| 【発明の名称】 |
回転再生式温度スイング吸着装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】金巻 裕一
【氏名】山田 明
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| 【要約】 |
【課題】熱回収率の向上を図ることができると共に、電気ヒータ等の補機部品の電力(動力)消費量の低減を図り得て装置のランニングコストを低減することができるような回転再生式温度スイング吸着装置を提供する。
【解決手段】冷却区間Cの領域から流出する冷却用ガス7と、加熱区間Bの領域から流出する加熱用ガス9との間で熱交換を行なうための熱交換器11を配設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハニカム構造の吸着剤の回転方向に沿って吸着区間,加熱区間及び冷却区間を順次に設定し、被吸着成分を含んだ原料ガスを前記吸着区間の領域において回転駆動状態の吸着剤に導入し、前記吸着区間の領域から流出した製品ガスの一部を前記冷却区間の領域において前記吸着剤に冷却用ガスとして導入し、さらに前記冷却区間の領域から流出したガスを加熱手段にて加熱した後に前記加熱区間の領域において前記吸着剤に加熱用ガスとして導入するように構成した回転再生式温度スイング吸着装置において、前記冷却区間の領域から流出する冷却用ガスと、前記加熱区間の領域から流出する加熱用ガスとの間で熱交換を行なうための熱交換器を配設したことを特徴とする回転再生式温度スイング吸着装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤回収,乾燥空気の製造等に用いられる回転再生式温度スイング吸着装置(TSA)に関し、さらに詳しくは、熱回収率の向上を図るようにした回転再生式温度スイング吸着装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図2は温度スイング式ガス吸着分離法を施行する従来の回転再生式温度スイング吸着装置の構成を示すものであって、この装置は、相対的に低温の条件下で被吸着成分を吸着した後に、相対的に高温の条件下で被吸着物質を放出してこれを回収するための装置である。なお、ここでは、従来技術の一例として、溶剤回収用吸着装置の説明を図2を参照して以下に記述する。 【0003】図2に示す装置は、吸着塔1と、この吸着塔1に被吸着成分(溶剤ガス)を含んだ原料ガス2を導入するブロア又はコンプレッサ3と、ガス加熱用の電気ヒータ4とをそれぞれ具備している。上述の吸着塔1は、図3に示すように、円筒状の外筒20と、この外筒20の上下両部の開放口20a,20bを閉塞するように固定状態で取付けられる上下一対のヘッダ(蓋体)21a,21bと、外筒20及びヘッダ21a,21bにて構成された筐体22内に収容配置されるハニカム構造の吸着剤23とで構成されている。そして、この吸着剤23は、外筒20内に挿入されてヘッダ21a,21b間に挟持された状態で筐体22内に収容配置されるようになっている。なお、吸着剤23の材質は、被吸着物質の種類に応じて選択されるが、被吸着物質が水分の場合には、通常、シリカゲルやゼオライト等が用いられる。 【0004】また、図示を省略したが、前記筐体22内に収容配置された吸着剤23は、電気モータ等を駆動源とする駆動機構により、その軸線を中心に回転駆動されるように構成されている。なお、吸着剤23の回転速度は、通常、数rph程度に設定されるようになっている。 【0005】一方、吸着剤23の回転方向(図2において矢印αで示す方向)に沿って吸着区間A,加熱区間B及び冷却区間Cが順次に設定されている。これらの区間の設定の一例を具体的に述べると、吸着剤23の1回転領域(360°の全周領域)のうちの例えばほぼ半分の領域が吸着区間Aとして設定され、この吸着区間Aに対して回転下流側であってかつ吸着剤23の1回転領域のうちのほぼ1/4の領域が加熱区間Bとして設定され、この加熱区間Bに対して回転下流側であってかつ吸着剤23の1回転領域のうちのほぼ1/4の領域が冷却区間Cとして設定されている。換言すれば、吸着区間Aに対して回転下流側に加熱区間Bが設定され、吸着区間Aに対して回転上流側に冷却区間Cが設定される。 【0006】また、下側のヘッダ21bには、吸着区間A内の箇所に原料ガス供給管24が、冷却区間C内の箇所に冷却用ガス供給管25が、そして加熱区間B内の箇所に加熱用ガス排出管26がそれぞれ貫通状態で取付けられている。一方、上側のヘッダ21aには、吸着区間A内の箇所に製品ガス排出管27,吸着区間C内の箇所に冷却用ガス流通管28が、そして吸着区間B内の箇所に加熱用ガス供給管29がそれぞれ貫通状態で取付けられている。なお、原料ガス供給管24,冷却用ガス供給管25及び加熱用ガス排出管26は、製品ガス排出管27,冷却用ガス流通管28及び加熱用ガス供給管29にそれぞれ対応配置されている。 【0007】しかして、図2の装置は次のように作動するようになっている。すなわち、被吸着成分(溶剤ガス)を含んだ原料ガス2がブロア又はコンプレッサ3によって吸着区間Aの領域に導入され、この領域において前記原料ガス2がヘッダ21bの原料ガス供給管24を通して回転駆動状態の吸着剤23のハニカム孔30(図2参照)のうち前記吸着区間Aにある多数のハニカム孔30(多数の通路)内にそれぞれ導入される。なお、この際の原料ガス2の温度は例えば25℃程度であり、吸着剤23の吸着区間Aにおける温度は例えば25℃程度である。これに伴い、吸着剤23のハニカム孔30内に流入された原料ガス2に含まれる被吸着成分が、吸着剤23に吸着され、原料ガス2から被吸着成分が除去される。すなわち、この吸着工程においては、原料ガス2の流れの上流側(ヘッダ21bの側)から徐々に吸着が起こる。具体的には、吸着過程に入ってからはすぐには吸着剤23には何も吸着されず、吸着剤23のハニカム孔30に被吸着成分が含まれたガスが流れ込むと、各ハニカム孔30の上流側において吸着が起こる。ガスは次々に流れてくるが、ハニカム孔30の上流側で飽和吸着量に達したら、それ以後は徐々に下流側(ヘッダ21aの側)の領域で吸着が起こり、吸着領域が徐々に下流側に移行していく。そして、吸着過程が終わる頃(吸着剤23の回転により吸着区間を通り過ぎる頃)には、吸着剤23のハニカム孔30のうち吸着区間を通過するハニカム孔30部分の全域がほぼ飽和吸着量に達する。 【0008】原料ガス2から被吸着成分が除去されて得られる残りのガスは、製品ガス5として、吸着区間Aにおいて吸着剤23からヘッダ21aの製品ガス供給管27を通して流出される。そして、この製品ガス5の一部が、ヘッダ21bの冷却用ガス供給管25に分流されて冷却用ガス6として冷却区間Cの領域に導かれ、冷却用ガス供給管25を通して吸着剤23内に導入される。すなわち、加熱区間Bにおける加熱過程(脱着過程)を終えて吸着区間Aにおける吸着過程に移るまでの間の冷却区間Cにおいて、吸着区間Aの領域から導かれた冷却用ガス6が吸着剤23のハニカム孔30内に導入される。これに伴い、吸着剤23と冷却用ガス6との間で熱交換が行われるため、吸着剤23が例えば25℃程度に冷却される。 【0009】一方、前記冷却用ガス6は熱交換により温度が高められた冷却用ガス7(例えば75℃程度)となり、この温度の高い冷却用ガス7が冷却用ガス流通管28を介して加熱区間Bの領域に導かれると共に、電気ヒータ4にて所要の温度(例えば120℃程度)に加熱された後に加熱区間Bの領域において加熱用ガス供給管29から加熱用ガス8として吸着剤23内に導入される。これに伴い、被吸着成分を吸着した吸着剤23が上述の加熱用ガス8にて加熱されるため、吸着剤23に吸着されている被吸着成分が吸着剤23から分離されて吸着剤23の再生が行われる。このような被吸着成分の分離過程(脱着過程)の後に、ガス中に脱着した被吸着成分が加熱用ガス9と共に搬送されて濃縮され、この濃縮された被吸着成分が加熱用ガス排出管26を通して最終的に回収物質10(例えば70℃程度)として回収される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の如き従来の回転再生式温度スイング吸着装置では、加熱区間B(被吸着成分の分離又は脱着区間)から流出する加熱用ガス9(図2参照)は吸着塔1において完全には熱交換を行っていないため、加熱用ガス9の温度は比較的高温のままである。加熱用ガス9の熱を回収する余地があるにも拘らず、加熱用ガス9はそのまま回収物質10と共に系外へ排出されているのが実状である。このため、装置内における熱回収率が悪いという問題点がある。 【0011】一方、冷却区間Cから流出した冷却用ガス7は温度が比較的低く、そのまま加熱区間Bで吸着剤23内の吸着剤を充分に加熱し得る温度にまで昇温されないため、加熱区間Bにおいて吸着剤23内に導入する前に電気ヒータ4等の加熱手段にて充分に加熱する必要がある。従って、この電気ヒータ4等を作動させるために必要な消費電力が多くなり、装置のランニングコストが嵩んでしまうという問題点がある。 【0012】ところで、上述の吸着塔1についてはコンパクト化の要請があるが、吸着塔1のコンパクト化を図るためには、吸着剤23を小型にしてその回転速度を増加させる必要がある。この場合、加熱区間B或いは冷却区間Cに吸着剤23がとどまる時間が必然的に短くなり、吸着剤23の温度変化が充分ではない。この時、加熱用ガスは温度が高いまま(例えば90℃)吸着剤23のハニカム孔30を吹き抜けて外部に捨てられ、その熱が無駄になる。一方、冷却用ガスは温度が低いまま(例えば60℃)電気ヒータ4へ導かれ、昇温されて加熱用ガスとなるため、ヒータ電力等の消費量が多くなり熱回収率も低くなる。さらには、吸着剤23の温度が冷却過程で十分に冷却されず、加熱過程でも十分に加熱されないため、吸着効率も小さくなる結果となる。 【0013】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、熱回収率の向上を図ることができると共に、電気ヒータ等の補機部品の電力消費量の低減を図り得て装置のランニングコストを低減することができるような回転再生式温度スイング吸着装置を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明では、ハニカム構造の吸着剤の回転方向に沿って吸着区間,加熱区間及び冷却区間を順次に設定し、被吸着成分を含んだ原料ガスを前記吸着区間の領域において回転駆動状態の吸着剤に導入し、前記吸着区間の領域から流出した製品ガスの一部を前記冷却区間の領域において前記吸着剤に冷却用ガスとして導入し、さらに前記冷却区間の領域から流出したガスを加熱手段にて加熱した後に前記加熱区間の領域において前記吸着剤に加熱用ガスとして導入するように構成した回転再生式温度スイング吸着装置において、前記冷却区間の領域から流出する冷却用ガスと、前記加熱区間の領域から流出する加熱用ガスとの間で熱交換を行なうための熱交換器を配設するようにしている。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施態様について図1を参照して説明する。なお、図1において図2と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。 【0016】図1は本発明の一実施態様に係る回転再生式温度スイング吸着装置を示すものであって、本装置は従来の装置と同様に温度スイング式ガス吸着分離法により相対的に低温の条件下で原料ガス2中に含まれる被吸着成分を吸着した後に、相対的に高温の条件下で被吸着物質を脱着(分離)して放出し、回収するように構成されている。 【0017】本例の装置においては、図1に示すように、冷却区間Cの領域から流出する冷却用ガス7と、加熱区間Bの領域から流出する加熱用ガス9との間で熱交換を行なうための熱交換器11が配設されている。具体的には、冷却区間Cにおいて吸着剤23から流出した冷却用ガス7が熱交換器11に供給されると共に、この熱交換器11を通過したガスが加熱用ガス12として熱交換器11から導出されるように構成されている。そして、この熱交換器11から導出される加熱用ガス12が電気ヒータ4にて加熱されてから加熱区間Bにおいて吸着剤23に導入されるようになっている。さらに、加熱区間Bから流出した加熱用ガス9が前記熱交換器11に供給され、この熱交換器11により加熱用ガス9と前記冷却用ガス7との間で相互に熱交換が行われるように構成されている。なお、加熱用ガス9中に脱着された被吸着成分は熱交換器11から搬送されて濃縮され、この濃縮された被吸着成分が最終的に回収物質10として回収されるようになっている。 【0018】因みに、原料ガス2の温度及び吸着区間Aにおける吸着剤23の温度は例えば25℃で一定であり、加熱区間Bにおける吸着剤23の温度は例えば25℃から120℃まで変化し、冷却区間Cにおける吸着剤23の温度は例えば120℃から25℃まで変化し、熱交換器11から導出された加熱用ガス12の温度は例えば85℃であり、回収物質10の温度は例えば65℃である。 【0019】このような構成を採用した本例の装置では、次のような作用を奏する。まず、吸着剤23の加熱区間(脱着区間)B及び冷却区間Cの領域よりそれぞれ流出した加熱用ガス9及び冷却用ガス7は、吸着剤23と完全には熱交換を行っていないため、加熱区間Bからは加熱用ガス9が比較的高温のまま吸着塔1より流出し、冷却区間Cからは冷却用ガス7が比較的低温のまま吸着塔1より流出する。そこで、本装置においては、既述の如くこれらの加熱用ガス9及び冷却用ガス7を熱交換器11に導入して、これら双方で互いに熱交換を行なわしめるように構成しているので、冷却区間Cから流出した冷却用ガス7は加熱区間Bから流出した加熱用ガス9にて加熱され充分に高い温度に昇温される。すなわち、熱交換器11を配設することにより、従来ではそのまま捨てられていた加熱用ガス9の高温度を利用して冷却用ガス7の加熱に寄与せしめるようにしているので、熱回収率の向上が図られる。そのため、電気ヒータ4によって冷却用ガス7を所定の高温に加熱する際の昇温幅が少なくて済むこととなり、ひいては電気ヒータ4の電力消費量を低減させることが可能となり、その結果、装置のランニングコストの低減を図ることができる。 【0020】以上、本発明の一実施態様につき述べたが、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、吸着剤23の1回転領域に沿って設定した吸着区間A,加熱区間B及び冷却区間Cの領域幅、及び製品ガスのうち冷却用ガスとして分流される割合は、必要に応じて適宜に変更可能である。また、冷却用ガスを加熱する手段は電気ヒータ4に限ることなく各種の加熱用補機部品(加熱手段)を用いることが可能である。 【0021】 【発明の効果】以上の如く、本発明は、冷却区間の領域から流出する冷却用ガスと、加熱区間の領域から流出する加熱用ガスとの間で熱交換を行なうための熱交換器を配設するようにしたものであり、これにより、加熱区間から出た加熱用ガスの温度を利用して冷却区間を出た冷却用ガスを加熱するようにしたものであるから、装置の熱回収率を向上させることができ、前記冷却用ガスを加熱用ガスとして所要の温度にまで加熱するための電気ヒータ等の加熱用補機部品(加熱手段)の電力消費量を低減できる。すなわち、本発明によれば、上述の如き熱交換器を設置することにより、加熱ガスが高温のまま捨てられるのを回避できて熱エネルギの無駄をなくすことができるため、ヒータ電力等の消費量を低減することが可能となると共に、熱回収率を高く保つことができる。その結果、装置のランニングコストの低減を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】奥山 尚男 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−28328 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−189422 |
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