| 【発明の名称】 |
洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水野 進二
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| 【要約】 |
【課題】洗浄液の膜濾過によるリサイクル使用を効率的にする方法及び装置を提供することである。
【解決手段】洗浄槽(5)の洗浄液を膜濾過して得た濾液を、その洗浄液としてリサイクルする方法及び装置において、(I)規定時間中は、洗浄液を洗浄液貯槽(1)に上限レベルに満たしながら、洗浄液を膜濾過装置(3)により濾過し、これによって得られた濾液を洗浄槽(5)に送り、洗浄槽(5)から洗浄液を再び前記貯槽(1)へ環流するリサイクル運転を行い、(II)規定時間の経過後に、洗浄槽(5)から洗浄液貯槽(1)への洗浄液の環流を止めて、洗浄液貯槽(1)内の洗浄液を下限レベルまで膜濾過により濃縮し、この濃縮液を洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から払い出すよう構成したことを特徴とする洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法及び装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄槽(5)の洗浄液を膜濾過して得た濾液を、その洗浄液としてリサイクルする方法において、(I)規定時間中は、洗浄液を洗浄液貯槽(1)に上限レベルに満たしながら、洗浄液を膜濾過装置(3)により濾過し、これによって得られた濾液を洗浄槽(5)に送り、洗浄槽(5)から洗浄液を再び前記貯槽(1)へ環流するリサイクル運転を行い、(II)規定時間の経過後に、洗浄槽(5)から洗浄液貯槽(1)への洗浄液の環流を止めて、洗浄液貯槽(1)内の洗浄液を下限レベルまで膜濾過により濃縮し、この濃縮液を洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から払い出すことを特徴とする洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法。 【請求項2】 洗浄液貯槽(1)の上限レベルの容積が、規定時間内の膜濾過の濾液量の総量の1/30〜1/3であり、洗浄液貯槽(1)の下限レベルの容積が、前記上限レベルの容積の1/50〜1/3であることを特徴とする請求項1記載の洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法。 【請求項3】 洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から濃縮液を抜き出した後、濾液槽(8)の濾液を逆洗又は濾液注入により、膜濾過装置(3)へ供給し、膜濾過装置(3)を濾液置換することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法。 【請求項4】 洗浄液が、電着塗装における被塗物の洗浄液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法。 【請求項5】 洗浄液が、スプレー塗装のオーバースプレー塗料を捕集するための捕集用洗浄液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法。 【請求項6】 洗浄槽(5)と、洗浄液貯槽(1)と、洗浄槽(5)から洗浄液貯槽(1)へ洗浄液を送液するための洗浄液供給装置と、膜濾過装置(3)と、洗浄液貯槽(1)から膜濾過装置(3)へ洗浄液を送液するための洗浄液送液装置と、濾液を濾液槽(8)及び洗浄槽(5)へ送液するための濾液送液装置と、膜濾過装置(3)から濃縮液を洗浄液貯槽(1)へ送液するための濃縮液送液装置と、濃縮液を洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から払い出す濃縮液排出装置(10)と、洗浄液貯槽(1)に設けられ、その上限レベルを検知する上限液面計(2)及びその下限レベルを検知する下限液面計(9)と、洗浄槽(5)からの洗浄液供給装置に設けられた流量調節装置(12)とで構成され、規定時間内の洗浄液の膜濾過によるリサイクル運転時は、前記上限液面計(2)で検知した上限レベルを、前記流量調節装置(12)の作動で保ちつつ運転し、規定時間経過後、前記流量調節装置(12)の作動で洗浄液貯槽(1)への洗浄液の供給を停止し、その後、前記下限液面計(9)で下限レベルを検知するまで膜濾過し、下限レベルを検知したら膜濾過を停止し、濃縮液排出装置(10)により、洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)に残留する濃縮液を払いだすよう構成したことを特徴とする洗浄液の膜濾過リサイクル装置。 【請求項7】 洗浄液貯槽(1)の上限レベルの容積が、規定時間内の膜濾過の濾液量の総量の1/30〜1/3であり、洗浄液貯槽(1)の下限レベルの容積が、前記上限レベルの容積の1/50〜1/3であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗浄液の膜濾過リサイクル装置。 【請求項8】 膜濾過装置(3)及び洗浄液貯槽(1)を逆洗又は濾液注入するための濾液槽(8)を具備した濾液置換装置(11)を有することを特徴とする請求項8記載の洗浄液の膜濾過リサイクル装置。 【請求項9】 洗浄液の膜濾過リサイクル装置が、電着塗装における被塗物を洗浄するためのものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の洗浄液の膜濾過リサイクル装置。 【請求項10】 洗浄液の膜濾過リサイクル装置が、スプレー塗装のオーバースプレー塗料を捕集するためのものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の洗浄液の膜濾過リサイクル装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】自動車、家電製品等で代表される工業製品の電着塗装工程やその仕上げ工程での洗浄液、オーバースプレーの捕集洗浄液、研磨工程で使用される洗浄液等を膜濾過により効率良くリサイクルするための方法及び装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車や家電製品等の電着塗装工程やその仕上げ工程等で洗浄液を用いて洗浄する場合や、スプレー塗装のオーバースプレーを洗浄液で捕集したり、研磨工程で洗浄液で発生する微粉末を捕集して研磨面を洗浄する場合に、この洗浄液を膜濾過により精製し、リサイクルすることは一部で実施されているが、膜濾過を効率よく行うための方法や装置が確立されていないため、次のような問題点があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】膜濾過を行い洗浄液のリサイクルを行っている間に、洗浄液に含まれる固形粒子やエマルジョン粒子(以下、「固形粒子等」と略称する)の濃度が高くなりすぎて、膜濾過の濾液量が低下して、被洗浄物の洗浄性が不十分となったり、膜濾過の濃縮液の量が多くなりすぎてその回収や廃液処理が困難となる場合があった。また、洗浄液貯槽の大きさに基準がないために、過大の容積の貯槽を作り、設備費やスペースを無駄にする場合があったり、過小の容積の貯槽で固形粒子等の濃度が高くなり、濾液量が低下する場合があった。 【0004】そして、膜濾過−濃縮−濃縮液の払い出し(リサイクル系外への排出)のシステムフローや運転プログラムが確立されていないため、膜濾過−リサイクル洗浄運転のみを長時間行い、洗浄液中に含まれる固形粒子の濃度が高くなり過ぎ、濾液量が著しく低下してから濃縮液の払い出しを行い、この間に濾過膜の膜面にケーク層やゲル層等の汚染が起こることにより、濾過能力を低下せしめ、濾過能力が回復不能となる場合もあった。さらに、膜濾過の原液(膜濾過装置に供給される洗浄液)を常時少しずつ払い出しながら、濾液を洗浄液としてリサイクル使用し、払い出された膜濾過原液を別の膜濾過でさらに濃縮する方法も提案されているが、膜濾過設備が二重に要るので、設備費、設置スペースの点で無駄があり、しかもこの2段目の濾過は高濃度で長時間行うため、回復不能な膜汚染を起こすことがあった。 【0005】 【本発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来の問題点(課題)を解決するためになされたものであって、その目的は、洗浄液の膜濾過によるリサイクル使用を効率的にする、即ち洗浄作業中は、濾液量を高く維持して洗浄性を良好に保ち、洗浄作業終了後は、濃縮液の容量を小さく、濃度を高くして払い出し、回収利用や廃液処理を容易に行う方法及び装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明では、下記(A)〜(B)の構成を採用するものである。 (A)洗浄槽(5)の洗浄液を膜濾過して得た濾液を、その洗浄液としてリサイクルする方法において、(I)規定時間中は、洗浄液を洗浄液貯槽(1)に上限レベルに満たしながら、洗浄液を膜濾過装置(3)により濾過し、これによって得られた濾液を洗浄槽(5)に送り、洗浄槽(5)から洗浄液を再び前記貯槽(1)へ環流するリサイクル運転を行い、(II)規定時間の経過後に、洗浄槽(5)から洗浄液貯槽(1)への洗浄液の環流を止めて、洗浄液貯槽(1)内の洗浄液を下限レベルまで膜濾過により濃縮し、この濃縮液を洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から払い出すことを特徴とする洗浄液の膜濾過によるリサイクル方法。 【0007】(B)洗浄槽(5)と、洗浄液貯槽(1)と、洗浄槽(5)から洗浄液貯槽(1)へ洗浄液を送液するための洗浄液供給装置と、膜濾過装置(3)と、洗浄液貯槽(1)から膜濾過装置(3)へ洗浄液を送液するための洗浄液送液装置と、濾液を濾液槽(8)及び洗浄槽(5)へ送液するための濾液送液装置と、膜濾過装置(3)から濃縮液を洗浄液貯槽(1)へ送液するための濃縮液送液排出装置と、濃縮液を洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から払い出す濃縮液装置(10)と、洗浄液貯槽(1)に設けられ、その上限レベルを検知する上限液面計(2)及びその下限レベルを検知する下限液面計(9)と、洗浄槽(5)からの洗浄液供給装置に設けられた流量調節装置(12)とで構成され、規定時間内の洗浄液の膜濾過によるリサイクル運転時は、前記上限液面計(2)で検知した上限レベルを、前記流量調節装置(12)の作動で保ちつつ運転し、規定時間経過後、前記流量調節装置(12)の作動で洗浄液貯槽(1)への洗浄液の供給を停止し、その後、前記下限液面計(9)で下限レベルを検知するまで膜濾過し、下限レベルを検知したら膜濾過を停止し、濃縮液排出装置(10)により、洗浄液貯槽(1)及び膜濾過装置(3)に残留する濃縮液を払いだすよう構成したことを特徴とする洗浄液の膜濾過リサイクル装置。 【0008】次に、本発明の方法及び装置について、その一例として図1を用いて詳しく説明する。被洗浄物6が搬入搬出される洗浄槽5内の洗浄液を、洗浄液貯槽1(以下、単に「貯槽1」という。)へ供給し、上限レベルを検知する上限液面計2の検知信号に基づいて流量調節装置(例えば、制御バルブ)12を制御し、常に上限レベルを保持する様にする。そして、この貯槽1から洗浄液を膜濾過装置3に供給し膜濾過した後、この濾液を洗浄槽5へ送液して濾液を主成分とする液(濾液の他、要すれば被洗浄物6による洗浄液の持ち出し分や蒸発分を補うために、そして洗浄槽5内の洗浄液のイオン濃度の上昇を抑えるため、濾液の一部がリサイクル系外に捨てられるがそれを補うために、脱イオン水が供給される)で被洗浄物6を洗浄し、洗浄液を再び貯槽1へ環流するという洗浄液のリサイクル系を構成する。 【0009】そこで、洗浄液を膜濾過し濾液をリサイクル使用しながら、規定時間のリサイクル洗浄作業を行った後、洗浄液の貯槽1への供給を、その経路に設けられた例えば、タイマー等で制御される流量調節装置(例えば、制御バルブ)12を閉じて停止し、洗浄作業を終了する。その後、貯槽1内の洗浄液をその下限レベルの規定量となるまで膜濾過装置3により濃縮し、濃縮完了後、濃縮液を貯槽(1)及び膜濾過装置(3)から濃縮液排出装置(例えば、制御バルブを備えた排出管)10を介して排出する。この排出は、下限レベルを検知する下限液面計9の発する信号により膜濾過運転を停止し、濃縮液排出装置10を開放することにより行うことができる。その後必要に応じて、貯槽1及び膜濾過装置3を濾液槽(8)を具備した洗浄装置(11)から濾液を供給してこれらを濾液置換する。以上の操作を繰り返す【0010】このリサイクル系においては、洗浄作業を効率的に行うためには、貯槽1の大きさの選定が重要な要因となる。膜濾過装置3の効率からいえば、それに供給される洗浄液の濃度がなるべく低くなるよう、貯槽1は大きいほうが望ましいが、経済性から言うとより小さいほうが望ましい。そこで、貯槽1の大きさについていろいろ検討した結果、その大きさは規定時間内に、洗浄槽(5)内の洗浄液の濃度がほぼ一定に保たれるのに必要な(洗浄液の濾液循環供給量+脱イオン水供給量)の総量(この総量は結果として、膜濾過の濾液量の総量となる。)の1/30〜1/3であるのが最適であることを見出した。 【0011】ここでいう規定時間とは、8時間、16時間、24時間等(例えば、毎日の洗浄作業時間)のように、実質的に継続して一連(1サイクル)の洗浄作業が行われる時間を基準にして決定した、洗浄液の膜濾過によるリサイクル洗浄時間のことであり、その後洗浄槽5から貯槽1への洗浄液の環流が止められ、貯槽1内の洗浄液の濃縮作業が開始されるまでの時間をいう。この規定時間は、日勤の場合は8時間、2交代の場合は16時間、3交代の場合は24時間等の様に作業計画に従って決められるものである。 【0012】また、前記「1/30〜1/3」の範囲のいずれの値にするかは、膜濾過装置3に供給される洗浄液の濃度によって左右され、その基準は0.3%程度であり、その場合には1/10倍程度の値が用いられる。0.3%程度より薄い場合はより小さな値が、そしてより濃い場合はより大きい値が用いられる。前記「1/30〜1/3」の範囲の値を用いることにより、前記規定時間の経過時には、膜濾過装置3に供給される洗浄液の濃度は徐々に上昇し、3%程度になる。貯槽1内の洗浄液を濃縮する際の基準となる貯槽1の下限レベルは、その下限レベル容積がその上限レベルの容積の1/3〜1/50となる範囲の値が好適であるが、固形物等の濃度が1%〜80%程度となるように、濃縮倍率を考慮して設定する。 【0013】ここで膜濾過に用いる濾過膜とは、孔径が0.0003〜10μm、好ましくは0.001〜0.1μmで、材質がポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリオレフィン及びその変性物等からなるマイクロフィルター、及びウルトラフィルター(限外濾過膜)あるいはRO(逆浸透膜)等のことであり、例えば旭化成工業株式会社製のマイクローザ(登録商標)を用いることができるが、洗浄液に含有される固形粒子等の粒子径や塩濃度等に合わせて適宜膜種や孔径を選択することができる。膜濾過操作の運転条件は、濾過膜のメーカーの示す条件で差し支えない。 【0014】以上のように、洗浄液を膜濾過装置3で精製しながら、濾液をリサイクル使用して洗浄し、一連の洗浄作業行われる時間が終了した時点で貯槽1の液をさらに濃縮してリサイクル系外に払い出すことで、効率的に洗浄、濃縮液の回収、廃液処理等を行うことが可能となる。本発明の方法及び装置は、次の実施例1に示されるように電着塗装における被塗物の洗浄に用いられる。その際には洗浄槽6内の洗浄液中のイオン濃度の上昇を防止するため、排水管4より濾液の一部が排出され、それに見合う量の脱イオン水が注入管7より洗浄槽6に供給される。 【0015】また、本発明の方法及び装置は、次の実施例2〜3に示される様に、スプレー塗装のオーバースプレー塗料を捕集するためや研磨工程で被研磨物を冷却し、潤滑化し、研磨で発生する微粉末の捕集をし、被研磨面を洗浄するため使用される場合にも優れた効果が奏される。この他、本発明の方法及び装置は、洗浄液の膜濾過−精製−リサイクルのシステムを採用するいかなる洗浄技術分野に適用されても、実施例1〜3と同様の優れた効果が発揮されるものである。 【0016】 【実施例】(実施例1)家電製品の電着塗装の最終脱イオン水洗浄工程に、図1に示す本発明の洗浄リサイクルシステムを設置し、洗浄した結果を以下に説明する。先ず、洗浄作業開始時点で、貯槽1に洗浄液を上限レベル(上限液面径2)(480リットル)まで送液し、このレベルを維持しながら、膜濾過装置3(旭化成工業株式会社製マイクローザXKCV−3010(登録商標))で濾液量10リットル/分の濾過を行った。この濾液の内、8リットル/分を洗浄槽5に送り、洗浄槽5内のイオン濃度上昇を抑制するため2リットル/分を排出管4より排出した。洗浄槽5では、これに供給管7より脱イオン水2リットル/分を加えながら、電着塗装の被塗物6の洗浄を行い、洗浄液10リットル/分を貯槽1へ戻した。この濾液をリサイクル使用しながら、洗浄作業を塗装作業時間に合わせて、8時〜17時(操業8時間+休憩1時間)まで行った。この間の洗浄液の塗料分濃度は約0.12%に維持され、その操業8時間の濾液循環供給量と脱イオン水供給量との総量は、4800リットルであった。 【0017】次いで、17時の洗浄作業経過時点で、この作業終了に基づく制御信号(例えば、タイマー信号)により制御バルブ12を閉め、貯槽1(この時の貯槽1内の洗浄液の塗料分濃度は約1%)への洗浄液の送液を停止し、膜濾過装置3で濃縮濾過を行い、この濾液は濾液槽8(100リットル)を満水にした後、残りは洗浄槽5へ送液した。膜濾過による濃縮操作を、貯槽1の下限レベル(下限液面計9)(96リットル)まで行い、塗料分を5%含む濃縮液を作り、この濃縮液を下限液面計9の検知信号により濃縮液排出管10のバルブを開いて、電着塗料槽(ED槽)へ送液した。 【0018】膜濾過装置3の濾過膜を、濾液槽8の濾液で逆洗し、膜濾過系を濾液置換して濾過膜系の洗浄作業を停止した。この濾過膜系の洗浄は、濾液槽8の濾液を膜濾過装置3の濾液側に導入(即ち、逆洗)して行っても、又原液(洗浄液)側(─11´の経路)に導入(この場合を、逆洗に対して濾液注入という。)して行っても良いが、前者のほうが好ましい。以上、この操作を毎日繰り返して、1年間経過をみたが、濾液量は安定して供給され、洗浄性も良好で、回収した濃縮液も塗料として問題なく使用できた。次の表1は、実施例1及び洗浄液をリサイクルしない以外は実施例1と同様に行った比較例における各種データの一覧表であり、これによれば本発明の洗浄リサイクルシステムが優れた洗浄効果を発揮すると共に、極めて経済性に優れていることが判る。 【0019】 【表1】
【0020】(実施例2)水性塗料を家電製品にスプレー塗装する工程に、図2に示す本発明の洗浄リサイクルシステムを設置し、洗浄した結果を以下に説明する。被塗装物(イ)にスプレー塗装機(ロ)で水性塗料を塗装する際に、塗装されないで浮遊している塗料の飛沫(ハ)(オーバースプレー)を、洗浄液をブース壁面(ニ)を流下させて捕集し、この液(固形分等の濃度は0.30%)を洗浄液の貯槽1に送り、貯槽1の上限レベル(上限液面計2)(500リットル)を維持する様にして、限外濾過膜3(旭化成工業株式会社製マイクローザACV−3010(登録商標))を用いて膜濾過を行い、6リットル/分の濾液を得て、これを洗浄液として塗装作業中(8時〜24時(操業時間14時間+休憩時間2時間−2交代制))リサイクルして使用した。 この操業時間14時間の濾液の循環供給総量は5040リットルであった。実施例1と同様に、塗装作業の経過時(24時)に制御バルブ12を閉止し、貯槽1への送液を停止した。この時の貯槽1の上限レベルの洗浄液の固形分等の濃度は3.8%であった。この洗浄液を下限レベル(下限液面計9)まで1/16の容積に濃縮し、固形分等の濃度60%の濃縮液32リットルを得、これを排出管10より排出して塗料槽へ回収した。 【0021】24時からの濃縮工程で得られた濾液の内、その468リットルは一旦濾液槽8へ送り、濃縮液のリサイクル系外への払い出し終了後、この濾液槽8から濾液を膜濾過装置3及び貯槽1に戻し逆洗して、これらの洗浄操作を行った。本発明の洗浄リサイクルシステムを採用することにより、塗装作業時に洗浄液の量を多くして、洗浄液中の塗料濃度(0.30%)を低く保つことが出来たので、ブース壁への塗料の固着量を減少させることが出来た。この操作を6ヶ月間繰り返したが、問題なく当初の値を継続することができた。次の表2は、実施例2及び洗浄液をリサイクルしない以外は実施例2と同様に行った比較例における各種データの一覧表であり、これによれば本発明の洗浄リサイクルシステムが極めて経済性に優れていることが判る。なお、この実施例では水性塗料を塗装する場合を取り上げたが、濾過膜を含むその他の装置が溶剤系塗料に耐え得るものを用いれば、本発明は溶剤系塗料を塗装する場合にも適用できることは勿論のことである。 【0022】 【表2】
【0023】(実施例3)ステンレス製品(a)の表面を回転ブラシ(b)により研磨する工程で、5リットル/分で界面活性剤を含む水を研磨洗浄剤(c)として使用している装置に、図3に示す本発明の洗浄リサイクルシステムを設置した結果を以下に説明する。貯槽1の上限レベル(上限液面計2)を270リットルに設定し、濾過膜3としてマイクロフィルター(旭化成工業株式会社製マイクローザPMP303(登録商標))を使用して、5リットル/分の濾過を行い、濾液はこれに界面活性剤を添加し、研磨洗浄剤として洗浄槽(d)(洗浄槽(d)内研磨洗浄剤の固形分等濃度は、約0.06%)へ送液した。研磨作業は、8時〜17時(操業8時間+休憩1時間)(1サイクル)まで行った。この研磨洗浄作業が行われている時間中は、貯槽1の上限レベル(上限液面計2)を維持しながら、リサイクル運転を行った。この間(操業8時間)の濾液の循環供給総量は2400リットルであった。17時の研磨作業経過時に、制御バルブ12を閉止して貯槽1(この時の貯槽1内研磨洗浄剤の固形分等濃度は、約0.6%)への送液を止め、下限レベル(下限液面計9)(27リットル)まで濃縮濾過を行い、濾液(243リットル)は濾液槽8へ送り、濃縮液(固形分等濃度は、約6%)は排出管10より払い出し、廃液処理した。この後、濾液槽8からの濾液を用いて逆洗を行い、装置を洗浄し停止した。 【0024】以上の操作により、廃液処理量を1/100に圧縮することが可能であり、研磨助剤の使用量を1/27とすることができた。この操作を6ヶ月間繰り返したが、問題なく当初の値を継続することが出来た。次の表3は、実施例3及び洗浄液をリサイクルしない以外は実施例3と同様に行った比較例における各種データの一覧表であり、これによれば本発明の洗浄リサイクルシステムが極めて経済性に優れていることが判る。 【0025】 【表3】
【0026】 【発明の効果】洗浄液の膜濾過−精製−リサイクルにおいて、本発明の洗浄リサイクルシステムを用いることにより、膜濾過の濾液量が高く安定し、洗浄性が良好となった。洗浄作業終了後に洗浄液を濃縮濾過することにより、濃縮液の濃度を高く、その量を少なくすることが出来るので、回収や廃液処理が容易となった。洗浄液の使用量も減少させることができた。本発明の洗浄リサイクルシステムは、前記上下液面計の他プログラマルコントロラー(シーケンサー)や自動弁等を用いて、自動運転することも容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】清水 猛 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−342361 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−164459 |
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