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【発明の名称】 吸着により空気を分離するための方法およびプラント
【発明者】 【氏名】クリスチアン・モネロー

【要約】 【課題】圧力スイング吸着により空気の分離をするための方法およびそれを実施するプラントを提供する。

【解決手段】本発明によれば、吸着装置(1)に流入する気体は、少なくとも1m3 に等しい体積(V)の吸着剤を含み、メートルとして計測されたその高さ(H)は少なくとも0.8×V0.35に等しい環状床に、気体流を実質的に放射状に通過させることにより確立される。大気空気から酸素を製造するために適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 すくなくとも1m3 に等しい体積Vの吸着剤を含み、その高さHがメートルとして計測されて少なくとも0.8×V0.35に等しい環状の固定床を気体流が実質的に径方向に通過することにより、吸着装置における気体流を確立することを特徴とする少なくとも1つの吸着装置を有するプラントにおいて圧力スイング吸着により空気を分離するための方法。
【請求項2】 前記高さ(H)が少なくともV0.35に等しいことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】 前記高さ(H)が3×V0.35を超えないことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】 吸着剤の体積Vが少なくとも1m3 に等しく、吸着装置は吸着剤の環状の固定床を含み、およびメートルとして計測された環状の床の高さHは、少なくとも0.8×V0.35に等しいことを特徴とする加圧された空気源およびこの空気源に選択的に接続されうる少なくとも1つの吸着装置を含むタイプの、圧力スイング吸着により空気の分離をするためのプラント。
【請求項5】 前記高さ(H)が少なくともV0.35に等しいことを特徴とする請求項4記載のプラント。
【請求項6】 前記高さ(H)が3×V0.35を超えないことを特徴とする請求項5記載のプラント。
【請求項7】 環状床が断熱材を備えたベースにより支持されていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項記載のプラント。
【請求項8】 前記環状床が少なくとも2つの同心の単純な吸着剤の環状床を含むことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項記載のプラント。
【請求項9】 前記環状床が異なる吸着剤からなることを特徴とする請求項8記載のプラント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1つの吸着装置を有するプラントにおいて圧力スイング吸着により空気を分離するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】「圧力スイング吸着」(PSA)という術語は、吸着装置または各吸着装置の圧力が高圧と低圧との間を変化する、実質的に等温の選択的吸着により大気空気から酸素を製造するために提案されてきたさまざまなサイクルを意味するものとして用いられる。サイクルの高圧は大気圧力以上でありうるし、一方、サイクルの低圧は大気圧力以下でありうる。これらの方法は、吸着装置の吸着、減圧/再生および再圧縮の工程のさまざまな組み合わせを有する。
【0003】PSA法において吸着剤の中で複雑な熱現象が起こる。それらは、一方で、吸着された成分の吸着又は脱着の熱により、他方で、流動する流体と吸着剤との間の熱交換による。これらの現象の結果として、熱勾配が吸着剤の床の中で形成される傾向があることが観察される(例えば、米国特許第5,529,610号を参照されたい)。
【0004】しかしながら、ある特定の吸着剤は、温度により変化する効率を有する。したがって、熱勾配は吸着装置の性能について影響を有する。有害であるときにはこの影響を減少させるか、例えば金属棒により吸着剤内部の熱移動を増大させる(米国特許第4,026,680号)ことによりそれを利用するか、またはその温度帯についての幾つかのタイプの吸着剤を適合させるために多数の床を用いることによるかのいずれかの、さまざまな手段が提案されてきた。
【0005】流入流のほとんどが吸着され、次いで脱着されるとき、空気から酸素を製造する場合において熱勾配が特に顕著であり、その結果としてそれぞれのサイクルにおいて非常に多量の吸着/脱着の熱が関わり合うことは理解されるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本出願人は、驚くべきことに、吸着剤の床に特定の形状を与えることにより、PSA空気分離法の効率が実質的に増大しうることを見出した。
【0007】すなわち、本発明による方法は、すくなくとも1m3 に等しい体積Vの吸着剤を含み、その高さHがメートルとして計測されて少なくとも0.8×V0.35に等しく、典型的には1×V0.35ないし3×V0.35である環状の固定床を気体流が実質的に放射状に通過することにより、吸着装置に流入する気体が確立されることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、このタイプの方法を実施することを意図する空気分離プラントに関する。
【0009】加圧された空気源およびこの空気源に選択的に接続されうる少なくとも1つの吸着装置を含むタイプの本発明のプラントは、吸着剤の体積Vが少なくとも1m3 に等しく、吸着装置は吸着剤の環状の固定床を含み、およびメートルとして計測された環状の床の高さHは、少なくとも0.8×V0.35に等しいことを特徴とする。
【0010】典型的にH≧1×V0.35であり、3×V0.35を超えない。
【0011】1つの態様において、環状の床は断熱材を備えたベースにより支持される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を例示する態様が以後添付された図面を参照して記載され、そこで、単一の図が本発明によるプラントを図式的に表す。
【0013】図1は、大気空気の処理のためのPSA法により酸素から窒素を分離するために好適な吸着剤の環状の床2を含む吸着装置1を図式的に示す。吸着剤2は、例えばモレキュラーシーブ5Aのような、当該技術において既知のいずれかのタイプの粒子材料である。
【0014】吸着装置1は、円筒形殻4、低部凸面ドーム5および上部凸面ドーム6からなる垂直軸X−Xの外側ケーシング3を有する。ドーム5は外側側面管7を備え、漏れ止め様式でドームを通過する直径dの中央管8を有する。
【0015】環状ディスクの形態にある堅い低部ベース9は、ドーム5の上方に短距離を取って管8の周囲に溶接される。ベース9の下に存在する管8の部分は穿孔されていないが、このベースの上方に存在するそれの部分は穿孔されている。上部プレート10は管8の上部末端を閉ざす。環状グリル11は、管8の穿孔された部分を共軸的に取り囲み、ベース9の周囲にその足部で溶接される。グリルの頂部は、それ自体殻4の上部末端に溶接された環状コーナーピース12に溶接される。
【0016】吸着剤2は、管8とグリル11との間に範囲を定められた全空間を満たす。可撓性隔壁13は、その巻かれていない縁部14がコーナーピース12に漏れ止め様式において接着的に結合されているが、プレート10に対してその中央領域を介して、および吸着装置の実質的に全上部表面に対してその中間の環状領域を介して弾性的に圧接する。隔壁が吸着剤上に恒久的に適切に適用されることを保証するために、ドーム内のオリフィス16に接続される気体源15を用いて、吸着サイクルの最大圧力を超過する圧力がドーム6内で維持される。
【0017】従って、吸着装置は、その体積Vが少なくとも1m3 に等しく、その高さHが隔壁13からベース9を隔てる距離に等しく、その径方向の厚さeが管8とグリル11との間の距離に等しい吸着剤の環状床を含む。
【0018】実施に当たって、吸着装置は、少なくとも大気圧に等しい、サイクルの高圧下の空気源17に管7が接続される吸着相、少なくとも1つのサイクルの低圧への減圧工程を含む吸着剤の再生相、および高圧への再圧縮の相を含むサイクルを経る。このサイクルは、提案されてきた多くのサイクルのいずれか1つでありうる。
【0019】吸着相の間に、処理される空気は、ケーシング3の殻4からグリル11を分離する環状空間18に入り、実質的に放射状(径方向)に内側に向かって床2を通過し(実線矢印)、その間に窒素が吸着される。作られる酸素は管8の中に集まり、その低部末端を通して吸着装置を出ていく。
【0020】再生相の間に、管7は大気または真空ポンプ14に接続され、管8は閉ざされるかまたは、例えば吸着装置の脱圧縮相の間に得られた生成物酸素または不純酸素のような溶出気体源20に接続されうる。すべての場合において、気体の実質的に放射状(径方向)の流れは、上記のものについて反対の方向において作り出され、すなわち、遠心方向(ドットおよびダッシュからなる矢印)において床2を通過し、管8を経由して吸着装置を出て行く。
【0021】床2の形状は、H≧0.8×V0.35であり、有利にはH≧V0.35およびH≦3×V0.35であり、好ましくは、Hは1.0×V0.35ないし2.5×V0.35である。
【0022】驚くべきことに、径方向の厚さeの床について、短い試験機ユニットから高い工業的サイズのユニットにスケールアップするとき性能が向上するが、この結果を予測する理論においては何も存在せず、対照的に、気体流の分布は工業的ユニットの場合において、より不利であることが見出された。
【0023】この結果は、吸着剤の隣接領域の温度を変化させる気体流に平行な表面SL を通過する熱の側面からの入力が、その時比例的にずっと小さいという事実に帰する。
【0024】このように、気体流に対して直角の熱勾配のより低い相対的重要性から、気体流に対して垂直の全断面にわたるより均一に機能する吸着剤が導かれ、それゆえ、よりよい全性能が導かれる。
【0025】驚くべきことに、その上、酸素の分離についての比エネルギーは、もし同じ体積Vの同じ吸着剤がその床を通じて垂直に流動する気体流について高さeの通常の円筒形床の形態において配置されるであろう場合より本発明による吸収装置についてのほうが実質的により小さいことが見出された。
【0026】この有利な結果は、吸着装置の細長い形状が、特に小さく、それらが、すなわち軸X−Xに平行である気体流に垂直の方向において熱勾配を減少させる通常の円筒形床を有する吸着装置の場合におけるよりも小さい、気体流に平行な上方および下方表面積SL に対応するという事実によることがもう一度考慮される。
【0027】場合に応じて、断熱材が、吸着剤内部の垂直熱勾配を更に小さくするように、9Aで図式的に表示されるものとして、ベース9について備え付けられうる。
【0028】変形として、床2は少なくとも2つの同心の単純な環状床からなることができ、そのそれぞれは異なる吸着剤により形成され得る。
【出願人】 【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード・ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
【出願日】 平成10年(1998)6月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開平11−90157
【公開日】 平成11年(1999)4月6日
【出願番号】 特願平10−163967