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【発明の名称】 ギブス用テープ
【発明者】 【氏名】ロバート・イー・リチャード

【氏名】リチャード・グリーン

【氏名】ランガ・ランガナサン

【要約】 【課題】改善された作業性および成形性を有し、患者への適用に対して良好な適合性と一致性を呈する整形ギブス用テープを提供する。

【解決手段】ポリウレタン整形用テープにおいて、メタリン酸カリウムのようなクロール塩とナトリウム塩との組み合わせから成る混合物を添加してポリウレタンのタック性を調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水反応性のプレポリマー樹脂を塗布した柔軟性を有する基材から成り、当該樹脂がアルカリ金属クロール塩を含有しており、当該アルカリ金属クロール塩がナトリウム塩と反応して水との接触時に潤滑性を有するフィルムを形成することを特徴とする整形ギブス用テープ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良された整形ギブス用テープに関する。具体的には、本発明のギブス用テープは改善された作業性および成形性を提供し、これらの特性によって、ギブス用テープの患者へのより良好な適用と、結果として得られるギブスの患者の手足へのより良好な適合と一致を可能にする。また、本発明のギブス用テープにおけるタック調整剤の使用は当該ギブス用テープにより形成されるギブスの物理的特性を改善する。
【0002】
【従来の技術】パリス(Paris)ギブス材によるギブスは体の構成要素または手足を一時の間固定するために用いられている。しかしながら、このパリス(Paris)包帯材によるギブスは、基材上にポリマー材料を用いる合成ギブス用テープまたは包帯によって補われ、場合によっては、これに置きかえられている。この好ましいポリマー材料は水作用型または水反応性のポリウレタン組成物である。このポリウレタン材料は他のポリマー合成ギブス材料に大幅に取って変わっている。これらのポリウレタンギブス材料は、米国特許第4,376,438号、同第4,411,262号および同第4,433,680号に開示される種類のものである。
【0003】また、上記合成ギブス材料において使用される繊維状基材は通常ポリエステルまたはファイバーグラスである。編み込まれた基材が最も一般的ではあるが、織り込んだ基材も使用されている。ファイバーグラス材料は仕上げギブスの強度の点で有利であり、ファイバーグラス繊維の種々の構成が当該合成ギブス用テープの基材に用いられている。米国特許第3,686,725号、同第3,787,272号および同第3,882,857号は整形ギブスの使用に特に適するファイバーグラス基材を作成するための特別なファイバーグラス材料またはファイバーグラス繊維の処理方法を開示している。
【0004】また、米国特許第4,323,061号はグラスファイバーと、綿、亜麻、レーヨン、ウール、アクリル樹脂、ナイロン、テフロン(Teflon)またはポリエステルのような第2の繊維との組み合わせにより形成されるギブス基材を開示している。この基材における第2の繊維の目的は当該基材上に硬化可能な樹脂を保持するためである。
【0005】さらに、延伸性および非延伸性繊維を組み合わせて構成された、改良された適合性を有するギブス用テープが米国特許第4,668,563号、同第4,940,047号、同第5,027,804号、同第5,256,14号、同第5,382,466号および同第5,403,267号に開示されている。
【0006】また、米国特許第4,667,661号、同第4,774,937号および同第4,937,146号は水硬化性ポリウレタン樹脂のタック性(粘着性)を減少して患者の手足へのギブス用テープの成形を容易にするための、ギブス用テープにおいて使用される水硬化性材料への添加剤としての種々の潤滑材の使用を開示している。さらに、潤滑作用を生じるための水硬化性プレポリマー自体の改質も開示されている。このような潤滑材はギブスを患者に適用する際にギブス用テープの連続層の間の貼り合わせをある程度調整する。すなわち、不適切な貼り合わせによって、仕上げギブスが所望の強度特性よりも劣るものになる可能性があるからである。
【0007】さらに、米国特許第5,061,555号および同第5,180,632号はプレポリマーがタック性減少剤として親水性ビスウレタンを含有するギブス用テープを開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、調整されたタック性、すなわち、ギブスの長さ方向に沿って、または、ギブス用テープを施す接線方向に減少し、かつ、当該ギブス用テープを施す方向に対して垂直方向に正常な高いタック性を有するギブス用テープを提供することを目的とする。この接線方向のタック性の減少によって、患者の手足にギブス用テープを成形するのが容易になり、しかも、患者に当該ギブス用テープを施す際に、ギブス用テープの隣接層間のタック性または接着をほとんど干渉しない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のタック性減少仕様において有効な無機塩はアルカリ金属のクロール(Kurrol)塩とナトリウム塩の組み合わせである。このアルカリ金属クロール塩の典型例はメタリン酸カリウムであり、ナトリウム塩の典型例は塩化ナトリウムである。
【0010】本発明のギブス用テープの基材は、ファイバーグラス繊維のような高い靱性の繊維とポリエステル繊維のような低い靱性の繊維の連続フィラメントの組み合わせ、または、ファイバーグラスおよびポリエステル繊維と上述の特許において記載されるような延伸性繊維の組み合わせを用いて構成、すなわち、織り込まれ、または、編み込まれている。上記のプレポリマーはギブス用テープに一般に用いられるプレポリマーの任意のものでよく、特に、米国特許第4,433,680号に記載される触媒を使用するプレポリマーが好ましい。
【0011】本発明は、水反応性ポリウレタンに基づく整形ギブス用テープの仕様特性を改良するために、Kurrol塩と称される種類のアルカリ金属塩を用いる。このKurrol塩は高分子量で、環状構造を有するメタリン酸塩であり、実験式がMPO3 であって、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムのようなアルカリ金属である。これらのうちで、カリウム塩が本発明において好ましい。このアルカリ金属Kurrol塩は一般に水溶性ではないが、異なる金属塩を用いて異なるカチオンを供給するイオン交換により可溶性にすることができる。この場合、高い水溶性を有するナトリウム塩が好ましい可溶化塩である。可溶化後、これらの化合物はポリウレタンプレポリマーの表面上に介在物(interface)を形成し、これによって、ギブス用テープの患者への適用が容易になる。
【0012】上記Kurrol塩の可溶化は幾つかの方法において行なうことができる。すなわち、Kurrol塩と異なるカチオンを含む第2の塩との混合液を作成してプレポリマーに供給するか、当該プレポリマーとさらに混合するか、あるいは第2の塩を、例えばギブス用テープの活性化に用いる浸漬水を介する導入等によって、後で供給することもできる。また、上記第2の塩を、患者への供給時にギブス用テープを取り扱うための手袋の被覆材のような他の伝達手段によりプレポリマーを含有するKurrol塩に導入することも可能である。
【0013】本発明において有用なカリウム塩はメタリン酸カリウムである。また、有用なナトリウム塩は塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸三塩基ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびポリアクリル酸のナトリウム塩を含む。さらに、これらのナトリウム塩を含有する発泡材料もまた使用できる。
【0014】上記の塩をプレポリマーに混合または添加する場合は、これらは一般に1%乃至99%のナトリウム塩と99%乃至1%のカリウム塩の量で使用される。この混合した塩はプレポリマーを基材に塗布する前に当該プレポリマーに加えてもよく、また、プレポリマーと同時に基材に加えることもできる。さらに、プレポリマーに添加する混合塩の合計の量はプレポリマーの重量に対して約1重量%乃至約5重量%である。これらの塩の一方を浸漬水に添加する場合は、ナトリウム塩を当該浸漬水に添加するのが好ましい。なお、この塩は浸漬水に対して約0.1重量%乃至約10重量%の量で添加できる。
【0015】上記の塩によるギブス用テープの接線方向に沿う潤滑性に関する作用硬化は米国特許第4,667,661号および同第4,774,937号に記載される動摩擦係数(Kinetic Coefficient of Friction)検査により検査できる。上記特許において定められるように、上述のギブス用テープの動摩擦係数は、浸漬水へのギブス用テープの浸漬後30秒で計測した場合に、1.2より小さいことが必要である。本発明のギブス用テープはこのような動摩擦係数特性を有していないが、それらは大幅に減少された接線方向のタック性も有しておらず、このために、上記の塩を含有しない同様のテープに比して、はるかに成形処理が容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に説明する実施例において、KPO3 (非水溶性)および上記の塩(水溶性)を混合して樹脂に同時に加えることもできる。すなわち、これらの塩を水に浸漬すると、溶けた塩がKPO3 と相互作用して非タック特性が生じる。さらに、以下の実施例においては、米国特許第4,667,661号および同第4,774,937号に開示される方法を用いて動摩擦係数測定を行なった。また、使用した装置は40インチ/分で走行するSintech MTS 2/Gまたは50インチ/分で動作するInstron モデル1122(共にMTS更新システムを備えるか備えていない)のいずれかである。
【0017】離層強度測定を米国特許第5,273,802号に開示される方法を用いて行なった。使用した装置は50インチ/分で動作するInstron モデル1122(MTS更新システムを備えている)のいずれかである。
【0018】圧縮強度測定を12インチ/分の変形速度で動作するSintech MTS 2/Gを用いて行なった。華氏±75℃においてギブス用テープ包帯を水に浸漬し、水面下で4回乃至5回軽く圧搾した後に、2.75インチのマンドレル上で必要個数の層を包装することによって5個の層圧縮用円筒体を作成した。これらの円筒体をマンドレルから取り外した後に、関与の特定時間において試験した。報告の各日付点は4回の試験の最小値の平均である。
【0019】実施例1予め製造された包帯上にKPO3 およびNaClの50/50混合液(包帯上の樹脂に対して約5重量%)4グラムを塗布した。この包帯を水に浸漬して巻き取った時に、擦ると滑るが押圧するとタック性(粘着性)を示した。
【0020】実施例2包帯上にKPO3 およびポリリン酸ナトリウムの50/50混合液(包帯上の樹脂に対して約1.25重量%)1グラムを塗布した。この包帯を水に浸漬して巻き取った時に、擦ると滑るが押圧するとタック性を示した。
【0021】実施例3上記実施例の2個のシステムは塩化ナトリウムまたはポリリン酸ナトリウム(NaPO3 )xと共にKPO3 から成る構成について検討した。いずれの場合においても、KPO3 は当量のナトリウム化合物と混合されて、DELTA−LITE(登録商標)コンフォーマブルという名で販売されている市販のポリウレタンギブス用テープ上の種々の厚さの予備塗布物上に散布される。調べた添加物の厚さはプレポリマーの約2重量%乃至約6重量%に相当する。その後、包帯を袋に入れて封じた。次に、これらの包帯について動摩擦係数(KCOF)を試験した。(この試験はシリーズIXソフトウエアを用いてInstron 1122上で行なった。)さらに、添加物を含有する包帯の面のみをライン方向で解きほぐし方向でない方向にのみ測定した。加えて、経時変化を観察するために、上記KCOF値を種々の時間間隔で測定した。これらのデータを表1に示す。
表1KPO3 およびNaClまたは(NaPO3 )xのいずれかを塗布したDELT A−LITE(登録商標)コンフォーマブル包帯の場合のKCOF値 ナトリウム 量/ロール KCOF値 化合物 (グラム) 30秒経過時 1分経過時 2分経過時 なし(対照) 0 1.88 2.25 0.76 NaCl 1.1 1.86 1.95 0.71 NaCl 1.7 1.07 1.78 0.69 NaCl 2.5 1.74 1.74 0.69 NaCl 4.2 1.85 1.38 0.47 NaCl 7.3 1.08 0.96 0.53(NaPO3 )x 1.9 1.81 1.11 0.58(NaPO3 )x 2.7 1.83 1.66 0.60(NaPO3 )x 4.9 1.46 1.66 0.44(NaPO3 )x 7.6 0.98 1.19 0.41【0022】上記データから、少量の塩のレベルにおいては、KCOF値は無塩の対照サンプルに比してほとんど変化しない。なお、これらの包帯を水に浸漬して巻き取った時に、擦ると滑るが押圧するとタック性を示した。
【0023】以下の実施例においては、塩を浸漬水から導入する時に、メタリン酸カリウムがプレポリマーに混合される。
【0024】実施例4予め製造した包帯を1グラム乃至3グラムのKPO3 で塗布した後にホイル製の袋内に封じた。この包帯を種々のナトリウム塩を含有する水に浸漬した後に巻き取った。この結果を表2に示す。すべての場合において、ギブス用テープは貼り合わせる(擦る)と滑り、成形する(押圧する)とタック性を示した。純水を対照に用いた場合、ギブス用テープは許容不能なタック性を生じることなく貼り合わせることができなかった。
表2 浸漬水において使用したナトリウム塩 ナトリウム化合物 浸漬水における濃度 塩化ナトリウム 2%(20グラム/水1リットル)
クエン酸三ナトリウム 2% 重炭酸ナトリウム 1% 炭酸ナトリウム 2% リン酸三ナトリウム 0.8% ポリリン酸ナトリウム 2% ポリ(アクリル酸ナトリウム) 1.5%【0025】実施例5メタリン酸カリウム(KPO3 )を10部乃至50部の異なる重量比でポリリン酸ナトリウム(NaPO3 )xに混合して100部の混合液を調整した。この混合液を米国特許第4,433,680号の実施例により作成されたポリウレタンギブス用テープの表面に散布した。この結果、当該混合液のギブス用テープ表面上への添加量は0.52グラム乃至4.5グラムの範囲であった。その後、この塩混合液を付着したテープ表面のKCOF値を米国特許第4,667,661号に記載される方法によって決定した。このKCOF試験は上記ギブス用テープを浸漬液に浸漬後、30秒,60秒および120秒で行なった。これらの結果を表3に示す。
表3 種々の比率のKPO3 および(NaPO3 )xを含有する ギブス用テープのKCOF値 混合液1 50K/50Na (グラム量)
時間/KCOF値 0 1.1 1.9 2.9 3.3 4.5 30 1.83 1.41 1.72 1.43 1.59 1.7 60 2.1 1.34 1.89 1.61 1.74 1.78 120 2.1 0.39 1.16 0.53 0.91 1.46 混合液2 40K/60Na (グラム量)
時間/KCOF値 0 1 1.55 2 2.8 3.25 30 1.83 1.85 1.82 1.74 1.67 1.74 60 2.1 1.8 1.8 1.83 1.9 1.8 120 2.1 1.73 0.95 0.76 0.54 1 混合液3 25K/75Na (グラム量)
時間/KCOF値 0 1.1 1.9 2.9 3.6 30 1.83 1.76 1.92 1.82 1.65 60 2.1 1.86 1.91 1.75 1.39 120 2.1 1.65 0.56 0.39 0.37 混合液4 10K/90Na (グラム量)
時間/KCOF値 0 1 2 2.7 3.1 3.8 30 1.83 2.03 1.61 1.35 1.5 1.47 60 2.1 2.01 1.64 1.69 1.49 1.46 120 2.1 0.71 0.38 0.75 0.32 0.31 混合液6 30K/70Na (グラム量)
時間/KCOF値 0 1 2.1 3.2 3.7 4.2 30 1.83 1.6 1.48 1.36 1.38 1.62 60 2.1 1.23 1.56 1.37 0.88 1.15 120 2.1 0.5 0.61 0.49 0.41 0.33【0026】実施例6実施例5に記載されるものと同様の方法でギブス用テープサンプルを作成した。その後、これらのサンプルを40インチ/分および50インチ/分のクロスヘッド速度でKCOF測定処理にかけた。このKCOF測定は水にテープを浸漬後、30秒,60秒および120秒においてそれぞれ行なった。得られたデータを表4に示すように、50インチ/分におけるKCOF値は40インチ/分において測定した値よりも高く、30秒におけるKCOF値は120秒における値よりも常に大きい。
表4(a)KPO3 /(NaPO3 )x (重量%) 50K/50Na 40K/60Na 25K/75Na 添加量 1.8g 1.9g 1.4g 1.4g 1.9g 1.95g クロスヘッド速度 (インチ/分) 40 50 40 50 40 50 時間(秒) 30 1.48 1.74 1.57 1.57 1.62 1.77 60 1.61 1.88 1.96 1.87 1.78 1.64 120 1.37 1.12 0.45 0.84 0.49 0.53 30 1.50 1.68 1.38 1.59 1.44 1.46 添加量 2.5g 2.7g 2.2g 2.1g 3.2g 3.4g クロスヘッド速度 (インチ/分) 40 50 40 50 40 50 時間(秒) 30 1.76 1.48 1.58 1.64 1.55 1.59 60 1.78 1.62 1.17 1.56 1.51 0.90 120 0.39 0.91 0.39 0.96 0.41 0.27 30 1.42 1.74 1.24 1.37 1.30 1.061)40インチ/分における測定はSintech MTS 2/G試験装置で行なった。
2)50インチ/分における測定はMTS更新システム(以前はInstron 112)2で行なった。
表4(b)KPO3 /(NaPO3 )x (重量%) 10K/90Na 30K/70Na 対照 添加量 1.15g 1.1g 1.8g 1.8g 0 0 クロスヘッド速度 (インチ/分) 40 50 40 50 40 50 時間(秒) 30 1.37 1.79 1.43 1.57 1.44 1.80 60 1.79 1.43 1.80 1.51 1.67 1.89 120 0.4 0.78 1.01 0.87 1.11 1.53 30 1.52 1.55 1.40 1.28 1.62 1.64 添加量 3.1g 3.1g 2.35g 3.3g クロスヘッド速度 (インチ/分) 40 50 40 50 40 50 時間(秒) 30 1.76 1.59 1.52 1.36 60 1.65 1.33 1.58 1.55 120 0.38 0.74 0.33 0.45 30 1.11 1.57 1.46 1.35 1)40インチ/分における測定はSintech MTS 2/G試験装置で行なった。
2)50インチ/分における測定はMTS更新システム(以前はInstron 112)2で行なった。
【0027】実施例7KPO3 および(NaPO3 )xをプラスチックジャーに入れてロールミル上で4時間以上混合してこれらの塩の乾燥混合物を作成した。また、当該混合物を以下の組成で作成した。
混合物A:40重量%のKPO3 および60重量%の(NaPO3 )x混合物B:25重量%のKPO3 および75重量%の(NaPO3 )x次に、これらの混合物を制御された低湿度環境内で予め製造していた3インチ幅のテープ上に塗布した後に、再び包装した。テープを水に浸漬後、30秒、60秒および120秒において、KCOF値測定を40および50インチ/分のクロスヘッド速度で、それぞれ行なった。得られたデータを表5に示すように、50インチ/分におけるKCOF値は40インチ/分において測定した値よりも一般に高く、30秒におけるKCOF値は120秒における値よりも常に大きい。
表5包帯の種類 混合物A 混合物B 添加量(g) 2.64 2.35 2.74 2.62 クロスヘッド速度(インチ/分) 40 50 40 50 時間(秒) 30 1.47 1.45 1.09 1.41 60 1.50 1.25 1.04 1.62 120 0.35 0.36 0.24 1.13 30 1.13 1.23 1.07 1.481)40インチ/分における測定はSintech MTS 2/G試験装置で行なった。
2)50インチ/分における測定はMTS更新システム(以前はInstron 112)2で行なった。
【0028】実施例8混合物Aまたは混合物Bのいずれかを含有する3インチ幅の包帯を実施例7に記載するように作成した。これらの包帯を用いて内径2.75インチの5層圧縮円筒体を作成し、その結果物の圧縮強度を測定した。各包帯に加えた塩の混合物の量は2gから3gの間である。また、対照として、塩添加物を含まない包帯の圧縮強度も測定した。表6に示す結果は15分,30分および24時間における圧縮強度と試験円筒体の24時間の重量を示している。この結果から分かるように、塩添加物を含まない対照サンプルに比して、圧縮強度が増している。
表6強度 混合物A 混合物B 対照 15分 (lb.) 48.5 44.1 58.7 55.2 42.9 41.0 33.030分 (lb.) 77.8 74.7 90.1 88.7 72.6 74.0 54.024時間 (lb.) 125.3 123.8 138.0 139.0 115.9 113.0 100.024時間の重量 (g) 56.3 57.5 56.9 57.6 54.1 52.0 51.0【0029】実施例9塩の混合物AまたはBのいずれかを含有する3インチ幅の包帯を実施例7に記載するように作成した。その後、これらの包帯を用いて内径2.0インチの6層円筒体を作成して米国特許第5,273,802号に記載される方法に従って結果物の離層強度を測定した。各包帯への上記塩混合物の添加量は2gから3gの間である。また、対照として、上記塩混合物を含まない、または、「タックフリー(不粘着)潤滑剤」を含む包帯について離層強度を測定した。表7の結果は30分経過時における各離層強度を示している。この結果から分かるように、混合物Aまたは混合物Bのいずれかを含むギブス用テープは、当該塩混合物を含まない、または、タックフリー潤滑剤を含む対照サンプルに比して、離層強度が高められている。
表7 サンプル 30分経過時の離層強度(N/cm) 対照 5.7±0.3 5.5±0.4 タックフリー潤滑剤 4.4±0.7 を含む比較物 2.2±0.2 混合物A 6.2±0.2 5.9±1.4 混合物B 6.9±1.0 6.7±0.7【0030】実施例10混合物Aまたは混合物Bのいずれかを含有する3インチ幅の包帯を実施例7に記載するように作成した。各包帯に加えた塩の混合物の量は2gから3gの間である。その後、これらの包帯を塩添加物を含まない対照サンプルと共に70℃に加温した。この増加温度は硬化反応速度を高めることによりポリウレタンプレポリマーの熟成を加速するように設定されている。その後、それぞれの包帯を種々の間隔(1間隔当たり3個の包帯)で加温槽から取り出して最小の力で巻き外す場合の各サンプルの機能性を決定した。この試験は14日間にわたって行なった。これらの結果を表8に示すように、塩が存在しても対照サンプルに比してプレポリマーの熟成特性が変化せず、保存寿命が塩添加物によって影響を受けないことが分かる。
表8(a) 対照 サンプル数 結果 日数 投入 15 − 0取出 3 良好 4取出 3 良好 7取出 3 良好 8取出 3 良好* 11取出 3 良好* 14良好*:巻き外しがやや困難であるが、サンプルは機能性を有している。
表8(b) 混合物A サンプル数 結果 日数 投入 15 − 0取出 3 良好 4取出 3 良好 7取出 3 良好 8取出 3 良好* 11取出 3 良好* 14良好*:巻き外しがやや困難であるが、サンプルは機能性を有している。
混合物B サンプル数 結果 日数 投入 15 − 0取出 3 良好 4取出 3 良好 7取出 3 良好 8取出 3 良好 11取出 3 良好* 14良好*:巻き外しがやや困難であるが、サンプルは機能性を有している。
【0031】実施例1110%重炭酸ナトリウム溶液2000gを56%天然ゴムラテックス3000gに加えたところ、予期に反して、ラテックスは凝固しなかった。このラテックス/重炭酸塩のディップ液を用いて、セラミック・グローブフォーマー上の天然ゴムラテックス・グローブに手でディップ塗布した。これらのグローブを用いてホイルポーチに封入した1g乃至3gのKPO3 を塗布した包帯を巻いた。いずれの場合も、ギブス用テープは貼り合わせる(擦る)と滑り、成形する(押圧する)とタック性を示した。
【0032】本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)前記アルカリ金属クロール塩がメタリン酸カリウムである請求項1に記載の整形ギブス用テープ。
(2)前記ナトリウム塩が、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびポリアクリル酸ナトリウムから成る群から選択される請求項1に記載の整形ギブス用テープ。
(3)前記プレポリマー樹脂が、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムおよびポリリン酸ナトリウムから成る群から選択されたナトリウム塩から成る請求項1に記載の整形ギブス用テープ。
(4)前記ナトリウム塩およびカリウム塩がギブス用テープの露出面上の塗布剤として前記プレポリマー内に存在する実施態様(3)に記載の整形ギブス用テープ。
(5)前記ナトリウム塩およびカリウム塩が前記プレポリマーの重量に対して0.1%乃至10%の量で存在する実施態様(4)に記載の整形ギブス用テープ。
(6)前記カリウム塩の前記ナトリウム塩に対する重量比が0.01対1から1対1の間である実施態様(3)に記載の整形ギブス用テープ。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、改善された作業性および成形性を有し、患者への適用に対して良好な適合性と一致性を呈する整形ギブス用テープが提供できる。
【出願人】 【識別番号】594052607
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・プロフェッショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Professional,Inc.
【出願日】 平成10年(1998)11月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開平11−216176
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−327546