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【発明の名称】 弾球遊技機
【発明者】 【氏名】鵜川 詔八

【要約】 【課題】可変表示装置に複数種類の識別情報を可変表示させる際に、遊技の興趣を高めるために効果的な表示制御手段を備えた弾球遊技機を提供する。

【解決手段】複数の可変表示部のすべての表示結果が導出表示される以前の段階でリーチ状態が成立していれば、左,中,右すべての図柄の変動表示を一時停止させた後同時に再可変表示させる停止変動制御を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 打玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有する可変表示装置を含み、前記複数の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に遊技者にとって有利な状態に制御可能となる弾球遊技機であって、前記複数の可変表示部の可変表示が開始されてからすべての表示結果が導出表示されるまでの間に、前記複数の可変表示部のすべてを一時停止させた後同時に再可変表示させる停止変動制御が可能な可変停止変動制御手段を含む、弾球遊技機。
【請求項2】 前記各可変表示部は、前記複数種類の識別情報を所定の方向に移動表示可能であり、前記可変停止変動制御手段は、前記停止変動制御により前記識別情報の移動を一時停止させ、前記可変停止変動制御手段の制御により前記複数種類の識別情報がコマ送りの態様で移動表示されることを特徴とする、請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】 前記各可変表示部は、前記複数種類の識別情報を一部の識別情報ずつ切換表示可能であり、前記可変停止変動制御手段は、前記停止変動制御により前記一部の識別情報ずつの切換を一時停止させることを特徴とする、請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項4】 前記複数の可変表示部は、予め定められた個数の識別情報が表示結果として導出表示された段階でその導出表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなることにより前記特定の表示態様の組合せが成立するように構成されており、前記可変停止変動制御手段は、リーチ状態が成立している場合に、前記停止変動制御を行なうことが可能である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】 前記可変表示装置は、前記複数種類の識別情報を表わす画像を表示可能な画像表示部を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項6】 前記可変停止変動制御手段の停止変動制御による一時停止の時間は、前記可変表示装置のある表示結果の導出が完了した時点から次の表示結果の導出が開始するまでの時間よりも短いことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機などに代表される弾球遊技機に関し、詳しくは、打玉を遊技領域に打込んで遊技を行ない、複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置の表示結果が、予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の弾球遊技機として一般的に知られているものに、たとえば、以下のようなものがある。弾球遊技機には、複数種類の識別情報を移動表示するための可変表示装置が備えられている。可変表示装置は、たとえば、複数種類の図柄を描いたリールを備えた機械式の回転ドラムを用いて構成される。また、他の弾球遊技機においては、可変表示装置は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube) やLCD(Liquid Crystal Display)などの画像表示装置を用いて構成される。可変表示装置は、複数種類の識別情報を移動表示するための表示部を1つまたは複数備えている。表示部が1つの場合には、可変表示装置のある時点における表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となるか、または、1つの表示部における複数のタイミングで導出表示される複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に所定の遊技価値が付与可能となる。複数の表示部を備える場合には、それら複数の表示部の各々において導出表示される表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に所定の遊技価値が付与可能となる。ここでいう所定の遊技価値とは、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(通称「役物」)の状態が打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態となること、または、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したような従来の弾球遊技機にあっては、可変表示装置の表示結果が、複数種類の識別情報を移動表示させ、所定時間が経過した後にその移動を停止させることにより導出される。遊技者は、識別情報の移動表示の結果が自らにとって有利な所定の遊技価値が付与可能となるきっかけとなることを期待しつつ、弾球遊技を行なう。しかしながら、識別情報の移動表示が、たとえば、ある一定の速度で表示されたり、速度は変化するが、識別情報が比較的単調な状態で移動表示される場合には、遊技者の期待感を十分に高めることができなかった。
【0004】とりわけ、遊技者の期待感が高まる局面としては、たとえば、複数の表示結果が特定の識別情報の組合せとなることを条件として遊技価値が付与可能となる弾球遊技機の場合は、複数の表示結果のうちの一部の表示結果が未だに導出表示されていない段階において、既に導出表示されている表示結果が、特定の識別情報の組合せとなる表示条件を満たしているような場合である。具体的に、可変表示装置にたとえば互いに時期を異ならせて表示状態の変動が順次停止する3個の表示部が設けられ、それら3個の表示部において同一種類の識別情報が停止表示されれば、大当りとなり、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる特定遊技状態となるように構成された弾球遊技機について考える。この弾球遊技機において、1番目の表示部である識別情報が停止表示され、続いて2番目の表示部で1番目の表示部と同一の識別情報が停止表示されたとする。この場合、さらに3番目の表示部で同一の識別情報が停止表示されれば、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となるので、最後に導出される3番目の表示部の移動表示が完了するまでに遊技者はどの識別情報が停止表示されるかを期待しながら識別情報の移動を注視する。このような局面において、識別情報の表示制御に工夫を凝らすことにより、遊技者の期待感をより高いレベルに引き上げることが可能である。昨今、可変表示装置を備えた弾球遊技機について、識別情報を移動表示するにあたっての、効果的な表示制御手段の提案が待望されている。
【0005】本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、可変表示装置に複数種類の識別情報を可変表示させる際に、遊技の興趣を高めるために効果的な表示制御手段を備えた弾球遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、打玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有する可変表示装置を含み、前記複数の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に遊技者にとって有利な状態に制御可能となる弾球遊技機であって、前記複数の可変表示部の可変表示が開始されてからすべての表示結果が導出表示されるまでの間に、前記複数の可変表示部のすべてを一時停止させた後同時に再可変表示させる停止変動制御が可能な可変停止変動制御手段を含む。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記各可変表示部は、前記複数種類の識別情報を所定の方向に移動表示可能であり、前記可変停止変動制御手段は、前記停止変動制御により前記識別情報の移動を一時停止させ、前記可変停止変動制御手段の制御により前記複数種類の識別情報がコマ送りの態様で移動表示されることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記各可変表示部は、前記複数種類の識別情報を一部の識別情報ずつ切換表示可能であり、前記可変停止変動制御手段は、前記停止変動制御により前記一部の識別情報ずつの切換を一時停止させることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記複数の可変表示部は、予め定められた個数の識別情報が表示結果として導出表示された段階でその導出表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなることにより前記特定の表示態様の組合せが成立するように構成されており、前記可変停止変動制御手段は、リーチ状態が成立している場合に、前記停止変動制御を行なうことが可能である。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記可変表示装置は、前記複数種類の識別情報を表わす画像を表示可能な画像表示部を含むことを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記可変停止変動制御手段の停止変動制御による一時停止の時間は、前記可変表示装置のある表示結果の導出が完了した時点から次の表示結果の導出が開始するまでの時間よりも短いことを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明によれば、弾球遊技機の遊技領域に打玉を打込んで遊技が行なわれる。複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に遊技者にとって有利な状態に制御可能となる。可変停止変動制御手段は、複数の可変表示部のすべてを一時停止させた後同時に再可変表示させる停止変動制御を行なうことが可能である。
【0013】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用に加えて、各可変表示部は複数種類の識別情報を所定の方向に移動表示することが可能である。可変停止変動制御手段は、可変停止変動制御により前記識別情報の移動を一時停止させる。この可変停止変動制御手段の制御により複数種類の識別情報がコマ送りの態様で移動表示される。
【0014】請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用に加えて、各可変表示部は、複数種類の識別情報を一部の識別情報ずつ切換表示することが可能である。可変停止変動制御手段は、停止変動制御により前記一部の識別情報ずつの切換を一時停止させる。
【0015】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、複数の可変表示部は、予め定められた個数の識別情報が表示結果として導出表示された段階でその導出表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなることにより前記特定の表示態様の組合せが成立するように構成されている。そして、前記可変停止変動制御手段は、リーチ状態が成立している場合に、前記停止変動制御を行なうことが可能である。
【0016】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の作用に加えて、可変表示装置の画像表示部により、複数種類の識別情報を表わす画像が表示可能となる。
【0017】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明の作用に加えて、可変停止変動制御手段の停止変動制御による一時停止の時間が、可変表示装置のある表示結果の導出が完了した時点から次の表示結果の導出が開始されるまでの時間よりも短い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、弾球遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限られるものではなく、打玉を遊技領域に打込んで遊技を行ない、複数種類の識別情報を移動表示する可変表示装置の表示結果が、予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる弾球遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0019】図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤面の構成を示す正面図である。パチンコ遊技機の遊技盤1の前面には、外レール2aと内レール2bとが、円状に植立されている。外レール2aと内レール2bとで囲まれた領域を遊技領域3という。
【0020】パチンコ遊技機には、遊技者がパチンコ玉の打込を操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられている。この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉が1個ずつ発射される。発射されたパチンコ玉は、外レール2aと内レール2bとの間に形成された誘導路4によって遊技領域3内に導かれる。誘導路4から遊技領域3への出口部分には、一旦、遊技領域3に打込まれたパチンコ玉が、誘導路4内に逆戻りすることを防止するための弁状の逆流防止部材5が設けられている。なお、遊技領域3に打込まれたパチンコ玉を以下の説明では「打玉」という。
【0021】遊技領域3の中央には、複数種類の識別情報である図柄を移動表示するための可変表示装置7が設けられている。可変表示装置7の下方には、始動口9と、可変入賞球装置11とが設けられている。可変表示装置7の左右両側の通称「肩部」と呼ばれる位置には、肩部入賞口13a,13bが設けられている。肩部入賞口13a,13bのそれぞれの下方の通称「袖部」と呼ばれる位置には、袖部入賞口15a,15bが設けられている。可変入賞球装置11の左右両側の通称「落とし部」と呼ばれる位置には、落とし部入賞口17a,17bが設けられている。可変表示装置7の頂部の通称「天部」と呼ばれる位置には、天部入賞口19が設けられている。なお肩部入賞口13a,13bと袖部入賞口15a,15bと落とし部入賞口17a,17bと天部入賞口19とを総称して普通入賞口という。さらに、遊技領域3の最下部には、アウト口21が設けられている。
【0022】遊技領域3に打込まれた打玉は、遊技領域3を流下する途中で、始動口9と、可変入賞球装置11と、普通入賞口とのいずれかの入賞口に入賞するか、または、アウト口21へ導かれてアウト玉として処理される。可変入賞球装置11に打玉が入賞した場合は、入賞玉1個に対して15個の景品玉が遊技者に払出される。普通入賞口(前述)のうちのいずれかに打玉が入賞した場合は、入賞玉1個に対して7個の景品玉が遊技者に払出される。すなわち、本実施の形態の弾球遊技機は、可変入賞球装置11に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数が、それ以外の入賞口に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数よりも相対的に多くなるように構成されている。
【0023】遊技盤1の上部には、装飾部材23,25が取付けられている。左側の装飾部材23には、パチンコ遊技機の製造元を示すためのメーカ名表示部材26が形成されている。右側の装飾部材25には、パチンコ遊技機の機種名を示すための機種名表示部材27と、遊技者に払出される賞球数を示すための賞球数表示部材29とが形成されている。本実施の形態のパチンコ遊技機では、機種名表示部材27と賞球数表示部材29との両方を装飾部材25に形成して、機種毎の専用の装飾部材の数を少なくしている。これにより、パチンコ遊技機の組立作業を省力化し、部品の調達コストを低減させている。
【0024】遊技領域3には、さらに、遊技領域3を装飾するとともに、打玉の流下方向を多様化させるための風車飾り33a,33b,35a,35bが設けられている。また、遊技領域3やその周辺には、遊技盤面を装飾したり、遊技状態を遊技者に報知したりして遊技効果を高めるために、以下のような各種のランプ類およびLED(Light Emitting Diode)類が配設されている。
【0025】可変表示装置7には、始動記憶表示用LED51が設けられている。遊技領域3の左右両端部には、サイドランプ53a,53bと、飾りLED55a,55bが設けられている。風車飾り33a,33bには、風車ランプ57a,57bが設けられている。肩部入賞口13a,13bには、肩LED59a,59bが設けられている。袖部入賞口15a,15bには、袖ランプ61a,61bが設けられている。可変入賞球装置11には、アタッカーランプ63a,63bが設けられている。可変表示装置7には、さらに、飾りLED71a,71b,72が設けられている。遊技領域3の周囲には、レール飾りランプ73a,73b,73c,73d,73eが設けられている。
【0026】さらに、図1では省略しているが、パチンコ遊技機の前面側において遊技盤1の上方には、遊技効果ランプ99(図3参照)と、パチンコ遊技機の状態に応じて種々の効果音を発生させるためのスピーカ(図3参照)が設けられている。
【0027】また、同様に、図1では省略しているが、遊技領域3内には、打玉の流下経路を変化させることにより、普通入賞口や始動口9、可変入賞球装置11に打玉が進入しやすいようにしたり、または、進入しにくいようにしたりするための多数の釘が植立されている。
【0028】次に、図1に示した各種の装置を個別に説明する。始めに、可変表示装置7について説明する。可変表示装置7は、画像を表示するための画像表示部81を含む。この画像表示部81は、CRT表示器231(図3参照)により構成されている。始動口9に打玉が入賞すると、画像表示部81において、左側、中央、右側の3つの図柄表示領域82a,82b,82cが表示され、それぞれの領域において、複数種類の識別情報としての図柄が下方向に移動表示される。この移動表示が停止したときの左側、中央、右側の3つの図柄の組合せが、予め定められた特定の組合せ(後述)となった場合に、「大当り」が発生する。大当りが発生すると、可変入賞球装置11が、打玉が入賞しにくい遊技者にとって不利な状態(以下、これを「第2の状態」という)から、打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(以下、これを「第1の状態」という)となる。大当りが発生し、可変入賞球装置11が第1の状態となっている状態を「特定遊技状態」という。
【0029】可変表示装置7は、飾り図柄表示器83を含む。飾り図柄表示器83は、7セグメント表示装置により構成されている。飾り図柄表示器83は、特定遊技状態の発生に関連して、「0」〜「9」の10個の飾り図柄を順次変動表示する。そして、所定時間が経過した時点で、いずれか1つの飾り図柄が停止表示される。飾り図柄は、遊技内容には直接関係しないが、遊技場側が、たとえば、特定遊技状態において遊技者が獲得した景品玉を使用して継続して遊技を行なうことを許可するというサービスを行なうか否かを決定する場合などに使用される。
【0030】次に、可変入賞球装置11について説明する。可変入賞球装置11には、大入賞口87が設けられている。大入賞口87には、遊技領域3の前後方向に所定範囲で傾動可能な開閉板89が設けられている。この開閉板89は、可変入賞球装置11の裏面に設けられたソレノイド91(図2参照)により駆動される。可変入賞球装置11は、通常時には、開閉板89を閉成状態にし、打玉が大入賞口87に入賞することが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっている。前述したように始動口9に打玉が入賞したことに基づいて、可変表示装置7の画像表示部81において図柄の移動表示が行なわれる。その移動表示が停止した時点で、特定の図柄の組合せが表示されて大当りが発生すれば、可変入賞球装置11は、開閉板89を開成状態にして、打玉が大入賞口87に入賞することが可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。
【0031】可変入賞球装置11の第1の状態は、開閉板89が開成状態となった後に、29.5秒が経過するか、または、大入賞口87に打玉が10個入賞するかのうちのいずれか早い方の条件が成立したことにより終了して、開閉板89が閉成状態となり、可変入賞球装置11が第2の状態となる。大入賞口87に入賞した打玉は、遊技盤1の裏面に設けられた大入賞玉検出器88(図2参照)により検出される。大入賞口87の内部の中央には、通称「Vポケット」と呼ばれる特定領域95が設けられている。大入賞口87に入った打玉が、この特定領域95に入賞すれば、その特定入賞玉が、遊技盤1の裏面に設けられた特定玉検出器97(図2参照)により検出される。特定入賞玉が検出されると、その回の可変入賞球装置11の第1の状態が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置11を第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御により、可変入賞球装置11は、最高16回連続して第1の状態となる。
【0032】可変入賞球装置11は、V表示器101と、10カウント表示器103とを含む。V表示器101は、特定領域95に打玉が入賞した場合に、「V」の文字を表示して、特定入賞があったことを遊技者に報知するための装置である。10カウント表示器103は、大入賞口87に入賞した打玉の個数を表示するための装置である。10カウント表示器103は、「0」〜「9」の10個の数字を表示する7セグメント表示装置により構成されている。大入賞口87に打玉が入賞する度に、10カウント表示器103は、0から順次カウントアップした数字を表示し、入賞玉が10個に至ったと同時に、9から再び0を表示する。その時点で、開閉板89が閉成状態となって、1回の第1の状態が終了する。
【0033】次に、始動口9について説明する。始動口9に打玉が入賞することを特に「始動入賞」という。始動口9に入賞した打玉は、遊技盤1の裏面に設けられた始動玉検出器105(破線で図示)により検出される。始動口9に打玉が入賞したことをきっかけとして、可変表示装置7の画像表示部81において図柄の移動表示が開始され、この移動表示が終了した時点で特定の図柄の組合せが表示された場合に、可変入賞球装置11が第1の状態となる。図柄の移動表示が行なわれている間および図柄の移動表示の結果に基づいて可変入賞球装置11が第1の状態となっている間に、始動口9に打玉が入賞すれば、その始動入賞が記憶される。これを「始動記憶」という。
【0034】始動記憶の個数は、始動記憶表示用LED51の点灯により遊技者に報知される。始動記憶の上限は4個に定められている。始動記憶がある場合は、画像表示部81における図柄の移動表示が停止した後、または、可変入賞球装置11の第1の状態が終了した後に、再び、画像表示部81における図柄の移動表示が開始される。
【0035】前述した遊技盤1の構成により、本実施の形態のパチンコ遊技機では、打玉が遊技領域3に打込まれた後、その打玉が始動口9に入賞すれば、画像表示部81において図柄の移動表示が開始される。そして、画像表示部81における図柄の移動表示が終了した時点で、特定の図柄の組合せが表示されている場合には、可変入賞球装置11の開閉板89が開成状態となり、可変入賞球装置11が第2の状態から第1の状態となる。可変入賞球装置11が第1の状態となることにより、打玉の大入賞口87への入賞率が通常時と比較して高くなる。遊技者は、これらの一連のパチンコ遊技を楽しむ。
【0036】図2は、可変入賞球装置11の詳細構成を示す分解斜視図である。なお、説明中の上、下、左、右、前、後、裏は、可変入賞球装置11が遊技盤1に取付けられた状態で遊技盤1の前面側から見たときの位置または方向を示す。可変入賞球装置11の本体を構成する主要な部材としては、取付基板111と、ソレノイド91と、玉処理室113と、後方部材115とがある。取付基板111は、可変入賞球装置11の最前側の部材であり、可変入賞球装置11を遊技盤1に取付けるための部材である。取付基板111には、その中央部に大入賞口87が形成されている。大入賞口87の左右両脇部には、落とし部入賞口17a,17bが設けられている。取付基板111の左右両端部には、左側開口117aと右側開口117bが形成されている。取付基板111の前面側中央の下部には、衝突部材118が設けられている。衝突部材118は、遊技領域3を流下した打玉がアウト口21に導かれる際に、直接、内レール2b(図1参照)上に落下して内レール2bを傷めるなどの不具合を防止するために設けられている。アウト口21に導かれる打玉は、衝突部材118に一旦衝突することにより、落下の衝撃が内レール2bに及ばないようになっている。
【0037】大入賞口87は、開閉板89によって閉成状態および開成状態となる。開閉板89は、取付基板111の裏面に装着される。開閉板89の左部と右部とには、軸穴120(右側のみ図示)が設けられている。軸穴120には、軸ピン121が挿入されている。軸ピン121が、取付基板111の裏面に設けられた軸支部123に挿通されることにより、開閉板89が軸ピン121を中心として取付基板111に軸支される。
【0038】開閉板89の右部には、ウエイト125が設けられている。このウエイト125は、所定の重量の部材で形成され、重量により開閉板89が前面側に傾動するようになっている。さらにウエイト125の後方側の面は、所定の角度で形成されている。この面のことを回動停止面126という。回動停止面126が取付基板111の前面に当接することにより、ウエイト125の重量による開閉板89の傾動が停止する。このように、ウエイト125が開閉板89を前面側に傾動させるとともに、回動停止面126が開閉板89が前面側に傾動して開成状態となるときの停止位置を決定している。回動停止面126は、開閉板89が前面側に傾動したときに、上方から流下してきた打玉を受けて打玉を大入賞口87の内部に導きやすい状態となるように形成されている。
【0039】さらに、開閉板89の右側には、押下ピン127が設けられている。押下ピン127は、ソレノイド91が非作動状態にあるときに、下方向へ押下げられた状態となっている。これにより、開閉板89が後方に回動し、大入賞口87が閉成状態となる。一方、開閉板89の左部には、ストッパ129が設けられている。ストッパ129の機能については、後述する。
【0040】また、開閉板89の開成状態となったときに上側になる面には、玉誘導部139が形成されている。玉誘導部139は、開閉板89が前面側に傾動したときに、水平となる面140と、特定領域95側へ傾いた面141とを含む。この玉誘導部139により、開閉板89によって受け止められた打玉が特定領域95側へ導かれやすくなっている。
【0041】取付基板111の左右両端部の裏面には、それぞれ左側プリント基板116と右側プリント基板117とが装着される。左側プリント基板116には、V表示器101が設けられている。また、右側プリント基板117には、10カウント表示器103が設けられている。V表示器101と10カウント表示器103とは、それぞれ左側開口117aと右側開口117bとにより外部から見える状態となる。左側プリント基板116と右側プリント基板117とは、取付基板111にネジ止めされるとともに、それぞれ左側,右側の裏カバー部材131a,131bに保護された状態で装着される。
【0042】玉処理室113は、取付基板111の裏面側に装着される。玉処理室113の内部には、特定領域95と通常領域133とが形成されている。大入賞口87に入賞した打玉は、特定領域95に入賞すれば特定入賞玉として処理され、それ以外の打玉は、通常領域133に導かれて大入賞玉として処理される。特定領域95と通常領域133との間には、玉転動板135が設けられている。玉転動板135は、右側すなわち通常領域133側がやや低くなる状態で形成されている。
【0043】玉処理室113の左部の裏面には、玉止め部材143が装着される。玉止め部材143は、特定入賞玉を受止めるための部材である。玉止め部材143の下部には、1個の打玉を載せることが可能な玉受部144が形成されている。玉止め部材143の上部には、支点穴145が設けられ、この支点穴145に玉処理室113の裏面側に固着された軸ピン147を挿通することにより、玉止め部材143が回動可能に装着される。玉止め部材143の後方には、付勢部材149が装着される。付勢部材149の先端は、L字状に曲折され、玉止め部材143の下部に設けられた付勢部材係合穴151に挿通されている。付勢部材149は、バネ部150を有し、このバネ部150の作用により、玉止め部材143を前面側から見て反時計回りの方向に回転させる。
【0044】玉止め部材143は、玉受部144上に打玉が載ると、打玉の重量により付勢部材149の付勢力に逆らって、前面側から見て時計回りの方向に回転する。この回転により、玉受部材144が傾斜し、打玉が落下する。
【0045】玉止め部材143の機能について説明する。玉処理室113の特定領域95には、特定玉検出器97が配設されている。特定玉検出器97は、通過穴153を打玉が進入することにより、特定領域95への打玉の入賞を検出する。通常、1回の第1の状態(前述)では、1個の特定入賞玉のみが有効となる。そのため、最初に打玉が特定領域95に入賞した後は、他の打玉が特定領域95へ入賞せずに、通常領域133へ入賞するようにすることが望ましい。。玉止め部材143は、付勢部材149の付勢により、玉受部144が特定玉検出器97の通過穴153を下方から遮断する状態で静止する。
【0046】この状態で玉止め部材143は、特定領域95に進入してきた打玉を玉受部144で受止める。前述したように玉受部144に打玉が載ると、玉止め部材143は、時計回りの方向に回転しようとするが、この回転を開閉板89のストッパ129が止める。これにより、通過穴153が1個の特定入賞玉により塞がれた状態となり、次に特定領域95に打玉が進入してきても通過穴153内に進入せず、玉転動板135の傾斜により、通常領域133へ導かれて大入賞玉として処理される。
【0047】1回の第1の状態が終了すれば、開閉板89が後方へ回転し、それに伴ってストッパ129が下方へ移動する。これにより、玉止め部材143が時計回りの方向へ回転し、玉受部144の上から打玉が落下する。打玉が落下すると、玉止め部材143は付勢部材149の付勢により再び反時計回りの方向に回転し、玉止め可能な状態で静止する。
【0048】後方部材115は、玉処理室113の裏面側に装着される。後方部材115には、特定玉検出器97の後方側の取付穴161と、大入賞玉検出器88の取付穴163とが設けられている。軸支穴165は、玉止め部材143の軸ピン147の挿通穴である。
【0049】後方部材115の裏面側には、後方プリント基板118が装着される。後方プリント基板118は、後方部材115に設けられた取付部167にネジ止めされることにより装着される。
【0050】ソレノイド91は、右側裏カバー部材131bと、後方部材115とにネジ止めすることにより可変入賞球装置11に装着される。ソレノイド91は、ソレノイド取付部材170を含む。ソレノイド取付部材170は、左右の両側に取付片171a,171bを有する。左右の取付片171a,171bは、それぞれ取付穴172a,172bと位置決め穴173a,173bとが形成されている。右側の取付穴172bは、右側の裏カバー部材131bに設けられた取付穴175にネジ止めされる。また、右側の位置決め穴173bは、右側の裏カバー部材131bに設けられた位置決め突起176を挿通することにより、ソレノイド91の取付位置を決定するようにしている。同様に、左側の取付穴172aと位置決め穴173aとは、後方部材115の裏面右側に設けられた取付穴177と位置決め突起(図示を省略)にそれぞれネジ止めおよび挿通される。
【0051】ソレノイド91は、プランジャ181を下方へ押下するための付勢部材183を有する。この付勢部材183によりソレノイド91の非作動状態のときにはプランジャ181が下方へ押下げられた状態となっている。プランジャ181の先端は、作動部材185に当接している。作動部材185の上部先端にはL字状に曲折された当接部187が形成されている。当接部187は、前述の押下ピン127を下方に押下させる部位である。
【0052】ソレノイド91が非作動状態のときには、付勢部材183の作用によりプランジャ181が下方に押下される。それに伴って、作動部材185が下方に押下され、当接部187が押下ピン127を押下げる。これにより、開閉板89が後方に回動して閉成状態となる。一方、ソレノイド91が作動状態のときには、付勢部材183の付勢力よりも強い力でプランジャ181が上方へ引き上げられる。これにより、作動部材185の下方へ押下する力が弛む。開閉板89は、ウエイト125の重量により押下ピン127が作動部材185を上方へ押上げながら前面側に傾動する。そして、ウエイト125の回動停止面126が取付基板111の前面側に当接した時点で、開閉板89の傾動が停止し、その状態で大入賞口87が開成状態となる。
【0053】前述したように本実施の形態では可変入賞球装置11の裏側にソレノイド91を装着し、可変入賞球装置11とソレノイド91とを一体的に遊技盤1に取付けられるようにした。たとえば、ソレノイド91は、作動部材185と、押下ピン127などを介して開閉板89を傾動させる。ソレノイド91の駆動力が、正しく伝達され、開閉板89を適正な状態で駆動するためには、開閉板89と作動部材185と、ソレノイド91とのそれぞれを正確な位置に取付ける必要がある。しかしながら、可変入賞球装置11とソレノイド91とが、別体で遊技盤1に取付けられるような場合には、可変入賞球装置11とソレノイド91のそれぞれの取付位置が適正になるように調整しなければならず、パチンコ遊技機の組立作業が煩雑になっていた。本実施の形態のように、可変入賞球装置11とソレノイド91とを一体的に取付けられるようにすれば、遊技盤1に取付ける際には、可変入賞球装置11とソレノイド91との相互の位置関係を調整する必要がなくなる。また、取付ける部品の点数についても、2点から1点に減少するので、工程そのものが簡略化できる。
【0054】次に、本実施の形態のパチンコ遊技機に用いられる制御回路について説明する。図3は、メイン制御回路201の構成を示すブロック図である。メイン制御回路201は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するための基本回路203と、基本回路203からの制御指令を受けて駆動する各種の機能別の回路とを含む。機能別の回路としては、入力回路205と、CRT回路207と、ソレノイド回路209と、情報出力回路211と、定期リセット回路213と、初期リセット回路215と、音声合成回路217と、アドレスデコード回路219と、ランプ回路221と、LED回路223と、電源回路225とがある。
【0055】基本回路203の内部には、制御用プログラム等を記憶しているROM(ReadOnly Memory) と、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit)と、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory) と、I/O(Input/Output) ポートと、クロック発生回路とが設けられている。なお、基本回路203の内部構成については図示を省略する。
【0056】入力回路205は、始動口9に入賞した打玉を検出するための始動玉検出器105と、可変入賞球装置11の大入賞口87内の通常領域133に入賞した打玉を検出するための大入賞玉検出器88と、大入賞口87内の特定領域に入賞した打玉を検出するための特定玉検出器97とのそれぞれからの検出信号を基本回路203に送信するための回路である。
【0057】CRT回路207は、基本回路203からの制御信号に従って、可変表示装置7に含まれるCRT表示器231を駆動制御するための回路である。CRT回路207からCRT表示器231に送信される信号の中には、コマンド信号としてのCD0〜CD10と、初期化信号であるINTとが含まれる。さらに、CRT回路207とCRT表示器231とを接続する信号線には、電源供給のための2本の+12V線と、2本の+5V線と、3本のグランド信号線であるGND線とがある。
【0058】ソレノイド回路209は、可変入賞球装置11の開閉板89を駆動するためのソレノイド91(図2参照)を制御するための回路である。ソレノイド回路209は、基本回路203からの指令信号に応答して、所定のタイミングでソレノイド91を作動させる。
【0059】情報出力回路211は、基本回路203から与えられるデータ信号に基づいて、可変表示装置7の表示部81の図柄の移動表示による大当りの発生に関する情報を含む大当り情報と、始動口9への打玉の入賞個数のうち実際に表示部81における図柄の移動表示の始動に使用された個数の情報を含む有効始動情報とをホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力するための回路である。
【0060】定期リセット回路213は、基本回路203に対し、定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。また、初期リセット回路215は、電源投入時に基本回路203をリセットするための回路である。この初期リセット回路215から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路203がパチンコ遊技機を初期化する。
【0061】アドレスデコード回路219は、基本回路203から送られてきたアドレス信号を解読(デコード)し、基本回路203の内部に含まれるROM、RAM、I/Oポート等のうちのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。アドレスデコード回路219から出力される信号は、チップセレクト信号として、基本回路203と入力回路205とに送られる。
【0062】ランプ回路221は、肩ランプ59a,59bと、サイドランプ53a,53bと、レール飾りランプ73a〜73eと、遊技効果ランプ99(外観構成については図示を省略)との点灯を制御するための回路である。
【0063】LED回路223は、飾りLED55a,55b,71a,71b,72と、飾り図柄表示器83と、始動記憶表示用LED51との点灯を制御するための回路である。
【0064】電源回路225は、AC24Vの交流電源に接続されて、+21V,+12V,+5V,+30V,グランド(GND)の複数種類の電位を供給するための回路である。+30VとGNDはCRTユニット303(図4参照)に供給される。
【0065】音声合成回路217は、基本回路203から出力された音声発生指令信号に応答して、効果音データを生成し、その効果音データを音量増幅回路233へ送る。音量増幅回路233は、与えられた効果音データを所定のレベルに増幅して、スピーカ(構成については図示を省略)に送る。これにより、スピーカから所定の効果音が発生される。
【0066】図4は、CRT表示器231の構成を示すブロック図である。CRT表示器231は、CRTコントロール回路301と、CRTユニット303とを含む。CRTコントロール回路301は、CPU311と、VDP(Video Display Processor)313と、プログラムROM315と、VRAM317と、キャラクタROM319と、リセット回路321と、発振回路323とを含む。
【0067】CPU311は、CRT回路207からのコマンド信号COM0〜COM7(図3におけるCD0〜CD7に対応)を受信し、受信したコマンドに応答してCRTユニット303に表示する画像のデータを生成するために、CRTコントロール回路301の全体を制御する。プログラムROM315は、CPU311が制御動作を行なうための制御用プログラムを予め記憶している。VRAM317は、VDP313が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP313が生成し、VRAM317に記憶させる画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配置関係に従って含まれている。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、プログラムROM315に予め記憶されている。CRTユニット303の画像表示部81に表示される画面を構成するために必要なキャラクタの識別番号が、CPU311によりプログラムROM315から読出され、VDP313に送られる。VDP313は、各キャラクタの識別番号を表示画面の種類に応じて配置したマップデータを生成し、VRAM317に記憶させる。
【0068】キャラクタROM319は、キャラクタの識別番号に対応するドットデータを予め記憶している。VDP313は、所定のタイミングで、VRAM317に記憶させているマップデータを読出す。次に、VDP313は、読出したマップデータに含まれるキャラクタの識別番号に対応するドットデータの読出をCPU311に対して要求する。CPU311は、VDP313からの要求に応答して該当するキャラクタのドットデータをキャラクタROM319から読出す。読出されたドットデータは、VDP313へ送られる。VDP313は、ドットデータに基づいてRGB信号を生成し、CRTユニット303へ送る。CRTユニット303は、送られてきたRGB信号に基づいて画像表示部81に各種の表示画面に対応した画像を表示する。
【0069】発振回路323は、VDP313の動作タイミングを決定するための信号を生成する回路である。また、リセット回路321は、CPU311からの指令信号に応答して、CRTコントロール回路301の全体をリセットするための回路である。
【0070】図5は、VDP313の機能構成を示すブロック図である。VDP313は、ビデオCPU331と、CPUインタフェイス333と、VRAMインタフェイス335と、タイミングコントローラ337と、カラーパレット339と、カラーデータ変換部341と、セレクタ342と、スプライトコントローラ343とを含む。CPUインタフェイス333は、CPU311(図4参照)と接続されている。VRAMインタフェイス335はVRAM317(図4参照)と接続されている。タイミングコントローラ337は、発振回路323(図4参照)と接続されている。ビデオCPU331とCPUインタフェイス333とVRAMインタフェイス335とは内部データバス351により接続されている。CPUインタフェイス333を介して接続されているCPU311は、内部データバス351を介してビデオCPU331とデータの送受信を行なう。また、CPU311とビデオCPU331とは、内部データバス351を介してVRAM317に対してデータの書込および読出を行なう。
【0071】さらに、ビデオCPU331と、CPUインタフェイス333と、VRAMインタフェイス335と、カラーパレット339と、カラーデータ変換部341と、スプライトコントローラ343とは、内部カラーバス352により接続されている。内部カラーバス352は、CRTユニット303(図4参照)の画像表示部81に表示するための画像データを送受信するためのバスである。
【0072】ビデオCPU331は、CRTコントロール回路301のCPU311からの指令信号に応答して、VDP313内部における画像データの生成動作を制御する。タイミングコントローラ337は、発振回路323からの同期信号を受信し、それに基づいてビデオCPU331とVRAM317とスプライトコントローラ343とに対して同期信号を出力する。カラーパレット339は、マップデータを構成する各キャラクタのドットデータに基づいて各ドットのカラーデータを設定し、RGB信号として出力する。
【0073】カラーデータ変換部341は、キャラクタROM319から読出されたドットデータが圧縮方式(後述)によるものである場合に、圧縮されたデータを伸張した状態に変換した後、各ドットの色を設定してRGB信号として出力する。本実施の形態では、画像表示部81にアニメーション画像(グラフィック画像)と自然画像(実写画像)とのいずれか一方ずつまたは両方を合成した画像を表示する。なお、自然画像(実写画像)とは、実際に風景や人物等を撮像して得たものの他、アニメーション画像(グラフィック画像)の中の表示状態がリアルで自然画像に近いものをも含む。
【0074】アニメーション画像については、各ドットの表示色の種類が比較的少なくて済むので、ドットデータに基づいてRGB信号を生成する際には、従来と同様に各ドットデータを構成する所定数のビットにより表わされるRGB信号を生成してCRTユニット303に出力する。一方、自然画像については、アニメーション画像よりも大幅に表示色の種類を増やす必要がある。多数の表示色を表わすためには、各ドットデータを構成するビット数を増やす必要がある。しかしながら、ドットデータの容量が大きくなると、ドットデータを予め記憶させておくためのキャラクタROM319やその他ドットデータを一時的に記憶するための手段に大容量の記憶メモリを用いなければならない。そこで、本実施の形態では、各ドットデータのビット数を変えることなく、表示色の種類を大幅に増やすために圧縮方式を採用した。圧縮方式の詳細については後述する。
【0075】セレクタ342は、カラーパレット339からの出力信号とカラーデータ変換部341からの出力信号とのいずれかを選択したり、合成したりしてリニア形式のRGB信号を生成し、CRTユニット303へ出力する。スプライトコントローラ343は、スプライト画像(動画像)を生成する。なお、スプライトコントローラ343の詳細については説明を省略する。
【0076】画像表示部81に画面を表示する際のVDP313の内部における処理について説明する。CPU311(図4参照)からビデオCPU331に対して画像表示指令信号とマップデータが送られる。ビデオCPU331は、画像表示指令信号に応答して、送られてきたマップデータをVRAMインタフェイス335を介してVRAM317に格納する。
【0077】次に、ビデオCPU331は、マップデータに含まれる各キャラクタのドットデータの読出をCPU311に要求する。この要求に応答して、CPU311は、キャラクタROM319(図4参照)から該当するキャラクタのドットデータを読出し、ビデオCPU331に送る。ビデオCPU331は、送られてきたドットデータが、圧縮方式によるものでなければカラーパレット339を用いて従来と同様の手順でRGB信号を出力させる。
【0078】一方、ビデオCPU331は、送られてきたドットデータが圧縮方式によるものであれば、ドットデータをカラーデータ変換部341へ送り、伸張処理を施した後にRGB信号を出力させる。セレクタ342は、必要に応じてカラーパレット339からの出力信号をカラーデータ変換部341からの出力信号とを選択または合成し、リニア形式のRGB信号を生成してCRTユニット303へ送る。CRTユニット303は、送られてきたRGB信号に基づいて画像表示部81にアニメーション画像または自然画像もしくはアニメーション画像と自然画像との合成画像を表示する。
【0079】図6は、圧縮方式による画像データの構成を示す模式図である。ドットデータは、C0〜C7の8ビットで構成される。圧縮方式では4ドットを1グループとして処理する。各ドットの上位5ビットはメインデータD1〜D4である。各ドットの下位3ビットはサブデータS1〜S4である。圧縮方式では、たとえば、先頭の1ドット(図示における最上段のドット)のカラーデータは、メインデータD1とサブデータS1〜S4とで表わされる。したがって、1ドットのカラーデータを表わすためのビット数は17個となり、最大217種類の表示色が指定できる。同様に、先頭から2ドット目のカラーデータは、メインデータA2とサブデータS1〜S4との合計17ビットで表わされる。これにより、1ドットにつき17ビットのデータを設定することなく、217種類の表示色の指定が行なえる。
【0080】図7は、CRTコントローラ回路301におけるメモリの構成を示す模式図である。CPU311(図4参照)は、各データをバンク方式によるアドレスで管理する。図示した各アドレスは16進数表記である。メモリ管理のためのバンクはバンク0とバンク1との2つのバンクが用いられる。バンク0における00000H〜0F000Hは、プログラムROM315のプログラム領域に割当てられている。0F001H〜0FDC0Hは、VDP313のポートに割当てられている。0FDC1H〜10000Hは、CPU311の内蔵RAM(512バイト)と内蔵I/O(48バイト)とに割当てられ、一部は未使用である。バンク0の10001H〜FFFFFHと、バンク1の80001H〜FFFFFHは、キャラクタROM319のデータ領域に割当てられている。バンク0の10001H〜80000Hは、アニメーション画像のデータ領域に割当てられている。また、バンク0とバンク1とのそれぞれの80001H〜FFFFFHは、自然画像のデータ領域に割当てられている。
【0081】次に、図8と図9とを参照して、画像表示部81における画面の表示例について説明する。図8は、図柄の移動表示を行なう際に表示される画面の構成を示す画面構成図である。遊技中に始動口9(図1参照)に打玉が入賞すれば、それに応じて、画像表示部81に図8(a)に示す画面が表示される。画像表示部81には、左側、中央、右側の図柄表示領域82a,82b,82cが表示される。図柄表示領域82a〜82cの各々において、複数種類の図柄の画像401が、画面の下方向へ移動表示される。図柄の画像401は、図柄の種類を表わす画像403と図柄の番号を表わすための画像405とを含む。本実施の形態では、複数種類の図柄として、ヒーローと怪物とが設定されている。図柄の種類を表わす画像403には、ヒーローまたは怪物の画像が含まれる。また、図柄の番号を表わす画像405には、ヒーローまたは怪物に対応づけられた図柄番号が含まれる。なお、本実施の形態における「図柄」とは、図柄の画像401のことである。
【0082】図柄の移動表示は、左側、右側、中央の順で開始され、所定時間が経過した後、左側、右側、中央の順で順次停止される。左側、中央、右側の図柄表示領域82a〜82cのすべての図柄の移動表示が終了した時点で、左側と右側と中央との停止図柄が同一種類であれば大当りとなる。図8(a)に示した例は、最初に停止する左側の図柄表示領域82aにおいて図柄番号「7」の図柄が停止表示され、続いて右側の図柄表示領域82cにおいて同じく図柄番号「7」の図柄が停止表示された状態であり、さらに中央の停止図柄が同じく図柄番号「7」の図柄であれば大当りが発生するという「リーチ」が成立した状態である。
【0083】本実施の形態では、リーチが成立した場合に、画面の表示の態様を以下に述べる3種類の態様の中のいずれかで制御する。リーチ成立時の3種類の画面の態様をそれぞれ第1の画面態様、第2の画面態様、第3の画面態様という。
【0084】第1の画面態様は、図8(a)の状態でリーチが成立した後に、中央の図柄を低速で移動させた後に停止させる。
【0085】第2の画面態様は、図8(a)〜(e)を参照して説明する。第2の画面態様では、図8(a)の状態でリーチが成立すれば、画面の状態が図8(b)に示す構成に切換わる。画像表示部81において、左側、中央、右側の図柄表示領域82a〜82cの各々が中段の1個の図柄を表示するサイズに縮小される。そして、画面の上部には、「リーチ」の文字を含む画像が表示される。これをリーチ表示画像421という。また、画面の下部には、「あと?コマ」の文字を表わす画像が表示される。これをカウントダウン表示画像423という。
【0086】左側と右側との図柄表示領域82a,82cには、既に決定した停止図柄が表示される。中央の図柄表示領域82bでは、図柄の移動量が図柄の1個分に至る度に移動を一時停止させる「コマ送り」の態様で移動表示が行なわれる。そして、カウントダウン表示画像423の「?」の部分は、中央の図柄が左右の停止図柄と同一の「大当り図柄」となるために必要な図柄の移動数(コマ数)に応じて値が順次変動する。この部分の画像をコマ数画像425という。
【0087】中央の図柄表示領域82bにおいて図柄番号「6」の図柄が表示され、あと1コマ(図柄)移動すれば大当りが発生するという状態を図8(c)に示す。その後、1コマ分の図柄の移動が行なわれ、図8(d)に示すように中央の図柄表示領域82bにおいて図柄番号「7」の図柄が表示されれば、カウントダウン表示画像423のコマ数画像425が「当り」の文字を表わす画像に切換わる。この時点で、中央の図柄表示領域82bの図柄の移動表示が終了すれば、大当りとなる。一方、図8(d)の状態からさらに図柄の移動が行なわれ、図8(e)に示すように大当り図柄とは異なる図柄で移動表示が終了すると、カウントダウン表示画像423のコマ数画像425が「×」の画像に切換わる。
【0088】この第2の画面態様のように、最後に停止する中央の図柄表示領域82bにおいて図柄の移動をコマ送りの態様で行ない、さらに、カウントダウン表示画像423により大当りとなるために必要な図柄の移動数を表示することにより、遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0089】第3の画面態様は、図8(a),(f)〜(h)を参照して説明する。第3の画面態様では、リーチが成立した時点で、図8(a)の画面から図8(f)の画面へ表示状態が切換えられる。図8(f)の画面では、左側、中央、右側の図柄表示領域82a〜82cが、それぞれ中段の1図柄のみを表示するサイズに縮小され、画面の上部に移動する。次に、図8(g)に示すように、画面の下部の空いた領域に2つの戦闘用のキャラクタの画像431,433が表示される。画面の上部では、中央の図柄の移動表示が行なわれつつ、画面の下部では戦闘用のキャラクタの画像431,433による戦闘シーンが表示される。2つの戦闘用キャラクタ画像431,433のうち一方はヒーローの画像431であり、もう一方は、怪物の画像433である。
【0090】図8(h)に示すように、中央の図柄表示領域82bにおいて図柄の移動表示が終了すると同時にキャラクタ画像431,433による戦闘の勝敗が決定する。中央の停止図柄が大当り図柄であれば、ヒーロー画像431が勝ち、中央の停止図柄がはずれ図柄であれば、怪物画像433が勝つ。なお、中央の図柄の移動の終了と、キャラクタ画像による戦闘の終了とは、同時であるものに限らず、図柄の移動表示の終了の方が早く、その後に戦闘シーンが終了するように構成したり、逆に、戦闘シーンが終了した後に図柄の移動表示が終了するようにしてもよい。
【0091】第3の画面態様では、図柄の移動表示とともに、ストーリ性のある画像を変動表示させることにより、図柄の組合せを楽しむ遊技を変化性に富んだ面白味のあるものにしている。
【0092】図9は、大当りが発生し特定遊技状態となっている間に画像表示部81に表示される画面の表示例を示す画面構成図である。大当りが発生すると、図9(a)に示すように、画像表示部81に自然画像441を背景にし、「FEVER」の文字画像443を含む画面が表示される。その後、一定時間が経過した後、図9(b)に示すように、2つの戦闘用キャラクタを紹介する画像445,446と、大当りの繰返し継続制御におけるラウンド(回)を表示する画像447とを含む画面が表示される。その後、一定時間が経過した後、図9(c)に示すように、戦闘用のキャラクタとしてヒーローの画像451と、怪物の画像453とが表示される。その後、一定時間が経過した後、図9(d)に示すように、自然画像455と、大当り図柄の番号を含むアニメーション画像457とが併わせて表示される。
【0093】その後、所定時間が経過した後、図9(e)に示すように、ヒーロー画像451と怪物の画像453との戦闘シーンが表示される。特定遊技状態中に打玉が特定領域95(図1および図2参照)に入賞すれば、図9(f)に示すように、ヒーロー画像451が勝つシーンが表示され、その後、所定時間が経過した後、図9(g)に示す画面が表示される。図9(g)の画面は、情景を表わす画像455と、大当り図柄の番号を表わすアニメーション画像457とを含む。情景を表わす画像461は、自然画像とアニメーション画像とを合成した画像である。すなわち、剣を掲げた人物と主要な背景とを自然画像461で表わし、剣の画像463と土星の輪の画像465とをアニメーション画像で表示している。
【0094】剣の画像463は、剣に光が反射している状態を表わすように変動表示され、また、土星の輪の画像465は、土星が回転している状態を表わすように変動表示される。自然画像を変動表示するためには、VRAM317(図4参照)などに大きな記憶容量を備えたメモリを用い、また、VDP313(図4参照)が行なう画像データの生成処理も複雑になってしまう。そのため、本実施の形態では、表示状態を変化させる部分は、アニメーション画像を表示するようにし、比較的小さな記憶容量のメモリを用い、また、画像データの生成処理も簡単にして、面白味のある画面が表示できるようにしている。
【0095】図9(g)におけるアニメーション画像の剣の画像463と土星の輪の画像465との変動表示は、カラーパレット339(図5参照)に設定するカラーデータの種類を変更することにより行なう。すなわち、画像のデータを改めてVRAM317に記憶させ直すことなく、同じ画像データに対応するカラーデータのみを変更して、表示状態を変化させている。
【0096】図10は、本実施の形態のパチンコ遊技機において、表示制御に用いられるランダムカウンタの種類とその内容とを示す説明図である。ランダムカウンタとは、制御に用いられる乱数をカウントするための手段である。本実施の形態では、WC_RND1,WC_RND_L,WC_RND_C,WC_RND_R,WC_RND_RCHの5種類のランダムカウンタが画像表示部81における図柄の移動表示を制御するために用いられる。ランダムカウンタの値の読出処理は、基本回路203(図3参照)の内部に備えられたCPUが、同じく基本回路203の内部に備えられた制御用ROMに予め記憶されている遊技制御用プログラムに従って実行する。
【0097】WC_RND1は、画像表示部81における図柄の移動表示の結果、大当りを発生させるか否かを事前に決定するためのランダムカウンタである。大当りを発生させるか否かを事前に決定する手順は、図11を参照して後述する。WC_RND1は、「0」〜「209」の範囲で0.002秒毎に1ずつカウントアップされる。
【0098】WC_RND_L,WC_RND_C,WC_RND_Rは、画像表示部81における図柄の移動表示の結果を大当り以外とすることが事前に決定された場合に、左側、中央、右側の図柄表示領域82a〜82c(図8参照)のそれぞれにおいて、停止表示させる図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。WC_RND_Lは、「0」〜「13」の範囲で遊技制御用プログラムの割込処理の余り時間に1ずつカウントアップされる。WC_RND_Cは、「0」〜「14」の範囲でWC_RND_Lの値が桁上げされるときに1ずつカウントアップされる。WC_RND_Rは、「0」〜「13」の範囲でWC_RND_Cの値が桁上げされるときに1ずつカウントアップされる。
【0099】WC_RND_RCHは、リーチの態様を決定するためのランダムカウンタである。WC_RND_RCHは、「0」〜「9」の範囲で遊技制御用プログラムの割込処理の余り時間に1ずつカウントアップされる。リーチ成立時の画面の態様については、図8を参照して第1の画面態様と第2の画面態様と第3の画面態様との3つの態様を示したが、本実施の形態では、画面の表示態様とともに、さらに、図柄の移動速度などを異ならせることにより、リーチ1〜リーチ5の5種類の態様を用意し、いずれのリーチ態様を表示するかをWC_RND_RCHの値により選択するようにしている。各リーチ態様の詳細については後述する。
【0100】図11は、WC_RND1の値を判定して大当りとするか否かを事前に決定するための手順を示すフローチャートである。WC_RND1の値が「11」のときは、大当りとする。大当りを発生させるときは、左側の停止図柄を決定するためのランダムカウンタであるWC_RND_Lの値を右側と中央との停止図柄を決定するための値としても使用する。これにより、左側と右側と中央との停止図柄が同一となり、図柄の移動表示が終了した時点で大当りが発生する。
【0101】WC_RND1の値が「11」以外のときは、大当り以外とする。大当り以外とするときは、WC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rとの値をそれぞれ該当する表示領域の停止図柄を決定するために使用する。この場合、偶然、各表示領域の停止図柄が同一となり、そのままでは大当りが発生してしまう場合には、WC_RND_Cの値に1を加算して強制的にはずれ図柄の組合せとなるように調整する。なお、WC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rとの値により決定される図柄の種類については図12を参照して後述する。
【0102】図12は、WC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rの値と画像表示部81において移動表示される図柄(特別図柄)の種類との対応関係を示す説明図である。図柄は、合計15種類あり、各図柄に対して図柄番号が付与されている。WC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rの値の「0」〜「14」に図柄番号1の「フィーバーエース」から図柄番号15の「カメゴン」が対応づけられている。なお、WC_RND_LとWC_RND_Rとはカウントの範囲が「0」〜「13」であるので、カウンタの値の「14」に対応づけられている図柄番号15の「カメゴン」は、WC_RND_Cの値によってのみ選択される。
【0103】次に、図13〜図16を参照して、画像表示部81における図柄の移動表示の制御について説明する。
【0104】図13は、図柄の変動状態の種類を示す説明図である。図柄の変動状態には、A〜Gの7種類の変動状態がある。
【0105】変動状態Aでは、0.680秒間少しずつ変動速度を速くして、その後、一定の速度で図柄を変動させる。変動状態Bでは、0.900秒間徐々に変動速度を遅くして、その後、変動を停止させる。変動状態Bによる表示制御が開始された時点で、予め定められた停止図柄の図柄配列における2図柄手前の図柄が、図柄表示領域における中段の位置にセットされる。そして、変動状態Bによる2図柄分の変動が行なわれ、最終的に予定の停止図柄が停止表示される。
【0106】変動状態Cでは、0.680秒間少しずつ変動速度を遅くして、その後、1図柄分の変動を0.300秒間で行なう一定の速度で変動させ、さらに、1図柄分の変動を0.450秒間で行なう一定の速度で変動させる。変動状態Cによる表示制御が開始された時点で、予め定められた停止図柄の図柄配列における2図柄手前の図柄が、図柄表示領域における中段の位置にセットされる。そして、変動状態Cでは、19〜33図柄分の変動が行なわれる。変動状態Dでは、0.600秒間徐々に変動速度を遅くして、その後、変動を停止させる。変動状態Dでは、12図柄分の変動が行なわれる。
【0107】変動状態Eでは、0.680秒間少しずつ変動速度を遅くして、その後、1図柄分の変動を0.300秒間で行なう一定の速度で変動させる。変動状態Eによる表示制御が開始された時点で、予め定められた停止図柄の図柄配列における2図柄手前の図柄が、図柄表示領域における中段の位置にセットされる。変動状態Eでは、18図柄分の変動が行なわれる。変動状態Fでは、1図柄分の変動を0.075秒間で行なう一定の速度で図柄を変動させる。変動状態Gでは、0.9図柄分の順方向(画面の下方向)への変動を行なった後、0.9図柄分の逆方向(画面の上方向)への変動を行なう。
【0108】なお、図示した7種類の変動状態の他、1図柄分の変動が行なわれる度に所定時間図柄の変動を停止させるコマ送りの態様による変動状態があるが、これについては、タイミングチャートを参照して後述する。
【0109】図14は、大当りを発生させず、また、リーチも成立させないとき(以下、「通常時」という)の画像表示部81の図柄の移動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。始動口9に打玉が入賞すると、その入賞玉が始動玉検出器105(図1参照)により検出される。その検出パルスが立上がるタイミングで、基本回路203(図3参照)のCPUにより、WC_RND1とWC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rの値が抽出され、基本回路203の内部に備えられたRAMに格納される。
【0110】続いて、CPUは、始動口9への打玉の始動入賞が検出されてから0.002秒が経過した後に、検出パルスの立下がりのタイミングで、RAMに格納されているWC_RND1の値を読出し、読出した値に基づいて図柄の移動表示の結果を大当りとするか否かを判定する。大当りとするか否かを判定する処理は、図11に示した手順で行なう。このWC_RND1の値の読出と判定処理とともに、CPUは、WC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rの値の読出を行なう。同図に示す制御手順においては、WC_RND1の値の判定により、大当りを発生させないことが事前に決定され、さらに、WC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rの値により、リーチも成立させないことが事前に決定される。
【0111】通常時において、左側、中央、右側の図柄表示領域82a〜82cのそれぞれで行なわれる移動表示の具体的な手順は以下のとおりである。基本回路203(図3参照)は、CPUによるWC_RND1の値の判定結果に基づいて、CRT回路207(図3参照)に制御指令を送る。CRT回路207は、この制御指令に基づいて可変表示装置7のCRT表示器231(図3参照)にコマンド信号を送る。
【0112】このコマンド信号に応答して、始動口9への打玉の入賞が検出されてから0.504秒または2.604秒が経過した時点で、左側の図柄表示領域82aにて図柄の移動表示が開始される。0.504秒と2.604秒とのいずれの時間が経過した時点で移動表示が開始されるかは、始動口9への打玉の入賞が検出された時点から所定時間前までの間に、前回の図柄の移動表示が行なわれていたか否かによって決定される。すなわち、パチンコ遊技機の電源が投入されてから最初の始動口9への打玉の入賞が検出されて図柄の移動表示が開始される場合には、2.604秒が経過した時点で移動表示が開始される。一方、一度図柄の移動表示が行なわれ、その間に始動記憶があり、それに基づいて次の図柄の移動表示を行なう場合などには、0.504秒が経過した時点で図柄の移動表示が開始される。また、以前に図柄の移動表示が行なわれた場合であっても、それが所定時間よりも前であれば今回の図柄の移動表示は始動入賞の検出から2.604秒が経過した時点で開始される。このように、パチンコ遊技機の遊技状態に応じて図柄の移動表示を開始するタイミングを切換えることにより、始動記憶がない状態のときには、移動表示の開始を遅延させて結果として図柄の移動表示が完了するまでの所要時間を長くし、その分だけ始動入賞が記憶される状態を生じやすくする。一方、既に始動記憶がある状態のときには、速やかに、図柄の移動表示を行なうために、図柄の移動表示を開始するタイミングを始動記憶がない状態のときよりも早くして、図柄の移動表示が行なわれるサイクルを早くする。したがって、図柄の移動表示が連続的に行なわれる状態が生じやすくなり、図柄の組合せを楽しむ遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0113】その後、さらに0.375秒が経過した後に、右側の図柄表示領域82cで図柄の移動表示が開始され、その後さらに0.375秒が経過した後に、中央の図柄表示領域82bで図柄の移動表示が開始される。
【0114】左側の図柄表示領域82aでは、変動を開始してから5.000秒間は変動状態Aの表示制御が行なわれる。その後、WC_RND_Lの値により事前に決定された停止図柄の2図柄分手前の図柄が中段にセットされ、変動状態Bの表示制御が開始される。変動状態Bの表示制御は0.900秒間行なわれ、その間に2図柄分の変動表示が行なわれて、最終的に予め定められた停止図柄が中段で停止表示される。
【0115】右側の図柄表示領域82cでは、変動を開始してから5.525秒間にて変動状態Aの表示制御が行なわれる。その後、WC_RND_Cの値により事前に決定された停止図柄の2図柄分手前の図柄が中段にセットされ、変動状態Bの表示制御が開始される。変動状態Bの表示制御は0.900秒間行なわれ、その間に2図柄分の変動表示が行なわれて、最終的に、予め定められた停止図柄が中段で停止表示される。
【0116】中央の図柄表示領域82bでは、変動を開始してから6.050秒間にて変動状態Aの表示制御が行なわれ、続いて、0.900秒間にて変動状態Bの表示制御が行なわれる。変動状態Bでは、左側と右側の図柄表示領域82a,82cと同様に、予め定められた停止図柄の2図柄分手前の図柄をセットした後、その2図柄分を変動させて、最終的に予め定められた停止図柄が中段で停止するように制御される。
【0117】図15と図16は、大当りを発生させるときまたはリーチを成立させるときの画像表示部81の図柄の移動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。始動口9への打玉の入賞が検出されてから左側の図柄表示領域82aにおける移動表示を停止させ、さらに右側の図柄表示領域82cにおける移動表示を停止させるまでの制御手順は、通常時と同様である。但し、大当りを発生させるときまたはリーチを成立させるときには、始動口9への打玉の入賞が検出されてから0.002秒後にWC_RND_RCHの値が読出される。
【0118】図16を参照し、さらに、必要に応じて図8を参照して、中央の図柄表示領域82bにおける移動表示の手順について説明する。中央の図柄表示領域82bにおける移動表示の制御は、WC_RND_RCHの値により、図16(a)〜(e)に示したリーチ1〜リーチ5の5種類の手順のうちのいずれか1つが選択的に行なわれる。リーチ成立時の表示画面の態様の制御は、前述の第1と第2と第3の画面態様の制御のうちのいずれかが行なわれる。(a)のリーチ1では、第1の画面態様の制御が行なわれる。(b)のリーチ2と(d)のリーチ4では、第3の画面態様の制御が行なわれる。(c)のリーチ3と(e)のリーチ5では、第2の画面態様の制御が行なわれる。
【0119】WC_RND_RCHの値とリーチ制御の種類との対応は以下のとおりである。本実施の形態では、リーチを成立させるときに中央の図柄表示領域82bにおける予定停止図柄となった図柄が、大当りを発生させる図柄の図柄配列における2図柄前後以外で停止させるか、2図柄前後以内であって、大当りを成立させる図柄以外の図柄で停止させるか、大当りを発生させる図柄で停止させるかによって、WC_RND_RCHの値とリーチ制御の種類との対応を異ならせている。大当り図柄の2図柄前後以外で停止させるときは、WC_RND_RCHの値が「0」〜「7」であればリーチ1、値が「8」,「9」であればリーチ2の手順でそれぞれ制御が行なわれる。
【0120】大当り図柄の2図柄前後以内であって、大当り図柄以外で停止させるときは、WC_RND_RCHの値が「0」〜「7」であればリーチ1、値が「8」であればリーチ2、値が「9」であればリーチ3の手順でそれぞれ制御が行なわれる。大当り図柄で停止させるときは、WC_RND_RCHの値が「1」であればリーチ1、値が「2」,「3」であればリーチ2、値が「4」,「5」,「6」であればリーチ3、値が「0」であればリーチ4、値が「7」,「8」,「9」であればリーチ5の手順でそれぞれ制御が行なわれる。
【0121】変動を開始してから6.050秒間の制御手順は、リーチ1〜リーチ5のすべてにおいて同様であり、変動状態Aの表示制御が行なわれる。以降の手順については、図16(a)〜(e)を参照して、リーチ1〜リーチ5を個別に説明する。
【0122】図16(a)を参照して、リーチ1では、変動状態Aの表示制御が6.050秒間行なわれた後、図示におけるハの時点すなわち右側の図柄表示領域82cの移動表示が終了した時点(図15参照)で、リーチの対象となっている図柄(リーチ図柄)の図柄配列における2図柄分手前の図柄を中段の位置にセットする。その後、6.106〜12.406秒間にて変動状態Cの表示制御を行ない、その間に19〜33図柄分の変動を行なった後に変動を停止させる。
【0123】図16(b)を参照して、リーチ2では、引続き変動状態Aの表示制御を6.000秒間行なう。その後、予め定められた停止図柄の図柄配列における12図柄分手前の図柄を中段の位置にセットする。その後、変動状態Dの表示制御を0.600秒間にて行ない、12図柄分を変動させた後変動を停止させる。リーチ2では、ハの時点から変動が停止するまでの間に図8(f)〜(h)の画面が順次表示される。
【0124】図16(c)を参照して、リーチ3では、変動状態Aの表示制御が終了したハの時点で、リーチ図柄の図柄配列における2図柄分手前の図柄を中段の位置にセットする。その後、変動状態Eの表示制御を5.656秒間行ない、18図柄分の変動を行なう。その後、コマ送りの態様で図柄を変動させる。コマ送りの態様による変動制御では、初めに、0.300秒間にて変動を停止させる。その後は、0.450秒間にて1図柄分を変動させ、続いて、0.318秒間にて変動を停止させる手順を繰返す。コマ送りの態様による変動制御では、0.450秒間の1図柄分の変動を9〜15回繰返し、変動と変動との間の0.318秒間の一時停止を8〜14回繰返す。最後の0.450秒間の1図柄分の変動が終了すると、停止図柄の組合せが確定するが、その時点から0.418秒間は変動停止時間が設定されている。コマ送りの態様による表示制御では、図8(b)〜(d)の画面が順次表示され、最終的に大当り以外となるときは図8(e)の画面が表示される。
【0125】なお、本実施の形態にいうコマ送りの態様とは、1個の図柄が変動される度に一時停止するもののみならず、ある一定個数の図柄が変動される度に一時停止するもの、および、一時停止と一時停止との間で変動される図柄の個数が変化するような表示制御をも含む。
【0126】図16(d)を参照して、リーチ4では、変動状態Aの表示制御が終了したハの時点で、リーチ図柄の図柄配列における2図柄分手前の図柄が中段にセットされる。その後、6.106〜12.406秒間にて変動状態Cの表示制御が行なわれ、19〜33図柄分の変動を行なう。その後、0.380秒間にて図柄の変動を停止させ、さらに1.050秒間にて変動状態Fの表示制御を行なう。変動状態Fでは、1図柄分の変動を0.075秒間にて行なう一定の速度で変動させ、1.050秒間にて14図柄分を変動させる。変動状態Fの表示制御が終了した時点で停止図柄の組合せが確定するが、その時点から0.126秒間にて図柄の変動停止時間が設定されている。リーチ4では、ハの時点から最後に設定された図柄の変動停止時間が終了するまでの間に図8(f)〜(h)の画面が順次表示される。
【0127】図16(e)を参照して、リーチ5では、変動状態Aの表示制御が終了するハの時点で、リーチ図柄の図柄配列における2図柄分手前の図柄を中段の位置にセットする。その後、5.656秒間にて変動状態Eの表示制御を行なう。変動状態Eでは、18図柄分を変動させる。その後、コマ送りの態様による表示制御を行なう。コマ送りの態様による表示制御が開始されると、0.300秒間にて図柄の変動を停止させる。その後は、0.450秒間にて1図柄分の変動を行ない、続いて0.318秒間にて変動を一時停止させる手順を繰返す。1図柄分の変動と一時停止とは、それぞれ14回ずつ繰返す。
【0128】最後の0.318秒間の一時停止時間が終了すれば、その後、1.100秒間にて変動状態Gの表示制御を行なう。変動状態Gでは、0.9図柄分の順方向と逆方向の変動を順次行ない、逆方向の変動が完了した時点で図柄の変動を停止させる。リーチ5では、コマ送りの態様による表示制御を行なっている間と、それに続く変動状態Gの表示制御を行なっている間とで図8(b)〜(d)の画面を順次表示し、さらに大当り以外とするときは図8(e)の画面を表示する。
【0129】図17は、画像表示部81における図柄の移動表示の終了と次の動作との時間的関係を示すタイミングチャードである。同図を参照して、図柄の移動表示が終了してからのインターバル期間について説明する。
【0130】図17(a)は、中央の図柄表示領域(中図柄)82bにおける図柄の変動および停止と、可変入賞球装置11の開放および閉鎖との時間的関係を示すタイミングチャートである。中央の図柄表示領域82bにおける図柄の変動が停止し、左側と右側と中央の停止図柄が確定すると、その時点から所定時間が経過した後に停止図柄の組合せの判定処理が行なわれる。中央の図柄表示領域82bの変動が停止してから判定処理が行なわれるまでの時間は、リーチの種類によって異ならせている。リーチ以外であるときとリーチ1とリーチ4では1.800秒間であり、リーチ2とリーチ3とリーチ5では2.800秒間である。
【0131】判定処理の結果、停止図柄の組合せが大当りであれば、その後7.000秒間が経過した後可変入賞球装置11の大入賞口87(図1および図2参照)を閉鎖状態から開放状態にする。図柄の変動表示が停止してから可変入賞球装置11の開放状態が開始されるまでの時間を以下の説明では「当りインターバルT2」という。大入賞口87の開放は、29.500秒間が経過するか、または、大入賞口87への入賞玉が10個に至るかのうちのいずれかの条件が成立した時点で終了する。図示では、大入賞口87が開放状態となってから29.500秒間が経過した後に開閉板89が閉成状態となり大入賞口87が閉鎖状態となっている。
【0132】大入賞口87が開放状態となっている間にV入賞(前述)があれば、大入賞口87の1回の開放状態が終了してから2.00秒間が経過した後に再び開閉板89が開成状態となり大入賞口87が開放される。可変入賞球装置11における大入賞口87を開放状態とする特定遊技状態は、V入賞により最大16回繰返される。1回目の開放状態から15回目の開放状態まででは、開放状態が終了してから2.000秒間の閉鎖状態においても特定玉検出器97(図2参照)による入賞玉の検出を有効にし、前の回の開放期間中にV入賞があったものと見做して処理する。これを役物連続作動装置の作動有効時間という。このような特別な作動有効時間を設けているのは、開閉板89が閉じる前に大入賞口87の内部に進入した打玉が開閉板89が閉じた後に特定領域95に入賞して特定玉検出器97に検出される場合があり、そのような時間差による検出漏れを解消するためである。
【0133】図17(b)は、ある回の図柄の変動表示の停止と次の回の図柄の変動表示の開始との時間的関係を示すタイミングチャートである。図において上段は左側の図柄表示領域82aの変動および停止のタイミングを示し、下段は中央の図柄表示領域82bの変動および停止のタイミングを示す。同図に示すのは、ある図柄の変動表示が終了した時点で停止図柄の組合せが大当り以外であり、始動記憶があったことに応答して次の回の図柄の変動表示を開始する場合の例である。
【0134】前の回の図柄の変動表示において中央の図柄表示領域82bにおける変動が停止してから所定時間が経過した後に当り図柄の組合せの判定処理を行なう。判定処理を行なうまでの時間は、前述したようにリーチ以外であるかまたはリーチの種類により1.800秒間または2.800秒間のうちのいずれかである。判定処理の結果、停止図柄の組合せが大当り以外であれば、判定処理が終了してから0.002秒が経過した後にWC_RND1の値の読出と判定を行ない、さらにWC_RND_LとWC_RND_CとWC_RND_Rの値の読出を行なう。その後、判定処理が終了してから0.504秒が経過した後に次の回の左側の図柄表示領域82aの変動が開始される。前の回の中央の図柄表示領域82bの変動が停止してから次の回の左側の図柄表示領域82aの変動が開始されるまでの時間を以下の説明では「はずれインターバルT3」という。
【0135】ここで、図16に示したコマ送りの態様の表示制御における一時停止時間と図17に示した当りインターバルT2とはずれインターバルT3との関係について説明する。コマ送りの一時停止時間をT1とする。一時停止時間T1は、コマ送りが開始された直後の0.300秒間とコマ送りの途中の0.318秒間のいずれかである。一方、当りインターバルT2は8.800秒間と9.800秒間とのいずれかであり、はずれインターバルT3は1.304秒間と3.304秒間とのいずれかである。したがって、一時停止時間T1と当りインターバルT2およびはずれインターバルT3とは、常に、T1<T2,T1<T3となる。このように、コマ送りの一時停止時間T1を常に当りインターバルT2やはずれインターバルT3よりも短くすることにより、遊技者がコマ送りを一時停止を図柄の移動表示の終了と勘違いしてしまうことを防止できる。
【0136】次に、図18を参照して飾り図柄の表示制御について説明する。飾り図柄は、画像表示部81における特別図柄の移動表示が行なわれ、その結果、大当りとなった場合に、飾り図柄表示器83において変動表示される。所定時間が経過した後に飾り図柄の変動表示が終了し、「0」〜「9」の10個の図柄のうちのいずれかが停止表示される。
【0137】図18(a)は、飾り図柄表示器83の変動表示の結果、停止表示される飾り図柄を事前に決定するためのランダムカウンタWC_RND_KZUの内容を示す説明図である。WC_RND_KZUは、WC_RND1などと同様に乱数をカウントするための手段である。WC_RND_KZUの値は所定のタイミングでメイン基本回路203(図3参照)のCPUにより読出され、その値により、停止表示する飾り図柄が決定される。WC_RND_KZUは、「0」〜「9」の範囲でWC_RND_RCHの値が桁上げされるときに1ずつ加算される。
【0138】図18(b)は、WC_RND_KZUの値と停止表示される飾り図柄との対応関係を示す説明図である。WC_RND_KZUの値の「0」〜「9」が、それぞれ飾り図柄の「0」〜「9」に対応づけられている。
【0139】図18(c)は、画像表示部81における図柄の移動表示と飾り図柄表示器83における飾り図柄の変動表示との時間的関係を示すタイミングチャートである。中央の図柄表示領域82bにおける特別図柄の変動が始動入賞が検出されてから1.254秒または3.354秒が経過した時点で開始され、その後、所定時間(図14〜図16参照)が経過した後に、特別図柄の変動が停止、特別図柄の移動表示が終了する。なお、特別図柄の変動が開始する1.254秒または3.354秒は、それぞれ、図14〜図16に示した0.504秒+0.750秒=1.254秒と、2.604秒+0.750秒=3.354秒である。特別図柄の変動が停止すると、リーチ以外であるかまたはリーチの種類により1.800秒間または2.800秒間の経過後に特別図柄の停止図柄の組合せを判定する処理が行なわれる。判定処理の結果、特別図柄の停止図柄の組合せが大当りであれば、飾り図柄表示器83における変動が開始される。判定処理の終了後0.002秒が経過した時点で、WC_RND_KZUの値が抽出される。飾り図柄の変動は4.000秒間にて一定の状態で行なわれ、その後、0〜0.450秒間にて0〜9図柄分の変動が行なわれ、予定の停止図柄が表示された時点で変動が停止する。
【0140】以上に本発明の弾球遊技機の一実施の形態についてパチンコ遊技機を例にして説明した。なお、本発明は、前述した構成に限られるものではなく、さまざまな変形が可能である。たとえば、複数種類の識別情報を移動表示する可変表示装置7は、CRTを用いた構成に限らず、他に、LCDを用いて構成してもよい。さらには、可変表示装置は、複数種類の図柄などを描いたリールを含む機械式の回転ドラムなどを用いて構成してもよい。
【0141】また、複数種類の識別情報の移動表示の方向は、本実施の形態の図柄の移動表示のように画像表示部81における下方向の移動表示に限られず、他に、上、左、右の各方向のいずれかであってもよい。さらには、本実施の形態では、左側と中央と右側との図柄表示領域82a〜82cの移動方向が同一であったが、複数の図柄表示領域において図柄の移動方向がさまざまに異なるような構成であってもよい。いずれの場合であっても、本発明の特徴の1つである複数種類の識別情報をコマ送りの態様で移動表示させることが可能である。
【0142】また、コマ送りの態様による表示制御においては、最初の一時停止時間である0.300秒間以外は一律に0.318秒間の一時停止を行なう例を示したが、コマ送りにおける一時停止時間は、当りインターバルT2とはずれインターバルT3とのいずれよりも常に短くするという条件を満たす範囲で、さまざまに変化させるようにしてもよい。
【0143】また、本実施の形態では、図8に示したように、カウントダウン表示画像423により、大当りとなるまでに必要な図柄の移動数を遊技者に報知するようにしたが、他に、大当りとなるために必要な図柄の移動量を棒グラフや円グラフなどの画像により表示してもよい。さらには、このカウントダウンを画像を表示して報知するものの他に、スピーカから音声によって報知するようにしてもよい。
【0144】次に、図19を参照して、図16(a)〜(e)に示したリーチ制御の種類をさらに追加した変形例について説明する。この変形例では、前述のリーチ1〜リーチ5にさらにリーチ6〜リーチ9の制御を加えた。合計9種類のリーチは、WC_RND_RCHの値の「1」〜「9」により選択される。なお、WC_RND_RCHの値が「0」のときは、値が「4」のときと同様にリーチ4が選択されるものとする。
【0145】リーチ6〜リーチ9のそれぞれの手順において、ハの時点から5.656秒間の変動状態Eの表示制御が行なわれるまでは、図16(c),(e)に示したリーチ3,5と同様である。各リーチは、変動状態Eの表示制御が終了した時点から開始されるコマ送りの態様の手順が異なる。
【0146】図19(a)を参照して、リーチ6では、コマ送りの態様の表示制御が開始されると、初めに0.300秒間変動が停止された後、n個分の図柄が0.450秒間にて変動され、続いて0.318秒間にて変動が一時停止される。この変動と一時停止を所定数回繰返した後、変動状態Gの表示制御を行なう。変動状態Gでは、1.100秒間にてn図柄分の順方向と逆方向との変動を順次行ない、逆方向の変動が完了した時点で図柄の変動を停止する。なお、前記(n)は、n≦2の条件を満たす範囲で随時選択可能に設定され、1回の表示制御では固定である。
【0147】図19(b)を参照して、リーチ7では、コマ送りの態様の表示制御が開始されると、初めに0.300秒間にて変動が一時停止され、続いて、n+9,n+8,…,n+2,n+1の図柄の変動表示を、それぞれ、4.500秒間、4.050秒間、…、1.350秒間、0.900秒間にて行ない、各変動の合間に、0.318秒間の一時停止を行なう。コマ送りが終了すると、リーチ6と同様に変動状態Gの表示制御を行なう。なお、リーチ7のnは、実行される度に変動する値であり、その度に値が選択される。
【0148】図19(c)を参照して、リーチ8では、コマ送りの態様の表示制御が開始されると、それまでは変動状態Eのスクロール表示(他のリーチにおいても同様)が行なわれていた状態から、図柄配列における所定数個の図柄ずつを切換える切換表示を行なう。この切換表示では、他のコマ送りの態様の表示制御における一時停止時間T1が図柄の表示時間となり、変動時間T4が、切換時間となる。表示時間と切換時間との対応は、図16(c)に示したコマ送りの表示における一時停止時間と変動時間とにそれぞれ対応する。切換表示が終了すると、変動状態Gによる表示制御(スクロール表示)が行なわれる。
【0149】図19(d)を参照して、リーチ9では、左,中,右のすべての図柄の変動表示を一斉に開始させ、変動状態Aの表示制御を6.050秒間行なったのち、各図柄表示領域82a〜82cにおいてリーチ5に示した手順と同様のコマ送りの態様の表示制御を行なう。このリーチ9の場合は、左側、中央、右側の図柄表示領域82a〜82cの変動が一斉に開始され、停止タイミングも同様に一斉に停止する。したがって、変動の途中で大当り図柄の組合せは成立し、その大当り図柄の組合せが中段で停止するか否かによって大当りが発生するか否かが決定する。
【0150】このように、変形例に示したようなリーチ6〜リーチ9のさまざまなコマ送り態様(切換表示を含む)を選択的に実行することにより、さらに、遊技の興趣を高めることができる。なお、この変形例においても各リーチの一時停止時間T1は、当りインターバルT2やはずれインターバルT3と、T1<T2,T1<T3の関係になるように設定することが望ましい。
【0151】次に本実施の形態の特徴について以下に列挙する。
(1) 本実施の形態のパチンコ遊技機では、可変表示装置11の画像表示部81において複数種類の図柄がコマ送りの態様で移動表示されることを特徴とする。前記図柄表示領域82a,82b,82cにより、複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部が構成されている。前記基本回路203に含まれるCPUと、CPUにコマ送りの態様による表示制御を行なわせるための遊技制御用プログラムとにより、前記複数の可変表示部の可変表示が開始されてからすべての表示結果が導出表示されるまでの間に、前記複数の可変表示部のすべてを一時停止させた後同時に再可変表示させる停止変動制御が可能な可変停止変動制御手段が構成されている。これにより、可変表示装置における複数種類の識別情報の移動表示が、変化性に富んだ面白味のあるものとなる。
【0152】(2) さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機では、コマ送りの態様による表示制御をリーチが成立した場合に行なうことを特徴とする。メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUに図16(c),(e)および図19(a)〜(d)のタイミングチャートに示した表示制御を行なわせるための遊技制御用プログラムとにより、予め定められた個数の識別情報が導出表示される以前の段階において、既に表示結果として導出表示された識別情報が予め定められた特定の識別情報の組合せとなる表示条件を満たしている場合に、可変停止動作を連続的に複数回行なうことが可能な可変停止制御手段が構成されている。これにより、残りの表示結果の導出を待つ遊技者の期待感を高めることができる。
【0153】(3) コマ送りの態様による表示制御において、図柄の変動が一時停止される時間は、今回の図柄の移動表示が完了した時点から次回の図柄の移動表示が開始される時点までの時間よりも常に短くなるように構成されている。
【0154】(4) 本実施の形態のパチンコ遊技機は、リーチ1〜リーチ5の複数種類のリーチ時の制御手順のうちのいずれかをランダムカウンタWC_RND_RCHの値に応じて選択的に実行する。このように、本実施の形態のパチンコ遊技機は、乱数を出力するための乱数出力手段を含み、可変停止制御手段は、乱数出力手段からの出力に基づいて、可変表示装置に識別情報の移動を一時停止させる時期を決定することを特徴とする。
【0155】(5) 本実施の形態のパチンコ遊技機は、リーチが成立したときにカウントダウン表示画像423(図8参照)を表示し、大当りとなるために必要な図柄の移動数を表示する。このように本実施の形態のパチンコ遊技機は、複数種類の識別情報を予め定められた順序で移動表示する可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる弾球遊技機であって、特定の表示態様となるために必要な識別情報の移動量を報知する移動量報知手段を含むことを特徴とする。
【0156】(6) さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機は、可変表示装置が、可変停止制御手段による制御が行なわれている場合に、画像表示部に複数種類の識別情報を表わす画像とともに、特定の識別情報の組合せが成立するために必要な画像の移動量を表示させる移動量表示制御手段を含むことを特徴とする。
【0157】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数の可変表示部が複数種類の識別情報を可変表示するとき、その可変表示が開始されてからすべての表示結果が導出表示されるまでの間に、複数の可変表示部のすべてを一時停止停止させた後同時に再可変表示させる停止変動制御を行なうことが可能となる。これにより、複数種類の識別情報の可変表示が変化性に富んだ面白味のあるものとなる。
【0158】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、各可変表示部が複数種類の識別情報を移動表示しているときに、識別情報の移動を一時停止させ、識別情報をコマ送りの態様で移動表示させる。これにより、複数種類の識別情報の移動表示が変化性に富んだ面白味のあるものとなる。
【0159】請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、各可変表示部が複数種類の識別情報を一部の識別情報ずつ切換表示しているときに、一部の識別情報ずつの切換を一時停止させる。これにより、複数種類の識別情報の切換表示が、変化性に富んだ面白味のあるものとなる。
【0160】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、可変停止変動制御手段が、リーチ状態が成立している場合に前記停止変動制御を行なうことが可能となる。これにより、表示結果としての識別情報を予め定めた個数だけ導出表示するときの表示内容が変化性に富んだ面白味のあるものとなる。
【0161】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、可変表示装置が複数種類の識別情報を表わす画像表示可能な画像表示部を含み、この画像表示部における表示に対して、前述の停止変動制御が行なわれる。したがって、複数種類の識別情報を表わす画像の表示が変化性に富んだ面白味のあるものとなる。
【0162】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、可変停止変動制御手段の停止変動制御による一時停止の時間は、ある表示結果の導出が完了した時点から次の表示結果の導出が開始する時点までの時間よりも短い。したがって、遊技者は、可変停止変動制御手段の停止変動制御による一時停止と表示結果の導出の完了とを容易に区別することができる。
【出願人】 【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
【出願日】 平成6年(1994)5月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外2名)
【公開番号】 特開平11−146948
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平10−281180