| 【発明の名称】 |
粘土鉱物含有乳化液体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉葉 正美
【氏名】赤松 卓
【氏名】光原 正自
【氏名】永原 恭生
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】油相と水相とからなる系を混合、乳化して上記油相を分散質とするO/W型エマルションを形成した後、該O/W型エマルションに上記油相の融点以下の温度で粘土鉱物を混合分散して粘土鉱物を含有するO/W型エマルションタイプの乳化液体を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粘土鉱物を含有するO/W型エマルションタイプの乳化液体を製造するに際し、油相と水相とからなる系を混合、乳化して上記油相を分散質とするO/W型エマルションを形成した後、該O/W型エマルションに上記油相の融点以下の温度で粘土鉱物を混合分散することを特徴とする粘土鉱物含有乳化液体の製造方法。 【請求項2】 上記粘土鉱物を水性溶液に予備混合した後、この予備混合液を上記O/W型エマルションに配合する請求項1記載の粘土鉱物含有乳化液体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、粘土鉱物含有乳化液体の製造方法に関し、更に詳述すると、粘土鉱物を含有する乳化液体を調製する際に、粘土鉱物による乳化阻害を防止して、安定性に優れる乳化液体が得られる粘土鉱物含有乳化液体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、スメクタイト等の粘土鉱物は吸着性、結合性、懸濁性、膨潤性、増粘性等の性質を有することから、これらの性質を利用して各種化粧料に配合されており、近年は、特にその皮膚保護効果及び毛髪保護効果が注目されて、ボディーソープなどの皮膚用洗浄剤、ヘアケア製品及びスキンケア製品等に配合されている。 【0003】しかしながら、上記粘土鉱物を上述したような皮膚用洗浄剤、ヘアケア製品及びスキンケア製品等の製品を調製するために乳化液体に分散配合しようとすると、上記製品に通常配合されている界面活性剤の乳化性能に影響を及ぼし、油相が十分に微粒化されなかったり、乳化粒子の合一をもたらして、製品の安定性に悪影響を及ぼす傾向があった。特に、天然産出の粘土鉱物の粒子を用いた場合には、分散安定性が変動したりするので使用が限定される場合があった。 【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、スメクタイト等の粘土鉱物を乳化液体に配合する際、油相の微粒化不良や乳化粒子の合一を防止することができ、油相の分散状態が均一で、しかも安定性にも優れ、粘土鉱物の配合効果が有効的に発揮される乳化液体を製造することができる粘土鉱物含有乳化液体の製造方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、油相を水相中に分散してO/W型エマルションを形成した後、このエマルションを油相の融点以下に冷却してから、粘土鉱物を配合することによって、油相の微粒化不良や乳化粒子(油相粒子)の合一を防止することができ、粘土鉱物を含有する乳化液体中への油相の分散安定性が顕著に向上し、これにより粘土鉱物の配合効果が有効的に発揮され、使用感等に優れた皮膚用洗浄剤、ヘアケア製品及びスキンケア製品等の製品に好適に使用される粘土鉱物含有乳化液体が得られることを見い出し、本発明をなすに至った。 【0006】即ち、本発明は、粘土鉱物を含有するO/W型エマルションタイプの乳化液体を製造するに際し、油相と水相とからなる系を混合、乳化して上記油相を分散質とするO/W型エマルションを形成した後、該O/W型エマルションに上記油相の融点以下の温度で粘土鉱物を混合分散することを特徴とする粘土鉱物含有乳化液体の製造方法を提供する。ここで、上記粘土鉱物を水性溶液に予備混合した後、この予備混合液を上記O/W型エマルションに配合すると、より好適である。なお、油相の融点とは、後述する油相成分を混合して調製された油相全体が溶融する温度である。 【0007】以下、本発明を更に詳細に説明すると、本発明の粘土鉱物含有乳化液体の製造方法は、粘土鉱物を含有する乳化液体を製造する際に、油相を水相中に分散させてO/W型エマルションを形成した後、このO/W型エマルションに上記油相の融点以下で粘土鉱物を混合分散することによって、油相の微粒化不良や乳化粒子の合一を防止するものである。 【0008】ここで、上記粘土鉱物としては、天然又は合成された水膨潤性粘土鉱物が使用され、具体的には、天然又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト及び膨潤性の雲母等を挙げることができ、これらは一種単独で又は二種以上を適宜組み合わせて用いられる。これらの粘土鉱物は層間に水分子と交換性のイオンを含有しており、有機複合体を形成したり膨潤能を有するなど、他の粘土鉱物とは異なった性質を示す。更に、本発明においては、上記粘土鉱物のイオン交換反応を行い、高金属イオン置換粘土鉱物として用いることもできる。この高金属イオン置換粘土鉱物は、増粘効果を一層高めるのに適している。 【0009】上記粘土鉱物としては、特に、動的光散乱法により測定した平均粒径が10〜5000nm、電気泳動光散乱法により測定したζ電位の絶対値が30mV以上のものを用いることが好ましい。上記粘土鉱物の平均粒径が小さすぎると粘土鉱物含有乳化液体を増粘するのに多量の粘土鉱物が必要となる場合があり、一方、平均粒径が大きすぎると安定した分散状態が得られない場合があるため、増粘効果、分散安定性の点から好ましい平均粒径は200〜2000nmの範囲である。 【0010】また、ζ電位の絶対値が30mV未満では粘土鉱物粒子が凝縮しやすくなり、乳化液体中で凝集物の沈降が生じたりして分散安定性が低下するおそれがある。 【0011】これらの粘土鉱物の配合量は乳化液体全体に対して好ましくは0.1〜10%(重量%、以下同様)、より好ましくは0.3〜5%、特に好ましくは0.5〜2%とすると好適である。配合量が少なすぎるともともと乳化性能に及ぼす影響が少ないので、本発明の効果が十分に発揮されない上、粘土鉱物配合の効果が十分に得られない場合があり、多すぎると乳化液体中での分散性が悪くなる場合がある。 【0012】ここで、本発明の場合、粘土鉱物をO/W型エマルションに配合する際に、粘土鉱物を後述する水性溶液と予備混合しておくと、より好適であり、この予備混合時における水性溶液中での濃度は、好ましくは5%以下、より好ましくは1〜4%とすると好適である。予備混合時における水性溶液中での濃度が高すぎると水性溶液中での分散性が不良となる場合がある。なお、この予備混合時における濃度が低すぎると効果がないのみならず、水性溶液の量が増えて、予備混合に使用する撹拌槽の必要容量が大きくなるので好ましくない。 【0013】本発明の油相は、粘土鉱物含有乳化液体の種類、目的に応じた各種の油性成分からなるものであり、このような油性成分として、各種分野の製品に使用されている疎水性の油分を使用することができるが、本発明の目的を考慮すれば、ボディーソープ等の皮膚用洗浄剤、ヘアケア製品及びスキンケア製品等に使用されるものであって、例えば皮膚や毛髪に保湿効果を与え、毛髪に栄養を与えるなどの機能を有するものが好適に使用される。具体的には、例えばジメチルシリコン等のシリコーンオイル,環状シリコーン,変性シリコーンなどの合成油、オリーブ油,パーム油,ホホバ油,ヤシ油などの植物油、スクワランなどの動物油、ステアリン酸,パルミチン酸,イソステアリン酸イソセチルなどの脂肪酸及び脂肪酸エステル、ワックス、ワセリン、流動パラフィン、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール(特に炭素数16〜22)等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。 【0014】上記油性成分の配合量は、その種類、粘土鉱物含有乳化液体の目的、用途等により適宜選定することができるが、通常粘土鉱物含有乳化液体全量に対して、0.5〜30%、特に1〜20%程度が望ましい。油性成分の配合量が少なすぎると油性成分配合の効果が十分に得られない場合があり、多すぎるとエマルションの形成が困難となる場合がある。なお、上記粘土鉱物に対する配合割合は、特に制限されないが、通常粘土鉱物:油性成分(重量比)=1:0.1〜1:50、特に1:2〜1:30とすると好適である。油性成分の配合割合が低すぎると油性成分配合の効果が十分に得られない場合があり、高すぎると逆に粘土鉱物配合の効果が十分に得られない場合がある。 【0015】また、本発明の油相は、通常上記油性成分と共にO/W型エマルションを形成するための乳化剤が配合される。このような乳化剤としては、従来皮膚洗浄剤、ヘアケア製品及びスキンケア製品等の製品に配合されているものが挙げられ、具体的には、例えば親油型グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリオキシエチレン化密ロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン性界面活性剤;ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、塩化アルキルアミノエチルグリシン液、レシチン等の両性界面活性剤などを挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。本発明の場合、これらの中でもノニオン性界面活性剤等を配合する場合に特に効果的である。上記乳化剤の中でも親油型のカチオン性界面活性剤、グリセリンモノステアレートなどのノニオン性界面活性剤等は油相、親水型のアニオン性界面活性剤、ポリグリセリンモノステアレートなどのノニオン性界面活性剤等は水相に添加することが好ましいが、親水型の乳化剤であっても油性成分に溶解し易いものや常温では固体であるために水相に溶解し難いものなどは油相に添加する場合が多い。なお、ノニオン性界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレン型のものは、その付加モル数によって親油型に分類されたり、親水型に分類される。 【0016】上記乳化剤の配合量は、特に制限されるものではなく、その種類、用途等によって適宜選定されるものであり、通常乳化液体全体に対して0.5〜20%、特に1〜15%程度が望ましい。乳化剤の配合量が少なすぎるとエマルション形成が困難となる場合があり、多すぎると製品の効能を損なう場合がある。また、同様の理由により上記油性成分との配合割合は、乳化剤:油性成分(重量比)=1:0.05〜1:10、特に1:0.1〜1:5であることが望ましい。なお、上記粘土鉱物に対する配合割合は、特に制限されないが、通常粘土鉱物:乳化剤(重量比)=1:0.1〜1:50、特に1:0.5〜1:30とすると好適である。乳化剤の配合割合が低すぎるとエマルションの形成が困難となる場合があり、高すぎると粘土鉱物配合の効果が損なわれる場合がある。 【0017】本発明の油相は、上記油性成分及び乳化剤以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて例えばプロピルパラベンなどの油溶性防腐剤、油溶性抗菌剤、グリチルレチン酸ステアリルなどの抗炎症剤、油溶性香料等の各種添加剤を通常の使用量で配合することもできる。 【0018】本発明の油相は、上記油性成分、乳化剤及びその他の成分を混合して調製されるが、ここで、本発明の場合、このようにして調製された油相の融点が25〜100℃、特に40〜60℃であることが望ましい。融点が低すぎると粘土鉱物を配合する際に特別な冷却装置が必要となり、経済的に不利である。また、100℃を超えるとO/W型エマルションを形成する際に水が沸騰してしまい現実的ではない。 【0019】次に、本発明の水相は、水相成分として、水の他に本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、親水性の上記乳化剤、例えばグリセリン,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,ポリグリセリン,ソルビトール,ポリエチレングリコール,ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類、例えば塩化アルミニウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化ナトリウム,塩化バリウム等の塩化物、水酸化ナトリウム,水酸化マグネシウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウム,水酸化アルミニウム等の水酸化物、硫酸アルミニウム,硫酸カルシウム,硫酸カリウム,硫酸ナトリウム,硫酸バリウム,硫酸マグネシウム等の硫酸塩、リン酸カリウム,リン酸ナトリウム等のリン酸塩などの無機塩、L−アスパラギン酸カルシウム,L−アスパラギン酸ナトリウム,L−アスパラギン酸マグネシウム等のL−アスパラギン酸塩、アルギン酸カルシウム,アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩、イソステアリン酸アルミニウム等のイソステアリン酸塩、エデト酸二カルシウム等のエデト酸塩、クエン酸カルシウム,クエン酸鉄(III),クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩、グルコン酸亜鉛,グルコン酸カルシウム,グルコン酸鉄(II),グルコン酸銅(II)等のグルコン酸塩、ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸カリウム,ステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸塩、ミリスチン酸亜鉛,ミリスチン酸アルミニウム,ミリスチン酸カリウム,ミリスチン酸カルシウム,ミリスチン酸マグネシウム等のミリスチン酸塩、乳酸アルミニウム,乳酸カルシウム,乳酸ナトリウム等の乳酸塩、安息香酸アルミニウム,安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩などの有機酸塩等の塩類、水溶性高分子化合物、低級アルコール、水溶性防腐剤、水溶性抗菌剤等の各種水溶性有効成分等を通常の使用量で配合することができる。また、これらの水溶性物質は、O/W型エマルションを形成した後、後述するように上記粘土鉱物を予備混合する際に使用する水性溶液に配合することもできる。 【0020】本発明のO/W型エマルションを形成する際の水相と油相の配合割合は、油相の組成、粘土鉱物含有乳化液体の目的等により適宜選定されるが、通常重量比で油相:水相=1:2〜1:20となる量が好適である。油相の配合割合が小さすぎると油性成分配合の効果が十分に得られない場合があり、油相の配合割合が大きすぎるとエマルションの形成が困難となる場合がある。また、上記O/W型エマルション全体に対する上記粘土鉱物の配合割合は特に制限されないが、通常0.1〜10%、特に0.5〜2%とすると好適である。 【0021】ここで、本発明の場合、上記O/W型エマルションに粘土鉱物を配合する際に、上記粘土鉱物を予め水性溶液に分散させて予備混合液として添加すると、より好適であり、この場合、水に分散してもよいが、水の他に水溶性高分子化合物と予備混合してから添加するとより好適である。水溶性高分子化合物としては、皮膚用及び毛髪用の化粧料に使用される水溶性高分子化合物が挙げられ、具体的には、例えばカラギーナン,キサンタンガム,アルギン酸ナトリウム,アルギン酸カリウム,アルギン酸プロピレングリコール,ヒアルロン酸等の天然のアニオン性の水溶性高分子化合物、グァーガム,トラガカント,ローカストビーンガム,デンプン,デキストリン等の天然のノニオン性の水溶性高分子化合物、キチン,キトサン等の天然のカチオン性の水溶性高分子化合物、カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸・マレイン酸共重合体,マレイン酸・ジイソブチレン共重合体,メタアクリル酸・アクリル酸エステル共重合体等の合成のアニオン性の水溶性高分子化合物、ポリコートNH(ヘンケル社製)、マーコート550(メルク社製)、ガフカット755(GAF社製)等のカチオン性の水溶性高分子化合物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,カチオン化デンプン,カチオン化セルロース等の半合成の水溶性高分子化合物などを挙げることができ、これらは一種単独で又は二種以上を適宜組み合わせて用いられる。これらの中でも、特にキサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カチオン化セルロース等がより好適に用いられ、特にこれらの中でもキサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を用いると、より効果的である。 【0022】上記水溶性高分子化合物の配合量は、特に制限されるものではなく、その種類、用途等により適宜選定されるものであり、通常予備混合液全体に対して好ましくは0.01〜20%、より好ましくは0.01〜10%、特に好ましくは0.1〜5%程度配合すると好適である。配合量が少なすぎると水溶性高分子化合物配合の効果が十分に得られない場合があり、多すぎると予備混合液の粘度が著しく上昇し、O/W型エマルションに粘土鉱物を均一に分散させるのが困難となる場合がある。また、同様の理由により、予備混合時に水溶性高分子化合物の比率が上記粘土鉱物に対して重量比で好ましくは0.1倍以上、より好ましくは0.1〜10倍、特に好ましくは0.1〜5倍となるようにすると効果的である。 【0023】また、上記水性溶液には、上述したように水相成分として配合し得る各種水溶性物質を配合することができるが、粘土鉱物の凝集を防止することを考慮すれば、上記多価アルコール類、塩類及び乳化剤を予備混合時には配合しないことが望ましい。 【0024】上記水性溶液の配合量は、特に制限されないが、粘土鉱物含有乳化液体全体に対して好ましくは1〜60%、より好ましくは2〜50%、特に好ましくは5〜20%程度である。上記範囲以外では粘土鉱物含有乳化液体の取り扱い性が悪くなる場合がある。 【0025】本発明の製造方法は、上述したように、まず、上記油相と水相とからなる系を混合、乳化させてO/W型エマルションを形成する第一工程と、更にこのO/W型エマルションに上記油相の融点以下の温度で上記粘土鉱物を混合分散させる第二工程とを行うことによって、粘土鉱物が乳化性能を阻害することによって生じる油相の微粒化不良、乳化粒子の合一を防止して、粘土鉱物が配合されていても安定な乳化液体を得るものである。以下、本発明の製造方法を第一工程と第二工程とに分けて説明する。 【0026】本発明の第一工程は、上述したように上記油相と水相とを混合、乳化してO/W型エマルションを形成するものである。なお、油相を水相中に分散する前、又は、油相を水相中に分散させる際に粘土鉱物を添加すると、油相の微粒化が不良となる。ここで、上記油相と水相とからなる系を混合、乳化させる際には、系全体の温度を油相の融点以上の温度として混合、乳化を行ってもよく、又は油相をその融点以上とし、水相は油相の融点以下とし、これらを混合、乳化して油相の融点以上、又は融点未満の温度のエマルションを得ることもできる。油相の温度がその融点より低いと油相と水相との混合が不十分となり、安定したエマルションを形成することができない。なお、エマルション形成時に系全体の温度を油相の融点以上とする場合、系の温度と油相の融点との温度差は、適宜選定することができるが、通常エマルション形成時の温度が油相の融点よりも1〜50℃、特に3〜10℃程度高いことが望ましい。また、油相をその融点以上の温度とし、油相の融点以下の温度の水相と混合、乳化する場合は、油相の温度をその融点よりも3〜50℃、特に10〜25℃程度高くすると好適である。 【0027】上記油相と水相とを混合する場合、これらを添加する順序は特に制限されず、例えば全部を同時に添加してもよく、また、油相、又は油相と水相とを油相の融点以上にするために、これらを加温する必要がある場合、その加温の方法も特に制限されず、例えば油相、又は油相と水相とを撹拌槽(乳化槽)に仕込んだ後にこれらを同時に加温することもできるが、系の温度を油相の融点以上とする場合、作業性を考慮すれば、予め油相の融点以上に加温した水相を槽内に張っておき、そこへその融点以上に加温して溶融させた油相を添加して、乳化を行うことが望ましい。 【0028】ここで、これらを混合してエマルションを形成する装置は、特に制限されず、従来より使用されている撹拌装置を使用することができるが、系の粘度がエマルションが形成されるに従って高くなることを考慮すれば、全体混合を行うと共に、ある程度の剪断力を付加することができるように集中剪断型撹拌機を併用できることが望ましく、また、撹拌機の高速回転により、場合によっては泡の混入が起きやすい状態となるので、乳化槽内を減圧しながら撹拌を行えると、より好適であり、例えば図1に示すように、ジャケット6付きの乳化槽1内に集中剪断型撹拌機として例えばホモミキサー2と全体撹拌翼として例えば邪魔板3付きのパドル式撹拌機4とを備え、更に真空装置5を備えた撹拌装置Aによって、上記ジャケット6により上述したように槽内の温度コントロールを行うと共に、必要に応じて真空装置5によって槽内を減圧して撹拌を行うと好適である。 【0029】上記装置を用いてエマルション形成を行う場合、集中剪断型撹拌機及び全体混合翼の撹拌条件は、これらの撹拌機の通常の使用範囲にて行い、集中剪断型撹拌機によって油相を十分に微細化すると共に、全体混合翼により全体混合を行って分散相と連続相とが均一になるまで撹拌を行うことが望ましく、例えば集中剪断型撹拌機を周速1m/s以上、好ましくは3〜30m/s、特に好ましくは5〜25m/sとして系に高剪断を与え、全体混合翼の周速を1m/s以上として全体混合を確保すると好適である。 【0030】本発明の第二工程は、上記第一工程によってO/W型エマルションを形成した後、系の温度を上記油相の融点以下の温度に冷却して粘土鉱物を混合、分散させるものであり、この場合、仮に粘土鉱物を油相の融点を超える温度で添加すると、乳化粒子の合一が生じてしまう。ここで、第二工程における温度は、上記油相の融点より2〜20℃低い温度、より好ましくは3〜10℃低い温度とすると好適である。第二工程における温度が高すぎると乳化粒子の合一を十分に防止できない場合があり、温度が低すぎると効果は変わらないのみならず、上記O/W型エマルション乳化液体の粘度が増して、上記粘土鉱物の混合が不良となる場合がある。 【0031】ここで、上記O/W型エマルションに粘土鉱物を混合、分散させる際に、粘土鉱物をそのままO/W型エマルションに配合してもよいが、本発明の場合、上述したように粘土鉱物を予め水に分散させたり、水の他に上記水溶性物質と混合して、水性溶液に粘土鉱物を分散させた予備混合液を調製し、これをO/W型エマルションに配合することもでき、特に上記水溶性高分子化合物と予備混合することが望ましい。上記粘土鉱物を水溶性高分子化合物と共に予備混合する場合、上記粘土鉱物と水溶性高分子化合物とを同一槽で混合しても、別々の槽でそれぞれ水性溶液に分散させた後、これらを混合してもよいが、粘土鉱物と水溶性高分子化合物とを同一槽で混合する場合は、粘土鉱物を水性溶液に分散させた後に水溶性高分子化合物を添加して溶解させることが望ましい。水溶性高分子化合物を先に溶解させると系の粘度が上昇して、粘土鉱物を分散させ難くなる場合がある。 【0032】この予備混合時における混合の程度は、目視で明らかな塊状物が確認できない程度に全体が均一に溶解、分散されていればよく、また、予備混合時の温度は、特に制限されるものではないが、40〜80℃程度が好適である。温度が低すぎると粘土鉱物の分散が不良となる場合があり、温度が高すぎると予備混合液の表面に膜が形成される等の支障が生じる場合がある。この予備混合を行う装置は、特に制限されず、公知の撹拌装置を使用することができ、例えばホモミキサー、ディスパー、櫛歯型等の一般的な集中撹拌機を使用することができるが、パドル、プロペラ、アンカー、リボン等の一般的な全体混合翼のみで撹拌することもでき、これらは掻き取り機を備えたものであっても、備えていないものであってもよい。また、この予備混合において使用される撹拌槽は温度コントロール機能を備えたものが望ましく、温度コントロール機能としては、具体的には、外部熱交換によるリサイクルライン、コイル、槽外側のジャケット等が挙げられるが、熱効率を考えるとこれらの中でもジャケットを用いることが好ましい。この際の撹拌条件は、これらの装置の通常の使用範囲にて行うが、例えば全体混合翼のみを備えた撹拌装置によって撹拌を行う場合、全体混合翼の周速を0.5m/s以上、特に1〜2m/sとして全体混合を確保すると好適である。また、混合時間も特に制限されるものではなく、適宜選定することができるが、少なくとも1分以上、特に10〜30分間混合することが望ましい。混合時間が短すぎると粘土鉱物の凝集を十分に防止できない場合があり、長すぎるとそれ以上の混合効果が得られず、作業効率上望ましくない場合がある。 【0033】本発明の上記第二工程における上記粘土鉱物のO/W型エマルション中への混合、分散は、上述したようにO/W型エマルションを形成した後、温度を油相の融点以下にして行うものであり、この時の冷却は、室温放置又は冷却機により行うことができ、この時の冷却速度は特に制限されず、適宜選定することができる。また、上記粘土鉱物のO/W型エマルション中への混合、分散の程度は、分散成分が細かく微細化され、更に均一で粒子径や全体的にpH、粒度分布を調べても、槽内のどの部分でも同一である程度に全体が均一に溶解、分散されていればよく、このような混合を行う装置は、特に制限されないが、冷却効率を考慮すれば、例えば上記予備混合工程と同様に全体撹拌翼によって撹拌しながら外側のジャケット等で冷却を行う撹拌装置を好適に使用することができ、更に作業効率を考慮すれば、第一工程で用いた撹拌装置の全体混合翼のみを使用して、上記予備混合工程と同様の周速で全体混合を確保すると好適である。また、混合時間も特に制限されるものではなく、適宜選定することができるが、少なくとも1分以上、特に10〜30分間混合することが望ましい。混合時間が短すぎると粘土鉱物を十分に分散させることができない場合があり、長すぎるとそれ以上の混合効果が得られず、作業効率上望ましくない場合がある。 【0034】なお、本発明の製造方法は、上述したように予備混合を行う際に上記種々の添加成分等を配合することもでき、また、上記第二工程によって得られた粘土鉱物含有乳化液体に更に適宜成分を配合して製品化することもできる。 【0035】本発明の製造方法によって得られた粘土鉱物含有乳化液体は、液状洗顔剤,ボディーシャンプー,ハンドソープ等の皮膚用洗浄剤、ヘアシャンプー等の毛髪用洗浄剤、ヘアリンス,ヘアトリートメント,ヘアコンディショナー等のヘアケア製品、ボディーリンス等のボディーケア製品,スキンクリーム,ハンドクリーム等のスキンケア製品などの各種の皮膚用及び毛髪用の製品として好適に使用することができる。上記粘土鉱物含有乳化液体は、そのまま、または適当な水性溶液で適宜希釈して水中油型(O/W)エマルションとして製品化することができ、また、更に上記各種製品に配合される油性成分等を配合して常法により転相させることによって油中水型(W/O)エマルションとして製品化することができる。 【0036】 【発明の効果】本発明の粘土鉱物含有液状組成物の製造方法によれば、粘土鉱物の配合によって、油相を水相中に分散させる際に油相の微粒化が阻害されたり、乳化粒子の合一が生じるのを防止することができるので、良好な乳化粒子を有し、乳化安定性に優れた乳化液体を得ることができる。 【0037】本発明により製造された粘土鉱物含有乳化液体は、乳化安定性に優れているので、そのまま、又は適宜希釈してO/W型エマルション製品としたり、更に適宜油性成分等を配合してW/O型エマルジョン製品等とすると、安定性に優れると共に、上述したような粘土鉱物配合による好ましい使用感等を有する製品を得ることができる。 【0038】 【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 【0039】[実施例1,2及び比較例1,2]まず、予めパドル型4枚羽根を備えた撹拌槽に約50℃の精製水138重量部を仕込み、更にスメクタイト5重量部を添加して、周速2m/sで30分間撹拌して、スメクタイトを精製水に分散させてスメクタイト分散液を調製した。これとは別に約55℃の精製水398重量部とキサンタンガム2重量部とを同様に混合して、精製水にキサンタンガムを膨潤溶解させてガム溶液を調製した。実施例1及び比較例1,2は、上記スメクタイト分散液を予備混合液とし、実施例2は、上記ガム溶液の内100重量部を上記スメクタイト分散液に加え、周速2m/sで30分間撹拌してスメクタイト・ガム分散液を調製して予備混合液とした。 【0040】次に、図1に示す乳化槽1に精製水210重量部、グリセリン50重量部を仕込み、邪魔板3付きのパドル式撹拌機4(全体混合翼)を周速0.7m/sとして10分間混合し、更にトリメチルグリシン30重量部、クエン酸2重量部、メチルパラベン3重量部を添加して、10分間混合してこれらを溶解した後、乳化槽1内を約55℃に加温した。この乳化槽1内に上記ガム分散液を実施例1及び比較例1,2の場合は全量、実施例2の場合は予備混合液の調製に使用した残部(300重量部)を添加し、更に比較例1の場合は上記スメクタイト分散液も添加して、10分間混合して、それぞれ水相を得た。 【0041】一方、下記成分を別のパドル型4枚羽根を備えた撹拌槽に仕込み、約60℃で周速1m/sで30分間混合溶解して油相を調製した。 【0042】 <油相の組成> スクワラン 50 重量部 イソステアリン酸イソセチル 20 重量部 ジメチルシリコン 20 重量部 セトステアリルアルコール 40 重量部 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 10 重量部 プロピルパラベン 1 重量部 モノステアリン酸ジグリセリル 20 重量部 グリチルレチン酸ステアリル 1 重量部 合 計 162 重量部【0043】この油相を先に調製しておいた水相に添加して、上記撹拌装置Aのホモミキサー2を用いて約55℃で周速15m/sで2分間剪断をかけた後、邪魔板3付きのパドル式撹拌機4を用いて周速0.7m/sで撹拌してO/W型エマルションを形成した。その後、35℃まで冷却する過程において、実施例1,2では45℃で上記予備混合液を添加、混合し、比較例2では50℃で上記予備混合液を添加、混合してそれぞれクリーム製品(乳化液体)を製造した。なお、上記油相の融点は48℃であった。 【0044】評価方法各クリーム(製品)について、顕微鏡写真により(拡大倍率:600倍)、乳化粒径を測定し、平均粒径及び最大粒径の大小をもって、乳化良否の指標とした。結果を表1に示す。 【0045】 【表1】
【0046】表1の結果によれば、スメクタイトを配合する際、油相を水相中に分散乳化後、油相の融点以下に冷却してから添加混合することにより、良好な乳化粒径が得られることが認められる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006769 【氏名又は名称】ライオン株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−180849 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−365367 |
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