| 【発明の名称】 |
毛髪処理剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉本 恵
【氏名】野口 睦
【氏名】小八木 友子
【氏名】西田 勇一
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| 【要約】 |
【課題】カール効果、カール持続性に優れ、臭気もなく、1剤で簡単にカール等の処理を行なうことができる毛髪処理剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)ジチオジグリコール酸およびその塩から選ばれた少なくとも1種 0.5〜20重量%、(B)亜硫酸塩および亜硫酸水素塩から選ばれた少なくとも1種 0.1重量%以上、及び(C)L−システイン 0.1〜3重量%を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物。 (A)ジチオジグリコール酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種 0.5〜20重量%(B)亜硫酸塩および亜硫酸水素塩から選ばれる少なくとも1種 0.1重量%以上(C)L−システィン 0.1〜3重量%【請求項2】 更に(D)浸透剤を含有することを特徴とする請求項1記載の毛髪処理剤組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パーマネントウェーブ剤等の毛髪処理剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のパーマネントウェーブ剤は、主剤の還元剤とアンモニア水やエタノールアミンなどのアルカリ剤を加え、pH8〜9.6に調整したものを第1剤とし、臭素酸ナトリウム、過酸化水素水などの酸化剤を主剤とした第2剤からなるものである。しかしながら、このような従来のパーマネントウェーブ剤においては、特に第1剤を調整後、一定期間の時間を経ると硫化水素などの不快臭が発生してきたり、毛髪に第1剤を塗布した際、更に多量の硫化水素やメチルメルカプタンも発生し、不快なばかりでなく人体への悪影響も心配される。 【0003】又、現在ではチオグリコール酸塩を用いた第1剤が広く用いられているが、薬剤の誤調整や施術時の放置しすぎ等により、毛髪がちりちりになったりすることがあり、技術を要するものである。 【0004】一方、このような不快臭がなく又毛髪への作用が緩和なものとして、亜硫酸塩や亜硫酸水素塩を還元剤とした毛髪カール剤がある。この場合通常はpHを中性からアルカリ性に調整して用いられるが、得られたカールに弾力がないとか累積施術により毛髪の損傷が著しくなるなどの欠点を有していた。 【0005】このような欠点の原因としては以下のような理由が考えられる。すなわち、亜硫酸塩や亜硫酸水素塩は毛髪中のシスチン結合を還元的に開裂させ、システイン残基とS−スルホンシステイン残基を生成するとされている(Clark, II.T.(1932).J.Biol.Chem., 97,235)。この反応は可逆的であり、毛髪中に過剰に存在している亜硫酸イオンを水洗により除去することにより反応を元の方向に戻しシスチン結合を再生することができるが、毛髪のカールに弾力性を持たせるためには、かなりの時間水洗していなければならなず(仮に10分水洗すればある程度の弾力は持たせることができる)、これは使用者にとって苦痛な要求となる。 【0006】又、通常、第2剤に用いられる酸化剤である臭素酸ナトリウムや過酸化水素水を用いると、システィン残基はとなりのシスティン残基とシスチン結合を形成し、S−スルホンステイン残基はとり残されてしまう(石黒正恒著、SH基の化学修飾P.134、学会出版センター)。この事は、酸化剤を用いると、ある程度のカールの弾力を与えることはできるが、2回、3回と累積施術すると、毛髪中にS−スルホシステイン残基が増々多くなり、遂にはシスチン結合が殆どなくなってしまうことも考えられ、著しい毛髪損傷をまねく結果となってしまう。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、処理時に不快臭がなく、カール作用、カール持続性に優れ、しかも1剤で処理を行うことができる、毛髪処理剤組成物を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、比較的臭気の少ないジチオグリコール酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩を用いることにより、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩の欠点とされている弱いカール性、弱いカール持続性を、ジチオグリコール酸、L−システインの添加、更には浸透剤の添加により解決しうることを見い出し、本発明の完成に至った。 【0009】すなわち、本発明によれば、下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物が提供される。 (A)ジチオジグリコール酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種 0.5〜20重量%(B)亜硫酸塩および亜硫酸水素塩から選ばれる少なくとも1種 0.1重量%以上(C)L−システィン 0.1〜3重量%更に(D)浸透剤を含有することを特徴とする前記毛髪処理剤組成物が提供される。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について更に具体的に詳述する。本発明で用いる(A)成分は、下記構造式で表されるジチオジグリコール酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種である。 HOOCH2SSCH2COOHジチオジグリコール酸の塩としては、ジチオジグリコール酸ジアンモニウム、ジチオジグリコール酸ジナトリウム、ジチオジグリコール酸ジカリウム、ジチオジグリコール酸ジエタノールアミン、ジチオジグリコール酸リジン塩、ジチオジグリコール酸アルギニン塩等の種々のアルカリとの塩が例示できる。本発明においては、これらのうちから任意の一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。 【0011】(A)成分の配合量は、組成物全量中の0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。0.5重量%より少ない場合、カール効果が弱く、また20重量%より多い場合は臭気が強くよくない。 【0012】本発明で用いる(B)成分は、亜硫酸塩または亜硫酸水素塩から選ばれる少なくとも1種である。亜硫酸塩または亜硫酸水素塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸モノエタノールアミン塩、亜硫酸水素モノエタノールアミン塩、亜硫酸リジン塩、亜硫酸水素リジン塩、亜硫酸アルギニン塩等の種々のアルカリとの塩が例示できる。本発明においてはこれらのうちから任意の一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。 【0013】(B)成分の配合量は、組成物全量中の0.1重量%以上、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。0.1重量%より少ない場合、毛髪変形用処理剤としてはその作用効果が弱く、また20重量%より多い場合は作用効果がすでに上限に達していることから経済的ではない。 【0014】本発明に用いる(C)成分は、L−システインである。L−システインの配合量は、組成物全量中の0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。0.1重量%未満の場合、カール効果が弱まり、3重量%を超える場合、全体としての溶解性が下がり、結晶として析出したりする場合がある。 【0015】本発明の毛髪処理剤組成物においては(D)成分として浸透剤を配合することが好ましい。浸透剤としては、下記一般式(1)で表される芳香族アルコール化合物や下記一般式(2)で表されるN−アルキルピロリドン等が挙げられる。 【化1】
(R1は水素原子、メチル基又はメトキシ基、R2は−CH2OH基、−CH2CH2OH基、−CH(CH3)OH基、−CH2CH2CH2OH基、−C(CH3)2OH基、−CH2CH(CH3)OH基、−CH(CH3)CH2OH基、−CH2−C(CH3)2OH基、−CH=CHCH2OH基、−OCH2CH2OH基、−CH2OCH2CH2OH基を表す。) 【0016】これらの芳香族アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、アニスメトキシアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。 【0017】 【化2】
(式中、R3は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。) 【0018】これらのN−アルキルピロリドンの具体例としては、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−iプロピルピロリドン、N−nブチルピロリドン等が挙げられる。 【0019】(D)成分の配合量は、組成物全量中の0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。0.5重量%未満の場合、浸透効果弱く、結果としてカール効果が弱くなる。また、20重量%を越える場合、芳香族アルコール等の浸透剤の臭いが強くなり、また経済的にも好ましくない。 【0020】本発明の毛髪処理剤組成物においては、その液性は中性〜アルカリ性の範囲に保たれることが好ましい。pH調整のためには一般的に、アンモニア水、エタノールアミン、塩基性アミノ酸、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、苛性ソーダ、苛性カリ等種々のアルカリ剤を加えることができる。 【0021】本発明の毛髪処理剤組成物には、上記の必須構成成分の他に本発明の目的、効果を妨げない範囲内で種々の添加剤を加えることができる。例えば、着香剤を加え心地良い香を与えたり、着色剤を加え種々の外観色に調整することもできる。また毛髪変形処理後の毛髪の感触を良くするため、種々のカチオン活性剤、ペプチド、アミノ酸、カチオン性高分子、シリコンオイル、アミノ変性シリコン、グリコール変性シリコン、レシチン、ラノリン等を単独又は組み合わせて配合することができる。毛髪変形処理剤の作用効果を更に高めるために、種々の溶剤としてたとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、γ−プチロラクトンなどや水素結合破壊剤として尿素、チオ尿素及び尿素アルキル誘導体などを配合することができる。 【0022】本発明の毛髪処理剤組成物は、安定で臭気がなく、カール効果、カール持続性にも優れ、しかも1剤でカール処理しうるものである。本発明の毛髪処理剤組成物の主な用途は、ウェーブ剤やカール剤である。例えば、ミスト状の本発明の毛髪処理剤を髪に塗布し、ホットカーラーで加熱変形させる。また本発明の毛髪処理剤は、パーマネントウェーブ溶剤の第1剤としても使用される。 【0023】例えば、本発明の毛髪処理剤組成物を髪に塗布しロッド又はカーラーを用いワインディングした後再度本発明の毛髪処理剤組成物を塗布し、常温又は160℃以下の加温下に一定時間放置する。その後は水洗するか又は臭素酸ナトリウム又は過酸化水素水を含有する第2剤を塗布するかして一定時間後ロッド又はカーラーを外し、水洗すると毛髪にカール又はウェーブを与える事ができる。また本発明の毛髪処理剤組成物の別の用途としては、縮毛矯正剤としてまた毛髪を柔らかくするヘアソフトナーとしても利用できる。 【0024】 【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの例によって制約されるものではない。 【0025】実施例1〜4、比較例1〜5表1に示す組成の各毛髪処理剤を調整し、各毛髪処理剤について、カール効果、処理剤の安定性、臭気について、以下の方法及び基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。 【0026】評価方法〈カール効果〉30cm5gの人毛束の下10cmに、ミスト状のカール剤を塗布し、表面温度100℃直径3cmのホットカーラーで2回転巻き、30分間放置した。24時間後にシャンプー洗浄し、自然乾燥した後にカール効果を判定した。 判定基準○:カールがついている。 △:弱いカールがついている。 ×:全くカールがついていない。 【0027】〈処理剤の安定性〉毛髪処理剤20mlをガラス容器に入れ、−20℃にて1時間放置後、その安定性を目視判断した。 判定基準○:沈殿や析出が全くない。 △:沈殿や析出が少量ある。 ×:沈殿や析出が多量にある。 【0028】〈臭気〉毛髪処理剤20mlをガラス容器に入れ、50℃で1時間保存した後、室温にて、容器口の臭気を官能評価にて判断した。 判定基準○:不快臭がほとんどない。 △:アンモニア臭等の不快臭が若干ある。 ×:不快臭が強い。 【0029】 【表1】
【0030】 【発明の効果】本発明の毛髪処理剤組成物は、前記特定の(A)成分、(B)成分及び(C)成分、或いは更に(D)成分を含有させたことにより、下記に示す優れた作用効果を有する(1)1剤でカール等の処理を簡単に行なうことができ、カール効果およびカール持続性に優れている。 (2)処理後、髪は乾いた状態で適当なカールがついているため毛髪処理後、すぐにシャンプーをしなくてもよい。 (3)過酸化水素等の第2剤を使用する必要がないので、毛髪損傷が少ない。 (4)処理時に不快臭が少ない。 (5)ホットカーラーやヘアドライヤーなど、使用器具及び使用時間によってカール強度、形を容易に変えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006769 【氏名又は名称】ライオン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】池浦 敏明 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−315013 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−136176 |
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