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【発明の名称】 |
防水、防食塗装方法および塗装物 |
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【氏名】宮崎 良知 【氏名】小林 和保 【氏名】成見 茂 【氏名】藤田 正 |
【課題】打継材およびプライマーが不要で、基材と防水、防食塗膜間に直接介在する素地調整材の塗膜を短時間に形成することができ、しかも素地調整材塗膜にピンホールを形成しないほか、その上に防水、防食塗膜を形成してもピンホールを形成しない防水、防食塗装方法ならびにこれから得られる強度、耐水性、耐薬品性、耐候性、密着性に優れたピンホールのない防水、脱食塗膜を有する塗装物を提供する。
【解決手段】基材1にブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材の塗膜4を形成し、その上に、ポリオール、炭素環式ポリイソシアネートおよび/またはこれらから得られるプレポリマー、ポリエーテルアミンならびに鎖延長剤を含むポリウレア樹脂塗料を塗布して硬化させ、防水、防食塗膜6を形成し、防水、防食塗装物を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材にブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材の塗膜を形成する工程と、上記素地調整材塗膜上に、ポリウレア樹脂塗料を塗布して防水、防食塗膜を形成する工程とを含む防水、防食塗装方法。 【請求項2】 基材上に形成されたブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材の架橋塗膜と、上記素地調整材の架橋塗膜上に形成されたポリウレア樹脂塗料から形成される防水、防食塗膜とを有する防水、防食塗装物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート、金属、木材等の材料からなる成形品、構造物等の基材の表面に、ポリウレア塗料からなる防水、防食塗膜を形成する防水、防食塗装方法、およびこれから得られる塗装物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】コンクリート、金属、木材等の材料からなる成形品、構造物等の基材の表面に、防水、防食塗膜を形成するために、ポリエーテルポリアミン、芳香族ポリイソシアネート、ポリオールおよび鎖延長剤からなるポリウレア樹脂塗料を塗布し、防水、防食塗膜を形成する方法が提供されている(特開平2−187417号)。このポリウレア樹脂塗料は瞬間硬化性で湿度、温度に関係なく硬化し、厚塗り可能で機械的強度、耐薬品性、耐候性に優れる防水、防食塗膜を形成する。 【0003】このようなポリウレア樹脂塗料をコンクリート、金属、木材等の材料からなる成形品、構造物等の基材の表面に塗装する場合は、塗布に先立って素地調整を行って素地を、平滑化しておく必要がある。この素地調整としては、下記のケレン、ハツリ、下地修復を行った後、素地調整材を塗布する工程が行われている。素地調整材としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等からなるパテや、これらの樹脂を含むセメントモルタルなどが用いられている。 【0004】図2は従来の塗装物を示す断面図である。図2において、1は塗装物、2は基材、3は打継材層、4は素地調整材塗膜、5はプライマー層、6は防水、防食塗膜である。従来の塗装方法は、基材2の表面をケレン、ハツリ等を行った後、打継材(プライマー)を塗布して打継材層3を形成し、その上に素地調整材を塗布して養生し、素地調整材層4を形成する。さらにその上にプライマーを塗布してプライマー層5を形成し、その上にポリウレア樹脂塗料を塗布して硬化させ防水、防食塗膜6を形成する。 【0005】上記の工程において、基材2の表面に存在する比較的小さい凹部7aは素地調整材4が充填されて均一な表面が形成されるが、比較的大きい凹部7bには素地調整材4は入り込まず、ピンホール8が形成される。これを防止するために素地調整材を重ね塗りしてピンホール8を埋めても、内部に残った気体は防水、防食塗膜6の硬化膜の発熱により膨張して防水、防食塗膜6が破れ、ピンホール8が形成される。 【0006】このように従来の素地調整材は素地およびポリウレア樹脂塗膜との間に打継材およびプライマーを必要とするほか、硬化(養生)に長時間を要し、ピンホールの発生を防止するために重ね塗りが必要であり、このため一段と養生時間が長くなる。また、素地調整材の塗膜に外観上ピンホールがない場合でも、その塗膜内または素地との間に空隙部が存在する場合が多いため、この上にポリウレア樹脂により防水、防食塗膜を形成すると硬化時の発熱により内部の気体が膨張してピンホールが生成するなどの問題点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、打継材およびプライマーが不要で、基材と防水、防食塗膜間に直接介在する素地調整材の塗膜を短時間に形成することができ、しかも素地調整材塗膜にピンホールを形成しないほか、その上に防水、防食塗膜を形成してもピンホールを形成しない防水、防食塗装方法ならびにこれから得られる強度、耐水性、耐薬品性、耐候性、密着性に優れたピンホールのない防水、防食塗膜を有する塗装物を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は次の防水、防食塗装方法および塗装物である。 (1)基材にブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材の塗膜を形成する工程と、上記素地調整材塗膜上に、ポリウレア樹脂塗料を塗布して防水、防食塗膜を形成する工程とを含む防水、防食塗装方法。 (2) 基材上に形成されたブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材の架橋塗膜と、上記素地調整材の架橋塗膜上に形成されたポリウレア樹脂塗料から形成される防水、防食塗膜とを有する防水、防食塗装物。 【0009】本発明で防水、防食塗装を行う基材としては、コンクリート、鋼材その他の金属、木材、プラスチックなど、任意の材質からなる成形物、構造物などがあげられる。 【0010】本発明で用いる素地調整材はブタジエン系ゴムを含有する塗料で、低温例えば常温でイソシアネートとして混合しても、発熱により高温になることなく、弾性を有する素地調整材塗膜を形成することが可能なゴムを含有する塗料である。ブタジエン系ゴムとしてはブタジエンの単独重合体のほか、ブタジエンと他のモノマー、例えばスチレン、イソブチレンやその他のビニル系モノマーとの共重合体が使用できる。市販の塗料コートなどが好ましく使用される。 【0011】イソシアネートと混合しても発熱が少なく、このため塗膜の内側に気泡が閉じ込められても、膨張によるピンホールの発生を生じないものである。 【0012】イソシアネートとしては発熱を生じることなく短時間に架橋反応を行って、強靱なゴム塗膜を形成するものが使用でき、例えばジイソシアネート、トリイソシアネート等のポリイソシアネートが好ましい。このようなポリイソシアネートとしてはジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、クロロフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが好ましい。ならびにイソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなどの炭素環式ポリイソシアネートが好ましい。 【0013】上記の素地調整材は上記のゴム成分、イソシアネートのほか、天然ゴム粉末、ケイ砂粉末、カーボン単繊維その他の充填材、溶剤、オイル等が含まれていてもよい。これらは2液型としてもよく、また1液型としてもよい。 【0014】本発明で防水、防食塗膜を形成するために用いるポリウレア塗料は、ポリオール、炭素環式ポリイソシアネートおよび/またはこれらから得られるプレポリマー、ポリエーテルアミンならびに鎖延長剤を含む塗料である。このようなポリウレア塗料としては、例えば特開平2−187417号に開示されているものが使用できる。 【0015】ポリエーテルポリアミンはポリオキシアルキレンエーテルの末端がアミノ基で置換された化合物である。このようなポリエーテルポリアミンとしては、分子量が1500以上でその活性水素の50%以上がアミン形水素であるアミノ末端ポリエーテルが好ましい。 【0016】このようなアミノ末端ポリエーテルとしては、平均分子量が1500以上で、官能性が2〜6好ましくは2〜3であり、アミン当量重量が750〜4000である第1および第2アミノ末端ポリエーテルポリオールを含むアミノ末端ポリエーテルが有効であり、これらのアミノ末端ポリエーテルの混合物も用いることができる。 【0017】ポリオールとしてはポリプロピレングリコールの使用が好ましい。 【0018】炭素環式ポリイソシアネートとしては前記素地調整材の架橋剤としてあげた芳香族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートと同じものが使用できる。 【0019】鎖延長剤としては低分子ポリアミンが好ましく、特に炭素環式ポリアミンが好ましい。このような炭素環式ポリアミンとしては、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,5,3′,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニル−メタン等の芳香族ポリアミン、およびイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミンがあげられる。 【0020】ポリエーテルポリアミン、炭素環式ポリイソシアネート、ポリオールおよび鎖延長剤はそれぞれ1種単独で、または2種以上組合せて使用することができる。また予めこれらの一部を反応させたプレポリマーとして使用することができる。 【0021】本発明に用いるポリウレア塗料は上記各成分のほかに、ガラス、セルロース、カーボン繊維等の充填材、溶剤等の他の成分を含むことができる。触媒は使用してもよいが、使用しなくてもよい。本発明のポリウレア塗料はこれらの各成分を混合して得られる。この場合1液型とすることもできるが2液型とし、塗装に際して混合して塗布するのが好ましい。 【0022】本発明の防水、防食塗装方法は、基材にブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材を塗布してその架橋塗膜を形成した後、その上にポリウレア樹脂塗料を塗布して硬化させ防水、防食塗膜を形成する。これに先立って基材表面はケレン、ハツリ等により表面を活性化し、またコンクリート等の劣化がある場合は下地修復を行うなどの前処理をしておくのが好ましい。 【0023】このように前処理した基材の表面に素地調整材を塗布して、低温で架橋させると、気泡の膨張によるピンホールの生成を防止して、強靱なゴム塗膜を形成することができる。この場合架橋剤としてポリイソシアネートを使用すると、短時間で架橋が起こり、ピンホールの生成が少なくなるとともに、その上に形成する防水、防食塗膜との親和性の高い塗膜が形成される。そして炭素環式ポリイソシアネートを用いることにより、その傾向がさらに大きくなるとともに、塗膜強度も大きくなる。 【0024】素地調整材は直接基材表面に塗布しても優れた接着性を有し、中継材(プライマー)は必要でないが、さらに接着性を上げるために、水湿し、プライマーの塗布などを行うことは可能である。また素地調整材は厚塗りが可能であり、1回の塗布により表面の凹凸を解消して表面を平滑化することができる。 【0025】こうして形成された素地調整材の塗膜上に、ポリウレア塗料を塗布して防水、防食塗膜を形成するが、このときもプライマーの塗布は不要であり、直接素地調整材の塗膜上にポリウレア塗料を塗布して防水、防食塗膜を形成する。このとき前記各成分を2液型として準備し、これを混合して塗布するのが好ましい。 【0026】素地調整材およびポリウレア塗料の塗布はスプレー法が好ましいが、はけ塗り、ロールコータ、バーコータなど、他の公知の塗布方法による塗布を行うことが可能である。 【0027】上記の反応は瞬間的に起こり、約30秒で実用強度の塗膜が得られる。このとき反応熱により素地調整材塗膜も加熱されるが、素地調整材塗膜は強靱で弾性に富むため、内側に閉じ込められた気泡が素地調整材塗膜を破ることはなく、ピンホールの生成は防止される。 【0028】こうして得られる防水、防食塗膜は素地調整材塗膜との密着性が高く、200kg/cm2以上の引張強度と、200%以上の伸びを示し、バランスの取れた引張特性を有するとともに、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐塩素性、耐オゾン性等の耐薬品性および耐候性に優れている。また硬化時間が短いので、天井や壁面の塗装も容易であり、温度、湿度の影響を気にせずに硬化させることができる。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、ブタジエン系ゴムを含有する塗料からなる素地調整材塗膜を形成したのち、ポリウレア塗料により防水、防食塗膜を形成するようにしたので、打継材およびプライマーが不要で、基材と防水、防食塗膜間に直接介在する素地調整材の塗膜を短時間に形成することができ、しかも素地調整材塗膜にピンホールを形成しないほか、その上に防水、防食塗膜を形成してもピンホールを形成しない防水、防食塗装方法が得られる。 【0030】また本発明の塗装物によれば、上記塗装方法により強度、耐水性、耐薬品性、耐候性、密着性に優れたピンホールのない防水、防食塗膜が基材上に形成された塗装物が得られる。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施形態による塗装物を示す断面図であり、図2と同一符号は同一または相当部分を示す。この実施形態による塗装物1は基材1の表面に、従来の打継材3を形成することなく、直接素地調整材層4が形成され、その上に防水、防食塗膜6が形成されている。 【0032】この塗装方法は、コンクリート等の基材2の表面を、高圧水洗浄、サンディング等によりケレン、ハツリを行い、表面が劣化している場合はポリマーセメント、モルタル等により下地修復を行う。その後基材2の表面に素地調整材を塗布して、素地調整材塗膜4を形成する。このとき素地調整材は比較的小さい凹部7aにも、比較的大きい凹部7bにも侵入して充填される。この状態で強靱な弾性を有する塗膜4が形成される。このとき、発熱が少ないため塗膜4が高温になることはなく、このため気体の膨張による塗膜の破れはなく、ピンホールのない平滑な表面が形成される。 【0033】その後素地調整材塗膜4の上にポリウレア塗料を塗装して防水、防食塗膜6を形成する。この場合発熱反応であるため塗膜は高温になるが、素地調整材層4が強靱で弾性を有するため内部の気泡の膨張により塗膜4、6が破れることはなく、ピンホールのない防水、防食塗膜が形成される。 【0034】 【実施例】以下、本発明の実施例および比較例について説明する。各例中、部は重量部である。 実施例1コンクリート製溝型ブロック成形品の表面を、サンディングにより汚れ、油分、レイタンスを除去した。その後ブタジエン系ゴムを含有する塗料にジフェニルメタンジイソシアネートを添加混合した素地調整材を架橋塗膜が0.3mmの厚さとなるように塗布し、25℃で半日養生した。塗布時のボイド(凹部7a,7b)への充填は押えコテで可能で、コテ離れは良好であった。硬化度、肉眼観察したところ、ピンホールは全く認められなかった。 【0035】上記により得られた素地調整材塗膜の上にポリウレア樹脂塗料を塗布した。ポリウレア塗料は100部からなるアミン成分と、115部からなるイソシアネートとポリオールとからなるプレポリマ−の2液型の塗料を用い、これを2液混合型スプレーにより、硬化膜厚が1mmになるように塗布した。このとき約5秒間でポリウレア塗料の硬化塗膜が得られ、約30秒間で実用強度が得られた。肉眼観察したところ、ピンホールは全く認められなかった。4日後の塗膜の強度をJIS A6910に準じて測定したところ、接着強度は16.7kgf/cm2であり、破壊はコンクリートの基材部分で生じており、塗膜の密着強度が高いことがわかる。 【0036】比較例1実施例1において、素地調整材としてエポキシ樹脂を含むセメントモルタルを用いたところ、直接塗布することはできず、プライマーが必要であった。プライマー塗布後、エポキシ樹脂含有セメントモルタルを硬化膜厚が1mmとなるように塗布したところ、塗布時のボイド充填は押えコテで可能であり、コテ離れは良好であったが、塗膜には風船状の気泡が認められた。この塗膜を25℃で1日半養生して硬化塗膜を形成したところ、5個のピンホールが認められた。 【0037】この素地調整材塗膜に直接ポリウレア塗料を塗布できなかったため、エポキシ樹脂プライマーを塗布して3時間養生し、その後実施例1と同様にポリウレア塗料を塗布して硬化塗膜を形成した。硬化塗膜肉眼観察したところ、20個のピンホールが認められた。接着強度は15.3kgf/cm2であり、破壊は素地調整材層で生じており素地調整材の強度が低いことがわかる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175021 【氏名又は名称】三井石化産資株式会社 【識別番号】597087789 【氏名又は名称】株式会社ナスコ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】柳原 成
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| 【公開番号】 |
特開平11−10066 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−164790 |
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