トップ :: A 生活必需品 :: A63 スポ−ツ;ゲ−ム;娯楽




【発明の名称】 トラックの内圏縁石装置
【発明者】 【氏名】畑口 禮男

【要約】 【課題】縁石部材の昇降動を操作する場合に、上下調節部材の部分にこじれの発生がなく、縁石部材の昇降動操作を円滑に行うことができるトラックの内圏縁石装置を提供する。

【解決手段】ベース部材2と、該ベース部材2のプレート5間に装着した複数の上下調節部材3と、ベース部材2のプレート5間に納まる横長に形成され、前記上下調節部材3で支持されて、この上下調節部材3により、ベース部材2内に納まる下降位置とベース部材2の上方に突出する上昇位置とが選択される縁石部材4とからなり、前記上下調節部材3が、上端で縁石部材4を支持する昇降筒11を外筒10で上下動自在に保持し、昇降筒11の内部に外筒10に対する昇降筒11の引き上げ位置を保持する係止機構を組み込んで形成され、この上下調節部材3をベース部材2のプレート5間に、ベース部材2の長さ方向に揺動自在となるよう吊り下げ状に取り付け、縁石部材4の上下動時に上下調節部材3の揺動でこじれの発生をなくす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横長のプレートを対向させたベース部材と、前記ベース部材のプレート間に装着した複数の上下調節部材と、ベース部材のプレート間に納まる横長に形成され、前記上下調節部材で支持されて、この上下調節部材により、ベース部材内に納まる下降位置とベース部材の上方に突出する上昇位置とが選択される縁石部材とからなり、前記上下調節部材が、上端で縁石部材を支持する昇降筒を外筒で上下動自在に保持し、昇降筒の内部に外筒に対する昇降筒の引き上げ位置を保持する係止機構を組み込んで形成され、この上下調節部材をベース部材のプレート間に、ベース部材の長さ方向に揺動自在となるよう吊り下げ状に取り付けたトラックの内圏縁石装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陸上競技場のトラックの内周とフィールドを仕切るための内圏縁石装置、更に詳しくは、縁石部材を上下調節式とし、トラック競技時以外は縁石部材を地中に納めることにより、競技内容に合わせて競技場の有効利用が図れるようにした内圏縁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラック競技を行う陸上競技場において、トラックとフィールドを仕切るため、トラックの内周に沿って高さと幅が5cm程度の縁石部材を敷設することが行われている。
【0003】この内圏縁石部材が地面に対して固定化されていては、トラック競技以外の時は邪魔になって競技場の有効利用が図れないため、縁石部材を上下調節式とし、トラック競技以外の時は縁石部材を地面に没入させることのできるトラックの内圏縁石装置が提案されている。
【0004】従来の内圏縁石装置は、横長のプレートを対向させたベース部材と、前記ベース部材のプレート間に装着した複数の上下調節部材と、ベース部材のプレート間に納まる横長に形成され、前記上下調節部材で支持されて、この上下調節部材により、ベース部材内に納まる下降位置とベース部材の上方に突出する上昇位置とが選択される縁石部材とからなり、前記上下調節部材が、上端で縁石部材を支持する昇降筒を外筒で上下動自在に保持し、昇降筒の内部に外筒に対する昇降筒の引き上げ位置を保持する係止機構を組み込んで形成され、この各上下調節部材をベース部材のプレート間に固定した構造になっている。
【0005】この内圏縁石装置は、トラック競技時に縁石部材を上昇位置に引き上げ、これを係止機構で保持して地面上に突出状とすると共に、トラック競技以外の時は縁石部材を一旦引き上げて係止機構の係止を解き、縁石部材を地面に没入させるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、縁石部材は2m程度の長さを有し、かつ、複数の上下調節部材がベース部材に固定されているため、縁石部材の昇降動操作は、上下調節部材の軸心に沿うように水平に移動させる必要があるが、長い縁石部材の両端を二人の作業員で保持して昇降動を操作する場合に、両端での操作を同調させて縁石部材を水平に移動させるのは不可能に近く、このため、上下調節部材の部分にこじれが生じ、縁石部材の昇降動操作が円滑に行えないという問題がある。
【0007】そこで、この発明の課題は、縁石部材の昇降動を操作する場合に、両端での操作が同調していなくても、上下調節部材の部分にこじれの発生がなく、縁石部材の昇降動操作を円滑に行うことができるトラックの内圏縁石装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、横長のプレートを対向させを対向させたベース部材と、前記ベース部材のプレート間に装着した複数の上下調節部材と、ベース部材のプレート間に納まる横長に形成され、前記上下調節部材で支持されて、この上下調節部材により、ベース部材内に納まる下降位置とベース部材の上方に突出する上昇位置とが選択される縁石部材とからなり、前記上下調節部材が、上端で縁石部材を支持する昇降筒を外筒で上下動自在に保持し、昇降筒の内部に外筒に対する昇降筒の引き上げ位置を保持する係止機構を組み込んで形成され、この上下調節部材をベース部材のプレート間に、ベース部材の長さ方向に揺動自在となるよう吊り下げ状に取り付けた構成を採用したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0010】図示のように、トラックの内圏縁石装置1は、地面に埋設するベース部材2と、このベース部材2内に装着した複数の上下調節部材3と、該上下調節部材3で支持され、ベース部材2内に納まる状態とベース部材2上に突出する状態が選択される縁石部材4とで構成されている。
【0011】上記ベース部材2は、一対となる横長のプレート5と5の下部を底部材6で結合し、プレート5と5の対向面間に所定の間隔を設けると共に、底部材6の下面で両端と中間部とにベースプレート7を固定し、ベースプレート7の両端にレベル出し用のボルト8を設け、プレート5と5の一方端部にジョイント板9を突設した構成になっている。
【0012】縁石部材4は、例えば、幅5cm、高さ3cm、長さが略2mの角パイプを用いて形成され、ベース部材2のプレート5と5の対向面間は、縁石部材4の幅が納まる間隔になっている。なお、トラックの曲線部分については、ベース部材2及び縁石部材4は、曲線状にしたものが用いられる。
【0013】前記上下調節部材3は、プレート5と5の対向面間に納まる角形の外筒10と、この外筒10内に納まって上下に可動となる角形の昇降筒11と、昇降筒11の内部に組み込まれ、外筒10に対する昇降筒11の引き上げ位置を保持する係止機構12とからなり、外筒10の上端部外面にベース部材2への取り付け部材13が外嵌状に固定されている。
【0014】上記係止機構12は、外筒10の上部で一方に片寄った位置にピン14を架設し、昇降筒11の対向面にピン14を逃がす上下方向の長孔15を設け、ピン14の中央に係止駒12aを回転自在に枢支し、昇降筒11の下部一面と外筒10の上部一面に係止駒12aの端部を外部に突出可能とする長孔16と17が設けられ、昇降筒11内で長孔15の下部位置に係止駒12aを作動させるためのピン18を架設して構成されている。
【0015】係止駒12aは、長方形板の長手方向の両端をV字状にカットした形状を有し、昇降筒11を上下操作することにより、係止駒12aが長孔16と17の部分及びピン18で作用を受け、外筒10に対する昇降筒11の係止と解除を行うようになっている。
【0016】この上下調節部材3は、図2で示すように、断面下向きコ字状となる取り付け部材13の両側壁19に下縁で開放する横向きL型の切り欠き20を設け、ベース部材2のプレート5と5の対向面に設けた支持軸21と21に切り欠き20を嵌挿することにより、支持軸21と21を支点にして、外筒10がベース部材2の長さ方向に揺動自在となるよう吊り下げ支持される。なお、ベース部材2には、取り付け部材13よりも下部両側の位置に、外筒10の揺動角度を一定に規制するピン22、22が架設されている。
【0017】上下調節部材3は、ベース部材2の内部で長さ方向に沿って複数が装着され、各上下調節部材3における昇降筒11の上端に縁石部材4が固定され、縁石部材4はベース部材2の長さ方向に沿う配置となり、この縁石部材4はベース部材2と略等しい長さを有している。
【0018】昇降筒11の上端に対する縁石部材4の固定は、縁石部材4の下面に上向きコ字状の取り付け金具23を固定し、図1に示すように、上下調節部材3は、ベース部材2の長さ方向に4個を等間隔の配置で装着し、図示の場合、各上下調節部材3の切り欠き20は、ベース部材2の中央を挟んでその向きが逆互向きとなるようにして、揺動時に支持軸21と21からの離脱防止を図るようにしたが、各上下調節部材3は、切り欠き20の向きを同じにして配置しても、縁石部材4の上下動操作に何ら支障はない。
【0019】上下調節部材3が収縮状態のとき、縁石部材4は下降位置にあり、ベース部材2の内部に納まってその上面がグランドラインと略同一面となり、また、上下調節部材3が伸長状態のとき、縁石部材4は上昇位置にあり、ベース部材2の上縁から上方へ突出し、取り付け金具23を含めてグランドラインから5cm程突出することになる。
【0020】この発明の内圏縁石装置は、上記のような構成であり、陸上競技場のトラックの内周に沿ってベース部材2が納まる幅と深さの溝を掘削し、この溝内にベース部材2を納めて順次接続していき、ベース部材2の上端がグランドラインと略同一面となるようにレベル出しを行った後、ベース部材2の両側における溝の空間にコンクリートを打設し、ベース部材2を地中に固定化する。このとき、ベースプレート7やレベル出し用のボルト8等がアンカーとなる。
【0021】ベース部材2の内部に複数の上下調節部材3を支持軸21、21ヘの吊り下げによって取り付け、各上下調節部材3の昇降筒11の上端に縁石部材4を固定しておくことにより、トラックの内周に沿って縁石部材4を順次配置した状態とする。
【0022】上記の状態で、各上下調節部材3の外筒10は、ベース部材2及び縁石部材4の長さ方向に沿って揺動可能となる。
【0023】トラック競技を行う場合は、図4に示すように、縁石部材4を持ち上げて、グラウンドライン上に突出させ、トラックの内周に沿ってトラックとフィールドを仕切るようにするとともに、トラック競技以外のときは、図3のように、縁石部材4を下降させてグラウンドラインから没入させる。
【0024】図3と図4及び図6は、縁石部材4を上下動させる場合の係止機構12の作動を示している。
【0025】縁石部材4が下降位置にあるときは、図3に示すように、昇降筒11は外筒10内に収まり、長孔15の上端がピン14に接近し、係止駒12aは垂直の姿勢になっている。
【0026】この状態で縁石部材4を持ち上げると、図6(A)の如く昇降筒11も一体に上昇し、縁石部材4を最上昇位置に持ち上げると、図6(B)の如く昇降筒11のピン18が係止駒12aの下端に当接し、該係止駒12aを同図反時計方向に回動させ、係止駒12aの上端が一致した長孔16と17内に臨むことになり、この状態で縁石部材4を少し下降させると、図6(C)の如く、昇降筒11の下降により長孔16の上端で係止駒12aの端部を押し下げ、これによって係止駒12aの端部が昇降筒11の内面に対して食い込むように圧接し、昇降筒11の下降を阻止した係止状態となり、図4と図5で示したように、グラウンドライン上に縁石部材4を突出させた状態が保持される。
【0027】次に、縁石部材4を下降位置にするには、図6(D)の如く、昇降筒11を最上昇位置に持ち上げると、昇降筒11のピン18が係止駒12aの側面に当接し、該係止駒12aを同図反時計方向に回動させ、係止駒12aの端部が一致した長孔16と17内に臨むことになり、この状態で縁石部材4を下降させると、長孔16の上端が係止駒12aの端部を押し下げ、図3に示すように、係止駒12aは垂直の姿勢となり、係止が解かれるため、昇降筒11は外筒10内を下降し、縁石部材4はベース部材2内に納まることになる。
【0028】上記のような縁石部材4の上下動操作は、縁石部材4の両端を作業員が持って行うものであるが、この上下動操作時に両端の上下動操作が同調しない場合、縁石部材4の傾斜に対して、各上下調節部材3の外筒10は、支持軸21、21を支点に揺動し、外筒10と昇降筒11のこじれの発生を防止し、これによって、長い縁石部材4を円滑に上下動させることができる。
【0029】図7は、上下調節部材3の内部に組み込む係止機構12の係止駒12aの、他の実施の形態を示している。この係止駒12aの基本的な動作は、図3乃至図6に示したものと同様であるが、長方形板の長手方向の両端に施したV字状カット部分角度を浅くすると共に、V字状カット部分の傾斜面が集合する部分に、係止駒12aの長さ方向に沿う段部12bを設け、外筒10と昇降筒11を伸長状態に保持したときの荷重支持強度を向上させたものである。
【0030】即ち、外筒10と昇降筒11を伸長状態に保持したとき、昇降筒11の長孔16の上端縁を段部12bで面接触状態に支持し、また、V字状カット部分の傾斜面が昇降筒11の内面に面接触状態で圧接し、このような面接触状態で昇降筒11を支持することにより、係止駒12aの荷重支持強度が大幅に向上し、縁石部材4上に人が乗るようなことがあっても、係止機構12の破損や昇降筒11の損傷発生を確実に防止できるという効果がある。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、ベース部材と、該ベース部材のプレート間に装着した複数の上下調節部材と、上下調節部材で支持されて、この上下調節部材により、ベース部材内に納まる下降位置とベース部材の上方に突出する上昇位置とが選択される縁石部材とからなり、前記上下調節部材が、上端で縁石部材を支持する昇降筒を外筒で上下動自在に保持し、昇降筒の内部に外筒に対する昇降筒の引き上げ位置を保持する係止機構を組み込んで形成され、この上下調節部材をベース部材のプレート間に、ベース部材の長さ方向に揺動自在となるよう吊り下げ状に取り付けたので、縁石部材の上下動操作時に上下調節部材でのこじれの発生がなく、縁石部材を円滑に上下動させることができ、上下動式内圏縁石装置の実用化が可能になる。
【出願人】 【識別番号】598000699
【氏名又は名称】畑口 禮男
【出願日】 平成9年(1997)12月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開平11−188132
【公開日】 平成11年(1999)7月13日
【出願番号】 特願平9−358903