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【発明の名称】 パチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置
【発明者】 【氏名】水貝 伸明

【氏名】宮原 直樹

【要約】 【課題】不正を目論む悪意な人為的操作では球払出し状態に保持できないようにして、機前側からの不正な球抜き行為による貯留球の抜取り獲得を防止する。

【解決手段】球貯留排出経路部に連絡された球払出し部35の下部に切換え排出部47を装備し、この切換え排出部47における切換え弁52を、球皿側に連絡される払出し路30と球抜き路9側へ連絡される戻し路31との分岐連絡部位に組込んで払出し位置と戻し位置とに切換え保持可能に設定する。また切換え弁52の下部に払出し球を受けて通出案内し得る弾性変形可能な薄肉帯状の案内防止片55を延出させ、前記球皿側から裏側へ不正侵入操作される不正物を案内防止片55で阻止して、球抜き操作時に戻し位置に保持されるべき切換え弁52を払出し位置に不正拘束保持不能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機裏側の球貯留排出経路部(4)内の貯留球を、遊技盤内でのパチンコゲームの入賞成立に対して球払出し部(35)の作動毎に所定数の賞球として球皿側へ払出し得る一方、球抜き操作による切換え排出部(47)の切換え作動および球払出し部(35)の払出し解放作動により戻し球として機外へ抜出し得るパチンコ遊技機にあって、前記球貯留排出経路部(4)に連絡された前記球払出し部(35)の下部に前記切換え排出部(47)を装備し、この切換え排出部(47)における切換え弁(52)を、前記球皿側に連絡される払出し路(30)と球抜き路(9)側へ連絡される戻し路(31)との分岐連絡部位に組込んで払出し位置と戻し位置とに切換え保持可能に設定する一方、この切換え弁(52)の下部に払出し球を受けて通出案内し得る弾性変形可能な薄肉帯状の案内防止片(55)を延出し、前記球皿側から裏側へ不正侵入操作される不正物(61)を案内防止片(55)で侵入阻止して、前記球抜き操作時に本来の戻し位置に保持されるべき切換え弁(52)を払出し位置に不正拘束保持不能にしたことを特徴とするパチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置に係り、更に詳しくは、機裏側に貯留したパチンコ球を、パチンコゲームの入賞成立に対する賞球として球皿側へ払出し得る一方、球抜き操作により戻し球(返し球)として機外へ抜出し得る遊技機において、戻し球として抜出された貯留球の不正な獲得を防止するようにした貯留球不正獲得防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機やアレンジボール機に代表されるこの種の遊技機では、遊技操作に基づいて開始される1球毎の球送り発射制御作動により、球皿から発射位置に送込まれた遊技球を遊技盤内に打出して所要のパチンコゲームを行ない得る。そして、このゲーム中の入賞条件(セーフ球の発生や入球による図柄組合わせの得点成立等)に対して、機裏側の球貯留排出経路部内に貯留された球が、賞球払出装置の払出し作動毎に所定数の賞球として払出されて、所定の賞球経路から上球皿および下球皿へ給出される。一方、遊技機の取扱いにより球貯留排出経路部内の相当量の貯留球を抜取る必要がある場合には、一般に前枠の正面側部に形成された操作孔から操作杆を挿入して機裏側の球抜き装置を作動させることにより、賞球経路と球抜き路との分岐連絡部に設けられた切換え弁を球抜き状態(球戻し位置)に保持したもとで、貯留球を球抜き路から機外の裏側へ放出し得るようになっている。なお操作杆は、針金状材に摘み部を付けた程度のものでホール管理者側で管理されるが、入手容易な直線材でも十分代用できる。
【0003】このようなパチンコ遊技機にあって、賞球の払出しとは別に、球抜き操作によりすべての貯留球を払出し可能にする形態として、一般に前記賞球払出装置では、入賞条件毎に対する電動具(ソレノイドやモータ)の駆動制御により、球経路に臨む球送り体を回転制御させながら賞球を払出してカウント検出する電動タイプが使用され、また前記球抜き装置では、前述の操作杆で作動されるスイッチの検出入力に基づく電磁ソレノイドの駆動制御により、前記切換え弁を球抜き(戻し)位置に切換え保持して抜出す電気タイプが使用されている。そして双方の装置の実施形態として、遊技盤点検用の窓口を設けた裏側の機構セット盤の側縁部において、賞球払出装置が球貯留排出経路部の下流部に合わせて設置され、また球抜き装置が賞球払出装置の下流に連通する賞球経路と球抜き路との分岐連絡部に設置されて、球抜き操作におけるスイッチの検出入力に基づいて、切換え弁の切換え保持および賞球払出装置の解放条件のもとで、抜出された全ての貯留球を放出し得るようになっている。
【0004】なお前記球抜き装置については、操作杆の他に、外枠から開放された前枠の裏側において、指先操作によりスイッチを操作検出できるようになっている。また双方の装置では、電子制御装置での球抜き制御処理として、前記スイッチの検出入力を1回だけ有効化し、球抜き作動後には正常な復旧処理として電源再投入または電子制御装置に係るリセット入力操作を行なう。そしてこの処理を行なわない限り、同スイッチの以後の検出入力を無効として球抜き不能に設定されている。このもとで、前記電動具および電磁ソレノイドが、球抜き用のスイッチの検出入力に対する電子制御装置でのタイマー設定条件に基づいて、所定時間経過後に自動復帰するように設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年のパチンコ遊技機では、機裏側の貯留球を賞球として払出すことの他に、遊技用の貸し球として払出し得ることが要求されていることに応えて、多くの場合前述した電動タイプの賞球払出装置が使用され、これに対応して前記球抜き装置が下部に組込まれている。このような実施形態にあっては、賞球と貸し球との区分払出しが容易に可能であり、またすべての貯留球の抜出しが可能であるとしても、貯留球の不正抜出し獲得を許してしまう大きな問題があった。すなわち現状において前記球抜き用のスイッチは、前記操作杆以外の針金状材でも簡単に操作検出されてしまい、この検出入力に基づいて双方の装置が球抜き状態と球払出し解放状態とに作動される。このため、遊技機の構成並びに両装置の形態等を熟知した不正者が、平常の遊技を装う姿勢で線状の不正物を上球皿に連絡する供給口から前記賞球経路内に侵入させて、巧みに操りながら上方部に位置する球抜き装置側へ挿入して切換え弁を払出し位置に拘束保持する。このもとで、前記スイッチを不正に検出作動させた場合には、すべての貯留球が球払出し解放状態の賞球払出装置から放出された後、前述の切換え弁により賞球経路へ排出されて上球皿または下球皿へ給出されてしまう。
【0006】従って、前述した電動タイプの賞球払出装置と球抜き装置とを併用形態で装備している多くのパチンコ遊技機にあっては、正常な球抜き操作により全ての貯留球を機外に抜出し得る便利な機能を有する反面、前述したような不正な球抜きによる獲得を許してしまう欠点を内在しており、これを好適に阻止できなかった。この結果、前記スイッチの1回の有効検出作動による不正抜出しだけを許すとしても、現実には数百個もの貯留球が抜出されてしまい、遊技機の台数が多くなれば到底軽視できない数量(金額分)の貯留球となって、ホール側が大きな被害を受ける問題があった。ちなみに前述した不正球抜きは、隣在の遊技者にも気付かれない程の内に巧みに行なわれしまい、ホール側ではコンピュータ管理による各台の稼働状況をチェックした後に異常を察知しているような現状にある。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決するべく新規に提案されたもので、機裏側の球貯留排出経路部に連なる球払出し部の下流部位に装備された切換え排出部を、不正を目論む悪意な人為的操作では球払出し状態に保持できないようにして、機前側からの不正な球抜き行為による球留球の抜取り獲得を防止し得るようにしたパチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、初期の目的を達成するため本発明は、機裏側の球貯留排出経路部内の貯留球を、遊技盤内でのパチンコゲームの入賞成立に対して球払出し部の作動毎に所定数の賞球として球皿側へ払出し得る一方、球抜き操作による切換え排出部の切換え作動および球払出し部の払出し解放作動により戻し球として機外へ抜出し得るパチンコ遊技機にあって、前記球貯留排出経路部に連絡された前記球払出し部の下部に前記切換え排出部を装備し、この切換え排出部における切換え弁を、前記球皿側に連絡される払出し路と球抜き路側へ連絡される戻し路との分岐連絡部位に組込んで払出し位置と戻し位置とに切換え保持可能に設定する一方、この切換え弁の下部に払出し球を受けて通出案内し得る弾性変形可能な薄肉帯状の案内防止片を延出し、前記球皿側から裏側へ不正侵入操作される不正物を案内防止片で侵入阻止して、前記球抜き操作時に本来の戻し位置に保持されるべき切換え弁を払出し位置に不正拘束保持不能にしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】球皿側に連絡される払出し路と球抜き路側へ連絡される戻し路との分岐連絡部位に切換え保持可能に設けられた切換え弁に、払出し路に延出する案内防止片が配設されている。切換え弁が払出し位置に保持される場合には、該切換え弁に取着した案内防止片が、払出し球を受けて通出案内し得る状態で払出し路に延出する。また、切換え弁が戻し位置に保持される場合には、該切換え弁に取着した案内防止片が、払出し路に円弧状に延出して該払出し路の出口面を実質的に閉遮する。従って、機前側での不正操作により不正物を球皿側から裏側へ侵入させて巧みに操っても、前記案内防止片により払出し路内への不正物の侵入が防御されるから、球抜き操作時に本来の戻し位置に保持されるべき切換え弁を払出し位置に拘束保持させることが不可能となり、戻し球として抜出される貯留球の不正な獲得を好適に防止し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るパチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技球を1個ずつ遊技盤内に打出して遊技球の入賞ゲーム(アウト球とセーフ球との区分)を展開するタイプにあって、機裏側の貯留球を、入賞成立(セーフ球の発生)に対する賞球と、球貸しシステムを利用した遊技用の貸し球とに区分排出して球皿側へ供給し得るパチンコ機の場合を主に例示する。
【0011】先ず、図1に略示するパチンコ機および図2に略示する球処理部について要約説明すると、外枠Aに組付けられた前枠Bの裏側に、夫々の球処理部を有する機構セット盤Cが着脱可能にセットされている。このセット盤Cでは、遊技盤点検用の窓口1の周囲において、アウト球用の排出路2とセーフ球用の処理路3が区画形成されている一方、賞球用の球貯留排出経路部4として、最上端の球タンク4aと整列用の整流樋4bおよび減圧用の送出樋4cが順に連設されて、相当数のパチンコ球を貯留して送出し得るようになっている。また送出樋4cの下流端に、後述する本実施例の賞球排出装置Fが着脱可能にセットされており、この装置Fの出口下方に、上下の球皿(図示しない)側に連絡される第1,第2の賞球路5,7が形成され、第1の賞球路5の上流部から分岐された球抜き路9が下部外側に形成されて、前記排出路2および処理路3に連絡されている。なお、第1の賞球路5は供給口6を介して上球皿の上流部に連絡され、また第2の賞球路7は供給口6の側方から分岐されて前枠Bの下部裏側に取着された容器8を介して下球皿に連絡されている(図1および図2参照)。
【0012】前述した機構セット盤Cにおけるその余の構成として、図1および図2に略示するように、前記整流樋4bと送出樋4cとの直交連絡部位に、賞球単列化用の球送り整列部10が装備され、また整流樋4bの所定位置に貯留球検出用のスイッチ11が設置され、そして第2の賞球路7の途上に賞球充満検出機構12が組込まれている。一方、送出樋4cの近傍に球抜き操作手段としてのレバー13およびスイッチ14が組付けられており、そして前記処理路3にセーフ球検出処理装置Dが着脱可能にセットされている。この装置Dでは、セーフ球を1個ずつ停留検出して賞球払出し後に解放通出する電動形態であって、図2および図3に例示するように、処理路3と連通する通路16を形成した本体15に、通路16内のセーフ球を1個ずつ通過検出し得るスイッチ17と、このスイッチ17の上,下方に位置するストッパー部18a,18bを形成して、1回毎の処理作動によりセーフ球に対する拘束と解放とによる通入出規制を行なうレバー状の規制処理部材18と、同部材18を各規制状態に交互に切換え操作する電磁ソレノイド19とを組付けて、全体が本体単位で構成取扱い得るようになっている。なお図1中、20は電源部(AC24V)に接続されるターミナル基板、21はゲーム内容を制御する第1電子制御装置、22はセーフ球検出処理並びに賞球排出(払出しと球抜き)を制御する第2電子制御装置を夫々示す。
【0013】このような本実施例のパチンコ機は、遊技ホール内の設置枠台(通称)の各区画枠内に前記球貸しシステムと共に設置されて縦向きで遊技に供される。この状態において、図示しないが、各列毎の設置枠台の補給設備における配球ユニットから必要時に供給される相当量のパチンコ球を、前記球貯留排出経路部4の球タンク4a内に受入れて各樋4b,4cに収容しており、パチンコゲーム中に発生したセーフ球に対して所定数の賞球を払出し得る。一方球貸しシステムでは、前記スイッチ11の球有り検出条件において、使用するカードの有効金額内における一定額単位に対して設定数球の貸出し制御をなすもので、カードリーダ23およびカード挿入口等を有するカードユニットEが外枠A外側に装備されて(図1参照)、前枠Bの裏側下部に設置された中継制御部(インターフェースボードともいう)24に、カードリーダ23と上球皿側の球貸し操作部および前記第2電子制御装置22が夫々接続されている。そして、カードリーダ23の球貸し判読制御処理条件に応答して後述の賞球排出装置Fが作動されることにより、払出された貸し球が上球皿へ供給されるようになっている。
【0014】前述したパチンコ機に実施された貯留球不正獲得防止装置としての本実施例の賞球排出装置Fは、前記第2電子制御装置22で制御作動されるもとで、セーフ球に対する賞球と遊技用の貸し球との区分排出並びに貯留球の抜出しの制御をなすと共に、不正球抜き獲得の防止をなし得るようにした電子制御作動形態のもので、図1および図2に略示するように、前記機構セット盤Cの設置部内に着脱可能にセットされている。この装置Fでは、基本的な構成として図4〜図8に示すように、縦長方形箱状にユニット化された合成樹脂製のケース体26内に球通路を区画形成すると共に、この球通路に臨む部位に電動式の球払出し部35と切換え排出部47とを夫々組付けて、ケース体毎に取扱い得るようになっている。そして機構セット盤Cの設置部、つまり前記球貯留排出経路部4の送出樋4c下端と、前記第1,第2の賞球路5,7および球抜き路9上端との間に形成された凹室部25内にケース体26単位で収容されて、球通路を各路4c,5,7,9に整合連絡した状態でビス着セットされるようになっている。
【0015】このような賞球排出装置Fにおいて、前記ケース体26は、凹室部25内でビス着される1枚のベース板26Aにコの字形のカバー26Bが組付けられており、このケース体26内の上部に、1列の球入路28を垂下状に形成した樋27が組込まれて、ベース板26Aとカバー26Bとにビス固定されている。そして、ベース板26Aの下部に形成された区画壁29により、球入路28および前記第1の賞球路5に連通される斜状の払出し路30が形成され、この払出し路30の中央部から前記球抜き路9に連通される斜状の戻し路31が分岐して形成されて、ベース板26Aの下部に合わせてビス着された方形板サイズの仕切り板34で両路30,31が覆蓋されている。なお、ベース板26Aの各部には組付け用のボスや台座等が配設されており、また払出し路30と戻し路31とは、図5に例示するように互いに逆Yの字状に連通されて、その分岐連絡口部の一端に後述する切換え弁52用の逃し凹部32が形成されている。一方樋27の下部には、後述するセンサー用の検出孔33,33が、球1個分に適した間隔で形成されて球入路28に臨んでいる。
【0016】そして、前述のケース体26内に組込まれた前記球払出し部35は、球貯留排出経路部4からの球を1個ずつ通入出検出するもので、図4〜図8に例示するように、ベース板26Aの支持部36に軸支持された回転スプロケット状の球送り体37と、球送り体37の回転停止規制をなす規制片41の切換え作動源である電磁ソレノイド39と、第1,第2検出具43,44とを備えている。そして球送り体37は、外周に形成した受け部38(図示6個)を球入路28内に臨ませて、1個ずつの球を受けて回転により放出し得る。また電磁ソレノイド39は、図示のフラッパー形式例において、ベース板26Aに固定された金属製の支枠40にコイルを巻回した磁力発生部(ボビンともいう)39Aを装着し、通電時に発生された励磁力を磁着部39aに集中的に作用し得、これに対して規制片41は、支枠40の一端に傾動可能に支持されてバネ42で付勢され、磁着部39aとバネ42を利用して球送り37の受け部38を係合停止,離隔解放するようになっている。一方、第1,第2検出具43,44は、互いに1球分の検出間隔で配置されて球入路28に臨み、通入球と通出球とを個々に検出するよう構成される。
【0017】このような球払出し部35では、電源投入時の作動状態において、電磁ソレノイド39の消磁(OFF)により磁着部39aから解放された垂下状態の規制片41が、球送り体37を拘束した通常状態に付勢保持されている(図5参照)。従ってこの球送り体37が、前記球貯留排出経路部4内に投入されて送出路4cから球入路28に入っている球の最先行(最下端)を、受け部38に受入れた状態で停止されていることにおいて、第1検出具43がこの球を直接有検出する。一方、電磁ソレノイド39の励磁(ON)により磁着部39aに吸着された規制片41が傾動変化して球送り体37を解放すると(図11参照)、同球送り体37が受けた1球の重みで回転して同球を放出することにおいて、第2検出具44が放出球を直接有検出し、ソレノイド39が消磁復帰されるようになっている。なお第1,第2検出具43,44は、ともに光学センサータイプが使用される例において、前記第2の制御回路装置22側に接続される制御基板45に配置された発光ダイオードと、回路基板46に配置された受光ダイオードとが組とされている。ちなみに制御基板45は、樋27の外向き側に取着されて電磁ソレノイド39を接続し、回路基板46は、樋27の内向き側に取着されて制御基板45に接続されている(図4,図6および図8参照)。なお、球払出し部35内での球詰り(判定)に対して、払出し用の電磁ソレノイド39の作動により振動を発生させて球詰りを解消する制御として、例えば特願平1−249973号公報に開示の技術を採用可能である。また第2検出具44の払出し球検出不良(故障)の判定処理の制御に関しては、例えば特願平1−249975号公報に開示の技術を採用し得る。更には、賞球(貯留球)の数量(検出間隔時間)に応じて球払出し速度を高速用モードと、低速用モードとに変更する制御に関しては、例えば特願平2−6789号公報や特願平5−285821号公報に開示の技術を採用することができる。
【0018】また、ケース体26内に組込まれた前記切換え排出部37は、賞球および貸し球と貯留球とを切換え排出するもので、図4〜図8に例示するように、前記仕切り板34の外向き側に設置された電磁ソレノイド48と、仕切り板34の内向き側に支持されたレバー状の切換え弁52を備えて、仕切り板単位で構成されてケース体26内に組付けられている。電磁ソレノイド48は、図示のリニアタイプが使用される例において、仕切り板34に一体成形された支片34aに縦向きに設置されて、バネ50で付勢されたロッド49下端に連繋片51が固着されている。これに対して切換え弁52は、仕切り板34の下部中央のボス部34bに挿通支持された支軸53内端に固定されて、前記払出し路30と戻し路31との連絡部分内に位置している。そして、支軸53外端に固着された円形の回動盤54の溝54aにロッド49の連繋片51が係合されているもとで、同ロッド49の昇降変位に追従して回動盤54および支軸53の回動と共に切換え弁52が各位置に切換え保持されるようになっている。なお電磁ソレノイド48は、前記制御基板45に接続される例とする。
【0019】このような切換え排出部47では、電源投入時の作動前状態において、電磁ソレノイド48の消磁(OFF)により下降端位置のロッド49に対して、切換え弁52が戻し路31を閉遮して払出し路30を開放した通常の斜状払出し位置に保持されて、前記球払出し部35から払出された球を払出し路30側へ案内する。一方、電磁ソレノイド48の励磁(ON)により上昇端位置のロッド49に対して、切換え弁52が傾動変化して払出し路30を閉遮して戻し路31を開放した起立戻し位置に保持されて、払出された球を戻し路31側へ案内するようになっている。なお、切換え排出部47に関連する操作手段については、図1に略示した前記機構セット盤Cにレバー13およびスイッチ14が配置使用される例において、レバー13の操作によりスイッチ14が検出(ON)することに応答して、前記切換え用のソレノイド48と払出し用のソレノイド39とが夫々設定時間に亘り励磁されるようになっている。ちなみにレバー13は、前枠Bに形成された操作孔に挿入された針金状の操作具(共に図示しない)の押込みによる操作と、外枠Aから開放した前枠Bの裏側で指先による操作との何れも可能にされている。
【0020】そして、前述のように構成された本実施例の賞球排出装置Fにおいて、不正球抜き獲得に係る防止対策技術については、ケース体26内に切換え排出部47を内蔵して球通路内に位置する切換え弁52を不正に操作し得ないようにした上で、この切換え弁52に案内防止片55が着脱交換可能に取着されている。この案内防止片55は、球の通出案内と不正操作部材の侵入防止とを図るもので、切換え弁52の変化に対して無理なく撓み変形し得る1枚の薄肉弾性材(例えばJIS規格の材質SUS301−CSPHの肉厚0.1mm位の素材)により球径と同等な幅を持つ帯状に成形されており、図8および図9に例示するように、上端部の両側に形成した係着片55aを折曲して切換え弁52の両側に把持係着すると共に、片55の中央部を切換え弁52のボス部にビス着して、下半部を払出し路30内に延出している。そしてこの案内防止片55は、当初の段階においてはその下端を払出し路30の出口側に形成された係止部56に係止した状態でセットされる。このもとで、払出された球が払出し路30から第1賞球路5に通出する際に、同片55は球の重みおよび勢いを受けて撓み変形して係止部56から外れ、以後は両路30,5内に亘り斜状延出状態で保持される(図11(b)参照)。
【0021】ここで、本実施例のパチンコ機の各部に配設された電気部品類および前記賞球排出装置Fの電気部品類に係る入出力制御系統について付記すると、図10に略示するように、前記第1の電子制御装置21に遊技盤(図示しない)に配置されたスイッチ57,58等が接続されて、ゲームおよび賞球排出に係る制御処理がなされる。一方、前記第2の電子制御装置22に、前記カードユニットEのカードリーダ23、インターフェースボード24、球貸し操作用のスイッチ59および貸し球用のスイッチ11と、前記セーフ球検出処理装置Dのスイッチ17および電磁ソレノイド19と、前記球払出し部35の電磁ソレノイド39および第1,第2検出具43,44と、前記切換え排出部47の電磁ソレノイド48および球抜き用のスイッチ14が夫々接続されて、貸し球と賞球との区分払出し、セーフ球検出処理、そして球抜きに係る夫々の制御処理がなされる。なお第2の電子制御装置22では、球抜き用のスイッチ14の1回の検出信号を有効入力して、球抜き指令により切換え用のソレノイド48、次いで払出し用のソレノイド39を各々の時間(例えば50秒と45秒)に亘り励磁し、そしてリセットスイッチ60の入力条件で次の球抜き用検出信号を有効入力可能に設定されている。
【0022】
【実施例の作用】前述のように構成された本実施例のパチンコ機では、遊技ホール内の設置枠台にカードユニットEと共に設置されて遊技に供し得る。そして、カードユニットEに対するカードの挿入並びに機前側での球貸し操作により、機構セット盤Cの賞球排出装置Fから払出された貸し球を上球皿側へ給出して収容し得る。このもとで遊技操作(打球発射操作)を行なうことにより、機内の発射位置に1球ずつ送込まれた遊技球を遊技盤内に打出して所要のゲームを展開し得る。そうして、ゲーム中に発生したアウト球を機構セット盤Cの排出路2から機外へ排出し、またセーフ球を処理路3からセーフ球検出処理装置Dに導入して1球ずつ停留検出処理した後に機外へ排出する一方、このセーフ球の検出処理に対して賞球排出装置Fから設定数の賞球を払出して上球皿または下球皿へ給出するようになっている。そして、球抜き必要時の操作により球貯留排出経路部4内の貯留球を、賞球排出装置Fの解放状態で抜出して球抜き路9から機外へ排出することができる。
【0023】そこで、このようなパチンコ機に実施された本実施例の賞球排出装置Fにおける球排出作動状態について、各図を参照しながら説明する。先ず貸し球の払出しについては、貸し球用のスイッチ11の球有り検出入力条件にあって、カードが挿入されて球貸し用のスイッチ59が操作されたことに基づいて球払出し部35が作動される。すなわち、同スイッチ59の操作入力に対するカードリーダ23,インターフェースボード24および第2の電子制御装置22間での制御処理および球貸し指令に基づいて、球払出し部35が作動されて電磁ソレノイド39の制御作動(励磁と消磁)および規制片41の切換え、第1,第2検出具43,44の球有り検出入力並びに球送り体37のピッチ回動により、所定数の球(例えば球貸し金額100円に対して貸し球25個)が1球ずつ払出されて、ケース体26の払出し路30から第1賞球路5へ排出され、供給口6から上球皿へ給出される。この貸し球の具体的な排出状態を図11(a)および図11(b)で観ると、全ての貸し球は、球送り体37の受け部38から解放された以降、第2検出具44でカウント検出されて払出し路30に通入し、払出し位置に保持されている切換え弁52上の案内防止片55に沿って通出され、そして同片55の下半部の弾性により勢いが適宜緩和されながら第1賞球路5へ排出される。
【0024】またセーフ球に対する賞球の払出しについては、図2および図3に示す前記セーフ球検出処理装置Dでのセーフ球検出毎に球払出し部35が作動される。すなわち、前記処理路3から通路16に通入して規制処理部材18のストッパー18bにより検出位置で停留されたセーフ球をスイッチ17が検出した条件にあって、同検出入力に対する第2,第1の電子制御装置21,22間でのセーフ球信号と賞球信号との処理および払出し指令に基づいて、球払出し部35が前述と同様な態様で作動されて(図11(a)および図11(b)参照)、電磁ソレノイド39の制御作動および規制片41の切換えに従う球送り体37のピッチ回動により、所定数の球(例えば5〜15個の賞球)が1球ずつ払出されて、払出し路30から切換え弁52の案内防止片55を介して第1賞球路5に通出され、供給口6から上球皿または第2賞球路7から下球皿へ給出される。そして、払出された所定数最後の賞球が第2検出具44でカウント検出された時点に基づいて、当該回の払出し作動が終了されて電磁ソレノイド39の消磁、規制片41の復帰に従い球送り体37が停止保持される。なお、払出し終了後セーフ球検出処理装置Dでは、第2の電子制御装置22からのセーフ球解放指令に基づいて、電磁ソレノイド19が1回作動(励磁と消磁)されることにより、規制処理部材18の切換えに従い検出位置のセーフ球が解放されて機外へ排出され、次のセーフ球が検出位置に入って停止される(図3参照)。
【0025】一方貯留球の球抜きについては、球抜き操作に基づいて切換え排出部47と球払出し部35が順次作動される。すなわち、前記球抜き用のスイッチ14が操作されたことにより、この検出入力に対する第2の電子制御装置22での制御処理および球抜き指令に基づいて切換え排出部47が切換え作動されて、電磁ソレノイド48の励磁によるロッド49の上昇と共に切換え弁52が戻し位置に切換え保持される(図12および図13参照)。これに次いで(例えば1.5秒後)球払出し部35が開放作動されて、電磁ソレノイド39の励磁により規制片41が磁着変位されて球送り体37を解放する。この結果、同球送り体37がケース体26の球入路28内の球を受けながら連続フリー回転するもとで、球貯留排出経路部4内の貯留球が、図12および図13に例示するように、1球ずつ払出し路30に放出されて切換え弁52で変向案内されながら戻し路31に通出して球抜き路9から機外へ抜出される。そうして、設定時間経過後の球抜き指令終了時に、球払出し部35が元状復帰されてソレノイド39の消磁により、規制片41が変位復帰して球送り体37を停止保持する。これに次いで(例えば3.5秒後)切換え排出部47が元状復帰されてソレノイド48の消磁によりロッド49の下降と共に切換え弁52が元の払出し位置(図11(b)の位置)に保持される。
【0026】なお前述の球抜き作動では、球貯留排出経路部4内で多少の球流れ遅れが発生したとしても、双方のソレノイド39,48の励磁時間設定により全球を的確に抜出すことができる。そして球抜き後においては、補給設備の運転により新たな相当量の球が球タンク4a内に投入されることにより、球払出し部35の球入路28内の所定位置(球送り体37の受止め位置)から球貯留排出経路部4内の全体に亘り通入(収容)されて、前述した貸し球,賞球の払出しが可能とされる。ちなみに、本実施例の賞球排出装置Fに係る第2の電子制御装置22での別設定例として、球貸し操作信号は賞球払出し指令の終了後に入力可能とされ、また球抜き操作信号の入力以後は入力不可(無効)とされる。賞球払出し信号は、球貸し指令の終了以後に入力可能とされ、また球抜き操作信号の入力以後は入力不可(無効)とされる。また球抜き操作信号は、貸し球,賞球の払出し指令の終了以後に1回だけ有効入力可能とされる。
【0027】ところで本実施例の賞球排出装置Fでは、前述した球排出作動を行ない得ることの他に、装置特有の機能として球抜き操作により機外へ排出されるべき貯留球の不正獲得(上球皿側への抜出し)を防止し得るもので、この防止対策については、前枠Bの操作孔(共に図示しない)から挿入した操作杆により前記球抜き用のスイッチ14を検出操作して切換え排出部47を球抜き状態に保持し得ることにおいて、機前側での不正操作により不正物を供給口6から裏側へ侵入させて巧みに操っても、案内防止片55で切換え弁52を防御するようにしている。すなわち、案内防止片55の具体的な防御態勢として、まず図11(b)に例示するように、払出し位置の切換え弁52に対する案内防止片55は、その下半部が払出し路30内から第1賞球路5内の上端部に延出して払出し路30の出口面を閉遮している。また図13に例示するように、戻し位置の切換え弁52に対する案内防止片55は、その下半部がベース板26Aの区画壁29の一部に当接して、第1賞球路5内の上端部に円弧状に延出して払出し路30の出口面を実質的に閉遮しており、この案内防止片55により払出し路30内への不正物の侵入を防止した状態にある。
【0028】そこで前述した図11(b)に示す侵入防止状態において、不正球抜き操作前に線状の不正物61を供給口6から第1賞球路5内に侵入させて払出し路30側に挿入操作した場合、図14のように不正物61の上端が案内防止片55の下半部に当接して突上げることになるため、同下半部が弾性変形してその下端を払出し路30の出口端部に係止し、同路30の出口面を閉遮したまま不正物61のそれ以上の侵入を阻止する。これにより、同図のように切換え弁52が払出し位置に拘束されたとしても、その後の不正球抜き操作により電磁ソレノイド48が作動されることにより、その励磁力を受けた切換え弁52が不正物61の突上げ力に打勝って本来の戻し位置に強制的に切換え保持される。このため、球払出し部35から放出された貯留球は、切換え弁52で変向案内されて戻し路31に通出され、払出し路30には1球も通出されない。なおこの不正防止において、前記励磁力と突上げ力との関係により、切換え弁52が万一払出し,戻しの中間位置(図15(a)および図15(b)に示す位置)に拘束されるとしても、放出された貯留球は、切換え弁52の上端に衝突してその落下勢力で切換え弁52を戻し位置側に押開けて戻し路31に通出することになる。
【0029】一方、前述した図13に示す侵入防止状態において、予め供給口6から第1賞球路5内に侵入させた不正物61を、不正球抜き操作後に払出し路30側に挿入操作した場合、不正物61が図15(a)に例示するように、鈴62の外周に沿って案内防止片55の下半部の内側に入り込んで突上げることになるため、同下半部が弾性変形してその下端を払出し路30の出口端部に係止して出口面を閉遮し、不正物61の侵入を阻止する。これにより、同図のように戻し位置に保持された切換え弁52が、案内防止片55の変形分に相応して電磁ソレノイド48の励磁力に抗して少し変位されるとしても、払出し位置には到底拘束されない。従って、この状態にあって既に球払出し部35から放出されている貯留球は、図示のように切換え弁52の上端に衝突しても払出し路30へ通出されず、むしろその落下勢力で切換え弁52を戻し位置に押開いて戻し路31に通出することになる。具体的に観ると、不正物61を無理に突上げたとしても案内防止片55の弾性力で押返えされてしまい、また放出された貯留球の強い落下勢力と本来の電磁ソレノイド48の励磁力との総合力により、切換え弁52が突上げ力に打勝って戻し位置に戻される。
【0030】また前述の不正操作とは別の企てとして、例えば鈎部61aを形成した不正物61を使用して供給口6から第1賞球路5内に侵入させて、図15(b)に略示するように第1賞球路5の斜状壁に沿って払出し路30側に挿入操作した場合、不正物61の鈎部61aが案内防止片55の下半部を押下げながら払出し路30の出口部に侵入し得たとしても、同図のように鈎部61aが払出し路30の斜状区画壁29に干渉し、また線状部分が案内防止片55の下部に干渉して、それ以上の侵入が阻止されたまま案内防止片55により不正物61の動きが制限されることになる。これにより、図示のように戻し位置に切換えられた切換え弁52が、不正物61の鈎部61aで押されて電磁ソレノイド48の励磁力に抗して少し変位されるとしても、払出し位置に拘束されない。従って、球払出し部35から放出された貯留球は、切換え弁52に衝突してその落下勢力で同弁52を本来の戻し位置側へ押開いて戻し路31に通出することになる。なお、この不正状態において不正物61を引抜いた場合には、切換え弁52は電磁ソレノイド48の励磁力を受けて図13に示す本来の戻し位置に保持される。
【0031】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置では、球払出し部の下部に装備した切換え排出部において、球皿側に連絡される払出し路と球抜き路側に連絡される戻し路との分岐連絡部位に組込んだ切換え弁の下部に、弾性変形可能な薄肉帯状の案内防止片を延出させた状態に取着した。そして、切換え弁が払出し位置に保持される場合には、前記案内防止片が払出し路内に臨んで払出し球を受けて通出案内し得る状態に保持され、また切換え弁が戻し位置に保持される場合には、案内防止片が払出し球に円弧状に延出して該払出し路の出口面を実質的に閉遮する。従って、本発明に係るパチンコ遊技機の貯留球不正獲得防止装置によれば、前枠の操作孔から挿入した操作杆により球抜き用のスイッチを検出操作して切換え排出部を球抜き状態に保持し得ることにおいて、機前側での不正操作により不正物を球皿側から裏側へ侵入させて巧みに操っても、前記案内防止片により払出し路内への該不正物の侵入が好適に防御されるから、球抜き操作時に本来の戻し位置に保持されるべき切換え弁を払出し位置に拘束保持させることが不可能となり、戻し球として抜出される貯留球の不正な獲得を防止し得る極めて有益な効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
【出願日】 平成9年(1997)7月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
【公開番号】 特開平11−42343
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−215798