| 【発明の名称】 |
殺菌脱臭ガス供給装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青柳 耕平
【氏名】藤田 佐内
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| 【要約】 |
【課題】保管、取扱、補給等が容易で安全かつ簡易な殺菌脱臭ガス供給装置ならびに殺菌、脱臭システムを提供することを課題とする。
【解決手段】殺菌性、滅菌性、消毒性、防腐性、防菌性、殺虫性、防虫性、脱臭性、消臭性を有する薬剤であって、ゲル状の薬剤を収納するゲル状薬剤容器と、加熱空気送風手段と、該加熱空気送風手段に連結されかつガス吐出部を備えた送風路であって、前記加熱空気送風手段との連結部と前記ガス吐出部との間に前記ゲル状薬剤容器が着脱可能に連結された送風路と、を有する殺菌脱臭ガス供給装置であり、また、この殺菌脱臭ガス供給装置から送り込まれ、被殺菌脱臭対象を通過した後の排気中の安定化二酸化塩素成分を吸着する吸着手段を前記殺菌脱臭ガス供給装置と組み合わせた殺菌脱臭システムである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 殺菌性、滅菌性、消毒性、防腐性、防菌性、殺虫性、防虫性、脱臭性、消臭性を有する薬剤であって、ゲル状の薬剤を収納するゲル状薬剤容器と、加熱空気送風手段と、該加熱空気送風手段に連結されかつガス吐出部を備えた送風路であって、前記加熱空気送風手段との連結部と前記ガス吐出部との間に前記ゲル状薬剤容器が着脱可能に連結された送風路と、を有することを特徴とする殺菌脱臭ガス供給装置。 【請求項2】 前記ゲル状の薬剤が安定化二酸化塩素であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌脱臭ガス供給装置。 【請求項3】 前記送風路は、内部に隔壁が形成され、前記ゲル状薬剤容器への加熱空気吹き込み口と該ゲル状薬剤容器からのガス吹き出し口を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の殺菌脱臭ガス供給装置。 【請求項4】 前記加熱空気送風手段との連結部または送風路のいずれかに風向変更手段が配設されたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の殺菌脱臭ガス供給装置。 【請求項5】 前記加熱空気送風手段から前記ゲル状薬剤容器に吹き込まれる空気に酸性ガスを混入することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の殺菌脱臭ガス供給装置。 【請求項6】 前記送風路のガス吐出部付近にオゾン発生器を付加したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の殺菌脱臭ガス供給装置。 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の殺菌脱臭ガス供給装置から送り込まれ、被殺菌脱臭対象を通過した後の排気中の安定化二酸化塩素成分を吸着する吸着手段を組み合わせたことを特徴とする殺菌脱臭システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル化した殺菌、殺虫、脱臭等のための薬剤から殺菌、脱臭性のガスを簡易かつ安定に供給するための殺菌脱臭ガス供給装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】殺菌性、殺虫性、脱臭性等を有する薬品類は種々存在するが、殺菌、殺虫、脱臭等のためには、これらの薬品をそのまま或いは希釈した溶液や粉末の状態でスプレーや噴霧器を使用して行われている。 【0003】このような方法では、散布のための専用のスプレーや噴霧器を別途用意し、これらに薬剤を充填する等の手間が必要となり、特に薬剤の充填作業においては人的被害が発生することもあり、また、これらの薬剤の中には残留性等の理由からその使用が制限されるものもある。そこで、安全、簡易かつ安定に殺菌、殺虫、脱臭等のできる方法、装置が望まれている。 【0004】また、殺菌、消臭・脱臭等のための薬品類には、例えば、消臭のために芳香剤を添加することによって悪臭を、例えば活性炭、活性白土、シリカゲル等を用いて吸着または中和するようなものも多数存在する。しかしながら、このような吸着または中和するものは、有効に機能する期間に限度があり次第に効果が薄くなる欠点がある。また、これらは殺菌効果は期待できない。 【0005】そのため、寝具類、衣類、病室、救急車の車内等には、安定化二酸化塩素(ClO2 )溶液を蒸発させたものも広く使用されている。安定化二酸化塩素は、漂白作用があることが古くから知られており、その製法も数多くの方法が実施されている。しかし、工業的に製造された高濃度の二酸化塩素は強力な酸化剤となり、他物質と反応して高濃度の塩素を発生したり、または爆発の危険性も否定できない。 【0006】そこで、危険性が低く取扱が容易である二酸化塩素としてバイオキサイド社開発にかかる安定化二酸化塩素水溶液の4%水溶液が供給されており、用途に応じて適宜希釈して使用されている。 【0007】安定化二酸化塩素溶液を気化させた二酸化塩素ガスは、強烈な刺激臭等がなく安全であるにもかかわらず、対象物に接触させることによって高い殺菌、消臭、消毒効果を発揮する。各種のバクテリア、黴類、病原菌類に対するその殺菌、消臭等の効果は著しく、短時間でその目的を達成することができる。また消臭効果も著しく、化学的物質臭や腐敗臭に対する消臭効果が大きくさらに悪臭発生原因である微生物の繁殖自体を阻止する効果もある。 【0008】このような優れた特徴を有する二酸化塩素ではあるが、通常は水溶液のため、運搬、取扱、補充等に配慮が必要であり、気化装置が複雑化する欠点があった。また、このような安定化二酸化塩素水溶液を多孔物質であるゼオライト等に吸着せしめて粉・粒状体として使用することもあるが、安定に長期間放出させるには適さない。さらに、活性剤として、アルカリ発生装置を併用する必要がある等、使用上の制限もあった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術の諸事情、特に高い殺菌、脱臭効果を有する二酸化塩素ガスに着目してなされたものであり、保管、取扱、補給等が容易で簡易かつ安全な殺菌脱臭ガス供給装置を提供することを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の課題は、図1に示すように、殺菌性、滅菌性、消毒性、防腐性、防菌性、殺虫性、防虫性、脱臭性、消臭性を有する薬剤であって、ゲル状の薬剤を収納するゲル状薬剤容器30と、加熱空気送風手段10と、該加熱空気送風手段10に連結されかつガス吐出部22を備えた送風路であって、前記加熱空気送風手段10との連結部21と前記ガス吐出部22との間に前記ゲル状薬剤容器30が着脱可能に連結された送風路20と、を有する殺菌脱臭ガス供給装置によって解決される。 【0011】特に本発明においては、前記薬剤としてゲル状の安定化二酸化塩素を使用し、高い殺菌と共に脱臭、消毒効果を有する二酸化塩素ガスを供給することにより、本発明の課題をより確実に解決することができる。したがって、以下の説明においては本発明に係るゲル状の薬剤を安定化二酸化塩素とし、ゲル状薬剤容器30をゲル状二酸化塩素容器30として説明する。 【0012】また、図2に示すように、本発明にかかる前記送風路20は、その内部に内部空間を2分する隔壁24を形成し、ゲル状二酸化塩素容器30への加熱空気吹き込み口25Iと該ゲル状二酸化塩素容器30からのガス吹き出し口25Oを備えた構成とすることができる。このような構成によれば、加熱空気送風手段10からの空気は先ず加熱空気吹き込み口25Iを通過して前記ゲル状二酸化塩素容器30に入り、該容器30に収納されるゲル状二酸化塩素と接触し二酸化塩素ガスを含む空気はガス吹き出し口25Oを通過してガス吐出部22から吐き出される。これにより吐き出される空気に含まれる二酸化塩素成分を増量することができる。 【0013】図3に示すように、前記加熱空気送風手段10の連結部21または送風路20のいずれかに風向変更手段26を配設することができる。これにより前記ゲル状二酸化塩素容器30に収納されるゲル状二酸化塩素から気化される二酸化塩素ガスの量を調節でき被殺菌・消臭対象の種類、量、スペースの大小等により適宜対応が可能となる。 【0014】本発明においては、前記加熱空気送風手段10から前記ゲル状二酸化塩素容器30に吹き込まれる空気に酸性ガスを混入させることができる。ここで用いる酸溶液の酸としてはpH4程度に調整されたクエン酸が好ましい。これにより、吹き出されるガスに含まれる二酸化塩素成分を増量することができる。 【0015】また、前記送風路20のガス吐出部22付近にオゾン発生器を付加することができ、これにより殺菌効果を更に増強することができる。 【0016】さらに、図1乃至図4に示すように、本発明にかかる前記殺菌脱臭ガス供給装置から送り込まれ、被殺菌脱臭対象を通過、処理した後の排気中の安定化二酸化塩素成分を吸着する吸着手段40を組み合わせた殺菌脱臭システムを構成することができる。 【0017】なお、図4に示すように、本発明にかかる送風路は、前記加熱空気送風手段10からの空気をゲル状二酸化塩素容器330に直接吹き込む連結部321と、該連結部321からの空気が該容器330に収納されるゲル状安定化二酸化塩素と接触し安定化二酸化塩素ガスを含む空気を吐き出すガス吐出部322とにより構成することができる。これにより本発明の装置全体を小型化することができる。 【0018】前記加熱空気送風手段10は、送風ファン12とヒーター13とを備えたものであり、適宜温度に加熱された空気を送出するものである。この場合、送出空気の温度は常温であってもよく、適宜範囲で調節可能である方が望ましい。また、送風ファン12の容量は、使用目的に応じて適宜選定されるべきものである。 【0019】このような本発明によれば、装置が極めて簡易であり、安全性に優れているのみならず、ゲル状の二酸化塩素から気化された霧状でない有効濃度の安定化二酸化塩素ガスを被殺菌脱臭対象に吹き付けるために、該ガスが隈なく侵入し殺菌脱臭効果を発揮することができ、被殺菌脱臭対象には二酸化塩素成分の残留はなく、そのため被殺菌脱臭対象を腐食するおそれがない。 【0020】このような構成の本発明にかかる殺菌脱臭ガス供給装置から吐き出される殺菌脱臭ガスは、気密性材質の袋、箱、プラスチックカバー等を介して又は直接に寝具、マットレス、衣類、履物等々に吹き付けられる。また、製粉工場等の食品製造工場、病室や救急車内部等の一定のスペースに対しても放出できる。更には、布団、エアマットに放出することにより床ずれ防止にも適用できる。 【0021】 【発明の実施の形態】本発明にかかる殺菌脱臭ガス供給装置を具体的に開示するに先立ち、本発明において使用する薬剤について説明する。本発明においては、殺菌性、滅菌性、消毒性、防腐性、防菌性、殺虫性、防虫性、脱臭性、消臭性を有する薬剤として、前記安定化二酸化塩素の他、ホルマリン、クレゾール、フェノール、DDT、パラチオン、消毒用エタノール等々、病原菌の殺菌や農業用の殺菌・殺虫等に使用される各種薬剤を適用することができる。このように本発明においては従来使用されている殺菌剤等であれば何でもゲル状にして使用できるものであるが、ここでは前記薬剤としてゲル状にした安定化二酸化塩素を使用する場合に限って説明することとする。 【0022】そこで、主要成分である安定化二酸化塩素について説明する。ここで使用されるゲル状二酸化塩素は、例えば寒天、ゼラチン等に架橋剤を混入してゲル化する方法等の周知手段により製造することができる。二酸化塩素の化学的性質として、二重結合部分並びにベンゼン核等には強く反応し、その他シアン化合物、硫化水素、蛋白質等とも反応するが、脂肪酸アミン類、多糖類、飽和脂肪酸、並びに、フマール酸、マレイン酸等の不飽和脂肪酸とは反応し難いことが知られている。 【0023】かかる性質を利用し、飽和脂肪酸、例えばステアリン酸、パルミチン酸と、不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸等のナトリウム塩と、ゼラチンとを混合したゲル化剤を利用し、安定化二酸化塩素水溶液をゲル状化することができる。 【0024】このゲル状安定化二酸化塩素からの蒸発速度は、ゲル化剤に含有させるエチルアルコールの量と容器の蒸発面積によって調節可能であるが、当然、温度によっても左右される。なお、安定化二酸化塩素はpH度によって変化するが、pH9程度が最も安定しているため、アルカリ性物質を適宜添加することによりpH9程度に保持することが望ましい。 【0025】ゲル状化された安定化二酸化塩素は、水溶液に比して保管、輸送、取扱い等にとって有利であり、小形容器において安全に利用することができる。本発明においては、このようにゲル状化された安定化二酸化塩素をカートリッジ式の容器に充填して利用する。 【0026】次に、本発明を具体化する実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明にかかる殺菌脱臭ガス供給装置の基本構成例を示すものである。10は加熱空気供給手段であり、フィルタ11、送風ファン12、加熱用ヒーター13等から構成される。なお、この加熱空気送風手段10には適宜、温度調節器14、いずれも図示しない風量調節器や作動タイマーを装備することができる。 【0027】フィルタ11は吸入空気の塵埃を除去するものであり、送風ファン12は吸入空気を加熱用ヒーター13側に強制的に送り込むものである。これらの容量、性能等は用途、装置サイズ等に応じて適宜選定される。 【0028】前記加熱用ヒーター13には周囲温度、使用目的等に応じて送出する空気温度を調節する温度調節器14が付加されていると都合がよい。ヒーター13の種類は、セラミックヒーター、抵抗線ヒーター等いずれでもよく特に制限されない。加熱温度は用途、規模等によって異なるが、一般にガス吐出口において20℃〜70℃程度が望ましく、好ましくは40℃〜60℃が好都合である。なお、この温度は常温であってもよい。 【0029】20は送風路であり、一方端が加熱空気送風手段10の送風口と連結部21に連結されており、他端がガス吐出部22を形成している。この送風路20の下方には、後述するゲル状化された安定化二酸化塩素(ゲル化ClO2 )を収納する容器30を連結するための連結部23が形成されている。ガス吐出部22は、破線で示した被殺菌・消臭対象に向けて有効濃度の安定化二酸化塩素ガスを放出するものである。なお、送風手段10の送風口と連結部21、被殺菌・消臭対象へのガス放出口とガス吐出部22との間は必要に応じて適宜長さのパイプにより連結することができる。 【0030】30はゲル状化された安定化二酸化塩素の収納容器であり、前述のようにして用意されたゲル状安定化二酸化塩素を収納するものである。このようなゲル状安定化二酸化塩素は、使用にしたがって蒸散してゆき消耗するものであるから、内容の減少に応じて適宜交換する必要がある。そのため、ゲル状安定化二酸化塩素収納容器30は送風路20の前記連結部23に着脱自在なカートリッジ式として構成されていることが望ましい。なお、サイズ、形状等も特に制限されないが、流通加熱空気との接触面積が蒸散効率に影響を与えることを考慮し、蓋側を幅広に構成すると都合がよい。 【0031】この実施の形態においては、前記収納容器30を筒状の容器とし、蓋部分にねじを形成し送風路20の連結部23に形成されるねじに嵌合させねじ止めするように構成している。したがって、ゲル状安定化二酸化塩素の補給、該収納容器の交換は容易に行える。なお、この収納容器30の形状は任意であり、また、送風路20との連結はねじ止めに限られず例えばフック等による吊り下げタイプ等としてもよい。 【0032】また、本発明においては、取扱の便宜を考慮して酸溶液をゲル状にし、これを収容した容器を送風路20の加熱空気受入れ口の付近に配設して、加熱空気送風手段10からの送風により、前記加熱空気送風手段10から前記ゲル状二酸化塩素容器30に吹き込まれる空気に酸性ガスを混入させることができる。この場合、酸溶液をゲル状にして収容した容器を連結部21または送風路20の加熱空気受入れ口の付近に配設し、これに加熱空気送風手段10からの温風を接触させることにより酸性ガスを発生せしめ、容器30に吹き込まれる空気に酸性ガスを混入させる。なお、ゲル状にしていない酸溶液を収容した容器から酸性ガスを発生させる構成とすることもできる。 【0033】ここで用いる酸溶液における酸としては、揮発性の有機酸が好ましく、毒性、臭気等を考慮すればクエン酸または酢酸が好ましい。この酸溶液はアルカリによってpHを調整されたものが好ましく、例えばクエン酸溶液は、pH2〜5、更に好ましくはpH3乃至pH4程度が好ましい。このように調整された酸はゲル状安定化二酸化塩素からの二酸化塩素ガスの遊離を促進し、吹き出されるガスに含まれる二酸化塩素成分を増量することができる。 【0034】図1における参照符号40は、安定化二酸化塩素の吸着手段を示すものであり、破線で示した被殺菌・消臭対象内を通過した作用ガスの成分を吸着して、排気放出空間における安定化二酸化塩素濃度が所定値以上にならないように調節するものである。大気放出が可能な状況下においては不可欠ではないが、通常の用途においては、殺菌脱臭ガス供給装置およびこの吸着手段の両者相まって殺菌脱臭システムを形成する。 【0035】このような殺菌脱臭ガス供給装置による被殺菌・脱臭対象としては、気密性材質の袋、箱、プラスチックカバー等に収納された寝具、マットレス、衣類、履物等々をはじめ、病室や救急車内部等の一定のスペースが挙げられる。また、本発明による有効濃度の殺菌脱臭ガスを布団、エアーマットに放出することにより床ずれ防止に適用することもできる。 【0036】この場合、殺菌脱臭ガス供給装置の作動時間を予め設定し、被殺菌・脱臭対象の種類、量、収納袋等や病室等のスペースの大小により作動時間を制御するタイマーを加熱空気送風手段10に設けると都合がよい。 【0037】上述の袋内の対象物に対する使用や室内の使用にあたっては室内等に残留するガス成分の人畜に対する悪影響を回避するために、前記のような吸着手段40を使用することが望ましい。通常は、排気内の安定化二酸化塩素濃度が0.1ppm以下となるように配慮される。吸着手段40の中身は、例えば、活性炭、動物骨粉を主材としたセラミック成形体、該成形体を含有させた紙・不織布等、または有機酸類のような中和剤等とすることができる。 【0038】なお、ゲル状安定化二酸化塩素の蒸発は、前述のように吹きつけられる空気の量や接触面積の大小、空気温度等によって変化する。このような蒸発状態を変化せしめることによって、安定化二酸化塩素濃度を変えることができる。そのため加熱空気送風手段10に風量調節器を設けると都合がよい。最も簡易な方法は、ファン12の回転数および加熱ヒーター13に付属する温度調節器14により送風路20内の空気流量および温度を変更するものである。特に周囲温度の変化や使用目的に応じて微調整する場合に有効である。 【0039】図2は本発明にかかる送風路の他の構成例を示すものであり、図(A)は側面図、図(B)は平面図である。図に示すように、送風路120には送風路内部空間を2つに分割する隔壁24が形成されており、加熱空気送風手段10側の空間の下方には該送風手段10からの空気を前記ゲル状二酸化塩素容器30へ吹き込む加熱空気吹き込み口25Iが形成され、ガス吐出部22側の空間の下方には該ゲル状二酸化塩素容器30からのガスを吹き出すガス吹き出し口25Oが形成されている。 【0040】このような構成によれば、加熱空気送風手段10からの空気は、送風路120内部の一方の空間から加熱空気吹き込み口25Iを通過して前記ゲル状二酸化塩素容器30に入り、該容器30に収納されるゲル状安定化二酸化塩素と接触し二酸化塩素ガスを含む空気はガス吹き出し口25Oから他方の空間を通過してガス吐出口22から吐き出される。そのため吐き出される空気に含まれる二酸化塩素成分を増量することができ、例えば汚染度の高い病院において使用された衣類、医療器具等の殺菌脱臭に有効である。 【0041】図3は、本発明にかかる送風路の更に他の構成例を示すものである。送風路220内の適宜位置、例えば加熱空気受入れ口の付近に風向変更手段としての邪魔板26を設け、空気送風方向を変更調節することにより、安定化二酸化塩素表面に衝突する加熱空気の量を調節し、安定化二酸化塩素ガスの気化を制御するものである。 【0042】この場合、前記邪魔板26は、付記した両頭矢印のように調節可能に構成し、ゲル状安定化二酸化塩素からの気化量を増減することができるので、ガス吐出部22からのガスに含まれる二酸化塩素の濃度を変更することができる。したがって、被殺菌・消臭対象の種類、量、スペースの大小等により適宜対応が可能となる。 【0043】図4は、本発明の装置全体を小型化するための送風路の他の構成例を示すものである。図に示すように、この構成例にかかる送風路320は、前記加熱空気送風手段10からの加熱空気をゲル状安定化二酸化塩素を収納する容器330に直接吹き込む連結部321と、該連結部321から送り込まれる空気が該容器330に収納されるゲル状安定化二酸化塩素の表面に衝突し二酸化塩素ガスを含む空気を吐き出すガス吐出部322とにより構成される。 【0044】この場合、該容器330は前述の構成例における容器30よりも小さく、連結部321、ガス吐出部322も細いホースが使用され、加熱空気送風手段10も容量の小さい小型機種を採用することができる。また、加熱空気送風手段10と連結部321とを連結する適宜長さのホース323、被殺菌脱臭対象への放出部とガス吐出部322とを連結する適宜長さのホース324もビニール、ゴム等の材質とすることができる。このように構成することにより、少量の安定化二酸化塩素ガスを安定して供給できるので、特に前述したエアーマット等に供給して床ずれ防止用として好適であり、また、使用した靴内部や簡易ロッカー等の殺菌脱臭に好都合である。 【0045】本発明にかかる殺菌脱臭ガス供給装置の用途は、前述のエアーマット、寝具類、衣類、病室、救急車内部等の他、居住空間、店舗、事務室、食品工場、コンピュータルーム、ロッカー、倉庫等の病害虫の殺菌・防除・消臭、列車・バス・航空機等の輸送機関室・機内等、ビニールハウス内、冷蔵庫、衣類乾燥機等々の滅菌消毒・消臭等に用いることができる。その他、履物、スポーツ用品、かつら・衣装類、ぬいぐるみ等、洗濯や消毒が容易ではない物品類自体またはこれらの収納部等にも有利である。 【0046】このような各種用途に適合せしめるために、そのサイズ、容量、形状等についてはそれぞれ適宜変更することができる。図1乃至図4の実施の形態では説明の便宜上、加熱空気送風手段10、送風路20、120、220、320とガス吐出部22、322が直線状に配置され、下方にゲル状安定化二酸化塩素容器30、330を下方に配置しているが、これに限定されるものではなく容積を節減するために適宜部位で折り返す送風路を採用することができる。また、連結部21、ガス吐出部22は折り曲げ可能な例えば蛇腹付きのホースを採用して上下左右に自由に向きを変えることができ、連結部21、ガス吐出部22には別途延長用のホースを連結することができる。 【0047】さらに、大形航空機や倉庫等での使用を対象とするものと、事務所用、店舗用、家庭用等でその容量が異なることは当然である。また、用途に応じては、付加的機能、例えば脱臭・消臭にとって効果のあるオゾン発生装置、紫外線照射装置等をも組み合わせることができる。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる殺菌脱臭ガス供給装置によれば、安定化二酸化塩素ガスの発生源がゲル状安定化二酸化塩素であるため、ミスト、霧状体または水滴等を含まない完全なガス状体である。したがって、被殺菌脱臭対象の隅々まで到達せしめることができる。さらに、被殺菌脱臭対象の汚損、腐食、変質等が生じない。 【0049】また、安定化二酸化塩素がゲル状であるため手軽に取り扱えるカートリッジ式とすることができ、保管、運搬、交換が容易である。さらに水溶液を使用する場合に比して、装置が簡潔となり、経済的にも優れたものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591271313 【氏名又は名称】株式会社サンシ−ル 【識別番号】000224329 【氏名又は名称】藤田 佐内
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】川浪 薫
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| 【公開番号】 |
特開平11−285525 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−76467 |
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