トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般




【発明の名称】 塗工装置
【発明者】 【氏名】濱口 幸洋

【氏名】佐々 忠

【要約】 【課題】塗工液カーテンの安定形成を維持しつつ、少量塗工を可能とする。

【解決手段】上下方向のパスラインを挟むように配置した一対の塗布ロール2に、上方の給液ヘッド4から塗工液6を吐出してカーテン状に流下させる塗工装置において、給液ヘッド4への塗工液供給管7の途中に、塗工液6中に微小気泡9を混入させる気泡発生装置10を介在させる。給液ヘッド4が塗工液6を吐出させる際、塗工液カーテンが乱れない程度まで見掛けの吐出流量を絞って塗工する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下方向のパスラインを左右から挟むように一対の塗布ロールを配置し、該両塗布ロールの上方部に設置した給液ヘッドに塗工液供給源から塗工液供給管を介して塗工液を供給するようにし、該各給液ヘッドからそれぞれ塗布ロールの表面へ塗工液をカーテン状に流下させ、上記パスラインを通る原紙の両面に上記両塗布ロール上の塗工液を塗布するようにしてある塗工装置において、上記給液ヘッドへの塗工液供給管の途中に、塗工液中に微小気泡を混入させるようにした気泡発生装置を介在設置し、気泡が混入した塗工液を上記給液ヘッドへ供給するようにした構成を有することを特徴とする塗工装置。
【請求項2】 水平方向のパスラインに沿って移動する原紙の上方位置に設置した給液ヘッドに塗工液供給源から塗工液供給管を介して塗工液が供給されるようにし、該給液ヘッドからカーテン状に流下させられる塗工液を、上記原紙の表面に塗布するようにしてある塗工装置において、上記給液ヘッドへの塗工液供給管の途中に、塗工液中に微小気泡を混入させるようにした気泡発生装置を介在設置して、気泡が混入した塗工液を上記給液ヘッドへ供給するようにし、且つ上記パスラインの塗工液流下位置よりも下流側位置に、パスラインを上下から挟むように一対のスムージングロールを配置した構成を有することを特徴とする塗工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製紙工場において製造された原紙に塗工液を塗布して塗被加工を施すための塗工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙工場で製造された紙はそのままの形で直ちに使用されることは少なく、それを原紙として更に加工を施すことにより所要の目的に適合する製品としての加工紙とする場合が多い。加工紙には種々のものがあるが、その一つに、塗被加工紙がある。塗被加工紙は、紙の表面の性質を改善する目的で紙の表面に塗工液を塗布させて製造するもので、その装置として塗工装置がある。
【0003】塗工装置の一つとして、カーテンコータ形式の塗工装置があるが、このカーテンコータ形式の塗工装置には、塗工液をカーテン状にロール上に流下させて該ロールを介して原紙表面に塗布させるものとか、塗工液をカーテン状に原紙表面に流下させて塗布させるものとかがあるが、図3はその一例として前者のものについて示すもので、原紙1を走行させる上下方向のパスラインを左右から挟むように水平且つ平行に配置された一対の塗布ロール2の各上方位置に、塗工液吐出口となるスリットノズル3を下部に備えた給液ヘッド4を、上記塗布ロール2の表面に非接触となる状態で平行に設置し、塗工液供給源5から塗工液供給管7を通して送給される塗工液6を、分岐管7a,7bを通してそれぞれ給液ヘッド4に導き、給液ヘッド4のスリットノズル3を通して薄膜カーテン状に一様に流下させて、塗布ロール2上に移し、更に該塗布ロール2間を通過する原紙1の表裏両面に塗布ロール2表面の塗工液6を塗布するようにしてあり、この際、塗工液供給管7のバルブ8の開閉により塗工液6の供給、停止を行うことができるようにすると共に、分岐管7a,7bのバルブ8a,8bの開閉により2つの給液ヘッド4からの塗工液6の吐出流量を調整してバランスさせるようにしてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記塗工装置の場合、塗工液6によるカーテンの形成が、塗工液6の液性(粘性)、流量、スリットノズル3の幅に依存しているので、安定したカーテンを形成させるようにすると、塗工液6の流量、濃度に制約を受けることになり、そのため、従来では、少量塗工で済むような製品への適用が困難であり、取り扱える製品の種類が限定される問題がある。
【0005】すなわち、少量塗工を実施するためには、塗工液6の濃度を薄くするか、吐出流量を少なくする必要があるが、濃度を薄くすると、下流の乾燥工程での乾燥能力に支障を来すことになり、又、吐出流量を単に少なくすると、カーテン形成が不安定になる問題がある。
【0006】そこで、本発明は、塗工液カーテンの安定形成を維持しつつ少量塗工を行うことができるようにして、取り扱える製品の種類を増やすことができるようにしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、上下方向のパスラインを左右から挟むように一対の塗布ロールを配置し、該両塗布ロールの上方部に設置した給液ヘッドに塗工液供給源から塗工液供給管を介して塗工液を供給するようにし、該各給液ヘッドからそれぞれ塗布ロールの表面へ塗工液をカーテン状に流下させ、上記パスラインを通る原紙の両面に上記両塗布ロール上の塗工液を塗布するようにしてある塗工装置において、上記給液ヘッドへの塗工液供給管の途中に、塗工液中に微小気泡を混入させるようにした気泡発生装置を介在設置し、気泡が混入した塗工液を上記給液ヘッドへ供給するようにした構成とする。
【0008】気泡発生装置にて微小気泡を混入させた塗工液を給液ヘッドから吐出させると、見掛けの吐出流量を増やすことができるようになるため、塗工液カーテンの安定形成を維持しつつ実質的な吐出流量を減らすことができて、少量塗工を行うことができるようになる。又、塗工液中の微小気泡は原紙が塗布ロール間のニップを通過するときに除去される。
【0009】一方、水平方向のパスラインに沿って移動する原紙の上方位置に設置した給液ヘッドに塗工液供給源から塗工液供給管を介して塗工液が供給されるようにし、該給液ヘッドからカーテン状に流下させられる塗工液を、上記原紙の表面に塗布するようにしてある塗工装置において、上記給液ヘッドへの塗工液供給管の途中に、塗工液中に微小気泡を混入させるようにした気泡発生装置を介在設置して、気泡が混入した塗工液を上記給液ヘッドへ供給するようにし、且つ上記パスラインの塗工液流下位置よりも下流側位置に、パスラインを上下から挟むように一対のスムージングロールを配置した構成としても、少量塗工が可能となり、微小気泡は、原紙がスムージングロールの間を通過するときに除去される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図3に示したと同様な構成としてある塗工装置において、塗工液供給管7の途中に、塗工液6中に微小(微細)気泡9を混入させるようにする気泡発生装置10を介在設置し、該気泡発生装置10から給液ヘッド4に気泡が混入した塗工液6を供給するようにして、給液ヘッド4のスリットノズル3から吐出させる塗工液6の見掛けの吐出流量が増加させられるようにする。
【0012】上記気泡発生装置10は、図1に一例を示す如く、上部から流入させた塗工液6を一定レベル貯留して底部から流出させるようにしたタンク11と、該タンク11外に設置したモータ12の駆動によりタンク11内で回転させられるようにした羽根13とを有してなり、該羽根13を、表裏両面にフィン14を適宜な配置で取り付けた構造として半没液状態となるように配置した構成としてある。
【0013】図中15は塗布ロール2の表面に接触配置したドクターブレードを示す。
【0014】原紙1に少量塗工を行う場合には、塗工液供給管7の途中に介在させてある気泡発生装置10により塗工液6中に微小気泡9を混入させるようにする。この場合、モータ12の駆動で羽根13を回転させると、該羽根13が半没液状態に配置されているいため、タンク11内において塗工液6中に空気が巻き込まれることにより、微小気泡9が発生させられる。なお、この際、羽根13の表裏面にはフィン14が取り付けてあるため、塗工液6中に空気を巻き込み易く、塗工液6中に効率よく微小気泡9を混入させることができる。
【0015】微小気泡9が混入した塗工液6を、塗工液供給管7及びその分岐管7a,7bを通して左右の給液ヘッド4に供給し、それぞれ塗布ロール2へ向けスリットノズル3から吐出させて流下させると、微小気泡9が混入している分だけ見掛けの吐出流量を増やすことができる。したがって、見掛けの吐出流量を、塗工液6のカーテンが乱れない程度まで絞ることにより、実質的に吐出流量を減らすことができて、少量塗工を行うことができる。すなわち、塗工液6の実質的な吐出流量を減らしても、見掛けの吐出流量を一定に保つことができるので、塗工液6のカーテンの安定形成を維持しつつ、従来では困難であった少量塗工を行うことができる。
【0016】塗布ロール2から原紙1に塗布された塗工液6中には、上述したように微小気泡9が混入しているが、該微小気泡9は、原紙1が左右の塗布ロール2のニップを通過する際に押し潰されることによって除去される。したがって、原紙1の表面に微小気泡9の跡が表われることはなく、製品品質に支障を及ぼすことはない。
【0017】上記において、塗工液6中への微小気泡9の混入量は気泡発生装置10で調整することができるので、製品の種類に応じた流量での少量塗工が可能となる。そのため、取り扱い対象となる製品の種類を広げることができる。
【0018】次に、図2は他の型式の塗工装置への適用例を示すもので、水平方向のパスラインに沿って移動する原紙1の上方部位に給液ヘッド4を配置し、該給液ヘッド4のスリットノズル3から上記原紙1の表面へ向け塗工液6をカーテン状に流下させるようにしてある塗工装置において、塗工液供給源5から上記給液ヘッド4へ向かう塗工液供給管7の途中に、図1に示したと同様な構成としてある気泡発生装置10を介在設置し、且つ上記パスラインの塗液流下位置よりも下流側位置に、パスラインを上下から挟むように一対のスムージングロール16を配置したものである。
【0019】図2に示す塗工装置の場合には、原紙1の表面に塗布された塗工液6中の微小気泡9を、原紙1が上下のスムージングロール16間を通過するときに該上下のスムージングロール16によって除去することができる。
【0020】なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、たとえば、気泡発生装置10としては、図示し説明した以外の構造のものを採用してもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1) 上下方向のパスラインを左右から挟むように一対の塗布ロールを配置し、該両塗布ロールの上方部に設置した給液ヘッドに塗工液供給源から塗工液供給管を介して塗工液を供給するようにし、該各給液ヘッドからそれぞれ塗布ロールの表面へ塗工液をカーテン状に流下させ、上記パスラインを通る原紙の両面に上記両塗布ロール上の塗工液を塗布するようにしてある塗工装置において、上記給液ヘッドへの塗工液供給管の途中に、塗工液中に微小気泡を混入させるようにした気泡発生装置を介在設置し、気泡が混入した塗工液を上記給液ヘッドへ供給するようにした構成としてあるので、給液ヘッドから吐出させる塗工液に気泡発生装置にて微小気泡を混入させることができ、その結果、見掛けの吐出流量を増やすことができることにより、塗工液カーテンの安定形成を維持しつつ少量塗工を行うことができ、したがって、取り扱うことのできる製品の種類を増やすことができ、又、塗工液中の微小気泡は原紙への塗布時に塗布ロール間のニップを通過するときに除去できるので、製品品質に支障を来す虞はない。
(2) 水平方向のパスラインに沿って移動する原紙の上方位置に設置した給液ヘッドに塗工液供給源から塗工液供給管を介して塗工液が供給されるようにし、該給液ヘッドからカーテン状に流下させられる塗工液を、上記原紙の表面に塗布するようにしてある塗工装置において、上記給液ヘッドへの塗工液供給管の途中に、塗工液中に微小気泡を混入させるようにした気泡発生装置を介在設置して、気泡が混入した塗工液を上記給液ヘッドへ供給するようにし、且つ上記パスラインの塗工液流下位置よりも下流側位置に、パスラインを上下から挟むように一対のスムージングロールを配置した構成とすることにより、上記(1) 項記載の場合と同様に少量塗工が可能となり、又、塗工液中の微小気泡は下流のスムージングロールにて確実に除去することができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄
【公開番号】 特開平11−216406
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−32343