| 【発明の名称】 |
微粒子懸濁水の処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】袖 山 健 児
【氏名】佐 藤 輝 男
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| 【要約】 |
【課題】簡単懸濁液に粉体を定量的に混合して、反応、濃縮、濾過などを連続的に実施することができ、単位時間当りの処理能力の大きく、しかも、狭い場所に設置でき、安価な微粒子懸濁水の処理装置を提供する。
【解決手段】微粒子懸濁水に含まれる微粒子の量に応じて一定量の粉体を反応槽3へ供給するする粉体槽と、粉体槽3から定量的に供給された粉体と微粒子懸濁水とを所定の割合で合流、反応させる反応槽3と、粉体と微粒子懸濁水との混合液をさらに急速に反応させ混合液に含有される微粒子を沈降させるとともに、混合液の上澄液を分離して調整槽へ放出する濃縮槽4と、濃縮槽4から分離した上澄液のpHを調整し、この調整後の上澄液を外部へ排出する調整槽5と、濃縮槽4で沈降させた沈降物をスクリーンの下方から密封吸引することにより、粉体と微粒子との反応物残渣を固形物としてスクリーン上に取り残すとともに、吸引・濾過された濾過水を調整槽5に送出するようにした沈降物濾過手段6とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 微粒子懸濁水中に含まれる微粒子を沈降させる粉体を収容し、かつ微粒子懸濁水に含まれる微粒子の量に応じて一定量の粉体を反応槽へ供給するする粉体槽と、前記粉体槽から定量的に供給された粉体と前記微粒子懸濁水とを所定の割合で合流、反応させる反応槽と、前記反応槽で合流させた粉体と微粒子懸濁水との混合液をさらに急速に反応させ該混合液に含有される微粒子を沈降させるとともに、該混合液の上澄液を分離して調整槽へ放出する濃縮槽と、前記濃縮槽から分離した上澄液のpHを調整し、この調整後の上澄液を外部へ排出する調整槽と、前記濃縮槽で沈降させた沈降物をスクリーンを介して該スクリーンの下方から密封吸引することにより、前記粉体と前記微粒子との反応物残渣を固形物として前記スクリーン上に取り残すとともに、前記スクリーンを介して吸引・濾過された濾過水を前記調整槽に送出するようにした沈降物濾過手段と、を備えることを特徴とする微粒子懸濁水の処理装置。 【請求項2】 前記粉体槽が、その下端部に排出口が設けられ、この排出口に臨ませて粉体を一方向に搬送する搬送路が形成され、該搬送路に粉体を強制的に搬送する搬送手段が備えられており、さらにこの搬送路の途中に粉体を排出する粉体出口とコンプレッサからの圧縮空気を導入する圧縮空気導入口が配設され、該圧縮空気導入口から搬送路内に圧縮空気を導入することにより、この圧縮空気とともに搬送路内の粉体を粉体出口から導出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の微粒子懸濁水の処理装置。 【請求項3】 前記反応槽が、反応槽本体の上方に設けられ、粉体と懸濁水を混合して反応槽内に導入する粉体混合装置を備えており、該粉体混合装置が、前記反応槽の上方に開口し、かつ上端が密閉された筒状の短管本体と、前記短管本体内に回転可能に配設された螺旋状のスクリュー部材と、前記スクリュー部材の回転軸に連結されたスクリュー駆動源と、前記短管の側方に開口するように形成された粉体導入口と、前記粉体導入口の下方の位置に、前記短管側方に開口するように形成された懸濁水導入口とから構成されており、前記駆動源によりスクリュー部材を高速で回転しながら、前記粉体導入口より粉体を導入するとともに、前記懸濁水導入口から懸濁水を導入することによって、粉体と懸濁水とを短管内で高速で瞬時に混合し、直接反応させて、反応槽内に導入するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子懸濁水の処理装置。 【請求項4】 前記濃縮槽が、微粒子を含んだ懸濁水と、該微粒子懸濁水中に含まれる微粒子を凝集して沈降させる粉体とを混合した溶液を取り込んで、前記懸濁水中の微粒子を大粒化して下方に放出する固液分離装置を備え、該固液分離装置が、笠状の第1の板体と笠状の第2の板体とを所定間隔離間して上下に配置し、これら第1の板体と第2の板体との間に前記混合した溶液を流通させる通路を画成するとともに、これら第1、第2の板体の互いに対向する内面のうち、いずれか一方の板体の内面を粗面に形成し、いずれか他方の板体の内面を鏡面に形成し、これら粗面と鏡面とで形成される通路を流れる混合液の流れに流速の差を生じさせるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粒子懸濁水の処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は微粒子懸濁水の処理装置に関するもので、詳しくは、各種産業排水中に含まれる微粒子を沈降させて処理するのに好適な微粒子懸濁水の処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】各種産業排水、たとえば、ベントナイト排水、粘土懸濁排水、水酸化第2鉄懸濁排水、パルプ廃液、澱粉廃液、セメント廃液あるいはガラス基板研磨廃液などの中に懸濁して含まれる微粒子は、水との分離が極めて困難である。 【0003】たとえば、ベントナイト含有水は、周知のように、きわめて安定な微粒子懸濁水をつくるので、この性質を利用して土木、建築などの工事に多量に用いられているが、不要となったベントナイト懸濁排水から水とベントナイトとを分離することは極めて困難で、数日間静置しても、また遠心分離機にかけても、透明な上澄液を得ることはできない。 【0004】従来、このような排水中に無機系凝集剤および有機系凝集剤から選ばれる1種または2種以上を添加して、排水中に懸濁して含まれる微粒子を水と分離する処理が行なわれている。 【0005】このような無機系凝集剤として、例えば硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、含鉄硫酸アルミニウム、鉄明礬、カリウム明礬、硫酸第2鉄、塩化第2鉄などが用いられている。 【0006】他方、有機系凝集剤としては、例えばN−ビニル−2−ピロリドン−アクリルアミド共重合体、アスパラギン酸とヘキサメチレンジアミンとの重合体などのカチオン系凝集剤、たとえばポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ナトリウムなどのアニオン系凝集剤などが用いられている。 【0007】しかしながら、このような従来の凝集剤を用いて処理した後の排水を遠心分離機にかけても、排水から十分な量の透明な上澄液を分離して得ることはできなった。 【0008】一方、近年になって塩基性カルシウム化合物を添加して、微粒子を凝集することも行なわれている。このような塩基系カルシウム化合物はスラリー状またはペースト状で添加することもできるが、取扱いが簡易なこともあって、粉体として用いることが一般的である。 【0009】ここで、このように粉体の塩基性カルシウム化合物を微粒子懸濁水に加える場合の添加量は、処理対象となっている微粒子化合物の種類、性質などに応じて異なるが、例えば微粒子懸濁水の0.1〜1.0重量%が好適である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、このような割合で粉体を添加する場合は、作業者が懸濁液に目分量で加えたり、あるいは粉体の容器を上方に配置し、その底部に孔を開けて粉体を自然落下で落としたり、あるいは手で掻き出すなどして、合流させていた。したがって、従来は懸濁水との混合量を適正な値にすることが困難であるばかりか、粉体の加減で沈降するのに多大な時間がかかったり、さらには多量の懸濁水を連続的に処理することができないという問題もあった。 【0011】一方、大型装置の中には粉体を自動供給するものも提供されているが、いずれも装置全体が大型で、狭い場所に設置することが困難であった。また、コスト高になるという問題を有していた。 【0012】また、従来の反応槽では、粉体と微粒子懸濁水とを反応槽内に導入して、反応槽内に配設された低速度で回転する撹拌翼を備えた撹拌装置によって粉体を混合していた。 【0013】従って、従来、懸濁水と粉体との混合が十分でなく、反応に時間がかかり、その結果、微粒子が沈降するのに時間がかかり過ぎてしまったり、あるいは処理後の懸濁水中に微粒子が残存してしまい、懸濁水を連続的に処理することができないという問題もあった。 【0014】また、従来、反応槽で反応した粉体と微粒子懸濁水とを、さらに濃縮槽で反応させて沈降させる方法としては、静置による沈降分離によって行っていたため、固液の比重差が小さい場合には、沈降分離に時間がかかってしまい、装置全体の処理時間が長くなっていた。 【0015】さらに、従来、反応槽で反応した粉体と微粒子懸濁水とを、さらに濃縮槽で反応させて沈降させた沈降物を濾過して、反応物残渣と濾過水とに分離する装置として、遠心分離装置やフィルタープレスなどを用いていたが、いずれも装置が大型化し、しかも連続的に処理するには不向きであった。 【0016】本発明は、このような実情に鑑み、簡単懸濁液に粉体を定量的に混合して、反応、濃縮、濾過などを連続的に実施することができ、単位時間当りの処理能力の大きく、しかも、狭い場所に設置でき、安価な微粒子懸濁水の処理装置を提供することを目的としている。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題および目的を達成するために発明なされたものであって、本発明の微粒子懸濁水の処理装置は、微粒子懸濁水中に含まれる微粒子を沈降させる粉体を収容し、かつ微粒子懸濁水に含まれる微粒子の量に応じて一定量の粉体を反応槽へ供給するする粉体槽と、前記粉体槽から定量的に供給された粉体と前記微粒子懸濁水とを所定の割合で合流、反応させる反応槽と、前記反応槽で合流させた粉体と微粒子懸濁水との混合液をさらに急速に反応させ該混合液に含有される微粒子を沈降させるとともに、該混合液の上澄液を分離して調整槽へ放出する濃縮槽と、前記濃縮槽から分離した上澄液のpHを調整し、この調整後の上澄液を外部へ排出する調整槽と、前記濃縮槽で沈降させた沈降物をスクリーンを介して該スクリーンの下方から密封吸引することにより、前記粉体と前記微粒子との反応物残渣を固形物として前記スクリーン上に取り残すとともに、前記スクリーンを介して吸引・濾過された濾過水を前記調整槽に送出するようにした沈降物濾過手段と、を備えることを特徴とする。 【0018】このような本発明によれば、懸濁液に粉体を定量的に混合して、反応、濃縮、濾過などを連続的に実施することができ、単位時間当りの処理能力の大きく、しかも、狭い場所に設置でき、安価な微粒子懸濁水の処理装置を提供できる。 【0019】また、前記粉体槽が、その下端部に排出口が設けられ、この排出口に臨ませて粉体を一方向に搬送する搬送路が形成され、該搬送路に粉体を強制的に搬送する搬送手段が備えられており、さらにこの搬送路の途中に粉体を排出する粉体出口とコンプレッサからの圧縮空気を導入する圧縮空気導入口が配設され、該圧縮空気導入口から搬送路内に圧縮空気を導入することにより、この圧縮空気とともに搬送路内の粉体を粉体出口から導出するように構成されているのが好ましい。 【0020】このように構成することによって、微粒子懸濁水に含まれる微粒子の量に応じて、粉体の供給量を正確に制御することが可能となり、懸濁水と粉体との混合量を適正な割合にすることができ、微粒子が沈降する時間を短縮でき、処理後の懸濁水中に微粒子が残存することもなく、懸濁水を連続的に処理することができる。 【0021】さに、前記反応槽が、反応槽本体の上方に設けられ、粉体と懸濁水を混合して反応槽内に導入する粉体混合装置を備えており、該粉体混合装置が、前記反応槽の上方に開口し、かつ上端が密閉された筒状の短管本体と、前記短管本体内に回転可能に配設された螺旋状のスクリュー部材と、前記スクリュー部材の回転軸に連結されたスクリュー駆動源と、前記短管の側方に開口するように形成された粉体導入口と、前記粉体導入口の下方の位置に、前記短管側方に開口するように形成された懸濁水導入口とから構成されており、前記駆動源によりスクリュー部材を高速で回転しながら、前記粉体導入口より粉体を導入するとともに、前記懸濁水導入口から懸濁水を導入することによって、粉体と懸濁水とを短管内で高速で瞬時に混合し、直接反応させて、反応槽内に導入するように構成されているのが好ましい。 【0022】このように構成することによって、懸濁水と粉体とが短管内で高速で瞬時に混合し、直接反応して粉体反応槽内に導入されるので、粉体反応槽内での懸濁水と粉体との混合効果および凝集反応の反応効率を向上することが可能である。 【0023】また、前記濃縮槽が、微粒子を含んだ懸濁水と、該微粒子懸濁水中に含まれる微粒子を凝集して沈降させる粉体とを混合した溶液を取り込んで、前記懸濁水中の微粒子を大粒化して下方に放出する固液分離装置を備え、該固液分離装置が、笠状の第1の板体と笠状の第2の板体とを所定間隔離間して上下に配置し、これら第1の板体と第2の板体との間に前記混合した溶液を流通させる通路を画成するとともに、これら第1、第2の板体の互いに対向する内面のうち、いずれか一方の板体の内面を粗面に形成し、いずれか他方の板体の内面を鏡面に形成し、これら粗面と鏡面とで形成される通路を流れる混合液の流れに流速の差を生じさせるように構成されているのが好ましい。 【0024】このように構成することによって、2つの板体間を通過していく微粒子含有の懸濁水の流れに差が生じるので、微小な微粒子は転がりながら下方に導かれ、それらの微粒子は次第に大きくなり、その結果、沈降処理時間を短縮することができ、装置全体の処理時間を短縮することが可能となる。 【0025】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の微粒子懸濁水の処理装置1を示した平面図で、図2はその側面図、図3は、処理装置1の作動を説明する処理装置1全体の概略図である。 【0026】図示しないが、被処理体である微粒子含有の懸濁水、例えば、トンネルを掘削するシールド掘進機などから生じた汚泥を含んだ懸濁水が、ドラム缶などに貯留され、処理装置1の近傍に配置されている。 【0027】図1に示したように、この処理装置1は、例えば、塩基性カルシウム等の凝集剤からなる粉体を貯留した粉体槽2と、懸濁水と粉体とを反応させる反応槽3と、この反応槽3内で混合させた懸濁水と粉体とをさらに反応させ、微粒子を下方に沈降させるとともに、上方に残った上澄液を除々に排出する濃縮槽4と、前記濃縮槽4で得られた上澄液を収容し、この上澄液を無害化処理する調整槽5と、前記濃縮槽4で得られた沈下物からさらに水分を取り除くスクリーン装置6とから構成され、粉体槽2と反応槽3との間に、本発明に係る粉体定量供給装置Aが設置されている。 【0028】上記粉体槽2は、図4に示したように上部が開口した箱体であり、この粉体槽2内には、微粒子凝集作用を有するたとえば塩基性カルシウムなどの粉体8が収容され、蓋体により外部からの異物の侵入が防止されている。一方、粉体槽2の下端部に、排出口12が形成されている。なお、この排出口12は、粉体槽2の下端部に数カ所散在して形成しても良く、中央部に集中して形成しても良い。 【0029】これらの排出口12に臨ませて、粉体定量供給装置Aが設置されている。この粉体定量供給装置Aは、粉体槽2内に多量に収容された粉体を下流側に定量的に切り出すためのもので、例えば、排出口12に臨んで設置されたシリンダー13と、このシリンダー13内に回転自在に収納されたスクリュー14と、スクリュー14を回転駆動させる歯車装置15とを具備している。なお、この歯車装置15は、モータ15Aとモータ15Aの駆動軸に設けられた歯車15B、この歯車15Bと15Cとから構成される。 【0030】さらにシリンダー13の壁面には、図示しないコンプレッサーからの圧縮空気を導入するための圧縮空気導入口16が形成され、この圧縮空気導入口16と対向する側の壁面部には、粉体および圧縮空気の排出口を形成する粉体出口形成部材17が設置されている。この粉体出口形成部材17には、下流に通じる粉体出口17Aが形成されている。さらに、この粉体出口17Aには、細管18が接続され、細管18の他端が上述した反応槽3に接続されている。 【0031】ここで、図示しないコンプレッサからの圧縮空気が圧縮空気導入口16からシリンダー13内に導入されると、その圧縮空気は粉体出口17aから排出されようとする。そのとき、粉体出口17aの近傍は空気の流出により負圧となるので、圧縮空気の流れに引き込まれて周囲の粉体がこの粉体出口から排出されることになる。したがって、粉体は圧縮空気とともに細管18内へ導出され、さらに反応槽3へ供給されることになる。なお、この圧縮空気は、連続的に圧送しても良いが、間欠的に圧送しても良く、間欠的に圧送した場合には、この粉体出口形成部材17内で粉体が詰まって閉塞するのが防止できる。また、粉体槽3内に、粉体を掻き混ぜるための撹拌機を挿入し、この撹拌機で必要に応じて掻き混ぜても良い。 【0032】また、この粉体定量供給装置Aでは、歯車装置15のモータ15Aの回転数、すなわちスクリュー14の回転数を、調整することが可能であり、これにより、スクリュー14により単位時間当りに下流に送られる粉体の量が調整される。なお、これらの制御は、制御盤80により調整される。 【0033】この場合、微粒子懸濁水の反応糟3への供給流量を、図4に示した流量計23によって測定して、微粒子懸濁水の種類、濃度によって決められ、かつ予め設定された流量に応じた電流値の電流を発生するようにして、制御盤80内に設けられた制御装置によって、この電流値に応じて歯車装置15のモータ15Aに接続されたインバータへの供給電圧を変化させることによって、歯車装置15のモータ15Aの回転数、すなわち、スクリュー14の回転数を制御して、粉体供給量を制御するように構成されている。 【0034】なお、このように流量計23によって、歯車装置15のモータ15Aに接続されたインバータへの供給電圧を変化させる代わりに、図示しないが、微粒子懸濁水を貯留したドラム缶などの貯留槽に、微粒子懸濁水の濃度を測定する濃度測定装置を設けて、この濃度測定結果に応じて、歯車装置15のモータ15Aに接続されたインバータへの供給電圧を変化させることによって、歯車装置15のモータ15Aの回転数、すなわち、スクリュー14の回転数を制御して、粉体供給量を制御するように構成してもよく、この場合には、微粒子懸濁水の種類、濃度に応じて予め前述のように基準を設定する必要がないので、微粒子懸濁水の種類、濃度に応じた適切量の粉体を自動的に反応槽3内に供給することができる。 【0035】このように構成することによって、反応槽へ供給される微粒子懸濁水に含まれる微粒子の量に応じて、この微粒子と反応して微粒子を沈降させる粉体を適正な量だけ正確に連続的に反応槽へ供給することが可能となる。 【0036】さらに、粉体槽2の側壁2Aの排出口近傍には、粉体槽2内に投入された粉体が、粉体排出口近傍で固まって排出口を閉塞するのを防止するために、圧縮空気導入装置2Bからなる閉塞防止手段が設けられている。この圧縮空気導入装置2Bは、図示しないコンプレッサと接続されており、圧縮空気を圧縮空気導入ノズル2Cから粉体槽2内に間欠的に導入して、粉体槽2の排出口12近傍に固まった粉体を崩して、排出口12よりシリンダー13内に粉体を円滑に導入するようになっている。このように構成することによって、粉体槽12に投入された粉体が、排出口12近傍で、いわゆるブリッジ現象で固まって排出口12を閉塞して、安定した粉体の供給を阻害するのを防止することができる。 【0037】一方、ドラム缶などに貯留された図示しない懸濁水は、図1および図5に示したように、反応槽3に連通された吸引ポンプ10により吸引され、流量計23、可撓性の蛇腹管11を介して反応槽3内に取り入れられるようになっている。 【0038】また、懸濁水を反応槽3内に導入するために、該反応槽3の上部3Aには、粉体混合装置35が設置され、この粉体混合装置35は、短管24を備えており、この短管24の下端24Aが反応槽3の上方に開口している。また、短管24内には、ダイナミックミキサーと称される第1の撹拌機36の螺旋状のスクリュー部材27が、ベアリング32、34を介して回転可能に配設されている。 【0039】すなわち、このスクリュー部材27の回転軸27Aは、その上部が短管24の上端のフランジ24Dに固着された閉塞部材22の中心開口部22Aを貫通してベアリング32に保持されている。また、回転軸27Aの上端27Bは、カップリング21を介して、モータ28の駆動軸28Aと連結されている。なお、モータ28は、閉塞部材22に固着されたフレーム部材22Aに固定されている。また、図示しないが、閉塞部材22の中心開口部22Bと回転軸27Aの上端27Bとの回転摺動部には、シールリングを設けて気密性を保つのが好ましい。 【0040】この第1の撹拌機36では、螺旋状のスクリュー部材27がモータ28の駆動力で、例えば、1000rpmの回転数で、高速に回転されるようになっている。一方、図6に示したように、この短管24には、粉体定量供給装置Aの粉体出口に接続された細管18を接続するための口部26が、短管24の側方上部に、この短管24に対して斜め下方向に粉体導入口26Aが開口するように設けられている。従って、この口部26の粉体導入口26Aから供給される粉体は上方から斜め下方に向かって導入されることになる。この場合、粉体導入口26Aが、短管24内に斜め下方向きに開口するように形成されているので、短管内が高速で回転するスクリュー部材によって負圧となり、粉体導入口から粉体が導入されやすくなるので、懸濁水と粉体との混合効果および凝集反応の反応効率をより向上することができる。 【0041】また、この短管24には、反応槽3に連通された吸引ポンプ10に接続された蛇腹管11に取り付けるために、口部25がその側方中央部に設けられており、この口部25には、短管24内に開口する懸濁水導入口25Aが形成されている。なお、この場合にも、懸濁水導入口25Aが、短管内に斜め下方向きに開口するように形成すれば、懸濁水が短24管内に導入されやすくなり、懸濁水と粉体との混合効果および凝集反応の反応効率をより向上することができる。 【0042】さらに、反応槽3の上部3Aには、この第1の撹拌機36の側方に、図5に示したように、低速でゆっくり回転する第2の撹拌機29が設置されている。この撹拌機29には、モータ29Aの駆動により回転する回転軸29Bが、反応槽3の高さの半分の高さより高い位置まで延び、その先端に撹拌翼部材29Dが設けられている。 【0043】このように構成される反応槽3では、粉体定量供給装置Aから圧縮空気とともに送られてくる粉体が細管18を介して、粉体導入口26Aから短管24内に勢い良く導入されるとともに、ドラム缶などに収容された懸濁水が、吸引ポンプ10の作用によって、蛇腹管11を介して、懸濁水導入口25Aを介して懸濁水が同時に供給される。これにより、粉体と懸濁水とが高速で混合されながら、瞬時に直接反応し、反応槽3の底部近傍に配設された傘状の邪魔板30に高速で衝突する。 【0044】したがって、粉体と懸濁水とが瞬時に混合され、水和反応が促進されることになる。また、邪魔板30に衝突された後も、第2の撹拌機29により低速でゆっくり撹拌される。なお、この第2の撹拌機29の周囲には、反応槽3の上部中央より垂下して延設された円筒形の隔壁によって囲まれており、これによって、撹拌機29によってこの円筒形の隔壁内部の少量の容積の懸濁水と粉体が撹拌されることになるので、全体として反応槽3の内部の撹拌効果が促進されるようになっている。 【0045】また、この場合、反応槽3の内部には、図示しないが、レベルセンサが設けられており、反応槽3に供給される懸濁水と粉体の量が一定レベルまで達した場合に、吸引ポンプ10、粉体定量供給装置Aを停止して、懸濁水と粉体とが過剰に供給されるのを防止するようになっている。 【0046】このように、反応槽3内で一定時間タイマーの管理下のもとで、粉体と反応された懸濁水は、槽下面に設置されたドレンバルブ37から、配管38、吸引ポンプ40を介してさらに下流の濃縮槽4へ供給される。 【0047】また、反応槽3内に配置されたレベルセンサーによって、反応槽3内が空の状態となった後、再び吸引ポンプ10、粉体定量供給装置Aを作動して、粉体と懸濁水が反応槽3内に供給されるようになっている。 【0048】一方、濃縮槽4では、吸引ポンプ40の駆動により、反応槽3の下面から取り出された懸濁水と粉体との混合液が収容される。なお、この時点では、既に粉体と懸濁水とは反応し始めて固形物からなる沈降物が形成されつつある。そして、これらが濃縮槽4内に供給される。 【0049】図11の拡大図に示したように、濃縮槽4の上部内周面には、上澄液を分離するための隔壁体40が設置されているが、この隔壁体40は槽上方部の周壁からやや径内方側に入った位置に、周内壁を二重に取り巻くように形成されている。 【0050】また、濃縮槽4では、本発明に係る固液分離装置55が濃縮槽4の半分の高さ位置よりやや下方の位置に設置されている。この固液分離装置55は、図2、図7および図8に示したように、笠状の2つの板体47、板体48を有し、これらが所定間隔離間して上下に配置されている。上側に配置される一方の板体47の上部には、円筒状の筒部47Aが具備され、この筒部47Aの側壁に、混合液を導入するための開口59が形成されている。また、これら第1、第2の板体47、48は、ステンレスからなる複数の固定片49で所定間隔置きに連結され、これら隣接する固定片49間に液排出通路50が形成されている。 【0051】このような固液分離装置55では、図9に拡大して示したように、上側に配置される一方の板体47の接液側の内面に、突起51が全面に形成されている。一方、下側に配置される他方の板体48には、このような突起は形成されていない。すなわち、互いに対面する2つの板体のうち、第1の板体47の内面は、粗に形成され、第2の板体48の内面は鏡面状に形成されている。このような固液分離装置55における液排出通路の幅Sは、20〜50mmの範囲が好適で、好ましくは、25〜40mmの範囲である。 【0052】このように形成された固液分離装置55では、一方の板体47の側壁に形成された開口59から混合液が取り入れられると、先ず、勢い良く筒部47Aの内壁に衝突する。そして、この筒部47A内を周方向に回転しながら次第に下方に導かれ、第1の板体47と第2の板体48とで形成された層状の通路内へと導かれる。 【0053】粉体が加えられた懸濁水が2つの板体47、48間を通過する際には、一方の板体47の近傍では、突起51が形成されているため流速が低下し、他方の板体48の近傍では、流速が速くなる。したがって、ここを流れる流体は、例えば図9の矢印Bで示したように渦流となる。しかも、勢い良く導入される混合液は、壁面に衝突しながら螺旋状に流れていく傾向を有しているので、混合液に含まれる微粒子は、種々の方向に回転しながら流れていく。したがって、ここには造粒作用が生じており、固形物の大粒化が促進される。これにより、微粒子の塊は大きくなって下方に放出され、濃縮槽5の下層部に蓄積される。 【0054】一方、凝縮槽5では、微粒子から分離された溶液は上澄液となって上層部に集積される。このような上澄液が隔壁体40に到達するまで増量すると、その上澄液は隔壁体40を乗り越える。すなわち、オーバーフローとなって溢れ出る。溢れ出た上澄液は、図11に示したように壁面に形成した開口42を介して、下流に配置された調整槽5内に自然落下で供給される。 【0055】なお、この場合、濃縮槽4の内部には、固液分離装置55の近傍の高さに配置された第1レベルセンサ4Aと、この第1レベルセンサ4Aよりも上方で隔壁体40の下方に配置された第2レベルセンサ4Bが配置されている。この第2レベルセンサ4Bは、微粒子を含んだ液体を感知するセンサーであり、この液体がレベルセンサ4Bを超える場合には、制御盤80内の制御装置によって、吸引ポンプ40の駆動を停止して、反応槽3から濃縮槽4へと懸濁水と粉体との混合液がこれ以上流入して、微粒子を含んだ液体隔壁体40を乗り越えオーバーフローとなって溢れ出て誤って調整槽5内に供給されるのを防止するようになっている。また、第1レベルセンサ4Aよりも液面が低下した場合には、吸引ポンプ40が駆動され、反応槽3から濃縮槽4へと懸濁水と粉体との混合液が流入するようになっている。なお、この場合、この第2レベルセンサ4Bは、清澄な上澄液がこの第2レベルセンサ4Bを超える場合には反応せず、吸引ポンプ40の駆動は停止されず、上記した上澄液のオーバーフロー作用を阻害しないようになっている。 【0056】なお、このような濃縮槽4の液面管理は、このようなレベルセンサを用いてもよいが、タイマーにて管理しても良いことは勿論である。さらに、調整槽5内では、濃縮槽4から送られてくる上澄液が次第に貯留されるとともに、撹拌機60によりゆっくり撹拌される。また、調整槽5内には、前記濃縮槽4の場合と同様に、隔壁体40が設置されている。 【0057】この調整槽5では、上澄液の化学的な諸性質が判別され、所定の処置が施される。例えば、アルカリ度の高い懸濁水を処理している場合には、調整槽5内のペーハを測定し、基準外にある場合は、薬液タンク62、63から必要な薬液が添加され、中和される。このようにして、調整槽5では、上澄液を一般の排水溝などに捨てても良い状態になるまで処理され、その後、排出口58を介して排水溝などに排出される。 【0058】一方、濃縮槽4の下層部に溜まった沈降物は、ポンプ64の吸引力によりスクリーン装置6に圧送される。スクリーン装置6は、図2および図10に示したように、動力装置81の駆動力で回転移動する無端ベルトからなるスクリーンコンベア71、4本のシリンダ69により上下動する箱体72、箱体72の下方にスクリーンコンベア71の上方スクリーンコンベア71を介して対峙するように配置され水溶液が貯留される上方が開口された受け箱74、減圧タンク87、ブロア75、バキュームポンプ76などを具備している。 【0059】上記箱体72の底面は開口しており、スクリーンコンベア71は、ケーシング85内に収納されている。また、ケーシング85には、連通管83が取り付けられ、この連通管83はブロア77に連通している。さらに、受け箱74には、連通管82の一端が取付られ、この連通管82は、減圧タンク87内に開口している。 【0060】このように構成されたスクリーン装置6では、動力装置81の駆動を停止してスクリーンコンベア71を停止した状態で、シリンダ69の駆動で箱体72が下方に移動させる。そして、箱体72の底面がスクリーンコンベア71のメッシュ状の網目が形成された上方の無端ベルト71Aを介して、その下方に配置された受け箱74と当接させる。これにより、上方の無端ベルト71Aが、箱体72の下端に配置されたシールリング(図示せず)と受け箱74の上端に配置されたシールリング(図示せず)で挟着されて、箱体72と受け箱74とで形成された内部空間73が密封状態となる。この状態で、濃縮槽4の下層部に溜まった沈降物が、ポンプ64の吸引力によりスクリーン装置6の箱体72内に導入される。 【0061】つづいて、上記ブロア75を作動させるとブロア75の吸引力により、箱体72と受け箱74とで形成された内部空間73が内が負圧になるので、箱体72内の沈降物に含まれる水分が、上方の無端ベルト71Aを通過して濾過され、この濾過水分が受け箱74内に収容され、下方の減圧タンク87内に貯留されるようになっている。この場合、バキュームポンプ76と減圧タンク87の間には、逆止弁78が設けられており、減圧タンク87内に調整槽5、ポンプ76を介して空気が流入してこの吸引濾過作用を妨げないようになっている。 【0062】その後、ブロア75の作動を停止して、減圧タンク87に連通したバキュームポンプ76を駆動させて、減圧タンク87内に貯留された水分が、上述した調整槽5内に戻される。 【0063】一方、箱体72内に圧送され、無端ベルト71aを通過することのできなかった固形物は、この上方の無端ベルト71A上に取り残される。ここに残される固形物の残渣は、懸濁水中の微粒子が粉体により固形化された最終生成物である。 【0064】このように固形化された微粒子の塊は、シリンダ69の駆動で箱体72を上方位置に戻した後、スクリーンコンベア71の駆動により、一ピッチ分だけ一方の端部側に運ばれる。 【0065】その後、上記した吸引濾過操作が繰り返されるようになっている。なお、吸引濾過により上方の無端ベルト71Aに残存した固形物は、スクリーンコンベア71の一端側の駆動ローラ82の近傍で、上方の無端ベルト71Aが下方の無端ベルト71Bとなる際に、剥離されてその下方に配置されたコンテナ容器86に落下するようになっている。 【0066】また、ケーシング85の下端には、スクラッパー84が設置されており、このスクラッパー84により、微粒子の塊は下方の無端ベルト71Bの表面から剥がされる。このスクラッパーは、例えば、搬送されてくる無端ベルト71Bの表面を引っ掻くように配置される板状突起であり、その板状突起により剥がされた微粒子の塊は下方に配置されるコンテナ容器86などに収容される。また、スクラッパーで剥がしても、無端ベルト71Bの表面に残存して目詰まりを起こすのを防止するために、無端ベルト71Bの内面側からブロア77を介して圧縮空気を吹き付けて、固形物をさらに剥がすようになっている。 【0067】これにより、懸濁水の処理が完了し、懸濁水の中に含まれていた微粒子が全て固形化され、コンテナ内に収容される。以後、このような作業工程を繰り返し行なうことにより、微粒子含有の懸濁水を連続的に処理することができる。 【0068】以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されないことは勿論である。 【0069】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る微粒子懸濁水の処理装置によれば、懸濁液に粉体を定量的に混合して、反応、濃縮、濾過などを連続的に実施することができ、単位時間当りの処理能力の大きく、しかも、狭い場所に設置でき、安価な微粒子懸濁水の処理装置を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592109570 【氏名又は名称】袖山技研工業株式会社 【識別番号】000143765 【氏名又は名称】株式会社佐藤工業所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 俊一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−28310 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−186815 |
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