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【発明の名称】 生分解性グリーンフォーク
【発明者】 【氏名】吉田 育紀

【氏名】北原 泰広

【氏名】渡辺 孝行

【氏名】相原 久

【氏名】中田 智之

【氏名】大淵 省二

【要約】 【課題】

【解決手段】生分解性樹脂から製造することにより、環境に優しいゴルフ用グリーンフォークを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生分解性樹脂を含有してなることを特徴とするゴルフで用いるグリーンフォーク。
【請求項2】 生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステルである請求項1に記載のグリーンフォーク。
【請求項3】 脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、及びポリブチレンサクシネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のブレンド組成物からなる請求項2に記載のグリーンフォーク。
【請求項4】 生分解性樹脂が、(A)脂肪族ポリエステル100重量部、並びに(B)式(1)(化1)で表される構造単位を有するポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択された少なくとも1種を1〜100重量部含むことを特徴とする樹脂組成物である請求項1乃至3の何れかに記載のグリーンフォーク。
【化1】

(式中、R1及びR2はそれぞれに独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、nは1〜5の整数を示す。)
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性樹脂の成形加工品であるゴルフで用いるグリーンフォークに関する。
【0002】
【従来の技術分野】本発明に関わるゴルフ用グリーンフォークは、通常、成形可能なプラスチックから作られている。これらはゴルフ場で自由に受け取ることができるものであるが、特にグリーン上にボールがオンした場合に衝撃によりグリーンがボールの形にへこんでできるボールマークと呼ばれる穴を修復するのに頻繁に用いられ、へこんだボールマークを直すことにより、他の競技者のパッティングの邪魔にならないようにすることを目的としたものである。
【0003】グリーンフォークは、グリーン上で使用する場合以外は通常、競技者のポケットに入れておいたり、ゴルフバッグにぶら下げておいたりするが、ポケットから落としたり、ゴルフバッグから外れて落としてしまったり、グリーンに差し込んでボールマークを修復する時に折れてしまったりするなどして、ゴルフ場内に放置されることになる場合が多い。このような場合は目障りであるし、回収することも困難で自然環境の破壊につながる。
【0004】一般的に、成形可能なプラスチックとしては、柔軟性、耐熱性、耐水性に優れている樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が挙げられ、日常生活の中で多く使用されている。しかしながら、これらの樹脂は使用後廃棄する際、ゴミの量を増すうえに、自然環境下で殆ど分解されないために、埋設処理しても、半永久的に地中に残留する。また投棄されたプラスチック類により、景観が損なわれ、海洋生物の生活環境が破壊されるなどの問題が起こっている。
【0005】これに対し、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導されるポリエステル等が開発されている。これらのポリマーの中には、動物の体内で数カ月から1年以内に100%生分解し、又は、土壌や海水中に置かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め、約1年から数年で消滅する。さらに、分解生成物は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水になるという特性を有している。特にポリ乳酸は、近年、原料のL−乳酸が発酵法により大量且つ安価に製造されるようになってきたことや、堆肥中での分解速度が速く、カビに対する抵抗性、食品に対する耐着臭性や耐着色性等、優れた特徴を有することより、その利用分野の拡大が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、放置されても自然環境を破壊しない、生分解性のゴルフ用グリーンフォークを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討した結果、生分解性樹脂を用いてゴルフ用グリーンフォークを製造することにより、上記課題を満足することを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[3]に記載した事項により特定される。
[1] 生分解性樹脂を含有してなることを特徴とするゴルフで用いるグリーンフォーク。
[2] 生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステルである [1] に記載のグリーンフォーク。
【0008】[3] 脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、及びポリブチレンサクシネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のブレンド組成物からなる [2] に記載のグリーンフォーク。
【0009】[4] 生分解性樹脂が、(A)脂肪族ポリエステル100重量部、並びに(B)式(1)(化1)で表される構造単位を有するポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択された少なくとも1種を1〜100重量部含むことを特徴とする樹脂組成物である [1] 乃至 [3] の何れかに記載のグリーンフォーク。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
[本発明に使用される樹脂]本発明において使用される生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル、多糖類、その他の分解性樹脂が挙げられ、脂肪族ポリエステルが特に望ましい。脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクタム、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリネオペンチルグリコールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸及びβ−ヒドロキシ酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とのコポリマー等が挙げられ、単独あるいは2種類以上ブレンドして用いることができる。このうち、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートは特に好ましい。こられは例えばイソシアネート化合物を用いて分子量を高めたり、架橋させたものを用いてもよい。
【0011】多糖類としては、澱粉、変性澱粉、セルロース、酢酸セルロースのような変性セルロース、キチン、キトサン等が挙げられる。また、その他の分解性を有する汎用樹脂として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、PVA、変性PVAが挙げられる。
【0012】生分解性樹脂としては、市販されているものを用いてもよく、例えばバイオポール(ゼネカ社製)、バクテリアセルロース(バイオマテリアル社製)、プルラン(林原商事社製)、カードラン(武田薬品社製)、ポリ乳酸(カーギル、エコケム社製)、ラクティ(島津製作所社製)、レイシア(三井化学社製)、セルグリーン(ダイセル化学社製)、トーン(ユニオン・カーバイド社製)、ビオノーレ(昭和高分子社製)、マタービー(ノバモント社製)等が挙げられる。
【0013】これらの生分解性樹脂は、単独で用いても、2種類以上ブレンドして用いてもよい。また、上記生分解性樹脂に澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等を添加することもできる。これらの化合物を添加することにより、分解性を促進することができる。
【0014】本発明に係る生分解性樹脂には、各種添加剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料等滑剤)などを添加することができる。無機添加剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、カオリナイト、酸化亜鉛等が挙げられ、特にシリカが好適である。又、これ等は一種又は二種以上の混合物として用いる事もできる。本発明のゴルフ用グリーンフォークは、上記記載の生分解性樹脂を通常の射出成形により容易に製造することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明の技術範囲を越えない限り、これに限定されるものではない。
製造例1L−ラクタイド400gおよびオクタン酸第一スズ0.04gと、ラウリルアルコール0.12gを、攪拌機を備えた肉厚の円筒型ステンレス製重合容器へ封入し、真空で2時間脱気した。窒素ガスで置換した後、200℃/10mmHgで2時間加熱攪拌した。反応終了後、下部取り出し口からポリ乳酸の溶融物を抜き出し、空冷し、ペレタイザーにてカットした。得られたポリ乳酸は、収量340g、収率85%、重量平均分子量(Mw)13.8万であった。
【0016】製造例2Dien−Starkトラップを設置した反応器に、90%L−乳酸10kg、錫末45gを装入し、150℃/50mmHgで3時間攪拌しながら水を留出させた後、150℃/30mmHgでさらに2時間攪拌してオリゴマー化した。このオリゴマーにジフェニルエーテル21.1kgを加え、150℃/35mmHg共沸脱水反応を行い、留出した水と溶媒を水分離器で分離して溶媒のみを反応機に戻した。2時間後、反応機に戻す有機溶媒を4.6kgのモレキュラシーブ3Aを充填したカラムに通してから反応機に戻るようにして、130℃/17mmHgで20時間反応を行い、重量平均分子量(Mw)15.0万のポリ乳酸溶液を得た。この溶液に脱水したジフェニルエーテル44kgをを加え希釈した後、40℃まで冷却して、析出した結晶を瀘過した。この結晶に0.5N−HCl12kgとエタノール12kgを加え、35℃で1時間撹拌した後瀘過し、60℃/50mmHgで乾燥して、ポリ乳酸粉末6.lkg(収率85%)を得た。この粉末を押出機で溶融しペレット化し、ポリ乳酸を得た。このポリマーの重量平均分子量(Mw)は14.7万であった。
【0017】製造例3Dien−Starkトラップを設置した反応器に、1,4−ブタンジオール50.5kgとコハク酸66.5kg、錫末45gを装入し、100℃で3時間攪拌しながら水を留出させた後、150℃/50mmHgでさらに2時間攪拌してオリゴマー化した。このオリゴマーにジフェニルエーテル385kgを加え、150℃/35mmHg共沸脱水反応を行い、留出した水と溶媒を水分離器で分離して溶媒のみを反応機に戻した。2時間後、反応機に戻す有機溶媒を50kgのモレキュラシーブ3Aを充填したカラムに通してから反応機に戻るようにして、130℃/17mmHgで15時間反応を行い、重量平均分子量(Mw)14.0万のポリブチレンサクシネート(以下PSBと略す)溶液を得た。この溶液に脱水したジフェニルエーテル180kgを加え希釈した後、40℃まで冷却して、析出した結晶を瀘過した。この粉末に0.5N−HCl20Okgとエタノール200kgを加え、25℃で1時間攪拌した後瀘過し、60℃/50mmHgで乾燥して、PSB 91.5kg(収率94.8%)を得た。このPSBの重量平均分子量(Mw)は13.8万であった。
【0018】実施例1〜5、比較例1表1に示すような樹脂組成物を通常の射出成形機で、図1のようなゴルフ用グリーンフォークの形状に成形した。実際にゴルフのグリーン上で使用し、さらに堆肥中に埋めて分解性を調べた。
■実用性 ○・・・問題無し。
×・・・問題あり(折れる等)
■分解性 ◎・・・1〜6ヶ月で原形をとどめず。
○・・・6〜12ヶ月で原形をとどめず。
×・・・12ヶ月以上外観に変化なし。
【0019】
【表1】

澱粉・・・・・・・PA#220(日本食品加工社製) PEG・・・・・・三洋化成製#4000SPP・・・・・・・グランドポリマー社製カッコ内の数値は部数(重量)を表す。
【0020】
【発明の効果】本発明により得られる生分解性樹脂からなるゴルフ用グリーンフォークは、環境中に放置されてもいずれ分解し、ゴミにならないものであり、実用的である。
【出願人】 【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月28日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−309229
【公開日】 平成11年(1999)11月9日
【出願番号】 特願平10−119578