トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般




【発明の名称】 例えば抄紙機用クロス、フィルタのような固液両相分離構造体
【発明者】 【氏名】サンジェイ、パテル

【要約】 【課題】ことに抄紙機の乾燥処理圏において使用されるべき、軽量で、可撓性のある、高温、加水分解条件下に安定な抄紙機用クロスを開発、提供すること。

【解決手段】ポリベンゾオキサゾール(PBO)およびポリベンゾチアゾール(PBT)重合体、PBOおよび/またはPBTのランダムもしくはブロック共重合体の少なくとも1種類を含有する組成分を構成要素とするクロスを有することを特徴とする相分離構造体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリベンゾオキサゾール(PBO)およびポリベンゾチアゾール(PBT)重合体、PBOおよび/またはPBTのランダムもしくはブロック共重合体の少なくとも1種類を含有する組成分を構成要素とするクロスを有することを特徴とする相分離構造体。
【請求項2】 請求項(1)の構造体であって、上記のPBOもしくはPBT重合体またはランダムもしくはブロック共重合体が、下式【化1】

で表わされ、かつAr、Ar1 、Xが、12個までの炭素原子を有する芳香族、脂肪族または脂環式基を、ZがOまたはS原子を意味する単位のいずれか1個または2個または全部を含有することを特徴とする構造体。
【請求項3】 Ar、Ar1 、Xが、6から18個の炭素原子を有する、縮合もしくは非縮合芳香族または脂肪族炭素環式基を意味することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項4】 Arがフェニレン、トリレン、ビフェニレンまたはビスフェニレンエステルを意味することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項5】 Ar1 がフェニレン、トリレン、ビフェニレンまたはビスフェニレンエステルを意味することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項6】 Arが1,3,4−フェニレンを、Ar1 が1,2,4,5−フェニレンを意味することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項7】 Xが炭素原子数2から6の直鎖アルキル基を有することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項8】 Xが炭素原子数6から18の、縮合もしくは非縮合炭素環式基であることを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項9】 Xがフェニレン、トリレン、ビフェニレンまたはビスフェニレンエーテルを意味することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項10】 Xが1,3,4−フェニレン基を意味することを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項11】 NおよびZ原子が芳香族基ArまたはAr1 と縮合している5員環の一部を成すことを特徴とする、請求項(2)の構造体。
【請求項12】 上記各請求項のいずれかの相分離構造体が、抄紙機用編織布を有することを特徴とする構造体。
【請求項13】 上記各請求項のいずれかの相分離構造体が、フィルタクロスまたはフィルタ構造体を有することを特徴とする構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】本発明は固液両相分離構造体、コンベアベルト、例えば抄紙機クロス、濾過構造体、限定的ではないが、ことに水透過性の編織布、プレス乾燥編織布、コンデベルトドライアー、インピンジングドライアー編織布に関する。
【0002】
【従来技術】ドライアー編織布は、抄紙機の乾燥処理圏において、抄紙作業の間、湿潤ペーパーウエブを担持搬送するために使用される。
【0003】抄紙機製造業者は、最近、絶えず上昇する温度において稼働し得る新規の乾燥処理装置を開発、設計している。例えば従来の典型的乾燥処理装置は、120℃台の温度で操作されていたが、最近の抄紙機は500℃に近い温度で稼働可能になっている。しかしながら、これらの新らしい乾燥処理装置も、その最高ポテンシャル温度で操業することはできない。ドライアーファブリックを構成するのに使用されている材料の耐熱性により制約を受けるからである。そこで、現在のところ、抄紙機乾燥圏装置の稼働最高温度は、インパルスドライアー(プレスドライアー)を含めても180℃程度である。これまでに、実際上使用不能の高コストではない有機ポリマーヤーンないしファイバーで、抄紙機乾燥処理圏で使用に適するとされるものはなかった。また無機質(鉱物質)材料は、一般的にその高度の脆性の故に、抄紙機用クロスとして不適当である。無機材料(例えばアスベスト)は、さらに健康上の問題、安全性の問題があり、また加水分解による影響を受ける。
【0004】金属ヤーンないしファイバーが、最近の乾燥装置、ないし部材に使用されているが、金属製ドライアー編織布は、高温、多湿の、最近の抄紙機の稼働条件下において容易に腐蝕する。また金属編織布は重量が著しく大きくなり、抄紙機に装着し、取扱うのが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、これに限定されるものではないが、ことに抄紙機の乾燥処理圏において使用されるべき、軽量で、可撓性のある、高温、加水分解条件下に安定な抄紙機用クロスを開発、提供することである。
【0006】しかるに、この目的は、ポリベンゾオキサゾール(PBO)およびポリベンゾチアゾール(PBT)重合体、PBOおよび/またはPBTのランダムもしくはブロック共重合体の少なくとも1種類を含有する組成分を構成要素とするクロスを有することを特徴とする相分離構造体により達成されることが本発明者らにより見出された。クロスの構成要素はヤーンもしくはファイバーまたはその両者を含みクロスは織布もしくは不織布である。
【0007】ポリベンゾオキサゾールもしくはポリベンゾチアゾールから形成されるファイバーおよびヤーンは、秀れた耐熱性(650℃まで)、極めて良好な耐加水分解性、低い保水率(最大限0.8%)、軽量および高度の耐摩耗性を併わせ備えている。従って、このようなファイバー、ヤーンは、プレスドライアー、インピンジングドライアーを含めて最新の抄紙機用乾燥部材ないし装置に使用するのに極めて適している。
【0008】本発明によるPBOもしくはPBT重合体またはそのランダムないしブロック共重合体は、以下の式【0009】
【化2】

で表わされる単位のいずれか1個または2個またはすべてを有することが好ましい。ただし、式中のAr、Ar1 は、炭素原子数6から18の、縮合もしくは非縮合、芳香族または脂環式基、好ましくはフェニレン、トリレン、ビフェニレンまたはビスフェニレンエーテルを、ことにArは1,3,4−フェニレン基を、Ar1 は1,2,4,5−フェニレン基を意味し、ZはOまたはS原子を意味する。また、Xは炭素原子数12個までの、ことに2−6個の直鎖アルキル基、または、好ましくはArと同様に2価の芳香族基を意味する。この芳香族基は、ヘテロ環基、例えばピリジニレン基であってもよい。N原子およびZ(OまたはS)原子は、芳香族基Ar、Ar1 と縮合している5員環の一部を構成するのが好ましい。
【0010】ヤーンまたはファイバーは、例えばPCT特願WO93/20400号公報に記載された方法により製造され得る。
【0011】ヤーン、ファイバーは、抄紙機用のクロスないしフェルトに通常使用されているのと同じ寸法、例えばタイター(単位長さ当たり重量)を有する。これはモノフィラメント、ヤーン、マルチフィラメントヤーン、ラップヤーン、編上げヤーン、トライストヤーン、パイルヤーン、ケーブルヤーンのいずれの形態でもよく、またバットステープルファイバーであってもよい。これらヤーン、ファイバーは、抄紙機用クロス、フィルタークロス、ベルト、その他の固液相分離構造体、コンベアベルト、ことに耐熱性コンベアベルトに使用される。
【出願人】 【識別番号】591279135
【氏名又は名称】スキャッパ、グループ、ピー・エル・シー
【氏名又は名称原語表記】SCAPA GROUP PUBLIC LIMITED COMPANY
【出願日】 平成10年(1998)2月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
【公開番号】 特開平11−510
【公開日】 平成11年(1999)1月6日
【出願番号】 特願平10−28748