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【発明の名称】 操作可能な全方向性カテ−テル
【発明者】 【氏名】ウィルトン・ダブリュ・ウェブスター・ジュニア

【要約】 【課題】アクセスが困難な心臓内の乳頭筋などの障害物周囲にもその先端部分を確実に到達させることができる多方向性カテ−テルを提供する。

【解決手段】細長いチュ−ブ状カテ−テル本体と、カテ−テル本体の先端部にあるカテ−テル先端部分と、カテ−テルの基端部の制御ハンドルから成る多方向性電極カテ−テル。カテ−テル本体は中心内腔とその中心内腔の周囲に対称的に配置された4個の軸外内腔を有する。引抜きワイヤ−は各軸外内腔を通して制御ハンドルかた延出し、選択された場所で先端部分に固定される。カテ−テル本体の各軸外内腔に引抜きワイヤ−に対して包囲する関係で圧縮コイルが設けられている。この圧縮コイルはその先端部と基端部でカテ−テルに固定して取り付けられる。その基端部で各引抜きワイヤ−が制御ハンドルの可動ピストンに取り付けられる。さらに、各ピストンは、各ピストンに固定して取り付けられたスライド可能なボタンを使用して医師により制御される。選択されたボタンの移動により選択された引抜きワイヤ−が移動し、先端部分が撓む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基端部、先端部および貫通する少なくとも1個の管腔を有する細長いカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部にあり少なくとも2個の軸外管腔を有するカテーテル先端部分と、前記カテーテル本体の基端部にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルが前記先端部分の各軸外管腔と関連した可動部材から成り、前記部材が第1の場所と第2の場所との間を移動できる、制御ハンドルと、前記制御ハンドルの可動部材と関連した基端部と先端部を有する細長い引抜きワイヤーであって、各引抜きワイヤーがその基端部で関連した前記制御ハンドルの可動部材に接続され、前記カテーテル本体の管腔を通して、前記引抜きワイヤーを接続する前記可動部材に関連した前記カテーテル先端部分の軸外管腔まで延在し、前記各引抜きワイヤーの先端部が1個の先端電極と選択された場所の前記先端部分の壁に固定される、細長い引抜きワイヤーとを備え、第1の場所から第2の場所の方へ選択された可動部材が移動すると、前記選択された可動部材と関連した前記軸外管腔の方向への前記先端部分の撓みになる、多方向性カテーテル。
【請求項2】 基端部、先端部、中心軸、および前記中心軸周囲に対称的に配置された貫通する4個の軸外管腔を有する細長いカテーテル本体と、前記カテーテル本体の前記先端部に固定して取り付けられたカテーテル先端部分であって、前記カテーテル先端部分が基端部、先端部、中心軸、および前記先端部分の中心軸周囲に対称的に配置され前記カテーテル本体の前記軸外管腔と整合された4個の軸外管腔を有する、カテーテル先端部分と、前記カテーテル本体の基端部にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルが、前記カテーテル本体の軸外管腔の各々に関連した可動部材と前記先端部分の整合された軸外管腔を備え、各可動部材が第1の場所と第2の場所との間で移動できる、制御ハンドルと、前記カテーテル本体の各軸外管腔に関連した基端部と先端部および前記先端部分の整合された軸外管腔を有する細長い引抜きワイヤーであって、各引抜きワイヤーがその基端部で前記制御ハンドルの個別可動部材に接続され前記カテーテル本体の関連軸外管腔を通して前記先端部分の整合した軸外管腔まで延在しており、前記引抜きワイヤーの先端部が先端電極と前記先端部分の壁の一方に選択された場所で固定して取り付けられ、それにより前記第1の場所から第2の場所へ選択された可動部材が移動すると、前記カテーテル本体に対してその選択された可動部材に関連した引抜きワイヤーの移動と、移動する引抜きワイヤーの方向への前記先端部分の撓みになる、引抜きワイヤーと、引抜きワイヤーを前記カテーテル本体に対し手前の方に移動した場合に前記カテーテル本体に供給された圧縮力に耐えるための手段を備えた多方向性カテーテル。
【請求項3】 基端部、先端部、中心管腔を有する細長いカテーテル本体と、前記カテーテル本体の前記先端部に固定して取り付けられたカテーテル先端部分であって、前記カテーテル先端部分が基端部、先端部、中心軸、および前記先端部分の中心軸周囲に対称的に配置され前記カテーテル本体の前記中心管腔に通じる4個の軸外管腔を有する、カテーテル先端部分と、前記カテーテル本体の基端部にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルが、前記カテーテル先端部分の軸外管腔の各々に関連した可動部材を備え、各可動部材が第1の場所と第2の場所との間で移動できる、制御ハンドルと、前記カテーテル先端部分の各軸外管腔に関連した基端部と先端部を有する細長い引抜きワイヤーであって、各引抜きワイヤーがその基端部で前記制御ハンドルの個別可動部材に接続され前記カテーテル本体の中心管腔を通して前記先端部分の関連した軸外管腔まで延在しており、前記引抜きワイヤーの先端部が先端電極と前記先端部分の壁の一方に選択された場所で固定して取り付けられ、それにより前記第1の場所から第2の場所へ選択された可動部材が移動すると、前記カテーテル本体に対してその選択された可動部材に関連した引抜きワイヤーの移動と、移動する引抜きワイヤーの方向への前記先端部分の撓みになる、引抜きワイヤーと、引抜きワイヤーを前記カテーテル本体に対し手前の方に移動した場合に前記カテーテル本体に供給された圧縮力に耐えるための手段を備えた多方向性カテーテル。
【請求項4】 外壁、中空内部、および前記外壁を通して前記内部までの長手方向スロットから成るハウジングと、前記ハウジングの内部で長手方向に移動できるピストンと、前記長手方向のスロットを通して前記ピストンに接続された前記ハウジングに接続され前記ハウジングの外部に設けたボタンであって、前記ボタンがそのボタンにかかる手動圧力に応じてスロットの長さに沿って移動可能であり、それによりスロットの長さに沿ったボタンの移動により前記ピストンの長手方向の移動がなされるボタンと、前記スロットの長さに沿って前記ボタンを移動させるのに必要な圧力を調節するための手段を備えた操作可能なカテーテル用制御ハンドル。
【請求項5】 外壁、および中空内部から成るハウジングと、前記ハウジング内で長手方向に移動可能であり引抜きワイヤーに各々接続可能な少なくとも1対の対峙したピストンと、各ピストンを前記ハウジング内で長手方向に移動させるための手段と、対峙ピストンの両方が同時に長手方向に移動するのを防止するための手段を備えた操作可能なカテーテル用制御ハンドル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は操作可能な先端(チップ)を有するカテーテルに関し、より詳細には、多方向(全方向)に操作可能な先端を有するカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】操作可能かあるいは可撓性の心臓血管カテーテルは多くの用途に有効であり、固定した先端湾曲部(カーブ)を備えたカテーテルに対して著しい改良が見られる。このカテーテルは、心臓内の異常な電気通路を高周波除去するための電気生理学分野で特に有効である。
【0003】現在、操作可能な先端カテーテルの有効なデザインが幾つかある。そのような操作可能な先端カテーテルの一つが米国再発行特許第34,502号に記載されている。そのカテーテルは一方向に半円に撓むことが可能な細長いカテーテル本体と先端部分を有する。さらにそのカテーテル本体と先端部分を回転することができる。従って、先端の撓み、カテーテルの回転およびカテーテルの並進、すなわち、カテーテルの長手方向への移動によって、その先端部分と心室の殆どの領域との接触を行なうことができる。
【0004】しかしながら、心室にはアクセスを困難にすることが多い構造や凸凹がある。場合によっては障害物の周囲に達して所定の部位に接触させることが必要なことがある。さらに長短いずれかの可撓性先端部分を使用して特定の部位に到達させ、十分安定した接触を維持することが必要である。
【0005】初期の多方向性の可撓性先端カテーテルの一つは、5個の管腔、すなわち、1個の中心管腔およびその中心管腔周囲に対称的に配置された4個の外部管腔を備えたカテーテル本体と先端を有した。このカテーテルは外部管腔を通して延在した4個の引抜きワイヤーを付けていた。この引抜きワイヤーの先端部をカテーテル先端のリング(環)に取り付け、その基端部を「ジョイスティック」に取り付けた。中心管腔をその先端部で開け、その基端部のルアーハブに接続した。このカテーテルはその本体と先端に補強材がなかった。このカテーテルが先端にトルクを有効に伝達せずそのため先端の回転を困難にするため、このカテーテルは電気生理学に適していなかった。さらに、このカテーテル本体に軽く先端と同じ撓みをかけた。
【0006】ごく最近の操作可能なカテーテルは、曲げることができる制御ハンドルで制御される操作可能な先端を有している。多数の引抜きワイヤーは、この操作可能な先端を、どの方向にも曲げることができる制御ハンドルに接続する。一旦撓ませた先端を内部スタイレットで横方向にさらに撓ませることができる。このカテーテルデザインの不具合は、先端が非常に柔軟で、トルクを有効に伝達できないスタイレットがあるため、横方向剛性が低いことにある。このためにカテーテルの先端電極を心筋壁にしっかり保持することができない。
【0007】他の最近の操作可能な先端カテーテルは、引抜きワイヤーで一方向に撓み、内部スタイレットで横方向にさらに撓むことができる可撓性先端を備えている。このスタイレットはカテーテル内で軸方向に移動して先端の曲げ形状を変えることもできる。このカテーテルデザインの不具合は、先端の横方向剛性がトルクを有効に伝達できないスタイレットに依存することにある。
【0008】先端をスタイレットで回転するデザインでは、先端の横方向剛性がスタイレットだけの横方向剛性より低いに違いないということになる。これはスタイレットからのトルクの一部は先端の回転に必要だからである。さらに、患者の体内および心臓内でカテーテルの本体と先端が曲がり安全になるように、スタイレットを小さな状態に保たなければならない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、操作可能なカテーテル先端部分、細長いカテーテル本体および制御ハンドルから成る心臓血管用カテーテルを提供する。このカテーテル先端部分は少なくとも2個、好ましくは4個の軸外管腔を備える。このカテーテル本体はカテーテル先端部分の軸外管腔に通じる少なくとも1個の管腔を有する。カテーテル本体はカテーテル先端部分の4個の軸外管腔に通じる1個の管腔を備えることが好ましい。また別の好ましい実施では、カテーテル本体がカテーテル先端部分の各軸外管腔と整合した個別の軸外管腔を有する。カテーテル本体の基端部に取り付けられる制御ハンドルは、カテーテル先端部分の軸外管腔の各々に関連した個別の可動性の、好ましくはスライド可能な部材から成る。
【0010】細長い引抜きワイヤーはその基端部で制御ハンドルの可動部材の各々に接続される。各引抜きワイヤーはカテーテル本体の管腔を通してカテーテル先端部分の軸外管腔まで延在し、その先端部でカテーテル先端部分の壁にあるいは先端電極に固定される。制御ハンドルの可動部材が移動すると、その可動部材に接続された引抜きワイヤーがカテーテル本体に対し手前方向に移動し、その移動した引抜きワイヤーの方向に先端部分が撓むことになる。
【0011】可動部材は制御ハンドル内でスライド可能であることが好ましい。細長い引抜きワイヤーはその基端部で制御ハンドルのスライド可能な部材の各々に取り付けられる。各引抜きワイヤーは、カテーテル本体の管腔を通してカテーテル先端部分の軸外管腔まで延在し、その管腔か先端電極に固定される。スライド可能な部材が手前に移動すると、カテーテル本体に対しその引抜きワイヤーが手前に移動し、カテーテル先端がその軸外方向に撓むことになる。
【0012】引抜きワイヤーをカテーテル本体に対し手前方向に移動する場合、カテーテル本体に圧縮力に耐えるための手段が好適に提供される。好ましい手段は、包囲する関係にあるカテーテル本体を通して各引抜きワイヤーまで延在する圧縮コイルから成る。圧縮コイルの基端部はカテーテル本体の基端部に固定して取り付けられ、圧縮コイルの先端部はカテーテル先端部分の長さに沿ってカテーテル本体の先端部および/又は選択された場所に固定して取り付けられる。圧縮コイルの先端取り付け部位とカテーテル先端部分の圧縮コイルに関連した引抜きワイヤーのアンカー部位により、その引抜きワイヤーの方向の先端部の曲げ撓みの長さが決まる。
【0013】本発明の好ましい実施形態では、カテーテル本体と先端部分には、四分円に対称的に配置された、4本の引抜きワイヤーが延在する4個の管腔がある。各引抜きワイヤーは、個別の管腔を通してカテーテル本体の制御ハンドルから先端部分のアンカー部位まで延在する。カテーテル本体内では、各管腔が、引抜きワイヤーに包囲する関係にあり引抜きワイヤーの圧縮力に耐えるための圧縮コイルを有してカテーテル本体の撓みを防止する。圧縮コイルは、カテーテル本体の基端部に、またカテーテル本体の先端部分への移行部近傍部位に固定して取り付けられる。
【0014】本発明の特に好ましい実施形態では、引抜きワイヤーが第1対と第2対に分離され、各対は直径上に対峙する引抜きワイヤーから成る。先端部分にある第1対の引抜きワイヤーのアンカー部位は、第2対のアンカー部位より先端部分の先端部に近い。この配置では引抜きワイヤーが第1対から手前に移動すると、普通、カテーテル本体の軸を含む平面にある引抜きワイヤーの四分円の方向へカテーテル先端の基端部分が、第1に曲がることになる。その後、隣の第2対の引抜きワイヤーを手前に移動すると、普通、カテーテル本体の軸を横切る平面にあるその隣の引抜きワイヤーの四分円の方向により遠位への第2の曲がりとなる。そのような合成の湾曲は心臓内の乳頭筋あるいは腱などの障害物周囲に達するのに特に有効である。
【0015】本発明の好ましい実施形態では、4個の四分円管腔の中心に配置された第5の管腔が提供される。第5の管腔はカテーテルと先端部分の全長あるいは好ましい実施形態では先端部分だけの全長に通っている。電気生理学のカテーテルでは、第5の管腔は電極リード線を保持するために使用することができる。他の場合、第5の管腔はその先端部を開けて流体を内系内外へ送ることができる。同様に第5の管腔は、光ファイバーなどの他のエネルギー分配装具を挿入したり、直接観察のため光ファイバーの束を供給したり、バルーンを膨らませたり、針などの導管として使ったりあるいは他の有効な処置に使用することもできる。
【0016】本発明の他の好ましい実施形態では、カテーテル本体は1個の中心腔を有し、その中心腔内に5個の管腔先端からの4本の引抜きワイヤーとリード線が集約され、その中心腔はカテーテル本体の全長を走行して制御ハンドルに入る。この実施形態では、圧縮コイルはあっても無くてもよい。しかしながら、圧縮コイルが含まれ、直径上で対峙する2対の圧縮コイルの各々の基端部がカテーテル本体の基端部に固定して取り付けられることが好ましい。圧縮コイルの先端部はカテーテル本体の先端部および/又はカテーテル先端部分の長さに沿った選択された場所に固定して取り付けられる。直径上に対峙した1対の圧縮コイルがカテーテル先端にまで延在し、他方の対がカテーテル本体の先端部に固定して取り付けられる好ましい実施形態では、その先端にまで延在する1対の圧縮コイルは、先端部分のある場所に固定して取り付けられ、そこで他方の対峙した対の圧縮コイルの引抜きワイヤーの先端部が固定して取り付けられる。
【0017】引抜きワイヤーの長手方向の移動は制御ハンドルによって達成される。好ましい制御ハンドルは4個の可動あるいはスライド可能な部材を有するハンドル本体から成る。各スライド可能な部材は引抜きワイヤーに接続され、それによりスライド可能な部材の第1の場所から第2の場所への移動、好ましくは基端部の移動によりカテーテル本体に対しその部材に関連した引抜きワイヤーの基端部の移動と、その引抜きワイヤーの四分円方向への先端部分の撓みとなる。直径上で対峙したボタンの基端部が同時に移動しないようにする手段を設けることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明により構成された特に好ましい可撓性電極カテーテルを図1〜図10に示す。図1では、カテーテル10が細長いカテーテル本体12、可撓性先端部分13および制御ハンドル14を備えている。図示された実施形態では先端部分13に複数の電極28と29が付いている。用途によってカテーテルの全長と直径を変えることができる。現在好ましいカテーテルは全長が約48インチで外径が約0.09インチである。
【0019】図2に関し、カテーテル本体12は4個の外部管腔17と中心管腔18を有する細長いチューブ状構成になっている。外部管腔17は対称的に配置されて中心管腔18の周りで四分円になっている。それらの管腔の直径は所望により変えてもよい。好ましい実施形態では、各々の管腔の直径は約0.018インチである。カテーテル本体12はポリウレタンのような毒性の無い適切な材料から作られる。カテーテル本体12はステンレス鋼などの少なくとも1層の編込みメッシュ15で好適に補強してそのねじり剛性を増大させる。
【0020】図4に関し、カテーテル先端部分13は、1個の中心管腔22と、カテーテル本体12で配置したように中心管腔22の周囲に対称的に配置した4個の外部管腔23とを有する柔軟性があるチューブ21の短い部分を構成している。チューブ21は適切な材料から作られ、カテーテル本体13より好適に柔軟性がある。カテーテル先端部分13の現在好ましい材料はポリウレタンである。カテーテル先端部分13はカテーテル本体12のメッシュと同様に金属編込みメッシュ24で好適に補強され、その曲げ剛性をそれ程増大させずに同等の高トルク特性を与える。
【0021】カテーテル先端部分13の直径は、カテーテル本体12の直径と同じか僅かに小さいことが好ましい。好ましい実施形態では、カテーテル先端部分の直径が約0.08インチ〜約0.09インチであり、その長さが約3インチである。カテーテル先端部分13をカテーテル本体12に取り付けるための好ましい手段を図3に示す。カテーテル先端部分13の基端部が外側周縁ノッチ27を備え、カテーテル本体12の先端部が管側周縁ノッチ27を備えている。これらのノッチ26,27を、カテーテル先端部分13の基端部がカテーテル本体12の先端部に適切に嵌合するような寸法にする。次にカテーテル先端部分13を、ポリウレタン接着剤などでカテーテル本体12に固定取り付けし、カテーテル先端部分13とカテーテル本体12との間の接合部のカテーテルの外面にシーム(継ぎ目)を作る。カテーテル先端部分13の中心管腔22と外部管腔23を、それぞれカテーテル本体12の中心管腔18と外部管腔17に整合させ、つなげる。
【0022】カテーテル先端部分13に沿って複数の環電極28がある。電極28の長さは重要ではないが、約1mm乃至約4mmが好ましい。各電極28は約2mm乃至約4mmの距離で離間している。先端電極29は先端部分13の先端部にある。各電極28,29を、中心管腔18,22を通して延在する個別のリード線に接続する。
【0023】リード線36の基端部を、適切なモニターにプラグ接続できるかあるいは他の方法で接続できる適当なジャックあるいはコネクターに接続する。各環電極28は、先端部分の壁を通して電極まで延在する関連リード線36を有する。例えば、カテーテル先端部分13の壁を通して中心管腔22まで先ず小さな孔を作ることによってリード線36を電極28に接続する。例えば針を先端部分13の壁に通し、永久的な孔を形成するだけ十分に針を加熱することによってそのような孔を作ってもよい。次にリード線36を、マイクロフックなどを使うことによって孔から引き抜く。次にリード線36の端部の被覆を剥ぎ取り、電極28の下側に半田付けあるいは溶接し、電極を次に孔の上の場所にスライドさせ、ポリウレタン接着剤などで所定の場所に固定する。引抜きワイヤー31は、カテーテル本体12の外部管腔17の各々を通して先端部分13の整合した外部管腔23まで制御ハンドル14から延在する。引抜きワイヤー31は、ステンレス鋼、あるいはニチノール(Nitinol)などの適切な金属から作られ、テフロン(登録商標)、ケブラー、炭素繊維などで被覆される。この引抜きワイヤー31は直径が約0.006インチから約0.010インチまでが好ましい。
【0024】図2に関し、カテーテル本体12内には、各引抜きワイヤー31を包囲する関係に各外部管腔17を通して延在する圧縮コイル33が設けられている。この圧縮コイル33は例えばステンレス鋼などの適切な金属から作られ、そのコイル33はコイル自体に確実に巻き付けられ、圧縮には耐えるが柔軟性、すなわち曲げが与えられる。圧縮コイル33の内径を引抜きワイヤー31の直径より僅かに大きくなるように選択する。例えば、引抜きワイヤー31の直径が約0.007インチであれば、約0.008インチの内径の圧縮コイル33が現在好ましい。圧縮コイル33の外径はそのコイル33が通る管腔17の直径よりも同様に僅かに小さい。例えば、外部管腔17の直径が約0.018インチであれば、圧縮コイル33の外径は約0.017インチであることが好ましい。
【0025】圧縮コイル33をポリウレタン接着剤などによってカテーテル本体12の基端部と先端部に固定して取り付ける。この接着剤は、例えば場所Aとして図3に示したように、圧縮コイル33の外周に注入器などにより塗布することができる。この場所に塗布された接着剤は圧縮コイル33と管腔17を形成する壁の間の内部にしみ込む。硬化すると接着剤接合部34が形成される。また接着剤はカテーテル本体12の外面と管腔17との間の孔を通して注入器などによって塗布してもよい。そのような孔は例えばカテーテル本体壁を突き刺し永久孔を形成するのに十分に加熱される針などによって形成することができる。その接着剤を孔から圧縮コイル33の外面に挿入し、外周にしみ込み、圧縮コイル33の全円周に接着剤接合部34を形成する。
【0026】後者の方法を使用すれば、圧縮コイル33の先端部が、カテーテル本体12の先端部から配置されるというよりはむしろカテーテル先端部分13の基端部分に配置されることが分かる。そのような実施形態によりカテーテル本体12とカテーテル先端部分13の接合部にさらに支持体が提供される。各引抜きワイヤー31を、非常に薄いテフロン(商標)コーティングで被覆することが好ましい。このコーティングは圧縮コイル33内で引抜きワイヤー31に潤滑性を与える。
【0027】各引抜きワイヤー31をカテーテル先端部分13の側面あるいは先端電極に固定する。図4,図5(A)および図5(B)に関し、カテーテル先端部分13を撓ませた場合、先端部分13内でテフロン(登録商標)シース32により引抜きワイヤー31が先端部分13の壁に切り込まないようにする。引抜きワイヤー31のテフロンコーティングを引抜きワイヤー31の先端部で除去してもよくあるいはアンカー35の下に残してもよい。アンカー35を引抜きワイヤー31の先端部に固定して取り付ける。好ましい実施形態では、アンカー(固定具)は例えば、引抜きワイヤーの先端部を押し曲げることによって固定して取り付けられる金属管37、例えば皮下ストックの短いセグメントで形成する。この管37の一部が引抜きワイヤー31の先端部を僅かに越えて延在する。ステンレス鋼リボンなどの小さな部分から作られたクロスピース38を、管部分37の先端部に横配置で半田付けあるいは溶接する。クロスピース38は作業時に平らになる。これによりT字形バーアンカーができる。ノッチ39をカテーテル先端部分13の側面に作り、そのノッチが外部管腔23に通じる開口になる。アンカー35は特にノッチ39内にある。クロスピース38を形成するリボンの長さが管腔23への開口の直径より長いため、アンカーを管腔23内に完全に引くことができない。次にノッチ39をポリウレタン40などで密閉して平滑な外面を作る。
【0028】好ましい実施形態では、引抜きワイヤー31を2対に分ける。第1対を第2対の固定位置近くに固定する。第2対を、先端部分13の先端部に隣接するその先端部分13の壁かまたは先端電極に固定する。引抜きワイヤー31の第1対を、第2対の固定部位から近くに離間した場所にある先端部分13の壁に固定する。そのような配置では、上記のように第1対を先端部分13の側壁に固定してもよく、また図6(A)に示したように先端部分13の先端部に固定してもよい。この配置では引抜きワイヤー31は、そのワイヤーの端部に取り付けられるアンカーを外部管腔23の端部を越えた状態で管腔23の先端部まで延在する。アンカー35は、カテーテル先端部分13の先端部の密閉も行なうポリウレタンキャップ41によりこの位置で固定される。クロスピースが管腔23の直径より長いため、アンカー35は先端部分13が撓むと管腔内に引き戻すことがきない。このような別の固定方法は先端電極29がなければ有効である。先端電極29があれば引抜きワイヤー31を、先端部分13の側壁にあるいは先端電極に例えば図6(B)に示したような半田付けによって固定することができる。
【0029】圧縮コイル33の先端部と先端部分13の引抜きワイヤー31のアンカー部位との間の距離により、その引抜きワイヤー31の方向への先端部分13の曲率が決まる。例えば、上記引抜きワイヤー31の固定部位の配置、すなわち、圧縮コイル33の端部から異なった距離に固定され直径上に対向した2つの対により、第1平面内の長いリーチカーブと第1平面から90度の平面内の短いリーチカーブ、すなわち撓む前にカテーテル先端部分の軸にほぼ沿った平面内の第1カーブと、その第1カーブよりも先端側の、その第1平面を横切る(好ましくは垂直の平面内にある)第2カーブを可能にする。カテーテル先端部分13の高トルク特性により1個の四分円が撓む傾向が低下し、近傍の四分円の撓みを変える。そのような複合カーブを図7に示す。この傾向は、圧縮コイルの第1対向対の先端部に遠い圧縮コイルの第2対向対先端部を、好ましくは引抜きワイヤーの第1対向対のアンカー部位に隣接する部位に配置することによってさらに減少させ、また無くすこともできる。そのような機能により医師が先端部分13を第1方向に撓ませ心臓壁の所定の部位近くにその先端を移動することができ、次に先端部分13の先端部を左右に、すなわち第1撓みに対して横に撓ませ乳頭筋あるいは腱のような障害物の周囲に達することができる。
【0030】4本の引抜きワイヤー31の各々を、カテーテル先端部分13の長さに沿って同じ位置に固定してもよく、この場合、先端部分13の全方向の曲がりが同じで先端部分13をカテーテル本体12を回転せずにどの方向にも撓ませることができることが分かる。また引抜きワイヤー31を3カ所あるいは4カ所の異なった場所に固定してもよい。後者の場合、各四分円は明確な曲率を有する。高トルク軸により可能なカテーテル本体12の回転により、医師は4種類の曲率あるいは所望のそれらを組み合わせた曲率を使うことができる。引抜きワイヤーの長手方向の動きは制御ハンドル14で制御される。図8〜図10に関し、制御ハンドル14は、円筒状本体45と、制御ハンドル本体45の先端部の先端キャップ46と、その基端部の基端キャップ47を普通備えている。円筒状本体45は1個の中心円筒状管腔48と、中心管腔48と重複し、従って、その管腔48と通じる4個の外部円筒状管腔49とを備えている。その先端部で円筒状本体45が円筒状フランジ51を備えている。可動部材からなるピストン52は制御ハンドル14の外部管腔49の各内部にスライド可能に設けられている。ピストン52はハンドル全長の約3分の2が普通円筒状である。ピストンの手前側3分の1は断面が、普通、半円であり制御ハンドルの軸に面した平面53を有する。ピストンの先端円筒状部分と手前の半円部分との間の移行部では傾斜した平面54があるのが普通である。好ましい角度は約45度である。
【0031】図10に関し、ピストン52の先端部に、ねじ切り調整ねじを収容するねじ切り軸方向孔56がある。この調整ねじは引抜きワイヤー31の基端部が貫通する軸方向孔58を有する。好ましい実施形態では、軸方向孔58は、引抜きワイヤー31の直径より僅かに大きな直径の先端部分とその先端部分の直径より大きな直径を有する基端部分とを有する。軸方向孔58への入口は傾斜している。
【0032】引抜きワイヤー31は調整ねじ57の軸方向孔58内を延在しその孔58に固定される。図10に示したように引抜きワイヤー31を調整ねじ57に固定するための好ましい手段は、固定して、すなわちひだを付けることによって引抜きワイヤー31が調整ねじ57の軸方向孔58の先端部分を通った後、引抜きワイヤー31の基端部に取り付けられる短い皮下ストック61から成る。その皮下ストック61は軸方向孔58の直径より大きな直径を有し、引抜きワイヤー31が調整ねじ57から抜けないようにする。代わりの手段として、横部材、例えばステンレス鋼リボンを引抜きワイヤー31の基端部に溶接してそれにより横部材で引抜きワイヤー31が調整ねじ57の軸方向孔から抜けないようにする。引抜きワイヤー31の基端部をピストンに取り付けるため種々の機構が使用できることが分かる。
【0033】各ピストン52の長さに沿ってねじ切り放射状孔62が設けられ、その孔62にねじ切りポスト63をねじ止めする。ポスト63は、制御ハンドル本体の長手方向スロット64を通して制御ハンドル14の軸から放射状に外側に延出する。ピストン52から離れたポスト63の端部にボタン65が固定して取り付けられている。この構成によって機能的な可動部材を完成する。この配置では、可動部材がスロット64の長さにより規定された2つの位置間をスライド可能に調節できる。医師は制御ハンドル本体45の外面を掴み、親指の力でボタン65とピストン52をスロット64の長さ方向にスライドさせる。特に好ましい実施形態では、ボタン65は、例えば図9に示したように例えば寸法、表面組織(テキスチャー)などを変えて、操作されている引抜きワイヤー31の触覚認識を与える。例えば、引抜きワイヤー31の2本の全く反対の対を備え、各対が先端部分の長さに沿って異なった部位に固定された上記実施形態では、1本の引抜きワイヤー対に関連したボタン65に刻みを付け、他方の引抜きワイヤー対に関連したボタン65を滑らかにする。これによって医療手順時にカテーテルを操作する際に医師の混乱が回避される。
【0034】好ましい実施形態では、スロット64の長さに沿ってボタン65をスライドさせるのに必要な手動の圧力を調節するための手段が提供される。例えば、一人の医師が「軽いタッチ」を有する、すなわちボタン64をスライドさせるのに小さな圧力だけが必要でありそのため先端部分13の撓みが医師の感触に非常に敏感になる制御ハンドルを希望してもよい。他の医師は、ボタン65を解除すると先端湾曲が残るようにボタン65をスライドさせるのに実質的な力をハンドル14が必要とすることを選択してもよい。
【0035】図8に関し、好ましいボタン配置は、制御ハンドル14のボタン65と本体45との間に配置されたワッシャー71とOリング72および、ボタン65とワッシャー71との間のポスト63に対し包囲の関係にある圧縮ばね70から成っている。この配置では、ボタン65を一方向に回すとピストン52の放射状孔62内にポスト63が差し込まれ、制御ハンドル本体45に対してワッシャー71を押し付けるばね力とOリング力を増大させる。これによりスロット64の長さに沿ったボタン65のスライドを阻止する摩擦力が増大する。ボタン65を反対方向に回すとそのような摩擦力が低下する。
【0036】ばね70とOリング72の組み合わによりボタン65が使用時に回らなくなり、従って一旦セットしたら摩擦力設定がロックされたままになる。ばね70とOリング72およびねじ切りピッチを選択することにより摩擦設定機構の決定を所望通り変えることができる。
【0037】先端キャップ46はその基端部に円周方向ノッチ74を有する円筒状部分73がある。その円周方向ノッチ74は制御ハンドル本体45の円筒状フランジ51と嵌合する。すなわち、ノッチ74の外径は制御ハンドル本体45の円筒状フランジ51の内径に略同一である。次に、先端キャップ46を、フランジ51の先端エッジがキャップ46の肩部75に係合するまで、制御ハンドル本体45内に圧入する。円筒状部分の上方では先端キャップ46は普通、円錐部分76を構成する。小さな延長部77が円錐部分76の先端から突き出ている。突出部77はカテーテル本体12が延出する軸方向孔を有し、例えば接着剤などで円錐部分76に固定取り付けされている。
【0038】引抜きワイヤー31の各々はカテーテル本体12の基端部から出て制御ハンドル14の先端キャップ46を介して制御ハンドル本体45の個別ピストン52まで延在する。引抜きワイヤー31の基端部を例えば上記設定ねじによってピストン52に固定する。この配置では、関連するボタンに対する圧力によりピストン52が長手方向に移動すると、そのピストン52に関連した引抜きワイヤー31が長手方向に移動し、その引抜きワイヤーの四分円の方向に先端部分13が撓むことになる。
【0039】引抜きワイヤー31がカテーテル本体12からピストン52のアンカー部位まで確実にスムースに移行するようにするために、引抜きワイヤー31はピストン52に入る前にある半径のそして次に他の半径のキャップ46から出る。第1の半径はキャップ46の孔のフレア部である。第2の半径は、制御ハンドル14の中心管腔48の先端部内に取り付けられるインサート79で形成される。インサート79はピストン52の先端部に隣接する外面を有する丸くした頭部を備えている。引抜きワイヤー31は、インサート79の頭部周囲のカテーテル本体から出て、それからピストンまで達する。丸くしたインサート79の頭部により引抜きワイヤー31がピストン52とその取り付け部位で一般に同軸になることが保障される。これはまた、弱体化し、潜在的破損につながる取り付け部位での引抜きワイヤー31の鋭い曲がりを防止する。
【0040】全く反対の引抜きワイヤー31の同時運動を防止し、さらに2本の隣接する引抜きワイヤーの同時運動を可能にするために、ハンドル内に可動ストッパー81が設けられている。このストッパー81は基端キャップ47からピストン52の傾斜面54近傍の場所まで遠位に延在する中心ポスト82から成る。ポスト82の先端部に、ピストン52の面と同様に傾斜した円錐面84を有する拡大頭部83がある。ポスト82は電極リード線36が通る軸方向孔がある。
【0041】1個のピストンを手前に動かすと、ピストンの傾斜面54がストッパー81の頭部83の円錐面84と係合してポスト82と頭部83が軸から離れる。もしも直径上に対峙したピストン52を手前に動かせば、頭部83の円錐面84がピストン52の傾斜面54と係合し、手前への動きを防止する。これは第1ピストンの位置によってポスト82と頭部83が第2ピストンの通路から出ることができないためである。従って、ストッパー81により直径上に対峙したピストンの各対の内の1個のピストンだけを1度に動かすことができる。
【0042】上記の実施形態では、電極リード線36を通すために中心管腔18を使用する。所望により中心管腔18を省略してもよい。そのような実施形態では1個以上の軸外管腔17は、圧縮コイル33と引抜きワイヤー31に加えて電極リード線36を収容するため十分に大きくなければならない。引抜きワイヤーと1個以上の電極リード線を取り囲む圧縮コイルを収容する管腔を設けるための好ましい方法が、1997年5月20日に出願されたWebster Jr. のナイロン補剛材と圧縮コイルを有する可撓性TIP電極カテーテルと題する米国特許出願に記載されている。なおこの開示を本明細書に参考文献として含める。そのような実施形態では、圧縮コイルが非導電性シースで被覆されてリード線との電気的接触を防止することが好ましい。さらに、圧縮コイルの基端部と先端部をカテーテル本体に固定している接着剤接合部の各々にトンネルを形成しなければならない。そのトンネルは電極リード線が接着剤接合部を通る手段となる。そのようなトンネルは例えば短いポリイミドチューブなどの部品で形成してもよい。
【0043】また、リード線36が1個以上の軸外管腔に収容されれば、中心管腔は流体、固体、装具など(例えば、医薬化合物、発育因子、ホルモン、遺伝子治療ベクタ、ー血管造影トレーサー物質あるいは血管造影装具)としてあるいは組織や流体サンプルの集約手段として使用することができる。
【0044】本発明の特に好ましい他の実施形態では、カテーテル本体は多数の軸外管腔より1個の中心あるいは軸方向管腔を備える。カテーテル10は図1に関してその外部特徴で前に説明したのと同様である。図11に示したこの好ましい実施形態ではカテーテル本体12は4本の引抜きワイヤー31が延在する1個の中心管腔90がある。そのカテーテル本体12は適切な材料から作ることができ、編込みステンレス鋼メッシュを入れたポリウレタン外壁91および内部が中心管腔90を形成する内補剛チューブ92から構成されることが好ましい。内補剛チューブ92はナイロンあるいはポリイミドなどの適切な材料から作ることができる。同程度の剛性が薄肉チューブで得られるために現在ではポリイミドが好ましい。
【0045】圧縮コイル33が上記のように各引抜きワイヤー31を包囲している。その圧縮コイルをカテーテル本体の基端部に固定して取り付ける。カテーテル本体12の先端部に少なくとも1個の反対対の圧縮コイルを、図12に示したようにポリウレタン接着剤接合部93などによってカテーテル本体に固定して取り付ける。トンネル94を電極リード線を通すために接着剤接合部に設ける。好ましいトンネルを、短く切った非導電性チューブ、好ましくは例えば1997年5月20日に出願されたWebster Jr. 出願に記載されているポリイミドチューブで形成する。図13および図14に示した好ましい実施形態では、対峙する少なくとも1対の圧縮コイルがカテーテル本体12とカテーテル先端部13との接合部を越えてそのカテーテル先端部まで延在し、接着剤接合面34によってカテーテル先端部の長さ方向に選択された場所に圧縮コイル33を固定して取り付ける。対峙する1対の圧縮コイルを第1の場所に先端部分の長さに沿って固定して取り付け、対峙する他方の対の圧縮コイルを第1の場所から遠い第2の場所に先端部分の長さに沿って固定して取り付けることが好ましい。特に好ましい実施形態では、第2の場所は第1対の引抜きワイヤー36の両先端部が先端部分13の壁に取り付けられている場所である。この構成により第2引抜きワイヤーで影響を受けない第1対の引抜きワイヤーの一方で一方向の第1曲線(カーブ)および第1引抜きワイヤーで影響を受けない第1曲線に対し90度の方向の、第1曲線より先端側の第2曲線が可能になる。優れたねじり特性と組み合わせると、この実施形態により医師がカテーテルを全方向に操作可能で、カテーテル本体の圧縮コイルから得た剛性のために所望の合成曲線を達成できる。
【0046】図12に示した実施形態では、トンネルを圧縮コイル33の中央に形成する。所望によりトンネル94を圧縮コイル33と管腔92の壁との間の場所に形成できることが分かる。接着剤接合部93間で、圧縮コイル33を非導電性シース95、好ましくはポリイミドチューブで被覆する。圧縮コイル33周囲にシースがあるのは、カテーテル本体の1個の管腔で電極リード線36と圧縮コイル33との間の電気的接触を防止する上で好ましい。このリード線36を、例えば図11で示したポリイミドチューブからなる非導電性シース95で覆うことも好ましい。
【0047】カテーテル先端部13は上記のように4個の軸外管腔を備えている。この先端部分13では引抜きワイヤーを個別の軸外管腔に分岐し、上記のように先端部分13の壁に固定する。同様に引抜きワイヤーの基端部を例えば上記制御ハンドルに取り付ける。
【0048】後者の好ましい実施形態では、圧縮コイルではなく引抜きワイヤーが、強いナイロンチューブなどを通して延在してもよいことが分かる。さらに、引抜きワイヤー36をカテーテル本体の軸の近くに保持すれば、上記実施形態では引抜きワイヤーが延在する圧縮コイル(あるいはナイロンチューブなど)を完全に省略することができる。
【0049】上記説明は本発明の現在好ましい実施形態に関して行なった。本発明が関連する当業者は、上記構造の変形および改造が本発明の原理、精神および範囲から有意に逸脱することなく実施できることが分かるだろう。
【0050】従って、上記説明は添付図面に例示された構造そのものにのみ関係するように解釈すべきではなく、最も完全で明瞭な範囲を有する添付特許請求の範囲に基づき、支持するものとして解釈すべきである。
【0051】本発明が適用される好適な実施態様は以下の通りである。
(1)前記引抜きワイヤーが、前記先端部分の長さに沿った少なくとも2つの異なった選択された場所の前記先端部分に固定される請求項1に記載の多方向性カテーテル。
(2)前記カテーテル本体が、前記先端部分の各軸外管腔と整合した軸外管腔を備える請求項1に記載の多方向性カテーテル。
(3)前記カテーテル本体が、引抜きワイヤーをその本体に対して手前の方向に移動する場合に発生する圧縮力に耐える手段を備える請求項1に記載の多方向性カテーテル。
(4)圧縮力に耐えるための手段が関連する引抜きワイヤーに関連し包囲する関係にある圧縮コイルからなり、各圧縮コイルが基端部と先端部を有し前記カテーテル本体の管腔を通して延在し、各圧縮コイルがその基端部で前記カテーテル本体の基端部に固定して取り付けられ、その先端部で前記カテーテル本体の先端部と前記カテーテル先端部分の基端部の一方に固定して取り付けられる実施態様(3)に記載の多方向性カテーテル。
(5)圧縮力に耐えるための手段が関連する引抜きワイヤーに関連し包囲する関係にある圧縮コイルからなり、各圧縮コイルが基端部と先端部を有し前記カテーテル本体の管腔を通して延在し、各圧縮コイルがその基端部で前記カテーテル本体の基端部に固定して取り付けられ、その先端部で前記カテーテル本体の長さに沿った選択された場所に固定して取り付けられる実施態様(3)に記載の多方向性カテーテル。
【0052】(6)前記先端部分が4個の軸外管腔を備える請求項1に記載の多方向性カテーテル。
(7)前記カテーテル本体が前記先端部分の軸外管腔と整合した4個の軸外管腔を備える実施態様(6)に記載の多方向性カテーテル。
(8)前記可動部材がスライド可能に移動できるピストンから成る実施態様(5)に記載の多方向性カテーテル。
(9)前記カテーテル本体が1個の管腔を備え、前記先端部分が4個の軸外管腔を備える請求項1に記載の多方向性カテーテル。
(10)前記先端部分がさらに中心管腔を備える実施態様(2)に記載の多方向性カテーテル。
【0053】(11)前記先端部分が少なくとも1個の電極を保持し、前記カテーテルが、前記カテーテル本体の管腔と前記先端部分の中心腔を通して前記制御ハンドルから延在しその関連する電極に電気的に接続される各電極と関連したリード線を備える実施態様(10)に記載の多方向性カテーテル。
(12)前記中心管腔が前記先端部分の先端部で開いている実施態様(10)に記載の多方向性カテーテル。
(13)前記カテーテル本体がさらに中心管腔を備える実施態様(12)に記載の多方向性カテーテル。
(14)前記カテーテル本体と先端部分の中心管腔に流体を通すための手段をさらに備える実施態様(12)に記載の多方向性カテーテル。
(15)前記4本の引抜きワイヤーの各々が、前記先端部分の先端部から同じ距離にある場所で前記先端部分に固定して取り付けられる請求項2に記載の多方向性カテーテル。
【0054】(16)前記引抜きワイヤーが直径上で対峙する第1対および第2対に分離され、前記第1対の引抜きワイヤーが、前記先端部分の先端部から第1の距離にある場所で前記先端部分に固定して取り付けられ、前記第2対の引抜きワイヤーが、前記先端部分の先端部から第1の距離より大きな第2の距離にある場所で前記先端部分に固定して取り付けられる請求項2に記載の多方向性カテーテル。
(17)前記4本の引抜きワイヤーの各々が前記先端部分の先端部から異なった距離にある個別の場所で前記先端部分に固定して取り付けられる請求項2に記載の多方向性カテーテル。
(18)圧縮力に耐えるための手段が、各引抜きワイヤーに関連する圧縮コイルから成り、各圧縮コイルが基端部と先端部を有し、前記カテーテル本体の個別管腔を通して、その管腔に延在する引抜きワイヤーに対し包囲する関係で延在し、各圧縮コイルがその基端部で前記カテーテル本体の基端部に固定して取り付けられ、その先端部で前記カテーテル本体の先端部と前記カテーテル先端部分の基端部の一方に固定して取り付けられる請求項2に記載の多方向性カテーテル。
(19)前記先端部分とカテーテル本体が各々さらに中心腔を備える請求項2に記載の多方向性カテーテル。
(20)前記先端部分が少なくとも1個の電極を保持し、前記カテーテルが、前記カテーテル本体と先端部分の中心腔を通して前記制御ハンドルから延在しその関連する電極に電気的に接続される各電極と関連したリード線をさらに備える実施態様(19)に記載の多方向性カテーテル。
【0055】(21)前記先端部分の中心管腔が前記先端部分の先端部で開いている実施態様(19)に記載の多方向性カテーテル。
(22)前記カテーテル本体と先端部分の中心管腔に流体を通すための手段をさらに備える実施態様(21)に記載の多方向性カテーテル。
(23)前記カテーテル本体と先端部分の中心管腔に装具を通すための手段をさらに備える実施態様(21)に記載の多方向性カテーテル。
(24)前記4本の引抜きワイヤーの各々が、前記先端部分の先端部から同じ距離にある場所で前記先端部分に固定して取り付けられる請求項3に記載の多方向性カテーテル。
(25)前記引抜きワイヤーが直径上で対峙する第1対および第2対に分離され、前記第1対の引抜きワイヤーが、前記先端部分の先端部から第1の距離にある場所で前記先端部分に固定して取り付けられ、前記第2対の引抜きワイヤーが、前記先端部分の先端部から第1の距離より大きな第2の距離にある場所で前記先端部分に固定して取り付けられる請求項3に記載の多方向性カテーテル。
【0056】(26)前記4本の引抜きワイヤーの各々が前記先端部分の先端部から異なった距離にある個別の場所で前記先端部分に固定して取り付けられる請求項3に記載の多方向性カテーテル。
(27)圧縮力に耐えるための手段が、各引抜きワイヤーに関連する圧縮コイルから成り、各圧縮コイルが基端部と先端部を有し、前記カテーテル本体の中心管腔を通して、その関連した引抜きワイヤーに対し包囲する関係で延在し、各圧縮コイルがその基端部で前記カテーテル本体の基端部に固定して取り付けられ、その先端部で前記カテーテル本体の先端部と前記カテーテル先端部分の基端部の一方に固定して取り付けられる請求項3に記載の多方向性カテーテル。
(28)圧縮力に耐えるための手段が関連する引抜きワイヤーに関連し包囲する関係にある圧縮コイルからなり、各圧縮コイルが基端部と先端部を有し前記カテーテル本体の管腔を通して延在し、各圧縮コイルがその基端部で前記カテーテル本体の基端部に固定して取り付けられ、その先端部で前記カテーテル本体の長さに沿った選択された場所に固定して取り付けられる請求項3に記載の多方向性カテーテル。
(29)前記先端部分がさらに中心腔を備える請求項3に記載の多方向性カテーテル。
(30)前記先端部分が少なくとも1個の電極を保持し、前記カテーテルが、前記カテーテル本体の中心腔と前記先端部分の中心腔を通して前記制御ハンドルから延在し、その関連する電極に電気的に接続される各電極と関連したリード線をさらに備える実施態様(29)に記載の多方向性カテーテル。
【0057】(31)前記先端部分の中心管腔が前記先端部分の先端部で開いている実施態様(29)に記載の多方向性カテーテル。
(32)前記カテーテル本体の中心管腔と前記先端部分の中心管腔に流体を通すための手段をさらに備える実施態様(31)に記載の多方向性カテーテル。
(33)前記カテーテル本体の中心管腔と前記先端部分の中心管腔に装具を通すための手段をさらに備える実施態様(31)に記載の多方向性カテーテル。
(34)前記ボタンが、前記ボタンとピストンとの間の前記スロットを通して延在するポストにより前記ピストンに接続され、前記スロットの長さに沿って前記ボタンを移動するのに要する圧力を調節する手段が、前記ボタンと前記ハウジングの外面との間で前記ポスト周囲に配置された、前記ボタンとハウジングに対し付勢力を供給するためのばねと、前記ボタンとハウジングに対する前記ばねの付勢力を調節するための手段から成る請求項4に記載の制御ハンドル。
(35)前記ボタンとハウジングに対する前記ばねの付勢力を調節するための手段が、前記ピストンとボタンの一方のねじ孔にねじ止めする、前記ポストの少なくとも一端に設けたねじ山を有し、それによって前記ボタンを一方向に回転させることにより前記ポストを前記ねじ孔にねじ込み、それで前記ボタンとピストンとの間の距離を縮小させ、前記ボタンとハウジングに対する前記ばねの付勢力を増大させ、前記ボタンを反対方向に回転させることにより前記ポストを前記ねじ孔からねじをゆるめ、それで前記ボタンとピストンとの間の距離を増大させ、前記ボタンとハウジングに対する前記ばねの付勢力を低下させる実施態様(34)に記載の制御ハンドル。
【0058】(36)前記ボタンが、前記ボタンとピストンとの間の前記スロットを通して延在するポストにより前記ピストンに接続され、前記スロットの長さに沿って前記ボタンを移動するのに要する圧力を調節する手段が、前記ボタンと前記ハウジングの外面との間で前記ポスト周囲に配置されたOリングと、前記ボタンとハウジングに対する前記Oリングの付勢力を調節するための手段から成る請求項4に記載の制御ハンドル。
(37)前記ボタンとハウジングに対する前記Oリングの付勢力を調節するための手段が、前記ピストンとボタンの一方のねじ孔にねじ止めする、前記ポストの少なくとも一端に設けたねじ山を有し、それによって前記ボタンを一方向に回転させることにより前記ポストを前記ねじ孔にねじ込み、それで前記ボタンとピストンとの間の距離を縮小させ、前記ボタンとハウジングに対する前記Oリングの付勢力を増大させ、前記ボタンを反対方向に回転させることにより前記ポストを前記ねじ孔からねじをゆるめ、それで前記ボタンとピストンとの間の距離を増大させ、前記ボタンとハウジングに対する前記Oリングの付勢力を低下させる実施態様(36)に記載の制御ハンドル。
(38)前記ハウジングが外壁の対峙側面に1対の長手方向スロットをさらに備え、各ピストンが1個の長手方向スロットに関連し、各ピストンを前記ハウジング内で長手方向に移動させるための前記手段が、前記長手方向スロットを介して前記ピストンに接続された、前記ハウジングの外面に設けたボタンから成り、前記ボタンがそのボタンにかかる手動圧力に応じて前記スロットの長さに沿って移動可能であり、それにより前記スロットの長さに沿って前記ボタンの移動により前記ピストンが長手方向に移動し、対峙する両方のピストンを長手方向に同時に移動しないようにするための前記手段が、対峙するピストンの1個を長手方向に移動させる第1の場所と対峙するピストンの1個を長手方向に移動させない第2の場所との間を移動可能なストッパーから成る請求項5に記載の制御ハンドル。
(39)対峙するピストンの1個の長手方向の移動により前記ストッパーは第1の場所から第2の場所へ移動し、他方の対峙するピストンの長手方向の移動を防止する実施態様(38)に記載の制御ハンドル。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明による多方向性カテーテルによれば、アクセスが困難な心臓内の乳頭筋などの障害物周囲にもその先端部分を確実に到達させることができる。
【出願人】 【識別番号】598072766
【氏名又は名称】コーディス・ウェブスター・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Cordis Webster,Inc.
【住所又は居所原語表記】4750 Littlejohn Street,Baldwin Park,California 91706,United States of America
【出願日】 平成10年(1998)9月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開平11−188102
【公開日】 平成11年(1999)7月13日
【出願番号】 特願平10−265763