| 【発明の名称】 |
ペースト塗布機 |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 茂
【氏名】齊藤 正行
【氏名】三階 春夫
|
| 【要約】 |
【課題】待機状態においても、ノズルの先端でのペーストの垂れ量を制御し、除去できるようにする。
【解決手段】シリンジ13に設けられたノズルの先端を画像認識カメラ16cで撮影するようにし、基板の画像位置決め時のみ使用する画像処理装置17iを用いて、画像認識カメラ16cの撮影画像からノズルの先端でのペーストの垂れ量を求め、この測定結果から、シリンジ13内に負圧を作用させる真空度,印加時間を決定し、しかる後、シリンジ13内に負圧を作用させてノズルの先端から垂れている液を引き込み、ノズルの先端でのペースト垂れ量をフィードバック制御する。また、このペースト垂れ量が多い場合には、基板テーブルに設けられたダミー塗布部22にノズルの先端から垂れ出たペーストで描画し、これを取り除く。これにより、ノズル先端でのペーストの垂れ状態が保たれる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ノズルの吐出口に対向するようにして基板をテーブル上に載置し、ペースト収納筒に充填したペーストを該吐出口から該基板上に吐出させながら該基板と該ノズルとの相対位置関係を変化させることにより、該基板上に所望形状のペーストパターンを描画するペースト塗布機において、該ノズルの先端でのペースト垂れ量の許容量を任意に設定する設定手段と、該ノズルの先端でのペースト垂れ状態を画像認識する画像認識手段と、該画像認識手段で得られた画像を処理して、該ノズルの先端でのペースト垂れ量が該設定手段で設定されたペースト垂れ量の許容量以内か否かを判断する判断手段と、該判断手段による判断の結果、該ノズルの先端でのペースト垂れ量が該許容量以内であるときには、該ペースト収納筒に負圧を作用させてペーストの垂れ量を制御する制御手段と、該判断手段による判断の結果、該ノズルの先端でのペースト垂れ量が該許容量を越えているときには、該テーブルに設置したダミー塗布部で描画を行なわせ、該ノズルより垂れ出たペーストを除去する除去手段とを設けたことを特徴とするペースト塗布機。 【請求項2】 上記請求項1に記載のペースト塗布機において、前記基板上に所望形状のペーストパターンの描画を開始する場合あるいは描画の終了後の少なくともいずれかで、前記画像認識手段により前記ノズルの先端でのペースト垂れ状態を画像認識させる手段を設けたことを特徴とするペースト塗布機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルの吐出口に対向するように基板をテーブル上に載置し、ペースト収納筒に充填されたペーストをこのノズルの吐出口から該基板上に吐出させながら該基板と該ノズルの相対位置関係を変化させ、該基板上に所望形状のペーストパターンを描画するペースト塗布機に係り、特に、待機状態においてノズル先端からのペースト垂れ量を確認し、所望の状態に制御ができるようにしたペースト塗布機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】生産ラインに配置されたペースト塗布機は、稼働中に生産ラインの上流側や下流側の装置が異常であった場合や生産プロセスの都合などにより、長期間待機状態におかれることがある。 【0003】ペースト塗布機が待機状態にある場合、ペースト収納筒(または、シリンジ)に充填されているペーストが自重によってノズル先端から垂れることがある。このような場合、所望形状のペーストパターンを描画しようとする基板がペースト塗布機のテーブルに搭載されたときには、ペーストのノズル先端から垂れ状態によっては、図9(a)に示すように、シリンジ13におけるノズル13aの先端から基板B上にペーストPが自然落下し、基板Bに汚滴Dとなって付着したり、また、図9(b)に示すように、ペーストパターンPPを描画し始めた部分でペーストが塊Rになったりする状態になり、塗布精度が低下する。 【0004】例えば、液晶パネルなどのガラス基板に必要とするペーストパターンを描画する場合、塗布精度が低下すると、生産中の基板は不良となり、生産歩留まりが低下してしまう問題がある。 【0005】かかる問題を解消するものとして、従来、シリンジ内の圧力を測定し、圧力の変化から間接的にペーストの液たれ状態を推測する技術が知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術では、ノズル先端の垂れ状態を正確に検出することはできない。従って、待機状態から基板が搭載されて生産を再開するとき、ペーストの垂れ状態によっては、ペーストがノズル先端から自然落下して基板に付着したり、ペーストパターンを描画し始めた部分でペーストが塊状態になったりして、ペーストパターンの精度が低下するなどの問題を回避することができなかった。 【0007】本発明の目的は、かかる問題を解消し、待機状態からの生産再開などに際し、ノズル先端からの自然落下による基板へのペーストの付着や、ペーストパターンの描画開始部分でのペーストの塊状態の発生を防止し、ペーストの塗布精度を高めて生産歩留まりを向上させることができるようにしたペースト塗布機を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、ノズルの先端からのペースト垂れ量の許容量を任意に設定する手段と、該ノズルの先端でのペースト垂れ状態を画像認識する画像認識手段と、該画像認識手段で得られた画像を処理して該ノズルの先端でのペースト垂れ量が該許容量以内か否かを判断する判断手段と、該判断手段の判断結果によりペースト垂れ量が該許容量以内であれば該ペースト収納筒に負圧を作用させてペーストの垂れ量を制御する制御手段と、該判断手段の判断結果によりペースト垂れ量が該許容量を越えていればペーストパターンの描画を行なう基板を搭載したテーブルに設けられたダミー塗布部で描画を行ない該ノズルから垂れ出たペーストを除去する除去手段とを設ける。 【0009】また、本発明は、上記基板上に所望形状のペーストパターンの描画を開始する場合あるいは描画の終了後の少なくともいずれかで、上記画像認識手段によって上記ノズルの先端でのペースト垂れ状態を画像認識させる手段を設ける。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明によるペースト塗布機の一実施形態を示す斜視図であって、1は架台、2a,2bは基板搬送コンベア、3は支持台、4は基板吸着盤、5はθ軸移動テーブル、6a,6bはX軸移動テーブル、7はY軸移動テーブル、8a,8bはサーボモータ、9はZ軸移動テーブル、10はサーボモータ、11はボールねじ、12はサーボモータ、13はペースト収納筒(シリンジ)、14は距離計、15は支持板、16a,16b,16cは画像認識カメラ、17は制御部、18はモニタ、19はキーボード、20は外部記憶装置を備えたパソコン本体、21はケーブル、22はダミー塗布部である。 【0011】同図において、架台1上には、X軸方向に平行で、かつ昇降可能な2つの基板搬送コンベア2a,2bが設けられており、図示していない基板を図面の奥の方から手前の方に、即ち、X軸方向に水平に搬送する。また、架台1上に支持台3が設けられ、この支持台3上にθ軸移動テーブル5を介して基板吸着盤4が搭載されている。このθ軸移動テーブル5は、基板吸着盤4をZ軸廻りのθ方向に回転させるものである。 【0012】架台1上には、さらに、基板搬送コンベア2a,2bよりも外側でX軸に平行にX軸移動テーブル6a,6bが設けられ、これらX軸移動テーブル6a,6b間を渡るようにしてY軸移動テーブル7が設けられている。このY軸移動テーブル7は、X軸移動テーブル6a,6bに設けられたサーボモータ8a,8bの正転や逆転の回転(正逆転)によりX軸方向に水平に搬送される。Y軸移動テーブル7上には、サーボモータ10の駆動によるボールねじ11の正逆転によってY軸方向に移動するZ軸移動テーブル9が設けられている。このZ軸移動テーブル9には、シリンジ13や距離計14を支持固定した支持板15が設けられ、サーボモータ12がこれらシリンジ13や距離計14をこの支持板15に設けられた図示していないリニヤガイドの可動部を介してZ軸方向に移動させる。シリンジ13は、このリニヤガイドの可動部に着脱自在に取り付けられている。また、架台1の天板には、図示しない基板の位置合わせなどのための画像認識カメラ16a,16bが上方向を向けて設けられている。 【0013】架台1の内部には、サーボモータ8a,8b,10,12などを制御する制御部17が設けられており、この制御部17はケーブル21を介してモニタ18やキーボード19,パソコン本体20と接続されて、かかる制御部17での各種処理のためのデータがキーボード19から入力され、画像認識カメラ16a,16bで捉えた画像や制御部17での処理状況がモニタ18で表示される。 【0014】また、キーボード19から入力されたデータなどは、パソコン本体20に内蔵の外部記憶装置でフロッピディスクなどの記憶媒体に記憶保管される。 【0015】図2は図1におけるシリンジ13と距離計14を示す拡大斜視図であって、13aはノズル、23は基板である。 【0016】同図において、距離計14は下端部に三角形の切込部があって、その切込部に発光素子と複数の受光素子とが設けられている。ノズル13aは、距離計14のこの切込部の下部に位置付けられている。距離計14は、ノズル13aの先端部からガラスからなる基板23の表面(上面)までの距離を非接触の三角測法で計測する。即ち、上記三角形の切込部での片側の斜面に発光素子が設けられ、この発光素子から放射されたレーザ光Lは基板23上の計測点Sで反射し、上記切込部の他方の斜面に設けられた複数の受光素子のいずれかで受光される。従って、レーザ光Lはシリンジ13やノズル13aで遮られることはない。 【0017】また、基板23上でのレーザ光Lの計測点Sとノズル13aの直下位置とは基板23上で僅かな距離ΔX,ΔYだけずれるが、この僅かな距離ΔX,ΔY程度のずれでは、基板28の表面の凹凸に差がないので、距離計14の計測結果とノズル13aの先端部から基板23の表面(上面)までの距離との間に差は殆ど存在しない。従って、この距離計14の計測結果に基いてサーボモータ12を制御することにより、基板23の表面の凹凸(うねり)に合わせてノズル13aの先端部から基板23の表面(上面)までの距離(間隔)を一定に維持することができる。 【0018】このようにして、ノズル13aの先端部から基板23の表面までの距離(間隔)は一定に維持され、かつ、ノズル13aから吐出される単位時間当りのペースト量が定量に維持されることにより、基板23上に塗布描画されるペーストパターンは幅や厚さが一様になる。 【0019】図3は図1におけるペースト塗布機の電気系統の一具体例を示すブロック図であって、17aはマイクロコンピュータ、17bはモータコントローラ、17ca,17cbはX軸ドライバ、17dはY軸ドライバ、17eはθ軸ドライバ、17fはZ軸ドライバ、17gはデータ通信バス、17hは外部インターフェース、17iは画像処理装置、24a,24bはレギュレータ、25は負圧源、26は正圧源、27はバルブユニット、28は上流の装置、29は下流の装置、30はθ軸移動テーブル5のサーボモータ、31〜35はエンコーダであり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。 【0020】同図において、制御部17は、マイクロコンピュータ17aやモータコントローラ17b、X,Y,Z,θの各軸ドライバ17ca〜17f、画像認識カメラ16a,16b,16cで得られる映像信号を処理する画像処理装置17i、キーボード19などとの間の信号伝送を行なう外部インターフェース17hを内蔵している。さらに、この制御部17は、基板搬送コンベア2a,2bの駆動制御系を含むが、ここでは、図示を省略している。 【0021】マイクロコンピュータ17aは、図示しないが、主演算部や後述する塗布描画を行なうための処理プログラムを格納したROM,主演算部での処理結果や外部インターフェース17h及びモータコントローラ17bからの入力データを格納するRAM,外部インターフェース17hやモータコントローラ17bとデータをやりとりする入出力部などを備えている。各サーボモータ8a,8b,10,12,30には、回転量を検出するエンコ−ダ31〜35が設けられており、その検出結果をX,Y,Z,θの各軸ドライバ17c1〜17fに戻して位置制御を行なっている。 【0022】制御部17は、外部インターフェース17hを通して上流の装置28や下流の装置29と生産のため、つまり、基板23の搬送のやりとりのための信号の交換を行なっている。 【0023】キーボード19から入力されてマイクロコンピュータ17aのRAMに格納されているデータに基いてサーボモ−タ8a,8b,10が正逆回転することにより、基板吸着盤4(図1)に真空吸着された基板23(図2)に対し、ノズル13a(図2)が、Z軸移動テーブル9(図1)を介して、X,Y軸方向に任意の距離を移動し、その移動中、バルブユニット27を動作させる。これにより、シリンジ13に僅かな気圧が正圧源26からレギュレータ24bを介して継続して印加されて、ノズル13aの先端部の吐出口からペーストが吐出され、基板吸着盤4に真空吸着された基板23に所望のペーストパターンが塗布描画される。このZ軸移動テーブル9のX,Y軸方向への水平移動中に距離計14がノズル13aと基板23との間の間隔を計測し、この間隔を常に一定に維持するように、サーボモータ12がZ軸ドライバ17fで制御される。 【0024】一方、待機状態では、画像認識カメラ16cで得られる映像信号をリアルタイムで処理する画像処理装置17iは、ノズル13aの先端の液垂れが重力方向に成長する状態を検出する。この検出結果をもとに、マイクロコンピュータ17aは、バルブユニット27を動作させて、レギュレータ24aを介してシリンジ13内を負圧源25と連通させ、垂れ出たペーストをシリンジ13内に真空作用によって引き戻す。 【0025】なお、以上のようにバルブユニット27を動作させる条件データとして、バルブ動作閾値や真空度,動作タイミング,真空引き時間などの必要データが予めキーボード19から入力設定されている。 【0026】また、バルブユニット27を動作させて負圧源25をシリンジ13に作用させても、ペーストPをシリンジ13内に引き戻せない場合には、ダミー塗布部22(図1)に載置されたダミー基板上に垂れ出たペーストをダミー描画することにより、ノズル13aの先端からこのペーストを除去するようにする。 【0027】次に、図4を用いて、この実施形態のペーストパターンの塗布描画処理とノズル13aの先端の計測,液垂れ制御処理について説明する。 【0028】図4において、電源が投入されると(ステップ100)、ペースト塗布機の初期設定が実行される(ステップ200)。この初期設定工程では、図1において、サーボモータ8a,8b,10を駆動することにより、Z軸移動テーブル9をX,Y方向に移動させて所定の基準位置に位置決めし、ノズル13aを、そのペースト吐出口がペースト塗布を開始する位置(即ち、ペースト塗布開始点)となるように、所定の原点位置に設定するとともに、さらに、ペーストパターンデータや基板位置データ,ペースト吐出終了位置データ,描画したペーストパターンの計測位置データ,ノズル13aの先端でのペースト垂れの許容量などの設定を行なう。かかるデータの入力はキーボード19から行なわれ、入力されたデータはマイクロコンピュータ17aに内蔵されたRAMに格納される。 【0029】この初期設定工程(ステップ200)が終了すると、次に、ペーストが所望のパターンで塗布描画されるべき基板を基板吸着盤4に搭載して吸着保持させる(ステップ300)。この基板搭載工程は、基板搬送コンベア2a,2bによってこの基板がX軸方向に基板吸着盤4の上方まで搬送され、図1に図示していない昇降手段によってこれら基板搬送コンベア2a,2bを下降させることにより、基板を基板吸着盤4に搭載するものである。 【0030】次に、基板予備位置決め処理(ステップ400)を行なう。この処理では、図1において、図示していない位置決めチャックにより、基板吸着盤4上に搭載した基板のX,Y方向の位置合わせが行なわれる。また、基板吸着盤4に搭載された基板の位置決め用マークを画像認識カメラ16a,16bで撮影し、位置決め用マークの重心位置を画像処理で求めて基板のθ方向での傾きを検出し、これに応じてサーボモータ30(図3)を駆動してこのθ方向の傾きも補正する。 【0031】なお、シリンジ13内の残りペーストが少ない場合には、次のペースト塗布作業の途中でペーストの途切れがないようにするために、前もってシリンジ13をノズル13aとともに交換するが、このようにノズル13aを交換すると、その位置ずれが生ずることがあるので、基板のペーストパターンを形成しない箇所に交換した新たなノズル13aを用いて点打ち描画を行ない、この点打ち描画の重心位置を画像処理で求め、この重心位置と基板上の位置決め用マークの重心位置との間の距離を算出して、これをノズル13aのペースト吐出口の位置ずれ量dx,dyとしてマイクロコンピュータ17aに内蔵のRAMに格納する。これにより、基板予備位置決め処理(ステップ400)を終了する。 【0032】かかるノズル13aの位置ずれ量dx,dyは、後に行なうペーストパターンの塗布描画の動作時、このノズル13aの位置ずれを補正するのに用いる。 【0033】次に、ペーストパターン描画処理(ステップ500)を行なう。この処理では、塗布開始位置にノズル13aの吐出口を位置付けるためにZ軸移動テーブル9を移動させ、ノズル位置の比較・調整移動を行なう。このために、まず、先の基板予備位置決め処理(ステップ400)で得られてマイクロコンピュータ17aのRAMに格納されたノズル13aの位置ずれ量dx,dyが、図2に示したノズル13aの位置ずれ量の許容範囲△X,△Y内にあるか否かの判断を行なう。許容範囲内(即ち、△X≧dx及び△Y≧dy)であれば、そのままとし、許容範囲外(即ち、△X<dxまたは△Y<dy)であれば、この位置ずれ量dx,dyを基にZ軸移動テーブル9を移動させてシリンジ13を基板23に対して相対的に移動させることにより、ノズル13aのペースト吐出口と基板23の所望位置との間のずれを解消させ、ノズル13aを所望位置に位置決めする。 【0034】次に、ノズル13aの高さ設定を行なう。シリンジ13が交換されていないときには、ノズル13aの位置ずれ量dx,dyのデータに変化はないので、ペーストパターン描画処理(ステップ500)に入ったところで、直ちにノズル13aの高さ設定を行なう。この設定される高さは、ノズル13aの吐出口から基板23までの間隔がペースト膜の厚みになるようにするものである。 【0035】以上の処理が終了すると、次に、マイクロコンピュータ17a内蔵のRAMに格納されたペーストパターンデータに基づいてサーボモータ8a,8b,10が駆動され、上記のようにノズル13aのペースト吐出口が基板23に対向した状態で、このペーストパターンデータに応じてノズル13aをX,Y方向に移動させるとともに、シリンジ13に僅かな気圧を印加してノズル13aのペースト吐出口からペーストの吐出を開始させ、基板23へのペーストパターンの塗布描画を開始する。 【0036】これとともに、先に説明したように、マイクロコンピュータ17aは距離計14からノズル13aのペースト吐出口と基板23の表面との間の間隔の実測データを取り込んで基板23の表面のうねりを測定し、この測定値に応じてサーボモータ12を駆動する。これにより、基板23の表面からのノズル13aの設定高さが一定に維持される。 【0037】このようにして、ペーストパターンの描画が進むが、上記のペーストパターンデータにより、ペーストパターンの塗布描画動作が完了しているかどうかを判定し、この判定結果により、ペースト収納筒13のペースト吐出を継続するか終了するかの判定を行なう。 【0038】このペーストパターン描画工程(ステップ500)は、ノズル13aのペースト吐出口が基板23上の上記ペーストパターンデータによって決まる描画パターンの終端であるか否かの判断により、この終端でなければ、再び基板23の表面のうねりの測定処理に戻り、以下、上記の各工程を繰り返してペースト膜形成が描画パターンの終端に達するまで継続する。そして、この描画パターン終端に達すると、サーボモータ12を駆動してノズル13aを上昇させ、このペーストパターン描画工程(ステップ500)が終了する。 【0039】次に、基板排出処理(ステップ600)に進む。ここでは、図1において、基板23の基板吸着盤4からの吸着解除を行ない、次に、基板搬送コンベア2a,2bを上昇させて基板23をこれらに載置させ、さらに、これら基板搬送コンベア2a,2bを−X方向に移動させて装置外に排出する。 【0040】そして、以上の全工程を停止するか否かで判定し(ステップ700)、複数枚の基板に同じパターンでペースト膜を形成する場合には、その基板に対して基板搭載処理(ステップ300)から繰り返され、全ての基板についてかかる一連の処理が終了すると(ステップ700)、作業が全て終了となる。 【0041】さて、図4における基板搭載工程(ステップ300)の開始に際しては、図5に示すように、上流装置28からの基板排出要求の有無を判断し(ステップ310)、この要求があれば、基板23の受渡し処理(ステップ330)が実行されて、上記のように、基板23が基板搬送コンベア2a,2bでペースト塗布機に搬入され、上記の処理が行なわれて基板予備位置決め工程(ステップ400)に進む。また、上流装置28に異常が発生して生産ラインが停止すると、この上流装置28からの基板排出要求が発生しないため、制御部17は基板排出要求がないと判断し(ステップ310)、待機時の処理を実行する(ステップ320)。上流装置28が復旧して基板排出要求があると(ステップ310)、基板23の受渡し処理(ステップ330)に進む。 【0042】また、図4での基板排出工程(ステップ600)においても、下流装置29に異常がなければ、図6に示すように、下流装置29から基板搭載要求があるか否かを判断し(ステップ610)、この要求があれば、基板23の受渡し処理をして(ステップ630)、図4の停止工程(ステップ700)に進むが、下流装置29で異常が発生して装置が停止すると、下流装置29からの基板搭載要求が発生しないときには(ステップ610)、制御部17は待機時の処理を実行(ステップ620)することになる。その後、下流装置29が復旧して基板搭載要求があると(ステップ610)、基板23の受渡し処理(ステップ630)が実行され、基板23がペースト塗布機から搬出される。 【0043】図7は制御部17により実行される図5での待機時の処理(ステップ320),図6での待機時の処理(ステップ620)の一具体例を示すフローチャートである。これらステップ320,620は、対象となる装置が上流装置28,下流装置29の違いがあるだけで、処理内容は同じである。 【0044】図7において、待機状態に入ると、まず、ノズル13aの先端の画像を画像認識カメラ16cから画像処理装置17iに取り込み(ステップ800)、ノズル13aの先端でのペーストPの垂れ量δを計測して(ステップ810)、この垂れ量δが予め設定された垂れ量の閾値δ0よりも大きいか否か判定する(ステップ820)。この垂れ量の閾値δ0は、ペーストPの属性などに合わせて任意に設定された値であって、この垂れ量の閾値δ0のデータは、キーボード19により入力されてマイクロコンピュータ17a内蔵のRAMに格納されているものである。 【0045】いま、図8(a)に示すように、計測されたペーストPの垂れ量δ1が閾値δ0よりも小さいとすると(ステップ820)、シリンジ13に加える負圧の圧力条件を予め決定されているデータテーブルから算出する(ステップ830)とともに、この負圧を加える印加時間を算出する(ステップ840)。そして、バルブユニット27を動作させてシリンジ13内に負圧を印加し(ステップ850)、先に算出した印加時間が経過するまで、バルブユニット27の動作を継続させる(ステップ860)。これにより、ペーストPがシリンジ13内に吸い込まれ、この印加時間が経過すると、バルブユニット27を動作させて負圧の印加を停止し、さらに、シリンジ13内を大気圧に連通させる(ステップ870)。 【0046】また、図8(b)に示すように、計測されたペーストPの垂れ量δ2が閾値δ0より大きいときには(ステップ820)、ノズル13aをダミー塗布部22の上方に移動させ(ステップ880)、次いで、ノズル13aを下降させてダミー塗布部22の表面に対して予め決められた高さにノズル13aの先端を位置決めする(ステップ890)。かかる位置決めが終了すると、ノズル13aをその高さに保持したまま移動させ、このダミー塗布部22の表面でノズル13aの先端から垂れているペーストPによるダミー描画を行なう(ステップ900)。 【0047】このとき、バルブユニット27は動作させない。このため、ノズル13aの先端に付着しているペーストPのみで描画動作を行なわれることになり、ノズル13aからの新たなペーストの吐出はない。これにより、ノズル13aの先端に付着しているペーストPがダミー塗布部22に転写され、ノズル13aの先端から必要以上に垂れたペーストPを除去することができる。なお、この場合、ダミー塗布部22に直接描画するようにしてもよいが、このダミー描画が度重なると、その清掃をしなければなくなり、非常に手間がかかることになる。このため、ダミー塗布部22にダミー基板を搭載し、その上にダミー描画して適宜にこのダミー基板を交換することができるようにすることもでき、これにより、清掃の手間を省くことができる。 【0048】ノズル13aの先端に付着しているペーストPが除かれてダミー描画処理が完了すると、ノズル13aを上昇させて(ステップ910)、もとの待機位置まで移動させる(ステップ920)。 【0049】かかる処理後の待機(図5のステップ320、あるいは図6のステップ620)は、図1に示すペースト塗布機に上流装置28から基板23が搬入されるか、あるいは下流装置29にペースト描画済みの基板23が排出されるまで継続する。 【0050】以上のように、この実施形態では、装置が待機状態であっても、ノズル13aの先端のペーストPの垂れ量をこれに使用されるペーストの属性などに合わせて計測して自動的に制御するため、連続運転を行なっても、基板23へのペースト付着や塗布パターン開始部分での塗布精度の低下を防止することができる。 【0051】また、この実施形態では、図7において、ノズル13aの先端の画像を画像認識カメラ16cを用いて画像処理装置17iに取り込んでいるが(ステップ800)、Z軸移動テーブル9などに平面鏡を設置し、この平面鏡に写ったノズル13aの先端のペースト状況を画像認識カメラ16aあるいは16bによって画像処理装置17iに取り込むようにしてもよい。 【0052】さらに、ノズル13aの先端でのペーストPの垂れ量δが大きくなるに従ってその外径も大きくなるので、この外径でもってペーストPの垂れ状況を判断するようにしてもよい。この場合、このペーストPが許容量を越えているか否かの判断のための閾値は、当然、ペーストPの外径に関して設定されたものであり、また、この場合には、ノズル13aの先端のペーストPの垂れ状況を直下の方向から画像認識カメラ16aあるいは16bで撮影し、その画像を画像処理装置17iに取り込むようにすることができる。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、上流や下流装置の停止やプロセスの停止などによって待機状態になっても、ノズル先端でのペーストの垂れ量を制御あるいは除去でき、このため、実基板へのペーストの塗布異常を防止することができて、歩留まりを低下させることなくペースト塗布基板の生産が可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000233077 【氏名又は名称】日立テクノエンジニアリング株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】武 顕次郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−90303 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−256816 |
|