| 【発明の名称】 |
階段昇降補助装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 豊
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| 【要約】 |
【課題】使用者が効果的に力を入れて自力を併用して階段を昇降することができる階段昇降補助装置を提供する。
【解決手段】階段4の昇降方向に沿って案内レール6が側壁5に固定され、この案内レール6に沿って変位自在に案内手段7は設けられる。案内レール6には階段の各踏板33に応じて係止突起25が設けられ、案内手段7はこの係止突起25に係止されて下降方向への変位が阻止される。案内手段7には水平方向に延びる把持部材が設けられる。したがって使用者9はこの把持部材8を体の正面で確実に把持することができる。案内手段7を使用者よりも1段上の係止突起に係止させた状態で使用者9は把持部材8を把持して上体を案内手段7に支持された状態で階段4を昇る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 階段の予め定める固定位置に固定され、階段の昇降方向に沿って延びる案内レールと、所定の間隔をあけて前記案内レールに固定される複数の係止突起と、前記案内レールに沿って変位自在に案内され、前記係止突起によって下降方向への変位が阻止される係止片を有する案内手段と、前記案内手段に設けられ、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延び、使用者によって把持される把持部材とを含むことを特徴とする階段昇降補助装置。 【請求項2】 階段の予め定める固定位置に固定され、階段の昇降方向に沿って延びる案内レールと、前記案内レールに沿って変位自在に案内される案内手段と、前記案内手段を、案内レールに沿って昇降駆動させる昇降駆動手段と、使用者の希望する所定の速度で案内手段が昇降駆動するように前記昇降駆動手段を制御する制御手段と、前記案内手段に設けられ、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延び、使用者によって把持される把持部材とを含むことを特徴とする階段昇降補助装置。 【請求項3】 前記把持部材は、階段の使用者の通過経路から退避した退避位置と、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延びる使用位置とにわたって揺動自在に設けられ、案内手段には、非使用時に把持部材を退避位置に向けて弾発的に付勢する付勢手段が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の階段昇降補助装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歩行はできるが、階段の昇降に困難を感ずる人に対して階段の昇降を補助する階段昇降補助装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の階段昇降補助装置としては、たとえば実開昭62−157775号公報に開示されている。この従来技術は、階段に沿って一方側に昇降駆動されるつり輪が設けられ、他方側には手摺が設けられ、使用者は一方の手でつり輪を把持し、他方の手で手摺を握り、つり輪の昇降とともに自力を併用することによって階段を昇降することができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の階段昇降補助装置では、一方の手がつり輪によって駆動され、他方の手が手摺を把持するので、他方の手をつり輪の駆動速度に応じて何度も手摺をつかみ変えなければならない。また、一方の手でつり輪を把持し、他方の手で手摺を把持するので、使用者は両手を体の両側に広げた状態で階段を昇降せねばならず、力を入れにくいといった問題を有する。さらに、つり輪は吊下されるので、力を加えると大きく揺れ、体を安定して支えることが難しいといった問題を有する。 【0004】また使用者はつり輪の移動速度に基づいて昇降速度が決定されるので、使用者の条件に応じた任意の昇降速度を選択できないといった問題を有する。 【0005】本発明の目的は、使用者が効果的に力を入れて自力を併用して階段昇降することができる階段昇降補助装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、階段の予め定める固定位置に固定され、階段の昇降方向に沿って延びる案内レールと、所定の間隔をあけて前記案内レールに固定される複数の係止突起と、前記案内レールに沿って変位自在に案内され、前記係止突起によって下降方向への変位が阻止される係止片を有する案内手段と、前記案内手段に設けられ、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延び、使用者によって把持される把持部材とを含むことを特徴とする階段昇降補助装置である。 【0007】本発明に従えば、階段に沿って延びる案内レールには所定の間隔、たとえば階段の各段に応じて間隔をあけて複数の係止突起が固定される。この案内レールには把持部材および係止片を有する案内手段が設けられる。係止片は案内レールに設けられる係止突起によって案内手段が下降方向へ変位することを阻止する。したがって、使用者がたとえば階段を昇る場合には、まず案内手段を使用者のいる位置から1段上の係止突起まで上昇させて係止させる。次に把持部材を両手で把持した状態で、体を把持部材に引き付けて1段上の踏板まで昇る。このようにして使用者は1段上に係止された案内手段の把持部材を把持して腕の力を併用して、1段上の階段まで上ることができる。したがって階段の昇降に困難を感ずる人であっても、上体を案内手段の把持部によって支えることができるので、容易に階段を昇ることができる。また把持部材は、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延びて案内手段に設けられる。すなわち、案内手段から使用者の正面に延びて設けられる。したがって、使用者は体の前面で把持部材を把持することができ、効果的に腕に力を入れて体を支えることができる。 【0008】このようにして1段上の階段まで上ると、案内手段をさらに1段上の係止突起まで上昇させて係止させ、再び把持部材を把持して1段上に上る。このような動作を繰返して、階段の昇降に困難を感ずる人であっても容易に階段を上ることができる。階段を降りる場合にも同様に、案内手段を1段下の係止突起まで降下させて係止させ、その状態で係止部材を把持して上体を支えて1段下の階段まで降りる。このような動作を繰返すことによって、容易に階段を降りることができる。 【0009】また本発明は、階段の予め定める固定位置に固定され、階段の昇降方向に沿って延びる案内レールと、前記案内レールに沿って変位自在に案内される案内手段と、前記案内手段を、案内レールに沿って昇降駆動させる昇降駆動手段と、使用者の希望する所定の速度で案内手段が昇降駆動するように前記昇降駆動手段を制御する制御手段と、前記案内手段に設けられ、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延び、使用者によって把持される把持部材とを含むことを特徴とする階段昇降補助装置である。 【0010】本発明に従えば、案内レールは階段に沿って設けられ、案内手段は昇降駆動手段によって前記案内レールに沿って昇降駆動する。また案内手段は、制御手段によって使用者の希望する所定の速度で昇降駆動する。したがって、使用者は案内手段の把持部材を把持して上体が案内手段によって案内されながら自力を併用して階段を昇降することができる。これによって階段の昇降に困難を感じる人であっても容易に階段を昇降することができる。また案内手段の昇降速度は、制御手段によって使用者の希望する所定の速度に選ばれるので、前述の従来技術のようにつり輪の移動速度に追従して使用者が階段を昇降する必要がなく、使用者の条件に応じた速度で昇降でき、使い勝手が向上される。また使用者の条件に応じて昇降駆動するので、階段昇降を補助するだけでなく、リハビリテーションなどにも適用することができる。このような案内手段の把持部材は、階段の昇降方向に垂直でかつ水平方向に延びて案内手段に設けられる。すなわち、使用者の体の正面にほぼ水平に延びているので、使用者は効果的に力を入れて上体を安定して支持することができる。 【0011】また本発明の前記把持部材は、階段の使用者の通過経路から退避した退避位置と、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延びる使用位置とにわたって揺動自在に設けられ、案内手段には、非使用時に把持部材を退避位置に向けて弾発的に付勢する付勢手段が設けられることを特徴とする。 【0012】本発明に従えば、把持部材は非使用時には付勢手段によって使用者の通過経路から退避した退避位置に弾発的に付勢されるので、把持部材が階段昇降補助装置を使用しない階段の使用者の通過の妨げとなることが防がれる。また階段昇降補助装置を使用する場合には、把持部材を弾発力に抗して使用位置まで揺動させることによって、把持部材は使用者の体の正面に位置し、これによって使用者は把持部材を容易に把持することができ、上体を安定して支えることができる。階段昇降補助装置を使用した後、使用者は把持部材から手を放すことによって把持部材は付勢手段によって退避位置に弾発的に退避し、階段の使用者の妨げとなることが防がれる。 【0013】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態である階段昇降補助装置1の使用状態を示す正面図である。階段昇降補助装置1は、下層フロア2から上層フロア3にわたって設けられる階段4の予め定める固定位置である側壁5に設けられ、階段4の昇降方向に沿って側壁5に固定される案内レール6と、この案内レール6に沿って変位自在に案内される案内手段7とを含んで構成される。案内手段7には把持部材8が設けられ、使用者9はこの把持部材8を把持して階段4を昇降する。 【0014】図2は、図1の切断面線II−IIから見た断面図である。案内レール6は第1案内レール13と第2案内レール14とから構成され、第1案内レール13は断面形状が略コ字状に形成され、開口部が外方に臨むように側壁5に、階段4の昇降方向に沿って固定される。第2案内レール14は、円柱状に形成され、第1案内レール13に対向し、第1案内レールに平行に設けられ、連結部材15によって第1案内レールに連結される。この第2案内レール14は、手摺としても機能する。 【0015】案内手段7は、支持ブロック16およびこの支持ブロック16を覆うカバー17とを有し、支持ブロック16には3つの支持ローラ18,19,20を有する。各支持ローラ18〜20は第2案内レール14を外囲し、案内レール14の周方向に等間隔に配置され、支持ブロック16に回転自在に支持され、各支持ローラ18〜20の外周面は第2案内レール14の外周面に当接し、案内手段7は各支持ローラ18〜20によって第2案内レール14の軸線方向に変位自在に支持される。このようにして案内手段7は、3つの支持ローラ18〜20によって安定して支持される。このような支持ローラは3つに限らず、それ以上たとえば4つまたは5つであってもよい。 【0016】第1案内レール13は断面形状が略コ字状であり、基部30が側壁5に固定され、基部30の上および下端部から垂直に屈曲する上案内部28および下案内部29を有する。支持ブロック16の側部には、第1案内レール13の上および下案内部28,29間で回転自在に設けられる案内ローラ21が連結される。案内ローラ21は、側壁5にほぼ垂直な回転軸線まわりに回転自在に設けられ、直径Dは第1案内レール13の上案内部28と下案内部29との間の幅W1よりも僅かに小さく選ばれる。これによって、案内手段7は自然状態では案内ローラ21の外周面が第1案内レール13の上および下案内部28,29に当接しない状態にあり、把持部材8を把持して下方に力が掛かった場合などには、案内手段7は第2案内レール14の軸線を中心として図2において反時計まわりに僅かに角変位し、案内ローラ21の外周面が第1案内レール13の上案内部28に当接し、この状態で案内手段7は第1および第2案内レール13,14に沿って案内されることとなる。このようにして案内手段7は安定して階段4の昇降方向に沿って変位することができる。前述と逆に、案内手段7が図2において時計まわりに角変位したときには、案内ローラ21の外周面が下案内部29に当接した状態で案内手段7は第1および第2案内レール13,14に沿って案内されることとなり、この場合も案内手段7は安定して階段4の昇降方向に沿って案内されることとなる。また自然状態で案内ローラ21が上案内部28に当接する構成としてもよい。 【0017】図3に示されるように、第1案内レール13の上案内部28の上面には、等間隔に係止突起25が固定される。係止突起25は、図3に示されるように上面31は上案内部28の上面に滑らかに連なり、この上面31は上方に向かうにつれて上案内部28から離反し、上面28の上端は上案内部28に対してほぼ垂直に連なる係止面32に連なる。このような係止突起25が等間隔、たとえば各係止突起25の水平方向の距離L1が、階段4の各踏板33間の距離に等しく選ばれ、各係止突起25がそれぞれ階段4の踏板33の中央部に対応する位置に設けられる。 【0018】図2に示されるように、支持ブロック16の側壁5側の上側部に設けられる肩部24は、第1案内レール13の上案内部28とほぼ同じ高さに形成され、この肩部24に係止片26が設けられる。係止片26は、四角柱状であり、基端部が肩部24に角変位自在に連結され、押圧手段27によって弾発的に下方に押圧される。また係止片26は、先端部が第1案内レール13上の係止突起25を超えて延びて設けられる。したがって案内手段7は係止片26の先端部が第1案内レール13上の係止突起25の係止面32に係止されて、下降方向への変位が阻止される。 【0019】またカバー17の上面には、略円柱状の把持部材8が設けられる。把持部材8は、基端部がヒンジ22によって案内レール6に平行な角変位軸線まわりに角変位自在にカバー17に連結され、非使用時には図2で実線で示されるように、ほぼ鉛直上方に退避した位置にある。階段昇降補助装置1を使用する場合には、この把持部材8を退避位置から図2で矢符A1で示す向きに揺動させ、仮想線で示すように、階段4の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延びる使用位置に把持部材8を傾転させる。このように把持部材8はほぼ鉛直となる退避位置からほぼ水平となる使用位置まで揺動自在に設けられる。また把持部材8を使用位置に解除可能に保持する保持装置を設けてもよい。これによって使用時に把持部材8が揺動することが防がれ、使用者は安定して把持部材を把持することができる。 【0020】次の階段昇降補助装置1の動作を説明する。下層フロア2から上層フロア3まで階段4を昇るとき、予め下層フロア2に相当する係止突起25に案内手段7を係止させておき、使用者9は前述のように把持部材8を退避位置からほぼ水平となる使用位置まで揺動させる。すると、把持部材8が使用者9の正面にほぼ水平となり、使用者9は容易に前面で把持部材8を把持することができる。このように把持部材8を把持した状態で、案内手段7を下層フロア2よりも1段上の踏板33に相当する係止突起25まで上昇させると、案内手段7の係止片26が、係止突起25の滑らかな上面31に案内されて、押圧手段27の弾発力に抗して遊端部が上方に変位し、係止片26が上面31の上端に達すると押圧手段27の弾発力によって係止片26の先端部は下方に変位する。この状態で使用者9が案内手段7の上昇方向への力を解除すると、係止片26が係止突起25の係止面32に係止されて案内手段7は下降方向への変位が阻止される。このように係止突起25および係止片26は、いわばラチェットとして機能する。 【0021】このように案内手段7が使用者が立つ位置よりも1段上の踏板33に対応する位置に係止されるので、使用者は把持部材8を把持して上体を案内手段7に引き寄せることによって1段上の階段に容易に昇ることができる。このような動作を繰返すことによって、使用者9は容易に上層フロア3まで昇ることができる。 【0022】上層フロア3から下層フロア2に降りるときも同様に、上層フロア3に配置される案内手段7を、係止片26の先端部を押圧手段27の弾発力に抗して上方に変位させて係止状態を解除させた状態で、1段下の係止突起25まで下降させてそこに案内手段7を係止させる。このように案内手段7を1段下の踏板に対応する位置に係止させた状態で、把持部材8を把持して上体を案内手段7に支持した状態で使用者9は1段階段を降りる。このような動作を繰返すことによって、容易に下層フロア2まで降りることができる。また、前述の係止片26を上方に変位させて係止状態を解除させる動作は、把持部材8の手元にスイッチを設け、この手元のスイッチによって解除するように構成してもよい。 【0023】図4は、本発明の実施の他の形態である階段昇降装置35を示す正面図である。なお図1〜図3に示される階段昇降装置1に対応する構成には同一の参照符号を付す。階段昇降補助装置35は、階段昇降補助装置1に類似し、注目すべきは、階段の下降時に自動的に案内手段27の係止状態を解除できる構成となっていることである。階段昇降補助装置35は、案内レール6と案内手段7と階段4の各踏板33上に設けられるシートスイッチ36と、案内手段7に設けられる解除装置38および制御手段37とを含んで構成される。 【0024】解除装置38は、案内手段7の係止片26の先端部を上方に変位させて案内手段7の係止状態を解除する装置であり、電磁ソレノイドまたは電磁クラッチなどから成る。シートスイッチ36は、圧電センサまたは薄形の一対の電極を有するシート状のスイッチであり、階段4の各踏板33および上層および下層フロア2,3上に載置される。各シートスイッチ36は、制御手段37に電気的に接続され、シートスイッチ36上に使用者が乗ったときにオンされる。制御手段37は、解除装置38に電気的に接続され、各シートスイッチ36のスイッチング対応に応じて、解除装置38を制御する。 【0025】次に制御手段37の制御動作を説明する。案内手段7は予め上昇フロア3に対応する位置に係止されている。使用者9が上層フロア3から下層フロア2に降りようとし、上層フロア3上のシートスイッチ36に乗ると、シートスイッチ36のスイッチング対応に応じて制御手段37は解除装置38によって上層フロア3に対応する係止突起25への係止状態を解除し、これによって案内手段7は自重によって案内レール6に沿って降下し、上層フロア3より1段下の踏板33に対応する係止突起25に係止される。上層フロア3上の使用者9は、この1段下に係止された案内手段7の把持部材8を把持し、上体を支えた状態で1段下の踏板33へ降りる。使用者9の両足が上層フロア3より1段下の踏板33に降りると、上層フロア3上のシートスイッチ36がオフとなり1段下の踏板33上のシートスイッチ36がオンとなる。制御手段37はこのようなシートスイッチ36のスイッチング対応によって、使用者9の両足が確実に1段下の踏板まで降りたと判断し、解除装置38によってこの踏板33に対応する係止突起25への係止状態を解除する。すると、案内手段7はさらに1段下の踏板に対応する係止突起25に係止され、これによって使用者9はさらに1段下の踏板まで案内手段7の把持部材8につかまって降りることができる。このような動作を繰返すことによって、使用者9は案内手段7の把持部材8を把持して上体を案内手段7に支えられた状態で上層フロア3から下層フロア2に確実にかつ安全に降りることができる。このようにシートスイッチ36、制御手段37および解除装置38を設けることによって使用者の降下速度に応じて自動的に案内手段7を降下させて、使用者9の階段降下の補助を行うことができる。また階段4を昇るときは、前述の階段昇降補助装置1と同様に昇る。 【0026】図5は、本発明の実施のさらに他の形態である階段昇降補助装置45を示す断面図である。なお図1〜図4に示される階段昇降補助装置1,35に対応する構成には同一の参照符号を付す。階段昇降補助装置45は、案内レール6と案内手段7と昇降駆動手段57とを有し、案内レール6は、階段4の予め定める固定位置である側壁5に取付けられる。案内レール6は、階段4の昇降方向に沿って側壁5に取付けられる基板49と、この基板49に溶着される第1案内レール13と、第1案内レール13に平行に設けられる第2案内レール14と、第1および第2案内レール13,14を連結し、案内レール6に沿って等間隔に配置される連結部材67とを有する。 【0027】案内手段7は、支持体46と、支持体46の上部に固定され、第2案内レール14に支持される第2案内レール支持体47と、昇降駆動手段57とを有する。第2案内レール支持体47は、階段昇降補助装置1と同様に、第2案内レール14の周方向に等間隔に配置される3つの支持ローラ18〜20を有し、これによって案内手段7を第2案内レール14に沿って変位自在に案内することができる。ローラ18は、内輪41と外輪42とを有し、第2案内レール支持体47に設けられる固定軸44に内輪41が嵌着され、この内輪41にローラ18の外周部である外輪42が嵌まり込み、これらの内輪41と外輪42との間に複数の転動体43が介在され、これによって外輪42は内輪41に回転自在に支持されることとなる。ローラ19、20および他のローラにおいても同様である。 【0028】第1案内レール13は、断面形状が略コ字状に形成され、上案内部28の遊端部はほぼ垂直に下方に屈曲し、立下がり部50が形成される。同様に下案内部29の遊端部はほぼ垂直に上方に屈曲し、立上がり部51が形成される。前記第2案内レール支持体47に固定される支持体46には、筒体52が第1案内レール13に向けて固定される。この筒体52の先端部には、連結部材59を介して前記第1案内レール13の立下がり部50に当接する上支持ローラ53と、前記第1案内レール53の立上がり部51に当接する下支持ローラ54とが設けられる。上支持ローラ53は、外周面が立下がり部50の内面に当接し、回転自在に設けられて第1案内レール13に沿って案内され、下支持ローラ54は外周面が立上がり部51の外面に当接し、回転自在に設けられ第1案内レール13に沿って案内される。このように案内手段7は、上部が第2案内レール14に支持され、その下方で前記上および下支持ローラ53,54によって第1案内レール13に沿って案内されるので、たとえば案内手段7が第1案内レール13を中心として時計まわりに揺動しようとすると、その揺動は上支持ローラ53によって阻止され、同様に案内手段7が第2案内レール14を中心として反時計まわりに揺動しようとするとその揺動は下支持ローラ54によって阻止される。これによって案内手段7は第1および第2案内レール13,14に沿って左右に揺れることなく正確に案内される。したがって、案内手段7の把持部8を把持する使用者9は安定して支持されることとなる。 【0029】支持体46の下部には、昇降駆動手段57の減速装置65を収納する減速ケース48が設けられる。減速ケース48内には、モータ70の出力軸71に連結されるウォーム64と、このウォーム64に噛合するウォームホィール63とから成る減速装置65が設けられる。ウォームホィール63の第1回転軸60の両端部は減速ケース48に軸受によって回転自在に支持され、一端部が支持体46から外方に突出し、この一端部に第1駆動スプロケット61が固定される。前記筒体52内には第2回転軸55が設けられ、この第2回転軸55は両端部が筒体52の両端部に軸受によって回転自在に支持され、一端部が支持体46から外方に突出し、この一端部に第2駆動スプロケット62が固定され、他端部は第1案内レール13内に突出し、この他端部に案内スプロケット56が固定される。第1駆動スプロケット61から第2駆動スプロケット62にわたって駆動チェーン66が張架される。また第1案内レール13の下案内部29の上面には、長手方向に沿って案内チェーン58が固定され、前記案内スプロケット56はこの案内チェーン58に噛合する。したがって、モータ70の回転駆動力は減速装置65を介して減速されて、駆動チェーン66を介して第2回転軸55に伝達されて案内スプロケット56を回転駆動する。案内チェーン58に噛合する案内スプロケット56の回転によって案内手段8は案内レール6に沿って移動することができる。このように案内チェーン58と案内スプロケット56によって案内手段は駆動されるので、階段4の長さにかかわらず、広範囲に階段昇降補助装置45を実施することができる。また、前述のように上および下支持ローラ53,54によって案内手段7が左右に揺動することが防がれるので、これによって案内スプロケット56が案内チェーン58から外れるといったことが防がれる。 【0030】図6は、図5の切断面線VI−VIから見た断面図である。支持体46の下端部に設けられる減速ケース48に連なって、階段昇降方向下方(図6において下方)側にはモータ取付部材72を介してモータ70が取付けられ、減速ケース48の階段昇降方向上方(図6において上方)側には検出器取付部材73を介して検出器74が取付けられる。モータ70の出力軸71はウォーム回転軸67の一端部に軸継手80を介して連結され、ウォーム回転軸67の他端部は検出器74の入力軸76に軸継手79を介して連結される。検出器74は、たとえばロータリエンコーダから成り、回転軸60の回転数を検出する。検出器74からの検出信号は制御手段75に入力され、また、把持部材8に設けられるスイッチ69からの信号も制御手段75に入力され、制御手段75はこれらの入力信号に応じてモータ70の駆動、停止および回転速度の調整などの制御を行う。すなわち、使用者によってスイッチ69がオンされるとモータ70を回転駆動し、また検出器74からの検出信号によって、制御手段75は案内手段7の走行速度を演算し、走行速度が使用者9の希望する所定の速度となるようにモータ70を制御し、また基準となる地点、たとえば下層フロア2からの距離を演算し、案内手段7が所定の位置、たとえば上層フロア3に達したときに案内手段7の昇降駆動を停止する。また、上昇フロア3側に検出器を設け、制御手段75がこの検出器によって上昇フロア3に達したことを検出してモータ70を停止するように制御してもよい。希望する所定の速度とは、使用者の体力に応じた昇降速度である。また、所定の速度が複数段階または無限段階に選ばれ、スイッチ69を切換えることによって使用者9は案内手段7の走行速度を選択できるように構成してもよい。また案内手段7が上層フロア2から下層フロア3に降下する場合には、スイッチ69を切換えてモータ70を制御手段75によって逆方向に回転駆動し、所定の速度で降下する。 【0031】図7は、階段昇降補助装置45によって階段を昇るときの状態を示す正面図である。階段昇降補助装置45の案内手段7には、手荷物などを収納することができる手荷物搬送体78が設けられ、また把持部材8を把持した使用者9を補助的に支持する補助支持体77が設けられる。補助支持体77は略円柱状であり、ほぼ水平に延び、案内レール6に沿って変位可能に案内手段7に設けられる。階段4を昇るときは、使用者9は把持部材8を把持し、補助支持体77を把持部材8よりも下層フロア3側に係止させる。使用者9は前面に設けられる把持部材8を把持して上体を支持するとともに、背後から補助支持体77によって支持され、これによって安定して案内手段7に支持されることとなる。 【0032】下層フロア3から上層フロア2まで階段4を昇るとき、把持部材8に設けられるスイッチ69を操作することによって案内手段7を希望する速度で上昇させ、使用者9は案内手段8に上体を支持されて案内されながら自力を併用することによって容易に階段4を昇ることができる。案内手段7が上層フロア2に達すると、制御手段75によって案内手段7の昇降駆動が停止する。 【0033】図8は、階段昇降補助装置45によって階段を降りるときの状態を示す正面図である。上層フロア2から下層フロア3に階段4を降りる場合には、補助支持体77を把持部材8よりも上層フロア2側に係止させ、使用者9は補助支持体77を体の前面で脇の下に挟んだ状態で把持部材8を把持する。これによって、使用者9は案内手段7に安定して上体が支持される。この状態で、使用者9はスイッチ69を操作することによってモータ70を階段を昇るときとは逆方向に回転させ、案内手段7を所定の速度で降下させ、これによって使用者9は下層フロア3まで安定して降りることができる。このとき制御手段75は、案内手段7が希望する速度よりも速くならないように、モータ70の停止動作を繰返し行ってもよい。また、モータ70の駆動を停止させて自重によって下降する案内手段7を利用して階段4を降りるようにしてもよい。この場合、減速装置65が抵抗として作用するので、案内手段7の下降速度を抑えることができる。 【0034】また図4に示される階段昇降補助装置35のように階段4の各踏板にシートスイッチ36を設け、このシートスイッチ36のスイッチング対応に応じて制御手段75がモータ70の駆動を制御するように構成してもよい。すなわち、階段4を上昇する場合には、使用者9が階段4を1段上がる毎に案内手段7をそれに応じた距離だけ上昇させる。これによって案内手段7は使用者9の体力に応じた昇降速度に自動的に走行駆動することとなる。また図4に示される階段昇降補助装置35と異なり、案内手段7が階段1段毎に停止するのではなく、滑らかに上昇するので、これによって案内手段7は使用者9の昇降動作に滑らかに追従して駆動されることとなる。また階段4を降りる場合にも同様に、各シートスイッチ36のスイッチング対応に応じて制御手段75によってモータ70を制御する。すなわち、使用者9が1段階段を降りる毎に制御手段75はそれに応じた距離だけ案内手段7を降下させる。このように制御することによって、使用者9の体力に応じた速度で案内手段7を降下させることができる。 【0035】図9は、本発明の実施のさらに他の形態である階段昇降装置81の使用状態を示す正面図であり、図10は図9の切断面線X−Xから見た断面図である。なお図1〜図8に示される階段昇降装置1,35,45に対応する構成には同一の参照符号を付す。階段昇降補助装置81の案内レール94は、図9に示されるように階段4の昇降方向に沿って長円状の無端環状に形成される。すなわち、案内レール93は階段4の昇降方向に沿って相互に平行に延びる直線状の上および下案内レール89,90と、上および下案内レール89,90の上端部を互いに円弧状に連結し、上案内レール89から下案内レール90に案内手段7を折返して案内する上折返し部91と、上および下案内レール89,90の下端部を互いに連結し、下案内レール90から上案内レール89に案内手段7を折返す下折返部92とを有し、案内手段7はこのような案内レール94に沿って循環駆動することとなる。 【0036】図10に示されるように、案内手段7は昇降駆動源57を収納するハウジング82と、このハウジング82に設けられる把持部材8とを有する。ハウジング82内には、モータ70と、減速装置65とが設けられ、モータ70の回転駆動力はモータ70の出力軸71に固定されるウォーム64を介してウォームホィール63に伝達される。ウォームホィール63の回転軸93はハウジング82に軸受によって回転自在に支持され、この回転軸93の一端部はハウジング82から突出し、案内レール94内に延びる。この一端部には案内スプロケット56が固定される。また、案内レール94は略コ字状に形成され、基板49に取付けられる環状の基部95と、基部95の案内レール94の外方側で垂直に屈曲する外案内部96と、案内レール94の内方側で垂直に屈曲する内案内部97とを有し、案内レール94の外案内部96には長手方向全周にわたって無端環状に案内チェーン58が内面に固定され、前記スプロケット56はこの案内チェーン58に噛合する。 【0037】またハウジング82の上部には上支持ローラ83が設けられ、ハウジング82の下部には下支持ローラ84が設けられる。上支持ローラ83は回転自在に支持され、外周面が案内レール94の外案内部96の外面に当接し、下支持ローラ84は、回転自在に支持され、外周面が案内レール94の内案内部97の外面に当接する。したがって、案内手段7は上および下支持ローラ83,84によって案内レール94を上下に挟持した状態で案内レール94に沿って走行自在に設けられる。この状態で案内スプロケット56は案内チェーン58に確実に噛合する。 【0038】モータ70の出力軸71の回転数は検出器74によって検出され、この検出信号は制御手段75に入力される。制御手段75は検出器74からの検出信号および把持部材8に設けられるスイッチ69に応じてモータ70の駆動制御を行う。 【0039】ハウジング82の外側面の上端部には把持部材支持片87が固定され、この把持部材支持片87に把持部材8の基端部が、図10の紙面に垂直な方向に延びる支持軸88まわりに揺動自在に連結される。したがって把持部材8は、図10で仮想線で示すように、ほぼ鉛直に直立し、階段昇降補助装置81を使用しない階段の使用者の通過経路から退避した退避位置と、階段の昇降方向に垂直で、かつ水平方向に延び、図10で実線で示す使用位置とにわたって揺動自在に設けられる。把持部材支持片87は、断面形状が略C字状であり、退避位置から図10において反時計まわりに揺動して使用位置に位置した把持部材8が、使用位置を超えてさらに反時計まわりに揺動することを把持部材支持片87の底部によって阻止する構成となっている。ハウジング82の上部にはばね取付片86が設けられ、このばね取付片86から把持部材8にわたって、把持部材8を退避位置に向けて弾発的に付勢する引張ばね85が設けられる。したがって、階段昇降補助装置81を使用しない状態では、前記引張ばね86のばね力によって把持部材8は退避位置に退避し、これによって把持部材8が階段の使用者の妨げとなることが防がれる。 【0040】このような階段昇降補助装置81によって下層フロア2から上層フロア3まで階段4を昇る場合には、予め下層フロア2側に配置された案内手段7の把持部材8を引張ばね85のばね力に抗して使用位置まで揺動させ、把持部材8に設けられたスイッチ69を押下してオンしてモータ70を駆動させる。モータ70が駆動すると、案内手段7は案内レール94の上案内部89に沿って使用者9の希望する速度で走行駆動する。このようにして使用者9は把持部材8を把持して案内手段7に上体を支持された状態で階段4を容易に昇ることができる。上層フロア3まで昇ると、使用者9はスイッチ69から手を放してスイッチ69をオフした状態で把持部材8から手を放す。すると、把持部材8は引張ばね85のばね力によって退避位置まで揺動して退避位置に係止される。このように階段昇降補助装置81では使用しない状態では把持部材8が退避位置に退避した状態にある。 【0041】次に上層フロア3から下層フロア2まで降りる場合には、使用者9は再び把持部材8を把持して使用位置まで揺動させ、スイッチ69を押下してオンし、モータ70を駆動させる。すると案内手段7は案内レール6の上折返し部91で折返されて下案内部92に移行し、この下案内部92に沿って使用者9を下層フロア2に案内することとなる。このように階段昇降補助装置81では案内レール94が無端環状に設けられるので、案内手段7が上昇した後に下降させる場合にスイッチ69を切換えるなどしてモータ70を逆転させる必要がない。したがって、使用者がスイッチ69を押し間違えて逆方向に案内手段7が走行するといったことが防がれ安全性が向上される。 【0042】また把持部材支持片87が、案内レール94の上および下案内レール89,90の中央に位置するようにハウジング82の下端部に設けるように構成してもよい。このように把持部材支持片87を設けることによって、案内手段7が上案内レール89から下案内レール90に折返されたとしても使用状態での把持部材8の高さ位置が変化せず、これによって使い勝手が向上される。またスイッチ69を手で押下して操作するのでなく、把持部材8を退避位置から使用位置まで揺動させたときにスイッチ69がオンされるように構成してもよい。これによって、使い勝手がさらに向上される。 【0043】また図4に示されるシートスイッチ36を階段4の各踏板33上に設け、このシートスイッチ36のスイッチング対応に応じて案内手段7が走行駆動するように制御してもよい。このように制御することによって、使用者の昇降速度に応じて案内手段7が走行駆動されることとなる。また引張ばね85を備える把持部材8は、階段昇降補助装置81に設けられるだけでなく、階段昇降補助装置1,35および45に設けるように構成してもよい。 【0044】また使用者9が階段を降りる場合に、案内手段7をモータ70によって駆動するのではなく、自重によって案内手段7が降下し、使用者9はこの案内手段7に支持されて階段4を降りるように構成してもよい。この場合、案内手段7の降下速度が減速装置65によって抑えられ、また、さらに降下速度を抑えるために、たとえば回転軸93に抵抗を作用させるように構成してもよい。 【0045】このような階段昇降補助装置1,35,45および81は駅、イべント会場その他一般的な階段用の階段昇降補助装置として用いられるが、たとえば病院または家庭などにおいて、単に昇降補助のみを目的とするだけでなく、リハビリテーション用の昇降動作訓練装置として利用することができる。特に制御手段75によって昇降速度を制御することができる階段昇降補助装置35,45,81においては、制御手段75に使用者のリハビリテーション用訓練プログラムを記憶させ、これによって好適に昇降動作訓練装置として実施することができる。 【0046】また案内手段7は案内レールに1つだけ設けられるだけでなく、複数個設けるように構成してもよい。このように複数個案内手段7を設けることによって、同時に複数の使用者が利用することができる。 【0047】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、案内手段は案内レールに沿って変位自在に設けられ、案内レールに設けられる係止突起によって下降方向への変位が阻止されるので、使用者は現在いる位置よりも上方の係止突起に案内手段を係止させた状態で、把持部材を把持した状態で上体を支持して階段を安定して昇ることができる。この把持部材は階段の昇降経路に垂直でかつ水平方向に延びる。すなわち、使用者の正面に延びて設けられるので、使用者は体の前面で把持部材を把持することができ、効果的に上体を案内手段に支持することができる。 【0048】また本発明によれば、案内手段には昇降駆動手段が設けられ、使用者の希望する所定の速度で案内手段は案内レールに沿って昇降駆動することができる。したがって、使用者は案内手段把持部材を把持することによって上体を案内手段に支持され、案内手段に案内されながら自重を併用して容易に階段を昇降することができる。 【0049】また本発明によれば、把持部材は付勢手段によって非使用時には退避位置に弾発的に付勢されるので、階段昇降補助装置を使用しない階段の使用者が階段を通過する際に前記把持部材がその通過を妨げるといったことが防がれる。また、階段昇降補助装置を使用する場合には把持部材を前記付勢手段のばね力に抗して使用位置まで揺動させることによって容易に把持部材を把持して上体を案内手段に支持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000229807 【氏名又は名称】日本フィレスタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−56941 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−228483 |
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