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【発明の名称】 リチャージ工法に用いられる高速繊維ろ過装置
【発明者】 【氏名】茅野 秀則

【氏名】中久喜 康秀

【氏名】川人 尚美

【要約】 【課題】圧縮性の繊維粒子よりなるろ過層を有する高速ろ過装置を用いたリチャージ工法における復水井周辺の目詰まりを解消する。

【解決手段】ろ層5b厚下部が漸次小径化するように筒体5a下半をロート状に形成するとして、圧縮性繊維粒子の圧密部を設けて微細粒子の捕捉を可能にしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ろ層厚下部が漸次小径化するように筒体下半をロート状に形成するとしたことを特徴とするリチャージ工法に用いられる高速繊維ろ過装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチャージ工法に用いられる高速繊維ろ過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地下工事の大規模化は、大量の地下水の揚水を必要とし、これにともない地下水の揚水による周辺地盤環境への影響が問題となり、汲み上げた地下水を元の地下水に還元するリチャージ工法(復水工法)が利用されるようになってきた。すなわち、図5に示す如く、リチャージ工法は地下水を揚水するための揚水井1よりチャンバー2に地下水をポンプPによって吸い上げ、高速ろ過装置3を介してから復水井4より地下水を元に戻している。
【0003】叙上の高速ろ過装置3は図6に詳示される。すなわち、一定直径の筒体3aの中にφ=6〜10mm、長さ10〜20mmに成形した繊維ろ材3bを0.5m〜2mの層厚で充填したものである。このものの原水としてカオリン10ppmを使用した場合の水槽実験の処理効果の結果を図7に示す。
【0004】ろ層厚の大なる程SS除去率が高まることが分かる。なを、上記原水カオリン10ppmの粒度分布については図4に示される通りである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、叙上の現状モデルの高速ろ過装置3を用いてのリチャージ工法にあっては、復水井4周辺の目詰まりによる復水機能の経持的な低下という難問が生じる。この目詰まりの主な原因は、揚水中に含まれる微細な懸濁粒子であるが、前記の図4中には現状モデルのろ過水の粒度分布が示されるが、これによると粒径5μm以上の粒子はある程度除去できているが、5μm以下の粒子はあまり除去し得ていないことが明らかであり、かかる現状タイプの特性によって上記の諸難問が生じていることが分かる。
【0006】本発明は、叙上の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、目詰まりの原因となる微細懸濁粒子を効果的に除去することのできる高速繊維ろ過装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の高速繊維ろ過装置は、ろ層厚下部が漸次小径化するように筒体下半をロート状に形成するとしたものである。
【0008】
【作用】本発明のろ過装置にあっては、ろ材は従来のタイプと同様のφ=6〜10mm、長さ10〜20mm程度の圧縮性の繊維ろ材を使用するが、ろ過槽筒体下半がロート状であることにより、その部分のろ過水の流速は速まり、ろ材は圧密されて、微細な粒子の捕捉が可能となる(流速の速まりは除去率の低下をもたらさない。)。ここに上下で圧密状態の違ったろ層をつくることができるため、粒径の違う懸濁粒子を層別に捕捉できる(上部で大粒径を下部で小粒径を捕捉)こととなる。
【0009】このように下半に新たに圧縮性のろ材を圧密したろ層の小粒径捕捉能を有するフィルターを自動的に形成し得る結果、不可能であった小粒径の微細な懸濁粒子を捕捉できるので、復水井周辺の目詰まりを阻止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。本発明装置5は、そのろ層5bの下部が漸次小径化するように筒体5a下半をロート状に形成している。かかるろ層5bの下部に新たに圧密層を形成して成る本発明装置5のSS除去率を図2に示す。
【0011】前記の図7に示した従来のタイプに比し除去率は大幅に向上している。さらに、図4の本発明の改良モデルのろ過水の粒度分布(カオリン10ppm の原水を用いた水槽実験)をみると、従来タイプでは粒径5μm以上の粒子は、ある程度除去できているが、5μm以下の粒子は、あまり除去できていないのに比し、本発明のタイプでは、5μm以下の粒子でも測定限界を越えて除去できていることが分かる。
【0012】しかして、復水井周辺の目詰まりを確実に阻止できる。なを、本発明装置にあっては、前記以外の有利な効果も有してる。すなわち、図3に示す如く、従来タイプのもの(a)にあっては、ろ材のエアー逆洗々浄時、一定直径の筒体3aのために、ろ材の局所循環域6,6を生じ、均一な洗浄を防げるが、本発明の改良タイプ(b)にあっては、ロート下端からの吹き上げでろ材粒子を周壁方向に拡散させる力7が作用して、攪拌が効果的に行える。
【0013】このため、攪拌洗浄のために必要とする、ろ過槽の高さを低くおさえることができる。結局、本発明にあっては、制限された高さのなかで、有効なろ過層を厚くでき、微細粒子の捕捉性能があがるという、理想的な好便さが期し得る。
【0014】
【発明の効果】以上の如く本発明装置は構成されるので、リチャージ工法における復水井周辺の目詰まりを解消させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
【出願日】 平成9年(1997)10月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
【公開番号】 特開平11−123304
【公開日】 平成11年(1999)5月11日
【出願番号】 特願平9−290615