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【発明の名称】 遊技機構成部品の板材への取付構造
【発明者】 【氏名】黒田 孝司

【要約】 【課題】取付位置精度が高く、見栄えも良好で、板材の一方の面から作業を行うだけで遊技機構成部品を板材上へ取り付けることのできる取付構造の提供。

【解決手段】ブッシング3の可動片32のなす間隙38に取付軸10を挿入し、その状態のままブッシング3を遊技盤2の取付孔20へ圧入すると、圧入時に、ブッシング3と取付孔20との接触に伴い、可動片32の外側から押圧力が作用し、間隙38が狭まってブッシング3の内部で取付軸10が挟持される。そのため、取付軸10はブッシング3から容易には抜けなくなる。また、可動片32は、外面側で取付孔20の内面に圧接しているため、ブッシング3自体も取付孔20から容易には抜けなくなる。したがって、入賞装置1は遊技盤3上に取り付けられた状態で固定されることになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 背面側に取付軸が突設された遊技機構成部品と、前記取付軸の突設位置に対応する位置に取付孔が形成された板材と、外面側で前記取付孔内へ圧入可能な形状をなすとともに、内面側で前記取付軸を挿入可能な間隙をなす複数の可動片を有し、前記取付孔内への圧入時には、弾性変形して前記間隙を狭める方向へ前記可動片の一部を変位させるブッシングとで構成され、前記取付軸が前記間隙に挿入された状態で前記ブッシングが前記取付孔へ圧入されて、前記ブッシングが前記取付軸および取付孔の双方に圧接していることを特徴とする遊技機構成部品の板材への取付構造。
【請求項2】 請求項1記載の遊技機構成部品の板材への取付構造において、前記ブッシングが、前記取付孔内への圧入時に、前記間隙を狭める方向へ前記可動片の一部を変位させると同時に、前記可動片の別の一部を外面側へ広がる方向へ変位させる構造とされ、前記遊技機構成部品の背面側には、前記可動片の別の一部が外面側へ広がる方向へ変位した際に、当該別の一部の外面側を圧接させる壁面が形成されていることを特徴とする遊技機構成部品の板材への取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技機構成部品の板材への取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、パチンコ機の遊技盤を形成する板材上には、遊技内容に直接影響を与える各種入賞装置や、遊技内容自体には影響を与えない各種装飾用部品など、様々な遊技機構成部品が多数取り付けられている。こうした遊技機構成部品は、ほとんどのものが合成樹脂製の部品からなるものであり、これらは、板材に対して、釘またはネジを使って固定するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような取付構造では、釘やネジの頭部が表面に露出するため、見栄えが悪いという欠点があり、また、釘自体の打ち込み位置が正確に決定できないため、作業者の感に頼って取付位置を決定することになり、同種の遊技機でも個体差が生じやすいという問題があった。
【0004】こうした問題に対し、出願人は、既に実公平6−42705号において、取付位置精度が高く、見栄えも良好な取付構造を提案している。しかし、同公報記載の取付構造は、板材の表側に遊技機構成部品を配置するとともに、板材の裏側からネジを使って固定作業を行わねばならない構造となっていた。そのため、板材の裏側に遊技機内蔵部品を配設する必要がある場合には、先に表側の遊技機構成部品を取り付け、その後で裏側の部品を取り付けざるを得ず、組立順序についての自由度は必ずしも高いものではなかった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、取付位置精度が高く、見栄えも良好で、特に板材の一方の面から作業を行うだけで遊技機構成部品を板材上へ取り付けることのできる取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述の目的を達成するために、本発明の遊技機構成部品の板材への取付構造は、請求項1記載の通り、背面側に取付軸が突設された遊技機構成部品と、前記取付軸の突設位置に対応する位置に取付孔が形成された板材と、外面側で前記取付孔内へ圧入可能な形状をなすとともに、内面側で前記取付軸を挿入可能な間隙をなす複数の可動片を有し、前記取付孔内への圧入時には、弾性変形して前記間隙を狭める方向へ前記可動片の一部を変位させるブッシングとで構成され、前記取付軸が前記間隙に挿入された状態で前記ブッシングが前記取付孔へ圧入されて、前記ブッシングが前記取付軸および取付孔の双方に圧接していることを特徴とする。
【0007】この取付構造によれば、可動片のなす間隙に取付軸を挿入し、その状態のままブッシングを板材の取付孔へ圧入すると、前記間隙が狭まってブッシングの内部で取付軸が挟持される。これにより、取付軸はブッシングから容易には抜けなくなり、また同時に、ブッシングも取付孔から容易には抜けなくなる。
【0008】したがって、遊技機構成部品の背面側に突設されたいくつかの取付軸に対して上記ブッシングを装着し、そのブッシングを板材上の取付孔に合わせ、そのまま遊技機構成部品を板材に押しつけるような形でブッシングを取付孔に押し込むだけで、遊技機構成部品を板材上に取り付けることができる。
【0009】このような取付構造であれば、遊技機構成部品の取付位置が取付孔の形成位置によって規定されることになるので、取付位置のばらつきは解消し、また、釘やネジを用いていないので、見栄えもよい。また特に、板材の一方の面から作業するだけで遊技機構成部品を板材に取り付けることができるので、板材の裏側に何らかの部品を装着したい場合にも、特に組立順序について制約されることはなく、板材の表裏いずれの側に対して先に部品を装着しても構わず、良好な作業性を確保することができる。
【0010】なお、この取付構造において、取付孔、取付軸、およびブッシングの具体的な形状や寸法等は、特に限定されないが、少なくとも組み上がった状態において、ブッシングが、取付軸および取付孔の双方に圧接する状態となるものとされる。このような圧接状態は、取付軸と取付孔との間隙を、ブッシングの有する可動片よりも僅かに小さい寸法とすれば実現可能であり、この寸法を適宜調節することで接触圧を変えることもできる。
【0011】次に、請求項2記載の遊技機構成部品の板材への取付構造は、前記ブッシングが、前記取付孔内への圧入時に、前記間隙を狭める方向へ前記可動片の一部を変位させると同時に、前記可動片の別の一部を外面側へ広がる方向へ変位させる構造とされ、前記遊技機構成部品の背面側には、前記可動片の別の一部が外面側へ広がる方向へ変位した際に、当該別の一部の外面側を圧接させる壁面が形成されていることを特徴とする。
【0012】ここで、取付孔内への圧入時に、可動片の別の一部を外面側へ広がる方向へ変位させるには、例えば、可動片の回動中心が、可動片の一部と別の一部との間にくる状態にし、取付孔内への圧入時に作用する力で、可動片の一部が回動しつつ間隙を狭める方向へ変位すると、それに伴って、別の一部が外面側へ広がる方向へ変位するといった構造を採用すればよい。可動片の変位量は、可動片、取付孔、および取付軸の形状によって一定に定まるので、回動中心となる位置の取り方によって、前記間隙を狭める方向への力を強めることも、外面側へ広がる方向への力を強めることもできる。また、ある可動片については、間隙を狭める方向への力を強め、別の可動片については、外面側へ広がる方向への力を強めるように、個々の可動片の形状を個別に調整することもできる。
【0013】このような取付構造によれば、上記請求項1記載の取付構造と同様に、可動片のなす間隙に取付軸を挿入し、その状態のままブッシングを板材の取付孔へ圧入すると、前記間隙が狭まってブッシングの内部で取付軸が挟持される。これにより、取付軸はブッシングから容易には抜けなくなり、また同時に、ブッシングも取付孔から容易には抜けなくなる。
【0014】これに加えて、可動片の別一部は、外面側へ広がって、その外面側を、遊技機構成部品の背面側に形成された壁面に圧接させる。これにより、この圧接部分も、ブッシングと遊技機構成部品との間の摩擦要素となり、遊技機構成部品が板材からより一層はずれにくい状態となる。
【0015】したがって、このような取付構造であれば、請求項1記載の取付構造と同様の効果を奏する他、請求項1記載の取付構造以上に、遊技構成部品が板材に対して強固に固定されるという優れた効果がある。なお、遊技機構成部品に形成される上記壁面は、可動片の別の一部を圧接させうる向きを向いていれば、形状等は特に限定されない。具体的には、遊技機構成部品に比較的厚みがない場合は、遊技機構成部品の背面側に上記壁面をなす凸部を突設すればよく、また、遊技機構成部品に比較的厚みがある場合は、遊技機構成部品の背面側に凹部を形成し、凹部内の壁面に可動片を圧接させる構造としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。実施形態として示す取付構造は、パチンコ機における入賞装置の遊技盤への取付構造であり、図1に断面で要部の概略構造を示すように、入賞装置1、遊技盤2、ブッシング3によって構成されている。
【0017】これらの内、入賞装置1は、周知のように、合成樹脂によって成形された部品を組み立ててなるもので、図1に示すように、遊技盤2の正面側に取り付けられている。入賞装置1の背面側には、図1および図2に示すように、所要位置から突出する形で取付軸10および環状壁12が一体成形されている。なお、各図には、取付軸10および環状壁12が一組しか描かれていないが、実際は、入賞装置1の大きさに合わせて複数組が設けられている。また、入賞装置1の細部の構造については、本発明に直接関係しないので図示を省略してある。
【0018】遊技盤2は、合板製で、図2に示すように、正面側から背面側へ貫通する取付孔20が形成されている。取付孔20は、上記環状壁12の外径よりも僅かに径の大きい孔で、この取付孔20には、上記環状壁12がほぼぴったりと納まり、これにより、入賞装置1の遊技盤2に対する位置決めがなされるようになっている。
【0019】ブッシング3は、図3に示すように、基端部30から延出された8つの可動片32を備えている。これら8つの可動片32は、図1に示すように、外面側において、基端部30から連続して紡錘形をなす胴部34、胴部34の基端部30とは反対側に突出して細くくびれた形状をなす首部35、および首部35の先端に設けられた頭部36を形成しており、一方、内面側において、上記取付軸10を挿入可能な間隙38を形成している。胴部34の外径は、図4に示すように、取付孔20の内径よりも僅かに大きくされ、取付孔20内への挿入時には、胴部34がいくらか押しつぶされ、弾性変形して上記間隙38が狭まるようになっている。また、頭部36の外径は、環状壁12の内径にほぼ等しくなっている。
【0020】以上のように構成された各部品は、可動片32のなす間隙38に取付軸10を挿入し、その状態のままブッシング3を遊技盤2の取付孔20へ圧入することにより、組み上げることができる。圧入時には、ブッシング3と取付孔20との接触に伴い、可動片32の外側から押圧力が作用することになり、上記間隙38が狭まってブッシング3の内部で取付軸10が挟持される。そのため、取付軸10はブッシング3から容易には抜けなくなる。また、可動片32は外面側で取付孔20の内面に圧接しているため、ブッシング3自体も取付孔20から容易には抜けなくなる。したがって、入賞装置1は遊技盤3上に取り付けられた状態で固定されることになる。
【0021】このような取付構造であれば、入賞装置1の取付位置が、環状壁12および取付孔20の形成位置によって規定されることになるので、取付位置のばらつきは解消する。また、釘やネジを用いていないので、見栄えもよい。さらに、遊技盤2の正面側からブッシング3を押し込むようにして取付作業を行えばよいので、背面側に何らかの部品を装着したい場合にも、特に組立順序について制約されることはなく、良好な作業性を確保することができる。
【0022】以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態については上記のもの以外にも種々の具体的形態が考えられる。例えば、上記入賞装置1は、一定の外径とされた取付軸10を備えていたが、図5に示す入賞装置4のように、一定の外径とされた取付軸40の根本付近に、取付軸40よりも僅かに径の太い太径部41を設けて段差のある軸としてもよい。この場合、ブッシング3の可動片32が、外部から押圧されて取付軸40に接触するまで間隙38を狭めると、首部35ないし頭部36の内側付近に太径部41が当接しているため、首部35の付近から頭部36にかけての部分は、外側へ反るように変形し、その結果、頭部36の外面側が環状壁42の内面に圧接する。そのため、入賞装置4は、ブッシング3によって、より強固に保持される状態となり、きわめて優れた取付強度を確保することができる。
【0023】また、ブッシングの一部を外側へ広げるように変形させるには、上記のように取付軸側の形状を変更する以外に、ブッシングの形状を変更してもよい。具体的には、例えば図6に示すブッシング5のように、首部55と頭部56の境界付近の内面側に突起57を設ければよい。このようにすると、ブッシング5の可動片52が、外部から押圧されて取付軸10に接触するまで間隙58を狭めると、首部55ないし頭部56の内側付近では突起57が当接し、突起57よりも胴部54側は間隙58を狭めるものの、首部55の付近から頭部56にかけての部分は、外側へ反るように変形し、その結果、頭部56の外面側が環状壁12の内面に圧接する。そのため、入賞装置1は、ブッシング5によって、より強固に保持される状態となり、きわめて優れた取付強度を確保することができる。
【0024】さらに、上記のようにブッシングの一部を外側へ広げるように変形させて入賞装置の一部に圧接させる場合、必ずしも上記環状壁12、42のような突出物を設けなくてもよく、例えば、入賞装置に凹部を設け、その凹部内にブッシングの頭部を進入させて、頭部が広がるようにしておいてもよい。
【0025】加えて、上記ブッシング3は、8つの可動片32を備えていたが、例えば図7に示すブッシング6のように、基端部60から4つの可動片62が延出されたものでもよく、可動片の数は特に限定されない。また、可動片の形状も、取付孔および取付軸との接触による抜け防止機能を発揮できるものであれば、特に限定されない。
【0026】さらに加えて、上記実施形態では、遊技盤に入賞装置を取り付ける例を挙げて説明したが、遊技機には、入賞装置以外にも様々な装飾部品などが取り付けられており、これら各種遊技機構成部品を遊技機の一部をなす板材に取り付ける際にも、本発明の取付構造を採用することができる。
【出願人】 【識別番号】591206441
【氏名又は名称】有限会社甲陽樹脂
【出願日】 平成9年(1997)7月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
【公開番号】 特開平11−28270
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平9−185139