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【発明の名称】 磁場誘導カニューレーション装置
【発明者】 【氏名】熊谷 博彰

【要約】 【課題】管腔内の目的部位へのカニューレの挿入を容易にする。

【解決手段】カニューレ1の先端部7に縦方向平列回路21を取り付け、カニューレ先端部7が管腔内の分岐部に達したとき縦方向平列回路21に通電し横臥する患者を間にして上下に対向配置した一対の電磁石の発生する磁場との相互作用でカニューレ先端部を屈曲せしめカニューレを所望の分岐管の方向に向ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体を間にして対向配置された一対の強力磁石と、前記一対の強力磁石を人体の生体軸を中心として相対的に回転可能に支持する手段と、前記一対の強力磁石の磁場の発生と強さを制御するコントローラと、人体の管腔内に挿入されるカニューレの先端部外周に取り付けた磁気応動通電部とを有し、前記強力磁石と前記磁気応動通電部との相互作用でカニューレ先端部を所望の方向に屈曲せしめるようにしたことを特徴とする磁場誘導カニューレーション装置。
【請求項2】 前記磁気応動通電部はカニューレ先端部の外周においてカニューレの軸線方向に延び全周に亘り間隔を置いて配置され平列接続された複数本の導線で構成された縦方向平列回路から成ることを特徴とする請求項1に記載のカニューレーション装置。
【請求項3】 前記複数本の電線は90度づつ4つのグループに分割されて4つの縦方向平列回路を構成し、各縦方向平列回路は前記コントローラを通して別個に通電制御されることを特徴とする請求項2に記載のカニューレーション装置。
【請求項4】 前記磁気応動通電部はカニューレ先端部外周にコイル状に巻かれた通電コイルから成ることを特徴とする請求項1に記載のカニューレーション装置。
【請求項5】 前記一対の強力磁石を回転可能に支持する手段は生体軸に対する回転面の角度を変更できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカニューレーション装置。
【請求項6】 前記カニューレの先端部の磁気応動通電部の後方においてカニューレ外周に所定の軸線方向長さに亘り取り付けられた駆動通電部とを有し、前記駆動通電部は前記一対の強力磁石の発生する磁場との相互作用でカニューレを前後進せしめることを特徴とする請求項1に記載のカニューレーション装置。
【請求項7】 前記駆動通電部の後方においてカニューレ外周に所定の軸線方向長さに亘り取り付けられ前記一対の強力磁石の発生する磁場との相互作用でカニューレを前後進せしめる第2の駆動通電部を設けたことを特徴とする請求項6に記載のカニューレーション装置。
【請求項8】 前記各駆動通電部はカニューレに沿って対向して軸線方向に延びる入力側リード線および出力側リード線と、カニューレ外周面に軸線方向に間隔を置いてその上半部および下半部に沿って延びる両端を夫々前記入力側リード線および出力側リード線に平列接続した複数本の半円弧形導線とで構成されることを特徴とする請求項6または7に記載のカニューレーション装置。
【請求項9】 前記各駆動通電部はカニューレを円周方向に90度づつに分割された4つの区域に形成された回路から成り、前記各回路は各区域の端縁に沿って軸線方向に延びる入力側リード線および出力側リード線と、各区域の外周に沿って軸線方向に間隔を置いて延び両端を夫々前記入力側リード線および出力側リード線に平列接続した複数本の円弧形導線とで構成されることを特徴とする請求項6または7に記載のカニューレーション装置。
【請求項10】 前記カニューレーション内に先端に観察用レンズを取り付けたファイバスコープを配設したことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のカニューレーション装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人の生体の動脈、静脈、リンパ管等の脈管、胆道、膵管、尿管、腎盂、腎杯その他の管腔深部の診断および治療を行うカニューレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体の管腔深部にカニューレを挿入する場合、術者がレントゲン透視画像や超音波断層画像を観察しながら、或いは内視鏡で観察しながらカニューレを手で目的部位に導き到達せしめるようにしていた。そして管腔深部の分岐部に達しいづれかの分枝にカニューレを導く必要がある場合には、目的に応じて予め先端に種々の曲りをつけたカニューレを使用し、先端が分岐部に達したカニューレの手元を手で回転操作して所定の分枝にカニューレを挿入する方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記カニューレの挿入方法は高度の技術と時間を要し、また分岐部の分枝の形状によっては目的とする分枝への深部挿入が困難であるばかりでなく全く不可能な場合も少なからずあった。特に心筋硬塞患者に対してはカニューレを通して血栓部位に造影剤を注入して病巣部を診断したり、またカニューレを通して血栓溶解剤を注入して血栓を溶解除去して正常な血流状態に復帰させるような治療が屡々行われるが、このような緊急性を要する場合のカニューレ挿入技術の巧拙あるいは挿入不能は患者の生命に関わる重大な問題である。また癌病巣の診断、治療にカニューレを使用する場合にも可成りの緊急性と高度の技術が要求される。
【0004】従って本発明は特定臓器に限らず、胃腸などを除く全ての臓器の脈管、外分泌管腔等の管腔に、多様な形状のカニューレを選択使用することを必要とせず、普通形状の先端部をもったカニューレを挿入し、高度の挿入技術を必要とすることなく容易迅速に管腔深部の目的とする病巣患部にカニューレを到達せしめることのできる装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目的を達成するために、人体を間にして対向配置された一対の強力磁石と、前記一対の強力磁石を人体の生体軸を中心として相対的に回転可能に支持する手段と、前記一対の強力磁石の磁場の発生と強さを制御するコントローラと、人体の管腔内に挿入されるカニューレの先端部外周に取り付けた磁気応動通電部とを有し、前記強力磁石と前記磁気応動通電部との相互作用でカニューレ先端部を所望の方向に屈曲せしめるようにしたことを特徴とする磁場誘導カニューレーション装置が提供される。
【0006】本発明の上記磁場誘導カニュレーション装置は、更に前記カニューレの先端部の磁気応動通電部の後方においてカニューレ外周に所定の軸線方向長さに亘り取り付けられた駆動通電部とを有し、前記駆動通電部は前記一対の強力磁石の発生する磁場との相互作用でカニューレを前後進せしめることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、カニューレ先端が分岐部に達したとき、磁気応動通電部と相互作用する一対の強力磁石の発生する磁場をコントローラにより制御して電磁力によりカニューレ先端部を所望の分枝の方向に屈曲せしめ該分枝にカニューレを容易に挿入することができる。
【0008】磁気応動通電部の後方においてカニューレ外周に所定の軸線方向長さに亘り駆動通電部を取り付け、第2の一対の強力磁石を設けた場合には、第2の一対の強力磁石の発生する磁場をコントローラにより制御して駆動通電部と相互作用せしめフレーミングの左手の法則によりカニューレの前進、後退を人手によらずに自動操作することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は一例として心筋硬塞を起した患者の心臓の冠状動脈3の動脈狭窄(動脈硬化)部4に大動脈2を通してカニューレ1を挿入した状態を示す。図中5で示すハッチング部分は左心室の一部が虚血状態にあることを示す。この状態においてカニューレ1を通して造影剤を狭窄部4に注入し透視造影レントゲン撮影を行って病巣部位の診断を行った後、カニューレを通して血栓溶解剤を注入して狭窄部4の血栓を溶解除去し、正常な血流状態に復帰させる治療が行われる。
【0010】従来カニューレ1の狭窄部4への挿入は、レントゲン透視画像や超音波断層画像によりカニューレ1の先端の位置を確認しながら、術者の手操作でカニューレ1を図の矢印の方向に前進させカニューレ先端が左冠状動脈3の分岐部に達したとき、カニューレ1を狭窄部4の存在する分枝に送るべくカニューレ1を術者の手元で回転操作してカニューレ先端が狭窄部4の分枝の方向を向くようにして行われる。この挿入操作は高度の熟練と時間を要する作業である。
【0011】図2は患者の心臓6に大腿部の動脈を通してカニューレ1が本発明の磁場誘導カニューレーション装置により挿入された状態を示す概要図である。本発明に使用するカニューレの一実施例は図3に示すようにカニューレ先端部7が強磁性体セラミックで構成され、その周囲に電気抵抗の極く少い線材から成る通電コイル8を巻き付け磁場応動通電部を構成する。更に通電コイル8の電気抵抗を減じ、かつ温度上昇を防ぐ目的で通電コイル8に隣接して冷却水管9がコイル状に巻き付けられている。通電コイル8のリード線8′、8′およびコイル状冷却管9の入口管および出口管部分9′、9′は、図3のA−A断面として(a)に示すように柔軟なプラスチック製カニューレ1の本体部分の中に埋め込まれる。図2において10は循環する冷却水の冷却装置を示す。
【0012】図4は実際に本発明のカニューレーション装置を使用してベッド11上に横臥する患者に図3に示すカニューレ1を挿入している状態を示す。ベッド11は凹状の断面を有し、矢印に示すように縦横に移動できると共に或る程度回転可能で、患部がレントゲン照射装置12の照射を受ける位置に患者の位置および方向を調整する。12′はレントゲン撮像管である。ほぼレントゲン照射装置12の下方に患者を間にして垂直方向に間隔を置いて一対の正負の強力電磁石13、14を対向配置する。図中15はテレビモニター16の付いたコントローラ、17は図3の通電コイル8にリード線8′を通して電流を供給する電源、18はカニューレ1を通して注入される薬液の点滴瓶である。一対の電磁石13、14は患者の生体軸を中心に回転可能な図示しない支持枠に取り付けられており、また支持枠は回転面と生体軸のなす角度が変更可能な構造となっている。
【0013】術者はテレビモニター16に映る患者の透視画像を観察しながら、患者の管腔を通して図3のカニューレ1を患部に向けて手で挿入して行く。例えば血管を通してカニューレを挿入している場合、術者がテレビモニター16により図5に示すようにカニューレ1の先端が血管19の分岐部に達したことを確認したときコントローラのレバーを操作してカニューレ先端部の通電コイル8に通電する。カニューレ1を図5の右側の血管分枝19′に挿入すべきとき、通電された通電コイル8の磁化の方向が一対の電磁石13、14の形成する磁場との相互作用で通電コイルを巻き付けたカニューレ先端部が右に屈曲するような方向に通電コイル8に電流が流れるように通電する。こうして先端部を血管分枝19′の方向に向けたカニューレは術者がカニューレの手元を更に手で押し進めることによって分岐19′の中に挿入される。カニューレを分岐19″の中に挿入すべきときは術者はコントロールレバーを通電コイル8に逆の方向に電流が流れるように操作する。
【0014】その他の種々の方向にカニューレ先端部を屈曲させるためには一対の電磁石13、14の形成する磁場の方向も変えなければならない。このため一対の電磁石13、14は生体軸に直角な面内で磁場の方向を変更できるばかりでなく、磁場の形成される方向を生体軸に直角な方向から傾斜させることができるように一対の電磁石13、14の支持枠が構成されている。図6は血管19に挿入されてきた柔い紐状のカニューレ1を分枝20に鋭角に曲げる例を示している。このような鋭角をなす分枝へのカニューレの挿入は従来の手操作では先づ不可能であった。本発明によれば電磁石13、14の磁場の方向が紙面左右方向にあるとすると通電コイル8の通電によりカニューレ先端部を主血管19に直角の方向に屈曲させることが可能であり、この状態から更に電磁石13、14の磁場の方向が分枝20の方向となるように支持枠を傾斜させることによってカニューレ先端部を分枝20の方向に曲げることが可能である。こうしてカニューレを初めの進行方向とは逆方向の管腔内にも挿入することが可能である。
【0015】図7は自動カニューレーションに使用する本発明のカニューレの他の実施例を示す斜視図である。図3のカニューレと異なりカニューレ先端部7の磁場応動通電部は先端外周面を90度づつ4つの区域に分け、各区域に縦方向平列回路21を取り付ける。各縦方向平列回路21はカニューレの軸線方向に平行に延びる数本(図では5本)の電気抵抗の極く少い線材から成る導線22とこれ等の両端を接続する円周方向に延びる結線23、23′とから成り、結線23には入力側リード線24、結線23′には出力側リード線24′が接続される。入力側リード線24はカニューレ1の表面に沿って後端まで延び、出力側リード線24′はカニューレ1の管壁の内部を通して後端まで延び夫々後述するコントローラを介して電源に接続される。図中25はカニューレの管壁内を軸線方向に貫通する冷却水通路で磁場応動通電部の作動中に発生するジュール熱を吸収する。
【0016】更にカニューレには先端に取り付けた4つの縦方向平列回路21で構成される磁場応動通電部の後方に軸線方向に若干の間隔を置いて2つの駆動通電部26、26を設ける。通常2つの駆動通電部を設けることで十分であるが、必要に応じて3つまたはそれ以上の駆動通電部を設けてもよい。各駆動通電部26は磁場応動通電部の4つの縦方向平列回路に整合するようカニューレ外周面を90度づつ4つに分割された区域の各々に設けた円周方向平列回路27で構成される。各円周方向平列回路27は各区域の両縁に沿って軸線方向に延びる入力側リード線28および出力側リード線29と、各区域の表面に沿って平行に配列され両端をリード線28、29に接続された数本(図では6本)の電気抵抗の極く少い線材から成る円弧形導線30とから形成される。
【0017】図8は図7に示すカニューレを使用して本発明によるカニューレーション装置を操作している模様を示す。図8のカニューレーション装置は図4の場合と同様にレントゲン照射装置12、レントゲン撮像管12′、一対の正負の強力電磁石13、14を対向させて生体軸を中心に回転可能に支持すると共に、水平軸31を中心に揺動して回転面の傾斜角度を変更できる支持枠32、およびテレビモニター16の付いたコントローラ15を備える。なお図示しないが、ベッド11上の患者を間にして垂直方向に間隔を置いてもう一対の正負の強力電磁石を電磁石13、14より生体軸方向後方に設けてもよい。
【0018】図4のカニューレーション装置はカニューレの挿入操作を手で行うものであるが、図8のカニューレーション装置はベッド11上に置かれコントローラ15で操作される外部駆動装置33でカニューレの挿入操作を行うことができる。図9は外部駆動装置33の内部構造を示す断面図で、中心部をカニューレが貫通するハウジング34内にカニューレ1を上下から挟着する滑車状の一対の駆動ローラ35、35を設け、一方の駆動ローラ35をモータ36で駆動する。一対の駆動ローラ35、35はカニューレ挿入口(例えば大腿部大動脈)より体外に出たカニューレの部分を把持して回転し、カニューレ先端部を目的部位に対して前進せしめ、あるいは後退せしめる。
【0019】管腔内に挿入された図7のカニューレ1は外部駆動装置33によるか駆動通電部26に通電することによって前進せしめることができる。通電部26に通電すると全ての円周方向平列回路27の導線30には同じ方向の電流が流れ、これ等の電流は外部の一対の強力電磁石の作る磁場との相互作用でフレーミングの左手の法則によりカニューレ1を前進せしめる方向の力を発生する。全ての導線30に逆方向の電流を流すとカニューレを後退せしめる方向の力が発生する。こうしてコントローラ15による通電制御によりカニューレ1の前後進挿入操作を行うことができる。また導線30の通電方向を一定方向としても強力電磁石の磁場の方向が逆にすることによってカニューレの駆動方向を逆転せしめることができる。図10は駆動通電部26の断面図であり、カニューレ1を通して重金属のような磁場を遮る造影剤37が充満して流れている場合には4つの円周方向平列回路A、B、C、Dのうち上下の回路A、Cに通電しても造影剤37により磁場が遮断されてフレーミングの左手の法則による前進または後退駆動力が有効に働かないので、両側の回路B、Dのみに通電する。
【0020】図11は図7のカニューレを使用して図6に示すような鋭角の曲がりを有する分岐管20に先端部7を挿入する模様を示す。主管腔19に鋭角に分岐する分岐管20の付け根の部分は傷付き易いのでカニューレの挿入は慎重に行わなければならない。先づ、テレビモニター16で観察しながら手操作、外部駆動装置32、または駆動通電部26の操作でカニューレ1を管腔19内に挿入し、その先端部7が分岐管20の入口に達したことを確認したとき、磁場応動通電部の4つの縦方向平列回路21の導線22に一方向に一斉に通電する。図12はカニューレ先端部7の断面図で、全ての導線22は一対の強力電磁石13、14の作る磁場に対し直角に同一方向の電流が流れるとフレーミングの左手の法則により図中Fで示す方向の力を受ける。こうしてカニューレ先端部7は分岐管20の入口の方向に傾く。この傾きの方向は一対の強力電磁石13、14を回転しカニューレに対する方向を変えることによって変えることができる。また4つの回路21A、21B、21C、21Dのうち対向する回路21A、21Cに流れる電流の方向を逆にするとこれ等の回路に逆方向の力が働き、カニューレ先端部7を時計方向または反時計方向に回転せしめることができる。このようにコントローラ15により強力電磁石13、14の作る磁場の方向を制御しながら磁場応動通電部の4つの回路21の通電方向を制御することにより、図11の(a)に示すようにカニューレ先端部7を分岐管20に滑らかに導くことができる。
【0021】次いで図11の(b)に示すようにカニューレの先端部7が完全に分岐管20に挿入されたことを確認したとき、磁場応動通電部の全ての回路21への通電を止める。分岐管20が狭いときカニューレの後部に外力を作用させてカニューレ先端部7を分岐管の深部に送り込むことが困難であることが屡々あるので、そのとき駆動通電部26の回路A、B、C、Dに通電して前進駆動力を与える。特に分岐管20が狭く、カニューレが分岐管20の接触抵抗を押しのけて前進しなければならないときには、駆動通電部26の数を増し、例えば図示の如く3個とし、全ての駆動通電部26に通電し、図11の(c)に示すように、カニューレ後部に作用する外力による押し込み力よりも、むしろ駆動通電部26に作用する強力な前進駆動力によりカニューレを分岐管20内に引きずり込む。なお駆動通電部は図3のカニューレにも取り付け電気的に前進後退駆動力を与えるようになし得ることは容易に理解できるであろう。
【0022】本発明は内視鏡を使用してカニューレを目的部位に挿入することもできる。図13はその一例を示し、図3のカニューレ1をファイバースコープ(内視鏡)37の鉗子通路に挿入しファイバースコープ37と共に胃38から十二指腸39の中に挿入した状態を示している。この場合図4に示すような通電コイル8と相互作用する一対の電磁石13、14をもったカニューレーション装置が使用される。テレビモニター16はあってもなくてもよい。ファイバースコープ37の頭部側面の鉗子口40が胆管の入口41に達したときカニューレ先端7が鉗子口40から突き出されて胆管入口41に挿入され、次いで総胆管42と主膵管43の分岐部でカニューレ先端部7の通電コイル8と電磁石13、14の相互作用でカニューレ先端部7は総胆管42の方に曲げられ総胆管42に挿入される。
【0023】図14は本発明のカニューレを比較的太い血管や総胆管や主膵管等の比較的太い管腔内を観察診断しながら前進せしめると共に病巣部の脱落細胞を採取したり、病巣部に密着させてsuction biopsy(吸引生検)を行うことができるように改良したものである。図14において、先端部7の通電コイル8と冷却用水管9は図3および図7のカニューレと全く同じように配設されるが、更にカニューレ1の内部の壁にファイバスコープ44を取り付け、その先端に観察用ファイバスコープレンズ45を取り付ける。更にカニューレ1の内部にはファイバスコープ44に沿ってレンズクリーナ用送水管47を取り付けて、その先端にファイバスコープレンズ45に向けて開口するレンズクリーナ噴射口47を設ける。以上のように構成されたカニューレ1を図15に示すように管腔内に挿入し、先端のファイバスコープレンズ45で管腔内を観察しながら病巣(例えば癌細胞)48に近接させ僅かに距離を置いた状態でカニューレ1の後端を挿入した回収ビン49内の空気を図示しない吸引ポンプで矢印Aの方向に吸引し、回収ビン49内に病巣部近くの採液および脱落細胞の採取を行うことができる。また図16に示すように前述の方法でカニューレ1を分岐管内に誘導し、病巣48に密着させて回収ビン49に強い陰圧を加えることにより組織片を回収ビン49内に回収し細胞組織の病状を調べることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によればカニューレ先端部を電磁作用により屈曲することができるので、従来高度の技術を要しカニューレの挿入が困難とされていた鋭い曲がりをもった管腔の分岐部での挿入操作を容易に行うことができ、カニューレを使用する診断、治療レベルを向上することができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】597152928
【氏名又は名称】株式会社テクノソフィア
【出願日】 平成10年(1998)2月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
【公開番号】 特開平11−216187
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−22103