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【発明の名称】 整髪化粧料
【発明者】 【氏名】中村 真美

【要約】 【課題】本発明は、腰が柔らかく、毛髪に対するセット力を有し、ごわつかずしなやかな感じを与える仕上がりの整髪料として好適な、化粧料を提供することを課題とする。

【解決手段】アクリル系樹脂とポリビニルアルコールとを整髪化粧料に含有させる。本発明によれば、腰が柔らかく、毛髪に対するセット力を有し、ごわつかずしなやかな感じを与える仕上がりの整髪料として好適な、化粧料を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクリル系樹脂とポリビニルアルコールとを含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】 毛髪用であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】 アクリル系樹脂が、アクリル樹脂アルカノールアミン及び/又はアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドターポリマーである、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】 ポリビニルアルコールの重合度が500〜700であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の化粧料。
【請求項5】 「セット力を有し、ごわつかずしなやか」な整髪状態を提供することを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整髪などの毛髪に適用するのに好適な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】しっとりとしなやかな髪は、その人に健康的で明るく美しい等の好ましい印象を形成させるものである。それが故に、その様な髪の毛を保持することは、誰しもが望むものである。この様な状態に毛髪を保つために人間は古来より多くに努力を重ねてきた。例えば、平安時代の様な古代にあっては、米のとぎ汁や動植物油を用いて手入れをしていたし、又、近年ではヘアトリートメント、ヘアリンス、ヘアクリーム、ヘアオイル等の種々のヘアケア化粧料が薬局などで販売され、その売り上げも決して少なくない。この様な毛髪用化粧料では、ごわつかずしなやかな感じをカチオン性界面活性剤や多価アルコールなどの保湿成分やシリコーン等のオイル成分で具現化している。しかし、この様な手段は、シャンプー等の洗浄剤に於いては歩留まりが悪いし、他の毛髪用化粧料に於いても、この様な方法によって、確かに、しっとり感としなやかさを著しく改善することができるが、ヘアダイの使用頻度やコールドパーマネントをかける頻度が高まった近年では、更なる向上が望まれるようになってきている。更に、毛髪をセットする場合に於いてはセット崩れがしないようセット力の大きい皮膜形成素材が求められ、開発されてきた。そして、この様な機能的な皮膜を形成する素材として好適なアクリル酸系の共重合体が各種開発されてきた。しかしながらこの様なポリマーには腰の硬さ、即ち、それに由来するごわつきが使用上の最大の問題となっていた。この様な髪の毛の問題とそのセット剤の問題が相まって、腰が柔らかく、毛髪に対するセット力を有し、ごわつかずしなやかな感じを与える仕上がりの整髪料の開発が望まれていた。
【0003】一方、ポリビニルアルコール、アクリル酸系樹脂はそれぞれ単独で皮膜形成剤として毛髪化粧料や皮膚化粧料に使用されているが、これらを組み合わせること及び組み合わせることにより「セット力を有し、ごわつかずしなやか」な皮膜が得られることは全く知られていなかった。ここで、ポリビニルアルコールにはセット力が少ないという欠点があり、アクリル系樹脂にはごわつき感が大きいという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状況を踏まえて為されたものであり、腰が柔らかく、毛髪に対するセット力を有し、ごわつかずしなやかな感じを与える仕上がりの整髪料として好適な、化粧料を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明者らは、かかる状況に鑑みて、腰が柔らかく、毛髪に対するセット力を有し、ごわつかずしなやかな感じを与える仕上がりの整髪料として好適な、化粧料を求め、鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂とポリビニルアルコールとを含有することを特徴とする、化粧料がその様な性質を有していることを見いだし発明を完成させるに至った。以下、本発明について実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】(1)本発明の化粧料に使用するアクリル系樹脂本発明の化粧料に使用するアクリル系樹脂は、その構成モノマーにアクリル酸、メタクリル酸、それらのエステル及びそれらのアミドから選ばれる少なくとも1種を含む重合体又は共重合体であればとくだんの限定なく使用することができる。この様なアクリル系樹脂の多くは化粧料原料として、或いは医薬原料として既に使用されており、安全性などについては問題が少ない。本発明の化粧料にはこの様な使用実績のあるものを用いることは、この様な観点で好ましい。この様な使用実績のあるアクリル樹脂としては、大成化工株式会社製のアクリル樹脂アルカノールアミン液(アクリル樹脂35%、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール5%、エタノール60%)である、レインプロテクトポリマー、BASF社製のアクリル酸アルキル共重合体液(t−ブチルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸共重合体30%、エタノール70%)である、ルビマー30E、カルゴン社製のアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドターポリマーの10%水溶液である、マーコートプラス3330等が例示でき、これらの内ではレインプロテクトポリマー及び/又はマーコートプラス3330が特に好ましく、これらを併用するのが更に好ましい。本発明の化粧料に於けるこれらアクリル系樹脂の好ましい含有量は樹脂分として、1気圧25℃で液体又は固体の成分の総重量に対し0.005〜10重量%である。これは少なすぎると皮膜を形成できない場合があり、多すぎると皮膜が硬くなり過ぎる場合があるからである。
【0007】(2)本発明の化粧料で使用するポリビニルアルコール本発明の化粧料で使用できるポリビニルアルコールは、化粧料や医薬で使用されているものであれば特段の限定なく使用することができ、この様なものの内好ましい重合度は、100〜4000であり、更に好ましくは400〜3000である。中でも重合度500〜700の分布ものが特に好ましい。これは、上記アクリル系樹脂の可塑剤としての作用もこのものが有しているためである。この様なポリビニルアルコールは多くのものが既に市販されている。本発明ではこの様な市販品を使用することもでき、この様な市販品を使用することが本発明の化粧料では好ましい。かかる市販品としては、例えば、日本合成株式会社製のゴーセノールEG05(重合度500〜700)、ゴーセノールEG25(重合度1500〜1800)、ゴーセノールEG40(重合度2200〜2500)等が例示でき、これらの中ではゴーセノールEG05が特に好ましい。本発明の化粧料に於けるポリビニルアルコールの好ましい含有量は樹脂分として、1気圧25℃で液体又は固体の成分の総重量に対し、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。これは少なすぎると皮膜に柔らかさを付加する作用が発揮できない場合があり、多すぎると皮膜強度を損なうことがあるためである。
【0008】(3)本発明の化粧料本発明の化粧料は、上記アクリル系樹脂とポリビニルアルコールとを含有することを特徴とする。本発明の化粧料としては、例えば、皮膚用の化粧料、毛髪用の化粧料、爪用の化粧料が好ましく例示でき、これらの中では、従来にない、しなやかで柔らかい皮膜特性の優秀性から毛髪用の化粧料に適用するのが特に好ましい。又、LPGガスなどとともにエアゾール剤形にすることも好ましい。エアゾール剤形においては優れた感触の泡を形成させることができることからフォームとして使用するのが特に好ましい。フォームを形成させる場合には、予め原液を作成し、原液とLPGガスとを重量比4:1〜95:5でエアゾール缶に充填すればよい。かかる皮膜特性の良さより、本発明の化粧料の一つである毛髪用の化粧料は、取り分け優れた「セット力を有し、ごわつかずしなやか」な仕上がりを提供することができる。本発明の化粧料では、上記必須成分以外に、これら化粧料や皮膚外用医薬で通常使用されている任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示できる。特に好ましく含有されるのは、百合科百合属の植物の鱗茎のエッセンスや保湿性を持たせる意味で、プロモイスW32R(成和化成株式会社製)等の低分子量のコラーゲン加水分解物及び/又はその誘導体とプロモイスW52Q(成和化成株式会社製)等のような高分子量のコラーゲン加水分解物及び/又はその誘導体とをそれぞれ0.01〜5重量%づつ、ポリオキシプロピレン(25)メチルグルコシドを0.1〜1重量%含有させるのが好ましい。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げた本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【0010】<実施例1〜5>以下に示す処方に従って、フォーム状整髪用化粧料の原液を作成した。即ち、処方成分を80℃で加熱攪拌溶解し、攪拌冷却し原液を得た。この原液92重量部とLPG8重量部とをエアゾール缶に詰め、フォーム状整髪用化粧料を得た。
アクリル系樹脂* 7 重量部ゴーセノールEG05 2.25重量部ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2 重量部ポリエチレングリコール6000 0.5 重量部ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.3 重量部ラウロイルグルタミン酸POE(5)
オクチルドデシルエーテルジエステル 0.2 重量部プロモイスW32R 0.1 重量部プロモイスW52Q 0.1 重量部フランス百合の鱗茎のエッセンス 0.1 重量部エタノール 20 重量部水 67.45重量部*詳細は表1に示す。
【0011】
【表1】

【0012】<実施例6>上記、実施例1〜5の整髪用化粧料について、専門パネラーを用いて使用テストを行いその特性を評価した。評価項目は、泡の肌理、整髪後の髪のセット力、整髪後の髪のしなやかさ、髪の腰についてであり、評価基準は++:非常によい、+:良い、±:普通、−:悪いであった。又、比較例1として、実施例1のゴーセノールE05をレインプロテクトポリマーに置換したもの、比較例2として実施例1のレインプロテクトポリマーをゴーセノールE05に置換したものを用いた。結果を表2に示す。これよりアクリル系樹脂とポリビニルアルコールを併用した本発明の化粧料はセット力を有し、ごわつかずしなやかで、且つ、腰の柔らかい整髪仕上がりを提供することがわかる。又、アクリル樹脂としてはレインプロテクトポリマーとマーコートプラス3330とを併用するのが好ましく、その割合は4:1〜7:1であることもわかる。
【0013】
【表2】

【0014】<実施例7〜5>以下に示す処方に従って、フォーム状整髪用化粧料の原液を作成した。即ち、処方成分を80℃で加熱攪拌溶解し、攪拌冷却し原液を得た。この原液92重量部とLPG8重量部とをエアゾール缶に詰め、フォーム状整髪用化粧料を得た。
レインプロテクトポリマー 6 重量部マーコートプラス3330 1 重量部ポリビニルアルコール** 2.25重量部ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2 重量部ポリエチレングリコール6000 0.5 重量部ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.3 重量部ラウロイルグルタミン酸POE(5)
オクチルドデシルエーテルジエステル 0.2 重量部プロモイスW32R 0.1 重量部プロモイスW52Q 0.1 重量部フランス百合の鱗茎のエッセンス 0.1 重量部エタノール 20 重量部水 67.45重量部**詳細は表3に示す。
【0015】
【表3】

【0016】<実施例9>上記、実施例7、8の整髪用化粧料について、専門パネラーを用いて使用テストを行いその特性を評価した。評価項目は、泡の肌理、整髪後の髪のセット力、整髪後の髪のしなやかさ、髪の腰についてであり、評価基準は++:非常によい、+:良い、±:普通、−:悪いであった。対照例としては実施例7のゴーセノールEG25を水に置換したものを使用した。結果を表4に示す。これよりアクリル系樹脂とポリビニルアルコールを併用した本発明の化粧料はセット力を有し、ごわつかずしなやかで、且つ、腰の柔らかい整髪仕上がりを提供することがわかる。又、実施例4の結果と考え併せて、ポリビニルアルコールとしては重合度500〜700のものが好ましいことがわかる。
【0017】
【表4】

【0018】<実施例10>以下に示す処方に従って、フォーム状整髪用化粧料の原液を作成した。即ち、処方成分を80℃で加熱攪拌溶解し、攪拌冷却し原液を得た。この原液92重量部とLPG8重量部とをエアゾール缶に詰め、フォーム状整髪用化粧料を得た。このものの実施例9と同様の評価は、泡の肌理+〜++、セット力+、しなやかさ+、髪の腰+であり、プロモイスW32R、W52Q等の成分を含有する方が好ましいことがわかる。
レインプロテクトポリマー 6 重量部マーコートプラス3330 1 重量部ゴーセノールEG05 2.25重量部ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2 重量部ポリエチレングリコール6000 0.5 重量部ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.3 重量部ラウロイルグルタミン酸POE(5)
オクチルドデシルエーテルジエステル 0.2 重量部フランス百合の鱗茎のエッセンス 0.1 重量部エタノール 20 重量部水 67.65重量部【0019】<実施例11>下記に示す処方に従ってセットローションを作成した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化しセットローションを得た。このものは優れたセット力を有しながら、ごわつき感が感じられなかった。
レインプロテクトポリマー 4 重量部ゴーセノールEG05 2 重量部エタノール 15 重量部水 77 重量部1,3−ブタンジオール 1 重量部ポリエーテル変性シリコーン 1 重量部【0020】<実施例12>下記に示す処方に従ってセットローションを作成した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化しセットローションを得た。このものは優れたセット力を有しながら、ごわつき感が感じられなかった。
マーコートプラス3330 4 重量部ゴーセノールEG05 2 重量部エタノール 15 重量部水 77 重量部1,3−ブタンジオール 1 重量部ポリエーテル変性シリコーン 1 重量部【0021】
【発明の効果】本発明によれば、腰が柔らかく、毛髪に対するセット力を有し、ごわつかずしなやかな感じを与える仕上がりの整髪料として好適な、化粧料を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月5日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−199453
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−11933