| 【発明の名称】 |
遊技機のプラスチック製部品の製造方法および遊技機のプラスチック製部品 |
| 【発明者】 |
【氏名】三輪 稔
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| 【要約】 |
【課題】遊技機のプラスチック製部品の製造の合理化とデザイン面での自由度を高めること【解決手段】 コーナー飾り60の形状に対応する凹部36a、36bを有する固定金型20および可動金型22を射出成型機10に取り付け、フィルム30上に印刷されたコーナー飾りの模様を凹部36a、36bに正しく対応させて型閉めし、溶融状態のプラスチックをキャビティに射出する。射出されたプラスチックがキャビティに充満すると、プラスチックの圧力によって、フィルム30は凹部36bの形状に沿って変形する。プラスチックは、キャビティ内で徐々に冷えて固化するが、フィルム30上に印刷されていたインクが、プラスチックの熱によりプラスチック側に転写される。一回の成形で複雑な模様を有するコーナー飾り60を製造することができ、デザインも自由度である。
【解決手段】コーナー飾り60の形状に対応する凹部36a、36bを有する固定金型20および可動金型22を射出成型機10に取り付け、フィルム30上に印刷されたコーナー飾りの模様を凹部36a、36bに正しく対応させて型閉めし、溶融状態のプラスチックをキャビティに射出する。射出されたプラスチックがキャビティに充満すると、プラスチックの圧力によって、フィルム30は凹部36bの形状に沿って変形する。プラスチックは、キャビティ内で徐々に冷えて固化するが、フィルム30上に印刷されていたインクが、プラスチックの熱によりプラスチック側に転写される。一回の成形で複雑な模様を有するコーナー飾り60を製造することができ、デザインも自由度である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技機のプラスチック製部品を製造するにあたって、着色したフィルムを成形型内に挿入しておいて、該成形型内に可塑化されたプラスチックを射出して、前記着色部分を前記フィルムから前記プラスチック側に転写するか、前記フィルムを前記プラスチックと一体化することを特徴とする遊技機のプラスチック製部品の製造方法。 【請求項2】 請求項1記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法において、前記着色部分の一部または全部は、透光性のインクによって形成されていることを特徴とする遊技機のプラスチック製部品の製造方法。 【請求項3】 請求項1記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法において、前記着色部分の一部または全部は、導電性であることを特徴とする遊技機のプラスチック製部品の製造方法。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法において、発泡性を有するプラスチック組成物を可塑化したものを気体で加圧されている前記成形型内に射出し、該成形型内を満たした前記プラスチック組成物の表層部が固化した後に前記気体による圧力を解除することを特徴とする遊技機のプラスチック製部品の製造方法。 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか記載の製造方法によって製造された遊技機のプラスチック製部品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やアレンジボール式パチンコ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴式遊技機に代表される遊技機に装着される、遊技機のプラスチック製部品およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】図8に示すように、パチンコ機などの弾球遊技機100においては、ランプ類を覆うプラスチック製部品として例えば上部ランプ飾り102、サイドランプ飾り104等が備えられている。また、図示はしないが、遊技盤に取り付けられたランプ類を覆うためのコーナー飾りや入賞装置のランプ飾り等も使用されている。なお、ランプ類としては、電球やLEDが使用されている。 【0003】これらランプ等の光源を覆うためのプラスチック製部品、例えば上部ランプ飾り102は、背面に配置されるランプ(図示しない)に対応する着色透光性の透光部106、108、110、これら透光部106〜110を保持する基板部112等から構成されていた。詳しくは、各透光部106〜110と基板部112とを別々に成形して接着することによって、上部ランプ飾り102とされていた。これは、透光部106〜110と基板部112とを異なる色にしたり、透光部106〜110をそれぞれ別の色にする必要上、それぞれのパーツを個別に成形していたことによる。したがって、この上部ランプ飾り102の場合なら、透光部106と透光部110とを共通の型で成形したとしても3つの成形型が必要で、1個の上部ランプ飾り102を製造するには4回の成形作業が必要であった。また、こうした事情は、例えば多色のプラスチック製部品、一部の材質が異なっているプラスチック製部品等でも同様であった。 【0004】また、スロットマシン等、弾球遊技機とは形態の異なる遊技機においても、さまざまなプラスチック製部品が用いられており、その製造手順は、弾球遊技機のものと変わりはなかった。すなわち、従来の遊技機のプラスチック製部品の製造においては、各プラスチック製部品毎に複数の成形型と複数回の成形作業を必要とし、成形したパーツを接着して1部品とするための作業も必要とするものが多かった。 【0005】しかも、このような製造手順によるため、複雑な色の組合せや複雑な模様を作ろうとすると各パーツの形状が複雑になったりパーツ数が増加するため、製造が難しくなったりコストが高くなっていた。このため、複雑な色の組合せや複雑な模様のプラスチック製部品の採用は難しかった。 【0006】本発明は、遊技機のプラスチック製部品を製造する際の成形型の種類の低減と製造工程の簡素化を目的としている。そして、二次的には、プラスチック製部品における色の組合せや模様における自由度、凹凸部分(三次元形状)の自由度等、すなわちデザイン面での自由度を高めることを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課題を解決するための請求項1記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法は、着色したフィルムを成形型内に挿入しておいて、該成形型内に可塑化されたプラスチックを射出して、前記着色部分を前記フィルムから前記プラスチック側に転写するか、前記フィルムを前記プラスチックと一体化することを特徴とする。 【0008】本発明の方法の実施にあたっては、プラスチック製部品の模様などに応じて予め着色したフィルムを用意しておく。着色は、例えば印刷、塗装、めっき、蒸着等で行うことができる。ランプ飾り等のように、一部を透光性とすることが要求されるプラスチック製部品の場合には、プラスチックを透光性のものにして、製品化されたときにランプ類の前面になる部分に対応する場所に透光性のインクを使用して着色し、例えばその周囲は不透光性のインクで着色すればよい。 【0009】また、例えば重ね刷りとすることもできる。例えば各色毎に形状を違えて2色、3色と重ね刷りすることによって、複雑な模様を作ることができる。あるいは、複数のインクを重ねることにより色を合成することもできる。例えばシルバー(不透光性)と透光性の黄色とを重ねると金色を出すことができるので、金のインクを使用するよりもきわめて低コストにできる。 【0010】あるいは、配線回路等を印刷、めっきまたは蒸着しておいてもよい。この着色済みのフィルムをプラスチック製部品の形状に対応する成形型内に挿入して型締めし、その型内(キャビティ)に可塑化されたプラスチックを射出する。すると、射出されたプラスチックの熱と圧力によって、着色部分(例えばインク)がフィルムからプラスチック側に転写される。このインクは、プラスチックが冷えて固化してもプラスチックの表面から脱落することはない。よって、フィルムに着色されていた模様等の転写像がプラスチック(プラスチック製部品)の表面に形成され、プラスチック製部品に着色することができる。 【0011】あるいは、射出成形時に、フィルムをプラスチックと一体化させてもよい。このようにしても、プラスチック製部品に着色することができる。このようにしてプラスチック製部品を製造するので、例えば透光性の部分と他の部分とに分けて成形したり、色の違う部分毎に成形する必要はない。したがって、各プラスチック製部品毎に1つの成形型と1回の成形作業で十分であり、成形後に複数のパーツを接着して1部品とするための作業も必要ない。よって、成形型の種類は少なくて済み製造工程も簡素化される。 【0012】また、いかなる色の組合せでも、どのような模様でもフィルムに着色できさえすればよいわけで、色の組合せや模様の制限は事実上なくなり、デザイン面での自由度は飛躍的に高まる。そして、装飾用の模様と共にあるいは模様の代わりに、導電性の材料を印刷したりメッキしたりすることにより、プラスチック製部品に電気回路を設けることができる。そうすれば、電線や配線基板が不要になるから、遊技機の配線に関わる部品点数が削減され構造が簡単になる。 【0013】なお、導電性の材料は、射出成形に伴うフィルムの変形に追従して変形した際に、ひびや割れ、断線等を生じにくいもの、すなわち延性に優れたものが好ましく、例えば金、銀、銅、アルミニウム、クローム等のめっき、印刷および蒸着が挙げられる。 【0014】また、例えば特公昭60−33133号公報に開示される、金属皮膜を有するマイカを含むインクや塗料を用いて印刷、塗布することによって導電性を得ることもできる。このマイカによる印刷等であると、フレーク状のマイカが互いに重なり合って導電層を形成するので、フィルムの変形があっても断線しにくい。 【0015】請求項2記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法は、請求項1記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法において、前記着色部分の一部または全部は、透光性のインクによって形成されていることを特徴とする。この製造方法は、例えばランプ飾りのように、ランプ類を被覆したり、ランプ類を内蔵するプラスチック製部品の製造に好適である。 【0016】請求項3記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法は、請求項1記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法において、前記着色部分は、導電性であることを特徴とする。前述したように、導電性の着色部分を電気回路として使用できるから、例えばランプ類を被覆したり、ランプ類を内蔵するプラスチック製部品において、ランプ類へ電力を供給するための配線回路を、プラスチック製部品上に設けることができるから、遊技機の配線に関わる部品点数が削減され構造が簡単になる。なお、例えば1層目の上を絶縁性の材料で被覆し、その上に別の回路パターンを設ける等により、回路パターンを多層にすることもできる。 【0017】請求項4記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法は、請求項1ないし3のいずれか記載の遊技機のプラスチック製部品の製造方法において、発泡性を有するプラスチック組成物を可塑化したものを気体で加圧されている前記成形型内に射出し、該成形型内を満たした前記プラスチック組成物の表層部が固化した後に前記気体による圧力を解除することを特徴とする。 【0018】この請求項4で採用する成形方法は、カウンタープレッシャー成型法として知られている。カウンタープレッシャー成型法のメリットは肉厚成形品のヒケを防止できることにある。成形型内に射出されたプラスチックまたはプラスチック組成物はその型内で冷却されることで固化するが、その際に表面側が先に固化し内部は遅れて固化する。すると、内部の固化に伴う収縮によってヒケと呼ばれる表面欠陥が生ずることがある。一般には、成形品の肉厚が4mmを超えるとヒケが生じやすいとされている。 【0019】カウンタープレッシャー成型法では、発泡性を有するプラスチック組成物を可塑化したものを気体で加圧されている成形型内に射出するので、成形型内に射出されたプラスチック組成物が即座に発泡することはない。射出されたプラスチック組成物は成形型内を満たし表層部から固化し始めるが、この表層部の固化が終わるまでは成形型内が加圧状態にされているので、この時点でも発泡しない。そして、表層部が固化し内部が固化する前に気体による圧力を解除すると、内部の固化に伴う収縮を補うように、プラスチック組成物の内部で発泡する。すなわち、固化による収縮分が発泡による膨張分によって打ち消されるのでヒケは発生しない。なお、表層部は発泡前に固化しているので発泡によって凹凸が生じることはなく成形品の表面は滑らかである。 【0020】このカウンタープレッシャー成型法を採用することにより、肉厚の部品、例えば弾球遊技機の枠体等を成形できる。なお、発泡により成形品の内部が白濁した状態となるので、発泡部分は例えばランプ類の覆いになる部分(レンズ部分)には適さない。 【0021】しかし、レンズ部分等のように発泡を避けたい部分については、その場所の肉厚を薄くしておけばよい。そうすると、固化に伴う収縮量も少ないから発泡がほとんど発生しない。また、表面層の固化から内部の固化までに要する時間が短くなるので、成形型内の圧力を解除するときには内部の固化も進行していて、これによっても発泡を抑制できる。 【0022】発泡性を有するプラスチック組成物はプラスチックに発泡剤を混入したものであり、さまざまなものが知られている。プラスチックとしてはABSやポリスチレン等が例示され、発泡剤としては、窒素ガスを発生させる有機発泡剤、重炭酸ソーダや炭酸アンモニウム等の無機発泡剤が例示される。なお、これらはあくまでも例でありこれらに限定されるわけではない。また、プラスチック自体は有色でも無色(透明)でもかまわないが、前述のレンズ部分等の透光性を要する部位が設けられる場合には無色(透明)または透明度の高いものを使用する必要がある。 【0023】そして、これら請求項1ないし4のいずれか記載の製造方法によって製造された遊技機のプラスチック製部品を採用することにより、遊技機の製造面での工程の削減とコストの低減が可能になり、デザインの多様さにより遊技者を楽しませることができる。 【0024】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明することにより、発明の実施の形態を具体的に説明する。 【0025】 【実施例1】まず本発明の製造方法を実施する際に使用される射出成型機の構造を図1を参照して説明する。射出成型機10は、原料プラスチックを可塑化する加熱筒12と可塑化されたプラスチックを射出するノズル14とを備える射出装置16、相対位置が固定された固定盤18、固定盤18に保持される固定金型20、固定金型20と対になって成形金型を構成する可動金型22、可動金型22を保持する可動盤24、可動盤24が連結されているラム26、ラム26を前後駆動する型閉装置28、フィルム30が巻き付けられた供給ローラ32、供給ローラ32からフィルム30を巻き取る巻き取りローラ34等から構成されている。 【0026】固定金型20および可動金型22には、両者を接合させた際に成型品の外形に対応するキャビティを形成する凹部36a、36bが設けられている。また、固定金型20および固定盤18には、凹部36aに通じる射出孔38が設けられており、射出装置16を前進させてノズル14を固定盤18に接合させると、ノズル14と射出孔38が一連になる。 【0027】また、型閉装置28によりラム26を押し出すと、可動盤24と共に可動金型22を固定金型20側に移動させ、可動金型22と固定金型20との間にフィルム30を挟むようにして両金型22、20を接合させて型閉できる。その型閉時には、凹部36a、36bによりキャビティが形成され、そのキャビティを横断するようにしてフィルム30が挿入されることになる。 【0028】一方、フィルム30の固定金型20側になる面には、例えば図2に示されるような模様が、フィルム30の長手方向に沿って複数印刷されている。この模様は、図4に示されるコーナー飾り60の模様の鏡像になっている。このフィルム30の断面形状を模式的に示すと図3のようになる。まず基層となるポリエステルフィルム40の上に、それぞれが半円形で両者で円形を作る透明赤層42と透明オレンジ層44、その円形の周囲を取り囲む不透明赤層46、帯状のシルバー層48、透明赤層42と透明オレンジ層44を除いて、不透明赤層46およびシルバー層48を含む略三角形の領域をのほぼ全域を覆う不透明緑層50が印刷されている。 【0029】このフィルム30を使用してコーナー飾り60を成形するには、コーナー飾り60の形状に対応する凹部36a、36bを有する固定金型20および可動金型22を射出成型機10に取り付け、フィルム30上に印刷されたコーナー飾りの模様を凹部36a、36bに正しく対応させて、可動金型22を固定金型20に接合させて型閉めする。 【0030】その状態で射出装置16を前進させてノズル14を固定盤18に接合させ、ノズル14から溶融状態のプラスチックを射出する。射出されたプラスチックは、射出孔38からキャビティ内に入って、キャビティに充満する。このプラスチックの圧力によって、フィルム30は可動金型22の凹部36bに押しつけられ、その形状に沿って変形する。プラスチックは、キャビティ内で徐々に冷えて固化するが、このときプラスチックの熱により、フィルム30上に印刷されていたインクがプラスチック側に転写される。プラスチックが完全に固化した後、可動金型22を固定金型20から離れさせて型開して製品(この場合コーナー飾り60)を取り出す。 【0031】このコーナー飾り60は、図4に示されるように、パチンコ機62の遊技盤64の上隅を覆う飾りとして使用される。図2および図3に示される透明赤層42と透明オレンジ層44によって着色された半円部66a、66bの背後には、それぞれランプ(図示しない)が設置されている。また、このコーナー飾り60と対になるコーナー飾り68、下部コーナー飾り70a、70b、上部に設置されている上部ランプ飾り72等も同様の方法で成型されたものであり、コーナー飾り68の円形部68a、上部ランプ飾り72のランプ窓72a、72b、72cは、いずれも着色透光性となっている。 【0032】このように、一回の射出成形によって、着色透光性の部分を有する複雑な模様のプラスチック製部品(この例ではコーナー飾り60)を製造することができるので、例えば透光部分と他の部分とに分けて成形したり、色の違う部分毎に成形する必要はない。したがって、各プラスチック製部品毎に1つの成形型と1回の成形作業で十分であり、成形後に複数のパーツを接着して1部品とするための作業も必要ない。よって、成形型の種類は少なくて済み製造工程も簡素化される。 【0033】また、いかなる色の組合せでも、どのような模様でもフィルムに着色できさえすればよいわけで、色の組合せや模様の制限は事実上なくなり、デザイン面での自由度は飛躍的に高まる。そして、この製造方法によって製造された遊技機のプラスチック製部品を採用することにより、遊技機の製造面での工程の削減とコストの低減が可能になり、デザインの多様さにより遊技者を楽しませることができる。 【0034】 【実施例2】次にカウンタープレッシャー成型法を採用した実施例2について説明する。実施例2において使用するる射出成型機80の構造は図5に示されるとおりで、実施例1で使用した射出成型機10とほぼ同様の構造であるので、射出成型機10と対応する部分については図1と同じ品番を付して説明を省略する。 【0035】この射出成型機80は、実施例1の射出成型機10と同様に、加熱筒12とノズル14とを備える射出装置16、固定盤18、固定金型20a、可動金型22、可動盤24、ラム26、型閉装置28、供給ローラ32、巻き取りローラ34等から構成されている。固定金型20aおよび可動金型22には、キャビティを形成する凹部36a、36bが設けられているが、そのキャビティの形状は実施例1とは異なる。 【0036】固定金型20aには、気体は通過するが可塑化されたプラスチックは通過できない微細なガス通路を介して凹部36aに連通された給排気ポート82が設けられており、給排気ポート82にはホース84が接続されている。このホース84には図示しないガスボンベまたはコンプレッサ及び排気弁が接続されており、ガスボンベからの加圧ガスまたはコンプレッサからの加圧空気をキャビティ内に供給でき、また排気弁を開ければキャビティの気体を大気に放出できる。 【0037】さて、この射出成型機80によるカウンタープレッシャー成型法により成形されるパチンコ機の窓枠体91の構造は図6に示すとおりである。なお、図6に示すのはパチンコ機の前面枠90とこれに取り付けられる窓枠体91、上受皿92、下受皿93及び灰皿94等であり、発射ハンドル、本体枠、遊技盤等の内部構造は示していない。 【0038】この窓枠体91には円形の窓95が設けられており、窓枠体91の背面側に保持されるガラス板(図示しない)を透して遊技盤を視認することができる。窓枠体91は、窓95の上方に配されているレンズ部97a、97b、97c、97d、97e、窓95の左右下側に配されている小窓99a、99b、99c、99d等の透光部を有している。レンズ部97a〜97eは、遊技の状態に応じて(例えば大当たりの時に)点滅したり、パチンコ機の内部の状態(例えば賞球用の遊技球が不足したとき、遊技球が正常に発射できないとき等)を通報するために点灯されるランプ(図示略)を覆うものである。また、小窓99a〜99dは装飾用であるが、そのうちの一つ(小窓99d)は、遊技盤の右下隅に貼られる証紙を臨ませるために透明とされている。 【0039】次に、この窓枠体91を成形するための射出成形について説明する。射出成形に先立って、レンズ部97a〜97e及び小窓99a〜99cに対応して透光性インクで印刷された透光性印刷部、レンズ部97a〜97e及び小窓99a〜99dを除く部分に施す模様に対応して不透光性インクで印刷された不透光性印刷部等を含む窓枠体の模様が印刷されたフィルム30(フィルム30自体は透明である)を用意し、窓枠体91の形状に対応する凹部36a、36bを有する固定金型20および可動金型22を射出成型機10に取り付ける。なお、レンズ部97a〜97e及び小窓99a〜99dの厚みは約3mmであり、凹部36a、36bはそれに応じた形状である。 【0040】次に、フィルム30に印刷された窓枠体の模様を凹部36a、36bに正しく対応させて、可動金型22を固定金型20に接合させて型閉めし、射出装置16を前進させてノズル14を固定盤18に接合させて、キャビティを密閉状態にしてから給排気ポート82から加圧気体を供給してキャビティを加圧する。 【0041】その状態で射出装置16のノズル14から溶融状態のプラスチックを射出する。このプラスチック(厳密にはプラスチック組成物)は、透明なプラスチックに有機発泡剤を混合したものであり、設定値以上に加圧されているときには発泡しないが、それよりも低い圧力下では発泡する。このため、射出装置16内はプラスチックが発泡しない圧力とされている。 【0042】ノズル14から射出されたプラスチックは、射出孔38からキャビティ内に入って、キャビティに充満するが、加圧気体の圧力が作用するのでこの段階でプラスチックが発泡することはない。また、フィルム30は、加圧気体の圧力によって可動金型22の凹部36bに押しつけられているが、このプラスチックの圧力によって、さらに凹部36bに押しつけられ、その形状に沿って変形する。このときプラスチックの熱により、フィルム30がプラスチックに接着される。 【0043】プラスチックは、キャビティ内で徐々に冷えて固化するが、プラスチックの表層部が固化したタイミングで(このタイミングは予め実験等によって設定されている)、給排気ポート82を大気開放してキャビティ内の圧力を解除する。すると、プラスチックの内部の固化に伴う収縮を補うように、プラスチックの内部で発泡する。すなわち、固化による収縮分が発泡による膨張分によって打ち消されるのでヒケは発生しない。 【0044】なお、表層部は発泡前に固化しているので発泡によって凹凸が生じることはなく成形品の表面は滑らかである。また、レンズ部97a〜97e及び小窓99a〜99dは、肉厚が薄く設定されているので発泡しないから、透明になる。成形品としての窓枠体91の表面には上述のようにフィルム30が接着されているので、レンズ部97a〜97e及び小窓99a〜99cは透光性のインクで印刷された透光性印刷部で覆われ、小窓99dはフィルム30の透明部分によって覆われ、これら以外の部分は不透光性印刷部によって覆われている。そして、プラスチックが完全に固化した後、可動金型22を固定金型20から離れさせて型開して製品を取り出す。 【0045】このように、カウンタープレッシャー成型法を採用することで、窓枠体91のような肉厚の部品を成形できる。また、その際にインモールド成形とすることで、窓枠体91のような複雑な模様や透明部分、透光性の部分、不透明部分等が組み合わさった複雑な色配置を有する部品を、1回の成形作業で成形することができる。しかも、フィルム30に印刷しておく模様などを変更するだけで、窓枠体91に施す模様を変更できるから、部品における色の組合せや模様における自由度、凹凸部分(三次元形状)の自由度等、すなわちデザイン面での自由度が高まる。 【0046】なお、この実施例ではフィルム30を窓枠体91に一体化しているが、転写してもよい。 【0047】 【実施例3】この実施例は、本発明の方法により成型したプラスチック製部品をスロットマシンに使用した例である。図7に示すように、スロットマシン130の前面装飾板132、134は、実施例1と同様の装置を使用して、同様の手順で製造されている。 【0048】これら前面装飾板132、134は複雑な模様(図示は省略)を有しているが、一回の射出成形によって製造することができるので、例えば透光部分と他の部分とに分けて成形したり、色の違う部分毎に成形する必要はない。したがって、各プラスチック製部品毎に1つの成形型と1回の成形作業で十分であり、成形後に複数のパーツを接着して1部品とするための作業も必要ない。よって、成形型の種類は少なくて済み製造工程も簡素化される。 【0049】また、いかなる色の組合せでも、どのような模様でもフィルムに着色できさえすればよいわけで、色の組合せや模様の制限は事実上なくなり、デザイン面での自由度は飛躍的に高まる。そして、この製造方法によって製造された遊技機のプラスチック製部品を採用することにより、遊技機の製造面での工程の削減とコストの低減が可能になり、デザインの多様さにより遊技者を楽しませることができる。 【0050】以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591199431 【氏名又は名称】有限会社愛和ライト
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−443 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−70281 |
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