| 【発明の名称】 |
シースの保護装置および方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】ケニス エル ワンティンク
|
| 【要約】 |
【課題】冠動脈のような脈管内でのカテーテルの前進の際、保護シースの遠位端の捲れを阻止するステント搬送バルーンカテーテル用のリテーナ。
【解決手段】シース20の遠位端30は、固定されることなしに、バルーンカテーテルの遠位端に隣接して被覆する。リテーナ70は、膨張可能なシース上に延びてこれを包囲しており、シースの遠位端をバルーンカテーテルに固定することなしに、バルーンカテーテルの遠位端に固定されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ステントを送出し移植するのに使用されるシースの遠位端およびバルーンカテーテルの遠位端を保護する装置であって、シースの遠位端をバルーンカテーテルに固定することなしに、シースの遠位端を包囲するためのリテーナと、リテーナをバルーンカテーテルの遠位端に取付けるための手段とを備えていることを特徴とする装置。 【請求項2】 リテーナが、略円筒形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。 【請求項3】 リテーナが、バルーンカテーテルの遠位端を超えて延びた先端部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。 【請求項4】 取付け手段が、レーザ溶接を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。 【請求項5】 リテーナが、デュポン・ド・ネムール社によって商品名ハイトレルとして製造されている材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。 【請求項6】 リテーナが、弾性材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。 【請求項7】 先端部分が、テーパした柔らかい先端を有していることを特徴とする請求項3に記載の装置。 【請求項8】 ステントを送出し移植するのに使用されるバルーンカテーテルの遠位端に隣接して被覆するようになったシースの捲れを阻止する方法であって、シースの遠位端がバルーンカテーテルに固定されていない方法において、シースの遠位端をバルーンカテーテルに固定することなしに、シースの遠位端を包囲するように、シースの遠位端を包囲するためのリテーナを位置決めする段階と、リテーナをバルーンカテーテルの遠位端に固定する段階とを備えていることを特徴とする方法。 【請求項9】 リテーナをシースの遠位端に固定する段階が、レーザ結合を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。 【請求項10】 シースの遠位端をバルーンカテーテルに固定することなしに、バルーンカテーテルのバルーン部分に隣接して被覆するシースの遠位端の捲れを阻止するためのアセンブリであって、近位端、遠位端、および遠位端に近接したバルーン部分を有するバルーンカテーテルと、遠位端および近位端を有し、バルーンカテーテルの遠位端に固定されることなしに、バルーンカテーテルの一部に隣接して被覆するように位置決めされたチューブ状シースと、バルーンカテーテルの遠位端に固定され、シースの遠位端をバルーンカテーテルに固定することなしにシースの遠位端の捲れを阻止するようにシースを包囲するリテーナとを備えていることを特徴とするアセンブリ。 【請求項11】 リテーナが、レーザ結合によって、バルーンカテーテルの遠位端に固定されることを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば管内ステントを送出するのに使用されるような、バルーンカテーテルアセンブリの遠位端を保護するための保護リテーナに関する。 【0002】 【従来の技術】病変プラクを動脈壁に押しつけて動脈腔を膨張させる典型的な経皮通腔冠動脈血管形成術(PCTA)では、案内カテーテルが、患者の上腕又は大腿動脈から心臓血管系に経皮的に導入され、遠位端が小口に達するまで脈管系内を進められる。ガイドワイヤ、および遠位端にバルーンをもつ膨張カテーテルが、膨張カテーテル内で摺動するガイドワイヤを備えた案内カテーテルを通して導入される。ガイドワイヤは、まず、案内カテーテルから患者の冠動脈系内に進められ、膨張カテーテルは、膨張バルーンが病変部に適当に配向されるまで、上述のように位置決めされたガイドワイヤ上を進められる。病変部の適所に達すると、可撓性で膨張可能な、予め形成されたバルーンは、比較的高圧で所定の寸法に膨張され、病変プラクを動脈壁の内側に半径方向に押しつけ、動脈腔を拡張する。次いで、膨張カテーテルを脈管系から回収し、拡張した動脈に血液流が流れるように、バルーンを萎ませて小形にする。この措置は、典型的なものであるが、血管形成術において使用される唯一の方法ではない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述のような血管形成措置では、動脈の再狭窄がしばしば発生し、これにより別の血管形成措置、外科的なバイパス手術、当該部位を治療し強化する他の方法が必要となる。再狭窄の発生する可能性を減少させ、当該部位を強化するために、医師は、脈管の開通性を維持するため、典型的にはステントと呼ばれる、管内プロテーゼ(人工器官)を移植する。ステントは、組織を適所に保持し、或いは血液が自由に流れるように血管を支持して血管を開放状態に維持するのに使用される装置である。ステントとして使用される種々の装置が、知られており、その中には、バルーンカテーテル上に押圧され、バルーンカテーテル上に通腔的に位置決めされたとき膨張し、移植後の形態を保持することができる、種々のパターンの膨張可能なチューブ状部材が含まれる。典型的には、ステントは、カテーテルのバルーン部分上に装荷され押圧され、動脈内の病変部位まで進められる。引き続き、ステントは、カテーテルのバルーン部分によって大径に膨張され、ステントを動脈内の病変部位に移植する。典型的なステントおよびステント送出システムは、米国特許第5,514,154号(ロー等)および同第5,507,768号(ロー等)に詳細に開示されている。 【0004】オーバー・ザ・ワイヤ・カテーテル又は迅速交換型カテーテルを使用してステントを設置するとき、金属ステントからカテーテルのバルーン部分を保護し、より堅固な取付けを行うために、保護用のチューブ状シースをバルーン部分上に置き、ステントをシース上に押圧する。幾つかの従来技術の装置では、シースは、カテーテルの近位端および遠位端に取付けられる。しかしながら、バルーンが破裂した場合に、バルーンを膨らませる流体は、シース内に捕捉された状態になり、シースは、膨張状態となり、したがって、患者からのカテーテルの回収を邪魔することがある。膨張流体が内部に捕捉されないようにシースの遠位端が開放している場合には、シースは、カテーテルが血管又は動脈内に進められるとき、捲れるのは望ましくない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、種々の実施の形態を通して、管内ステントを送出するのに使用される従来技術のバルーンカテーテルと関連した課題を解決することを目的としている。本発明は、バルーンカテーテルを備えたオーバー・ザ・ワイヤ又は迅速交換(RX)型ステントのためのリテーナに関するものであり、このリテーナは、カテーテルを動脈又は他の血管内に進めたとき、保護シースが遠位端のところで捲れるのを阻止する。シースの遠位端は、バルーンカテーテルの遠位端に隣接して被覆するが、バルーンカテーテルの遠位端に取付けられていない。本発明の或る実施の形態では、リテーナは、チューブ状であり、保護シースの遠位端上に延び、保護シースの遠位端を包囲しており、カテーテルの遠位端に固定され、カテーテルの患者の動脈内への挿入の際にシースが捲れるのを阻止する。シースの遠位端は、バルーンが破裂した場合に内部に膨張流体が捕捉されないように、バルーンカテーテルに固定されていない。リテーナは、弾性の可撓性材料で形成されており、レーザ溶接等によってカテーテルの遠位端に取付けられている。リテーナのテーパした遠位端は、動脈又は他の血管内での前進を容易にするように、柔らかく、非外傷性である。 【0006】本発明のこれらの及び他の利点は、添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことにより、明白になるであろう。 【0007】 【発明の実施の形態】アテレクトミー装置の使用によるPCTA措置として行われるか、或いは狭窄病変部を取り除き又は減少させることによって行われるかにかかわらず、血管形成措置の後、管内ステントを送出し移植するのが望ましい。管内ステントは、体腔を支持するのみならず、再狭窄の発生の可能性を減少させる。本発明に関して、遠位端にバルーンを有するステント送出カテーテルが、ステントを、冠動脈のような体腔内に送出し移植するのに使用される。動脈への移植前にバルーンを保護しステントをカテーテルに堅固に取付けるために、典型的には弾性膜であるチューブ状の保護シースを、カテーテルのバルーン部分上に位置決めすることができる。ステントの送出の際に保護シースの遠位端が捲れないようにするために、実質的に弾性の材料で形成されたリテーナが、保護シースの遠位端上に配置される。 【0008】図1および図2に示されるように、カテーテル5の遠位端に、弾性の膜層10が取付けられ、膜層10は、バルーン35上にチューブ状シース20を形成している。膜層10は、任意の適当な弾性材料で形成されている。膜層を形成する材料は好ましくは、広範な応力・歪値に対して大きな線形性(非塑性)を有する材料である。C−FLEXのような市販されているチューブ材料を使用することができる。C−FLEXチューブ材料は、米国フロリダ州ラルゴのコンセプト・ポリマー・テクノロジーズ社から入手することができる。さらに、材料は、延伸時に破裂したり裂けたりしない良好な引裂強度を有していなければならない。適当な材料には、シリコン、ラテックス、ウレタン、ポリシロキサン改質スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン・ブロックコポリマー、及びこれらと関連した材料の群が含まれる。 【0009】図2に示されるように、近位端25および遠位端30を有するチューブ状シース20の形態の膜層10は、バルーンカテーテル5のバルーン35の外側を取り囲んでいる。チューブ状シース20は、カテーテルシャフト又は外部部材50上の或る箇所45(この箇所45は、チューブ状シースの近位端25のところに位置し、近位部分37を有するカテーテルのバルーン35の外側に位置している)のところで、カテーテル5に接着剤で取付けられている。バルーンは、バルーン近位部分37のところで、接着剤又はレーザ溶接等によってカテーテルに取付けられている。シース20がどのようにして、カテーテルの下に位置するバルーン35の完全に上に位置しバルーン35を被覆しているかを見ることができる。公知のように、カテーテル5のバルーン35は、外部部材50に結合され、或いは外部部材と一体に形成されている。カテーテルシャフトに収容されたルーメンから延びた膨張口(図示せず)からの膨張流体によって、或いは、カテーテルの設計に応じて、カテーテルシャフトの外側とバルーンを形成する膜との間に形成された通路から連通した流体等の他の手段によって、カテーテルバルーンを膨らませることができる。バルーン膨張の詳細と機構は、カテーテルの設計に応じて変化するが、これらは、公知の技術である。 【0010】好ましい実施の形態では、バルーン35は、遠位端36および近位端37を有しており、これらは両方とも、チューブ状シース20によって完全に被覆されている。図面から分かるように、チューブ状シース20は、チューブ状シース20がカテーテルのバルーン部分全体の上に位置するように、バルーン35の近位端37のすぐ手前の箇所45のところで、カテーテル外部部材50に取付けられている。図1および図2に示されるように、カテーテル5は、ガイドワイヤ55上を通る、軸線方向に延びた外部部材50を有している。チューブ状シース20は、バルーン35の手前の箇所45のところで、カテーテルの外部部材50に取付けられている。チューブ状シース20の遠位端30は、バルーン35又はカテーテルの外部部材50に取付けられていない。何故ならば、破裂した場合に、シース20が、引裂箇所の上流の近位端のところに固定され、かくして、カテーテルの回収時にシースが捲れたり束になったりするのが回避されるからである。チューブ状シースの遠位端は、取付けられておらず、開放状態のままである。膨張時にバルーンが破裂した場合は、放出された膨張流体は、チューブ状シース20の開放した遠位端を通過する。 【0011】図面は、オーバー・ザ・ワイヤ・バルーンカテーテルを示しているが、本発明は、迅速交換型バルーンカテーテルを含む、他の型式のカテーテルについて使用することができる。さらに、チューブ状シース20は、接着剤又はレーザ結合のみならず、他の機械的手段によって、カテーテルに取付けてもよい。たとえば、蛍光透視のためシースの外部限界を良好に定めるために、シースの近位端のまわりの放射線不透過性カラーのように、放射線不透過性材料で形成されたファスナのような、機械的手段によって、シースを取付けてもよい。弾性のチューブ状シース20をカテーテル5に固定した後、ステント60が、シース上に位置決めされる。ステントの長さは典型的には、少なくとも15mmであり、チューブ状シース20の長さは典型的には、約30mmであり、シースは常に、ステント及びバルーンよりも長い。 【0012】ステント60は、シース20およびカテーテル5のバルーン35上に位置決めされ、手又は押圧プライアのような工具によって、チューブ状シース20上にしっかりと押圧される。チューブ状シースは、ステントのシース(従って、カテーテルのバルーン部分)への固定を更に助けるため、ステントが押圧されるクッション又は支持体を提供する。弾性膜は、ステントをバルーンにしっかりと把持するのを助けるため、摩擦係数の大きな材料で形成するのがよい。次に、図1〜図3、とりわけ図3を参照すると、近位端71および遠位端72を有するリテーナ70が、チューブ状シース20の遠位端30上に位置決めされている。上述のように、チューブ状シース20の遠位端30は、カテーテル5、カテーテル5の外部部材50、又はバルーン35に取付けられていない。換言すると、チューブ状シース20の遠位端30は、バルーンが破裂しそうもない場合に、取付けられていない状態のままであることを意図しており、したがって、バルーン膨張液体が、患者からのカテーテルの取り外しを妨げるチューブ状シースを膨張させるのではなく、患者の脈管内を自由に通過することができる。 【0013】リテーナ70は、テーパした或いは狭くなった柔らかい非外傷性の先端73を有しており、先端73は、ステントの送出の際にリテーナ70の遠位端72が患者の脈管壁を傷つけないように、幾分可撓性である。E.I.デュポン・ド・ネムール社によって商品名ハイトレルとして製造されている材料のような、非常に可撓性で弾性の材料でリテーナ70を形成することができる。図3により明瞭に示されるように、リテーナ70の近位端71は、チューブ状シース20の遠位端30を完全に取り囲んでおり、リテーナは、その弾性性状のため、遠位端30をカテーテル5にしっかりと保持する。リテーナ70をカテーテルに固定するために、リテーナ70は、レーザ結合74によってカテーテル5に取付けられている。接着剤、ヒートシール等のような、リテーナの他の取付け形態を利用できることは、当業者には理解されよう。 【0014】患者の脈管系(特に、冠動脈)内でのステントの送出の際、曲がりくねった通路があり、ガイドワイヤ上でカテーテルを送出させるとき、カテーテルを軸線方向に前後に移動させる必要がある。リテーナ70は、カテーテルの前後移動の際、血管壁が傷つかないように保護し、かつ、チューブ状シース20の遠位端30が捲れないようにする、非外傷性の先端73を提供する。リテーナ70は、チューブ状シース20の遠位端30と2mm〜20mm重複する。この重複の範囲は、典型的なものであり、用途および使用するカテーテルアセンブリに応じて、大きく変動する。リテーナ70の遠位端72は、先端73が非外傷性であるがガイドワイヤ55(図3では図示せず)上でのカテーテル5の摺動移動を妨げない距離、カテーテル5の遠位端を超えて延びている。 【0015】リテーナ70は、カテーテルアセンブリが送出時に小さな外形を維持するように、比較的薄い材料で形成されている。かくして、リテーナ70の厚さは、約0.025〜0.076mm(0.0010〜0.0030インチ)の範囲内にあり、好ましくは、約0.038mm(0.0015インチ)である。当業者には理解されるように、目標は、小さな外形での送出の維持であり、リテーナの厚さは、使用されるカテーテル送出システム並びに用途に応じて、大きく変動する。小さな外形が必須である冠動脈内でのステントの移植には小さな寸法が必要であるが、たとえば、脈管径が比較的大きい伏在静脈内でのステントの送出および移植については、大きな送出径と厚い壁部分を有するリテーナが、許容される。次いで、バルーンカテーテルは、ガイドワイヤ55上を進められ、治療が行われる血管の部位にステントが隣接するように、患者の脈管系内に位置決めされる。バルーンは、リテーナではなく、弾性のチューブ状シースと共に膨らませられ、ステントを拡大径に膨張させる。膨張の際、シースは、バルーンを破裂から保護し、ピンホールの影響を回避し、ステントの“ドッグボーン”形状への変形を回避し、ステントの均一な膨張を促進し、ステントがカテーテルに沿って軸線方向に移動するのを阻止するような、利点を提供する。萎ませる際、チューブ状シースは、萎む時間を減少させ、バルーンを均一に崩壊させ、バルーンが“パンケーキ”形状になるのを阻止する。 【0016】好ましい実施の形態では、バルーン送出カテーテルは、冠動脈血管形成術に使用されるものと同一又は同様なものであるが、任意の種類のプロテーゼを移植することができるように、本発明に修正を施すことができる。本発明は、患者の脈管系に移植されるステントおよびバルーン送出カテーテルに限定されることはなく、任意の種類の移植片、プロテーゼ、ライナ、又は同様な構造体を送出し移植する広範な用途を有している。さらに、バルーン送出カテーテルによって、ステントは、冠動脈のみではなく、伏在静脈、末梢静脈や動脈、および他の体腔のような任意の体腔内に、ステントを送出することができる。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、本発明に対して他の修正をなし得る。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592222709 【氏名又は名称】アドヴァンスト カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレーテッド
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)8月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外7名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−188112 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−260805 |
|