| 【発明の名称】 |
グルタチオン誘導体の薬物治療的用途 |
| 【発明者】 |
【氏名】オーレンシュレガー,ゲールハルト
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、薬剤を提供することである。
【解決手段】本発明の薬剤は、式【化1】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 式【化1】
のグルタチオンチオール誘導体を含むことを特徴とする薬剤。 【請求項2】 式【化2】
(式中RはCH3 、CH2 −CH3 、COCH3 又はPO3 H2 基を意味する)で示されるグルタチオンチオール誘導体を含むことを特徴とする薬剤。 【請求項3】 少なくとも1種類のビタミン及び請求項1又は2のグルタチオンチオール誘導体を含むことを特徴とする薬剤。 【請求項4】 無機的或は有機的に結合された半導体元素を含有する少なくとも1種類の物質及び請求項1乃至3いずれかによる薬剤を含むことを特徴とする薬剤。 【請求項5】 少なくとも1種類のアミノ酸及び請求項1乃至4いずれか記載の薬剤を含むことを特徴とする薬剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はグルタチオン誘導体の薬物治療的用途に関する。 【0002】ヒトを含めてすべての高度に組織化された多細胞生体系は、その細胞及び組織のエネルギー需要を生体内酸化還元の原理によりまかなっている。 【0003】炭水化物、アミノ酸、脂肪酸及びヌクレオチドは、種々の物質代謝態様における脱水素(脱水素=酸化)により、その分子内に蓄積された化学的エネルギーの一部を放出し、次いでクエン酸回路における共通最終分解に附される。 【0004】単糖類、脂肪酸およびアミノ酸のための共通最終段階を構成する、健康な細胞乃至組織の物質代謝サイクルにおいて、このサイクルで生成するC−6化合物(クエン酸)は2段階の脱カルボキシル反応によりサイクル一巡の間にC−4化合物(オキサル醋酸)に分解され、炭素鎖は2個の炭素原子に縮少される。 【0005】さらにクエン酸回路においては、8個のH原子は生体酸化連鎖を経てエネルギー受領下に酸化され、4個の水分子となる。 【0006】脱水素の際に種々の分解態様で生成する水は、水担持補酵素NADおよびFADにより、細胞の発電所として作用する細胞小器官、ミトコンドリアの内膜に搬送される。この水は生体酸化連鎖の構造的結合酸素、チトクロムと共に、電子伝達連鎖の最終段において水素がレドックス反応で酸素と反応して水となるときに、すべての物質代謝と同様に機能し得る電子伝達連鎖を形成する。このレドックス反応における定常電圧EはpH値7において+0.810ボルトであり、電子伝達連鎖において吸引される。 【0007】酸素は、物質代謝過程における最終の水受容体乃至電子受容体であり、その存在により細胞物質代謝における電子移動を真直に維持する。 【0008】ミトコンドリアにおける生体酸化連鎖は、一種の生化学的酸水素反応で進行し、これにより呼吸基質が脱水素される。水乃至電子の段階的反応により、中間担体の段階を経て、水素及び酸素から水を形成する際に放出された高反応エンタルピーは徐々に釈放され、かなりの部分は、エネルギーを費消する細胞反応のため、アデノシンホスファート(ATP)として科学的エネルギー形態で蓄積される。 【0009】ミトコンドリアを有する、健康な細胞は、このようにしてそのエネルギー需要をまかなう。物質代謝負荷に応じて、ミトコンドリア個数は1細胞当たり102乃至6x103 の範囲で変化し、その酸素需要もこれに応じて相違する。 【0010】酸素は、酸化生体系の生存において、すべての細胞のミトコンドリアに刻々十分な量で供給されねばならない。そのためには気管において十分な酸素分圧を有する、吸気からの絶え間のない円滑な酸素流、肺胞の肺−血液界面における酸素移行、赤血球膜を介する拡散、ヘモグロビン形成およびヘモグロビンから組織毛細血管内への酸素釈放、間細胞間隙への酸素拡散、細胞膜およびミトコンドリア膜を経て上記生体酸化連鎖に至る流れが必要である。 【0011】すべての細胞におけるこの絶え間のない円滑に進行する酸化は、生体を健康状態に維持するための重要な前提である。電気乃至電子素子及びその回路と概括的に対比して、健康な細胞の作用特性が説明され得る。これには理想的作用点が存在するが、これは作用特性からわずかにずれても差し支えない。しかしながら、この作用点がその理想的な点から著しく離れている場合には、これは細胞の物質代謝にかなりの障害がある徴候である。この種の障害は例えば酸化ストレスとも称される超酸化現象により惹起される。この酸化ストレスは、活性酸素段階(酸素ラジカル)の供給過剰により、かつ/もしくは常態ではこのラジカルエネルギーを除去可能とする、スカベンジャー分子と称される分子が減少することにより生起せしめられる。細胞がこの障害を除去し得ないと、バイオ分子の破壊及び細胞膜の脂質過酸化のような細胞構造の破壊、種々の細胞機能障害、細胞の癌性変化、遂には細胞の死滅に至る。 【0012】生体系においてはその分子段階から、また細胞構造において、外因性毒物から、また細胞物質代謝において絶えず生成する破壊性酸素ラジカルに対して保護するようになされており、このラジカルを確実、迅速に阻止捕捉し得るスカベンジャーとしての保護分子及び保護酵素を形成する。 【0013】しかるに障害を受けた細胞が活性酸素を阻止捕捉し得ないと、その結果として、各遺伝子の癌、血液細胞の急性病変、肝病変、脂肪肝、脂肪硬変、肝硬変、ナチュラルキラー細胞の領域における免疫機能障害、Tヘルパー細胞におけるリンパ合成複合障害、心筋病変、炎症性、アレルギー性或は退行性遺伝子神経病変、血液細胞病変、眼球障害、上皮−内皮及び粘膜組織の増殖障害、分化障害など種々の病変をもたらす。どのような病変を招来するかは本質的にどの細胞及び細胞組織が最も著しく攻撃されたかによる。 【0014】従って生体系において必須不可欠の酸化も超酸化に至ってはならない。 【0015】科学的見地からすると酸化は1.電子の供与2.水素の供与3.酸素の受容を意味し、還元は、1.電子の受容2.水素の受容3.酸素の供与を意味する。 【0016】すべての還元は、熱力学的に吸熱的過程と考えられ、またすべての酸化は発熱的過程と考えられる。このことは酸化工程が「貧エネルギー的」であり、還元工程が「富エネルギー的」であるこを意味する。還元工程は常に「エネルギー」すなわち電子を供与することができ、酸化工程は「エネルギー受容」により、電子の受容により還元される。 【0017】ヒト及び哺乳動物の血液および大部分の細胞中におけるすべての還元力の基礎をなすものは、以下のような構造をなす、アミノ酸グルタミン酸、システイン及びグリシンの三者から成る還元された形態の(G−SH)のトリペプチドグルタチオンである。 【0018】 【化3】
グルタチオン(ガンマ−グルタミル−システィニル−グリシン=G−SH)生物学的酸化に基づく生体系の機能は、この重要な分子、G−SHの還元的保護の持続によってのみ果たされ得る。 【0019】脱水素乃至酸化により、2分子の還元グルタチオン(G−SH)は、ジスルフィドを形成して、1分子の酸化グルタチオン(G−S−S−G)になる。 【0020】 【化4】
【0021】多くの研究の結果、固有の機能を申し分なく果たす細胞は、還元グルタチオン(G−SH)対酸化グルタチオン(G−S−S−G)の量割合約400対1を有することが確認され得た。すなわち、完全生活細胞は還元グルタチオン含有量の形態において高い還元性ポテンシャルを有する。400対1のG−SH対G−S−S−G量割合は理想的機能及び確実な構造維持の指標として評価され得る。 【0022】多くの、或はすべての細胞物質代謝酵素機能を維持するため、その触媒的、アロステリック中心の酸化変質を阻止するため、また最適の対応を行うため、還元グルタチオンの還元性ポテンシャル、すなわちその最適の高い細胞内量割合は極めて重要である。 【0023】これまでの伝統的医療は、生体系の酸化現象、つまり酸化的側面を支持するか、或は異種生体として分解し、酸化の代謝物質形成するのに必要な医薬により、物質代謝の「酸化ポテンツ」において、チトクロム−p−450系及び医薬分解を捕捉する。 【0024】これに対して本発明は、従来の医療に代えて、物質代謝において傷害された細胞におけるレドックスポテンシャルを強化し、或はこれに独占させようとすることにある。 【0025】この課題はグルタチオン誘導体として、【0026】 【化5】
のグルタチオンのチオール誘導体を使用することにより解決される。 【0027】生理学的に適量ならしめられた還元グルタチオンの細胞内量割合の重要な分子生物学的意義により、以下の生理学的、生化学的及び生命的細胞機能は細胞内のグルタチオン状態(G−SH>混合ジスルフィド>G−S−S−G)のみにより明らかになされ得る。 【0028】* レドックスポテンシャル* 全酵素反応の最適の作用可能性(酵素分子の活性中心ならびにアロステリック中心) * すべての生体膜(細胞膜及び細胞器官膜)の完全状態の保護* これはまた構造結合酵素の機能適正化のため、膜−担体メカニズムのため、すべての細胞受容体の機能及びアロステリック特定化のためなどに極めて重要である。 【0029】* 多くの酵素、ことに解毒に関与する酵素のコファクター及び還元ポテンシャル* 細胞増殖及び細胞分化プロセスの複雑な空時パターンの規制及び規制正常化のため* 生体系内のラジカル反応およびラジカル連鎖反応の阻止、緩和及び終結のため従って還元グルタチオンの生理学的細胞内量割合は、すべての基本的細胞機能にとって第1の前提条件である。 【0030】多くの病変、種々の病因及び現象的に異なる種々の病理生化学的病原体による大部分の病変の医療及び予防のために、細胞内のG−SHの濃度乃至量割合を正常化することは、原因治療的意義を有する。 【0031】種々の病原体により障害された細胞物質代謝の正常化のための確実な基本的治療は、以下の如き生理学的に使用可能で有効なグルタチオン誘導体により初めて可能となる。 【0032】2)ガンマグルタミル−システイニル−グリシンのメチル−(チオ)−エーテル、3)ガンマグルタミル−システイニル−グリシンのエチル−(チオ)−エーテル、4)ガンマグルタミル−システイニル−グリシンのモノ−アセチル−(チオ)−エステル、5)ガンマグルタミル−システイニル−グリシンのモノ燐酸−(チオ)−エステル、段落0066乃至段落0085に示される徴候のため細胞、動物及びヒトに対してなされたすべての研究は、請求項1及び2のグルタチオン誘導体及び請求項3乃至5の組合せで実証され得た。 【0033】請求項1乃至2にあらためて記載された還元グルタチオン(G−SH)誘導体の、従ってまた本発明の、ヒト及び動物の病変に対する薬物治療的用途における本質的利点は以下の通りである。 【0034】A)これら誘導体(請求項1及び2)の良好な生体膜透過性。これにより始めて確実な生理学的機序を伴う、グルタミンによる有効な細胞内的治療が可能となる。 【0035】B)生物学的区画を通って所望の作用個所に至る道程における、薬物効果に極めて重要なグルタチオンSH基の保護。 【0036】C)内原性グルタチオン−バイオ合成に関与する酵素(ガンマグルタミルシステイン合成酵素、消極的なフィードバックの意味におけるグルタチオンによる制御酵素、グルタチオン合成酵素)に非抑制的。 【0037】これにより、競合的かつ/もしくはアロステリック抑制の態様で、細胞障害の程度によりなお可能性のある内原性グルタチオンバイオ合成が抑制乃至阻止されることなく、細胞内空間のためのグルタチオン(G−SH)置換の可能性がもたらされる。 【0038】D)上記請求項1及び2のグルタチオン誘導体の薬物治療的用途は、健康細胞における内原性グルタチオンバイオ合成に対する僅少の抑制をもたらす。 【0039】治療に使用可能のグルタチオン治療は、有効かつ適当な細胞内濃度をもたらすように種々の用法(経口的、経鼻的、経頬的、経舌下的、吸入的、経腔的、経直腸的、経皮的、経皮下的、筋肉内、経静脈的、注入的、経動脈的)で投与可能であり、完全なSH基の分子が細胞内に作用することができ、良好な膜滲透性を示さねばならない。 【0040】このようにグルタチオン(G−SH)の比較的広い治療的投与の可能性のための要件は、上記請求項1及び2に記載されかつ検討された誘導体により充足可能である。 【0041】細胞物質代謝の基本的メカニズムを正常化するようにG−SHを適当な細胞内濃度で作用させるため、上述の請求項1及び2の誘導体を単独で、かつ/もしくは請求項3乃至請求項5の混合物として、或は製剤の形態で使用する。 【0042】あらゆる炎症性(アレルギー性及び自己攻撃性を含めて)、化学的毒性、物理的毒性(電磁波及び/或は粒子線放射による放射線障害を含めて)、感染毒性の細胞、組織及び器官障害;組織上及び内の病理学的沈着、湿潤;萎縮、肥大、退化、異形性、つまり良性腫瘍及び転移を伴う或は伴わない悪性腫瘍の場合。 【0043】生体分子、正常栄養及び渋滞栄養組織の変質の場合各遺伝子の免疫傷害の場合。 【0044】他の癌療法の範囲及び化学療法乃至放射線療法の範囲における癌予防及び補助的癌治療のため。上記の各治療目的のため請求項1乃至5で規制される医薬としての使用可能性が明らかになされる。 【0045】さらに還元グルタチオンの不足により増大し、分子構造及び細胞構造を傷害し、病的変質あるいは細胞死滅をもたらすべき酸素ラジカルが有効に阻止され得る。 【0046】実験室において初めて行われたヒト及び哺乳動物に対してグルタチオン及び/或はそのチオール誘導体を医薬として使用した実験は、以下の実施例に示される症状乃至疾患に対処し得る、思考的に、また実際的に全く新しい治療法を確立した。 【0047】治療剤としての還元グルタチオン及び/或はそのチオール誘導体を使用して細胞及び組織におけるレドックスポデンシャルの生理学的調整により「超酸化」を阻止することは、悪性腫瘍の予防及び治療を含む種々の疾患の治療に対する全く新規な方法である。 【0048】グルタチオン還元酵素、電子移動機能を果たすフラビン蛋白質は、ヒトのすべての細胞における(G−SH)対(G−S−S−G)の量割合を約400対1に調整する。この価は細胞の活力乃至生理学的機能性を反映するものである。 【0049】3種類のアミノ酸、すなわちグルタミン酸、システインおよびグリシンからのグルタチオンのバイオ合成は2種類の酵素、すなわちガンマグルタミル−システイン合成酵素、及びグルタチオン合成酵素の関与下において、細胞内DNAと無関係に2モルのアデノシン−トリホスファート(ATP)を費消しつつ行われる。 【0050】 【化6】
【0051】グルタミン酸のガンマカルボキシル基との比較的異例のペプチド結合は、ペプチターゼによるグルタチオン分子の無制御破壊を阻止する。 【0052】還元グルタチオンは白色の結晶性物質であって、192−195℃において分解しながら溶解する。307.33の分子量を有する。還元グルタチオンは水及び生理的食塩水に易溶性であり、エタノールに可溶性である。 【0053】「伸展された」分子G−SHは15Åの長さを有する。グルタチオン分子の若干の官能性基の吸収特性における僅少の相違にかかわらず、230nmに吸収極大を有する安定した吸収特性が認められる。 【0054】pK値はSHで9.66、NH3 + で8.66、COOH(1) で3.53及びCOOH(2) で2.12に在る。 【0055】SH基は、還元グルタチオン(G−SH)のSH基も含めて、極めて活性のラジカルスカベンジャーであって、その水素原子を炭素、酸素及び窒素ラジカルに供与する。生体系の基本的レドックス系としてのG−SH/G−S−S−G系機能と共に、活性SH基の極めて興味ある水素移動機能は、G−SHの全般的な生物学的機能のための特別に重要意義を有する。 【0056】1電子移動過程は以下のように示され得る。 【0057】 【表1】
【0058】2電子移動も可能であり、従って例えば2G−SHが1G−S−S−Gに移行する。 【0059】ヒトの種々の組織には、種々のグルタチオン生物学的半減期が存在する。赤血球においては約100時間、脳においては約70時間、眼球水晶体においては約30時間、肝臓においては約4時間のみである。 【0060】グルタチオンでは1電子及び2電子移動のほかに、混合ジスルフィドの形成およびチオール/ジスルフィド交換反応が行われ得る。 【0061】グルタチオンは多くの重要な酵素、例えばグルタチオン過酸化酵素、グルタチオン還元酵素の構成要素である。 【0062】セレンに依存するグルタチオン過酸化酵素はH2 O2 ならびに有機過酸化物(ROOH)に分解する。第2のセレン依存グルタチオン過酸化酵素はもっぱら有機過酸化物に分解する。 【0063】グルタチオン還元酵素は前述した6−SH対G−S−S−Gの生理学的量割合のための細胞内調整をする。G−SHの細胞内濃度は1〜50×10-4Mであり、G−S−S−G濃度はわずかに6〜200×10-6Mである。 【0064】G−SHの約30%は混合ジスルフィド(Prot−S−S−G)の形態で存在する。 【0065】ヒトの仲介物質代謝におけるグルタチオンの機能は以下の通りである。 【0066】1)レドックスシステム2)酵素及び組織蛋白質によるチオール/ジスルフィド交換反応3)アルキル化医薬と化学品の解毒4)細胞膜を通してのアミノ酸移送5)キレート形成及びキレート結合6)「遊離」ラジカルの保護、「遊離」ラジカルのエネルギー吸収7)反応パートナーで規制される酵素反応グルタチオン過酸化酵素;グルタチオン還元酵素;グルタチオン−S−アリール移転酵素、グルタチオン−S−アルキル移転酵素、グルタチオン−S−エポキシド移転酵素、グルタチオン−S−ジヒドロアスコルバート−還元酵素などのようなグルタチオン−S−移転酵素上記諸機能を考慮して、還元グルタチオンによる治療の以下のような特徴が挙げられる。 【0067】1)レドックスポテンシャルの正常化と、重要な生体分子及び細胞構造の超酸化による障害前における保護ならびに脂質酸化前の保護の適正化とによるすべての特定の細胞機能の改善2)細胞に最適なレドックスポテンシャルの調整及び部分的に混合ジスルフィドの形成による、多くの細胞酵素機能の適正化3)レドックスポテンシャル調整による細胞分裂の正常化、これによる腫瘍保護的及び腫瘍治療的効果4)十分なグルタチオンが存在するときにのみ生起すべき酵素反応の遂行(グルタチオンはグルタチオン過酸化酵素、グルタチオン−S−移転酵素、グルタチオン−ジヒドロアスコルバート還元酵素のような多くの特定の酵素の構成要素である) 5)グルタチオンの作用により可能であるすべての生理学的細胞機能の正常化積極的な効果は単に還元グルタチオンのみによりもたらされるものではなく、還元グルタチオン誘導体、ことに還元グルタチオンモノメチルエステル、還元グルタチオンモノエチルエステル、還元グルタチオンモノアセチルエステル及び還元グルタチオンモノ燐酸エステルによってももたらされる。 【0068】 【化7】
【0069】1.1)メチル−グルタチオニル−(チオ)−エーテル R−CH31.2)エチル−グルタチオニル−(チオ)−エーテル R−CH2 −CH31.3)モノ−アセチル−グルタチオニル−(チオ)−エステル R−COCH31.4)モノ−燐酸−グルタチオニル−(チオ)−エステル R−PO3 H2【0070】秀れた親和性及び高い有効性は、還元グルタチオンならびに上述誘導体と、有機結合の珪素、セレン或はゲルマニウムのような半導体元素と合併含有する組合せ製剤によりもたらされる。ビタミンA、ビタミンEのようなビタミン類或はプロビタミンベータカロチンとの組合せ製剤ならびにL−システイン、L−メチオニンのようなアミノ酸との組合せ製剤も同様である。このような組合せ製剤においては、還元グルタチオンそのものならびにその誘導体ならびに上述した物質を含有することができる。この種の製剤は、広い範囲の症状を示す多くの疾患の処理に適する。 【0071】症状各遺伝子の癌疾患、血液細胞の悪性疾患及びその前段階の処理。 【0072】その他の癌治療、化学的療法、放射線療法及び/或は自然療法治療を行う際の代替法及び物質代謝制御。 【0073】悪性腫瘍疾患の範囲の転移予防及び転移措置。 【0074】肝臓病、ことに急性及び慢性肝炎、例えば科学的毒性、感染毒性肝炎、ビールス性、リケッチア性、細菌性或は原生動物性肝炎、ならびに慢性的進行性肝炎、脂肪肝、脂肪肝硬変及び肝硬変。 【0075】ナチュラルキラー細胞、単細胞、マクロファージ、顆粒細胞、T及びBリンパ球細胞、血漿細胞の免疫防御機能障害ならびに補完ファクタ及び抗体合成の障害。 【0076】ヘルパーT細胞、マクロファージその他の細胞内のリンフォキン合成の障害。 【0077】あらゆる態様の冠状部疾患、狭心症、心筋梗塞の予防ならびに他の即効性医薬と併合して心臓病変の緊急治療処置。 【0078】後天性及び先天性骨格筋障害。 【0079】炎症性、アレルギー性或は退後性遺伝子の神経病変。 【0080】あらゆる態様の血液細胞病変、貧血、白血球減少症、リンパ球減少症及び血小板減少症。 【0081】眼球障害、網膜及び水晶体障害の予防及び白内障予防。 【0082】例えば酸素療法、活性酸素(酸素ラジカル)を使用する治療の場合のあらゆる態様の超酸化乃至酸性性ストレス、ならびに過剰酸素治療、酸素多段階療法、オゾン療法及びHOT療法の際の保護措置。 【0083】ヒトの組織においてラジカル連鎖反応により主体分子及び組織の障害に至るべき中毒。 【0084】放射線処理、細胞静態処理の場合の随伴治療ならびに、悪心、吐気などの軽減乃至抑止。 【0085】麻酔、ことに心臓病及び肝臓病の場合の前身麻酔後。 【0086】異種生体、ことに有毒希元素及び重金属による中毒。 【0087】上皮、皮下及び粘膜組織の増殖障害及び分化障害。 【0088】病態生理学的及びその他種々の性質の動脈硬化症の処置。 【0089】アレルギーの基本的及び補助的処置。 【0090】性交不能症及び受胎不能症ならびに各遺伝子の受胎障害及びポテンツ障害の処置。さらに、あらゆる組織の早期老化、衰退における処置及び早期老化或は臓器衰退に至るべき過程における予防措置。 【0091】適用態様還元グルタチオン乃至そのチオール誘導体は治療のために以下の態様で適用され得る。 【0092】1)静脈内、皮下注射、2)筋肉内、3)内皮下及び皮下、4)経口、5)経鼻、経頬及び経舌下、6)吸入、7)経膣、8)経直腸。 【0093】静脈注射或は皮下注射が、重症及び急性、悪性疾患の場合に適当であり、ことに大量を長時間にわたりほどこすべき場合には皮下注射の方が好ましい。 【0094】注射液調整のための基剤としては、生理的食塩水(水中NaCl0.9%)、リンゲル液或は単糖類溶液(グリコース5%、果糖5%)を単独で、或は混合物として使用するのが適当である。還元グルタチオンの遊離SH基保護のため、液pH値は6.8乃至7.4の範囲とする。 【0095】還元グルタチオンならびにその誘導体の保全のため遮光が必要であり、アンプルとして暗色ガラスを使用すべきである。 【0096】静脈注射の場合還元状態グルタチオンが大量に直接静脈管内に注入され得るが、その部分的酸化形態で吸収させる適用法も考えられる。 【0097】しかしながら、長期間処置の場合には皮下注射、筋肉注射、動脈注射及びさらには乾燥形態の経口投与も有利である。経口投与は錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末剤、滴剤形態による。経口膓吸収の場合には酸化反応により、場合にもよるが効果の減退は免れない。 【0098】医薬的前提が充足されていれば、腫瘍内及び腹腔内適用も可能である。 【0099】同様にして還元グルタチオン乃至その誘導体の坐薬形態の適用も可能であり、また比較的軽微で局所的に良好な適用性がある場合いは、経直腸的、経腔的適用も可能である。 【0100】また、火傷、凍傷或はえそのような軽微の外傷性の場合には軟膏、噴霧剤その他の液剤で適用しても良好な治療効果をもたらし得る。 【0101】各投与態様における投与量及びガレニークは、各用法により相違する生体有効性、生物学的適応性、治療確実性及び投与安全性に応じて決められる。 【0102】投与量グレーマウス、ウィスターラット、うさぎのような小動物に対し毒性をもたらさないことが確認された治療的投与量は、ヒトの場合体重1kg当たり緩徐静脈注射1回量で2〜5mgの範囲であり、注射液5mlは還元グルタチオン150mgを含有する。 【0103】静脈注射としては、250ml担体中に体重1kg当たり1日投与量20mgまで、特別の場合にはさらに大量が投与される。体重1kg当たり20mg投与の場合、最短注入時間30分を下回らないようにすべきである。 【0104】還元グルタチオン含有注射液及び注入液は、他の医薬を混入してはならない。注入液は投与直前に調製されるべきであり、直ちに使用するように規制される。 【0105】1日投与量としては基本的に体重1kg当たり2乃至20mgが推奨されるが、正確な投与量は疾患の範囲における個々の条件により定められる。シュニッツラー転移を伴う癌疾患の場合に限り、腫瘍全量が100gを越える場合、体重1kgに対する1日投与量を20mg以上とすることができる。 【0106】治療継続期間は処理されるべき基本疾患により相違する。4週間以上の治療を行う場合には、痕跡量血漿検鏡で調節される。定量分析のために、スクリーニングテストのパラメータとして血漿亜鉛含有分の測定が推奨される。 【0107】治療方針パラメータとして、血漿電解質のカリウムおよびマグネシウム含有量が役立つ。 【0108】ガレニーク還元グルタチオン及び/或はそのチオール誘導体の注射、注入溶液は、5μSより小さい導電率を有する、無菌、無パイロゲン水中における無重金属溶液でなければならず、これは暗色ガラスアンプル中の貯蔵が推奨される。 【0109】注入液は常にアンプル製剤を担体注入溶液中に調合して直ちに使用される。 【0110】その他の一切の調合形態において助剤、充填剤については還元グルタチオンの遊離SH基が好ましくない反応を生起することなく、有効物質がそれぞれの調合形態において変質することなく調製、貯蔵及び使用され得るように留意しなければならない。 【0111】試験結果1.1)(レドックス挙動の改善及び正常化のためのヒト赤血球試験管試験) 種々の疾患を有する20人の患者の静脈血を10mlずつ採取し、その凝結性をヘパリン添加により試験した。最適赤血球機能のパラメータとして、37℃の還元グルタチオン0.5mgを以てする潜伏期間前後における30分間の赤血球内含有量が測定された。 【0112】n=20(平均値及び標準偏差値) 非負荷値:1.50±0.47mU潜伏期間後値:1.99±0.15mU1.2)(ヒト赤血球の細胞組織における試験管試験) 前述した試験における条件下に22人の患者の赤血球からの酵素グルコーゼ−ホスファート−デヒドロゲナーゼ及びグルタチオン−レダクターゼを試験に附した。 【0113】n=22(平均値及び標準偏差値) 非負荷値:グリコーゼ−6−ホスファート−デヒドロゲナーゼ148±22mU/109 Erys. グルタチオン−レダクターゼ9.5±0.8mU/1011 Erys. 潜伏期間後値:グルコーゼ−6−ホスファート−デヒドロゲナーゼ179±16mU/109 Erys. グルタチオン−レダクターゼ11.3±1.2mU/1011 Erys. 2.1)(血液レドックス状態の改善及び/或は正常化のためのうさぎによる動物試験) 5羽のうさぎにつきヴィンセント(Vincent)の方法及び装置により静脈血における30の試験において以下のパラメータを測定した。 【0114】オーム抵抗:rレドックスポデンシャルEH 乃至エレクトロンポテンシャルrH2pH値:pH数値は一定の酸素欠乏負荷による耳の静脈血について測定した。 【0115】n=30(平均値及び標準偏差値) r=199±12 Ohm/cm3 還元グルタチオンの投与なしの負荷後数値pH=7.38±0.21rH2 =24.9±2.3次いで被験動物に体重1kg当たり10mgの還元グルタチオンを静脈注射した。 【0116】還元グルタチオン投与後5乃至10分の数値は以下の通りであった。 【0117】r=202±14 Ohm/cm3 還元グルタチオン及び負荷をほどこした後の数値pH=7.15±0.16rH2 =21.8±0.95雰囲気温度20℃、気圧767mmHg2.2)(血液レドックス状態の改善及び/平常化のためのヒトに対する自己試験) ヒトの静脈血につき、上述試験におけると同様のパラメータを一定の酸素欠乏負荷下において測定した。日を変えて50の試験を行った。 【0118】n=50(平均値及び偏差値) r=197±14.5 Ohm/cm3 還元グルタチオンの投与なしの負荷後数値pH=7.41±0.18rH2 =26.3±2.1次いで還元グルタチオン600mgを緩徐に静脈投与された。 【0119】還元グルタチオン投与後10分して以下の数値が測定された。 【0120】r=204±12.3 Ohm/cm3 還元グルタチオン及び負荷を施した後の数値pH=7.23±0.11rH2 =23.1±1.4雰囲気温度20℃、気圧758〜770mmHg2.3)(ヒト悪性色素細胞腫(メラノーム)移植による8匹の健康グレーマウスについての試験) 第1図に経時的に腫瘍の成長が図示される。 【0121】ヒト悪性メラノームの106 個の細胞をそれぞれn=8の健康なグレーマウスに接種したところ、還元グルタチオンで処理しなかった動物(コントロールグループ)4匹が8〜14日で死亡した。週3回それぞれ250mgの還元グルタチオンで処理した動物(テストグループ)4匹の腫瘍成長は著しく緩慢となり、7週まで延命した。 【0122】2.4)(ヒト悪性色素細胞腫(メラノーム)接種による40匹の健康グレーマウスについての試験) ヒト悪性色素細胞腫の細胞106 個をそれぞれ40匹の健康グレーマウスに接種した。10匹の非処理コントロール群動物は8〜12日の間に死亡した。 【0123】30匹の試験開始から週3回各300mgの還元グルタチオンで処理した。そのうち3匹は15日で死亡し、他の5匹は20日で死亡し、さらに他の7匹は30日で死亡した。 【0124】還元グルタチオンで処理した動物の50%に当たる15匹は接種後退行腫瘍細胞をもって30継続観察日数の延命を果たした。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598009854 【氏名又は名称】オーレンシュレガー,ゲールハルト
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| 【出願日】 |
昭和63年(1988)7月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田代 烝治
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| 【公開番号】 |
特開平11−147836 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−206743 |
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