂:「サイメル350」(三井サイテック(株)製、商品名、フルメチルエ−テル化メラミン樹脂) 2.実施例および比較例カチオン電着塗料i)の電着浴にりん酸亜鉛処理したダル鋼板をカソ−ドとして浸漬し、30℃、200Vで3分間電着し(膜厚は硬化塗膜で25μm)、100℃で10分乾燥してから、水性中塗り塗料(a)〜(e)をエアスプレ−でそれぞれ塗装し(膜厚は硬化塗膜で30〜35μm)、ついで170℃で30分加熱して両塗膜を架橋硬化した。 【0073】かくして得られた複層塗膜の性能試験を行った。試験結果は表1のとおりである。 【0074】 【表1】
【0075】試験方法は下記のとおりである。 【0076】光沢:60度鏡面反射率。 【0077】鮮映性:写像性測定器(IMAGE CLARITY METER 、スガ試験機(株)製)で測定した結果である。表中の数字はICM値で、0〜100の範囲の値をとり、数値の大きい方が鮮映性(写像性)が良く、ICM値が80以上であれば鮮映性が極めて良好であることを示す。 【0078】耐チッピング性:Q−G−Rグラベロメ−タ−(Qパネル(株)製)を用いて、直径15〜20mmの砕石100gをエア−圧約4Kg/cm2 で、−20℃において塗面への吹き付け角度90度で吹き付けた。その後の塗面状態を目視で評価した。◎は中塗り塗面に衝撃キズが殆ど認められない、○は中塗り塗面に衝撃キズはわずか認められるが電着塗膜の剥離は全くない、△は中塗り塗面に衝撃キズがやや多く認められ、しかも電着塗膜の剥離もわずかある、×は中塗り塗面に衝撃キズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥離もかなりある。 【0079】耐衝撃性:デュポン式衝撃試験機を使用し、撃芯1/2インチで、塗面を上側にして加重500gの重りを落下させ、塗膜にワレが生じない落下距離(高さcm)を測定した。 【0080】耐湿性:50℃、湿度95%の条件で、試験板を72時間放置したあとの塗膜の外観および付着性を調べた。外観の評価:○は全く異常なし、△はフクレやハガレが少し認められ、×はフクレやハガレが少多く認められる。付着性はゴバン目(大きさ1mm×1mmのゴバン目、100個)テ−プ剥離テストで行い、○はゴバン目塗膜が98個以上残存していることを示す。 【0081】同表に、架橋硬化開始時間(分)、塗膜伸率(%)、破断点応力(Kg/cm2 )も併記した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001409 【氏名又は名称】関西ペイント株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月30日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−216422 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−19468 |
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