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【発明の名称】 手のつぼ指圧具
【発明者】 【氏名】桑原 知教

【要約】 【課題】手のひらの複数のつぼ位置に対して順次に刺激を与えると共に、刺激するつぼ位置を変えるための作業を容易にした手のひら指圧具を提供する。

【解決手段】手を載置可能な基台1上面に、手のひらの複数のつぼ位置に対応して複数の球体受け部2を形成し、この球体受け部に上方部を基台面より突出させて球体4を挿脱自在に納める。各球体受け部2間にはガイド溝3が形成され、このガイド溝内で球体を転がり移動させることによって別のつぽ位置へ球体を容易に移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】片手を載置可能な基台と、手のひらの複数のつぼ位置に対応して上記基台に形成された複数の球体受け部と、上記球体受け部に受け入れられその上方部を上記基台面より突出させてなる球体とからなることを特徴とする手つぼ指圧具。
【請求項2】上記基台は、上記複数の球体受け部間で上記球体を転がり移動させるガイド溝を備えたことを特徴とする請求項1記載の手つぼ指圧具。
【請求項3】上記基台の両面に上記球体受け部及び上記ガイド溝を形成したことを特徴とする請求項2記載の手つぼ指圧具。
【請求項4】上記基台の外延を手型に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の手つぼ指圧具。
【請求項5】片手を載置可能な基台と、手のひらの複数のつぼ位置に対応して上記基台に形成された複数の受け部と、該受け部間を連通するように上記基台面に形成されたガイド溝と、上方の指圧部を上記基台面より突出させた状態で上記受け部に受け入れられる指圧体からなり、上記指圧体は下部に上記ガイド溝内を摺動する突部を備えて上記指圧体をガイド溝を介して上記受け部間で移動自在とすることを特徴とする手つぼ指圧具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康の維持、管理並びに促進を図るために、手のひらの複数のつぼに対し刺激を与えるよう使用される手つぼ指圧具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】東洋医学では、人体につぼ(経穴)という刺激点が1000箇所近くあり、つぼを指圧、灸等で刺激することによって、身体の臓腑その他の各器官の機能改善が図られると言われている。そして人体の手のひらには多くのつぼが集中し、これらを刺激することによって各機能の改善が図られ、そのために種々の手のつぼを刺激する器具が発明されている。
【0003】従来、この種の指圧具においては図14・図15に示すようなものがある。図14に示された指圧具は、円筒形状の基台10の上面に突起11を立設させ、該突起11上に手のひらを載置してつぼ刺激を行うものである。
【0004】また、図15に示された指圧具は、平板状(U字状)の基台12に手のひらのつぼ位置に対応させて凸部13を形成し、この凸部13に手のひらを置き、にぎり部14をもう一方の手でにぎって手のひらのつぼの刺激を行うものである。
【0005】しかしながら図14に示された指圧具においては、手のひらに対し常に多数の突起11が接触し、手のひらに掛かる荷重は各突起11に分散されて特定のつぼの刺激をするには十分ではない。
【0006】また図15に示された指圧具においては、ピン13によって特定のつぼの刺激が行えることから上記のような問題は生じないものの、刺激力には限界がある。それと、つぽ位置をさがしていく必要があった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、手のひらの複数のつぼ位置に対して順次に刺激を与えることができる手のひらつぼ指圧具を提供することにある。
【0008】また本発明の他の目的は、刺激するつぼ位置を変えるための作業を極めて容易に行うことができる手のひらつぼ指圧具を提供することにある。
【0009】さらに本発明の他の目的は、基台の何れの面においても指圧具としての機能を実現しうる手のひらつぼ指圧具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の手のひらつぼ指圧具は、手のひらのつぼの刺激を、基台上に設けた球体により行うこととし、手を載置する基台面上にその球体の下部を受け入れる球体受け部を、手のひらのつぼ位置に対応させて複数形成して構成される。使用者は球体を球体受け部間で移動させながら順次所望のつぼの刺激を行うことができる。この場合に球体は、その球面のどの位置においてもつぼを刺激することができるので、使用者は球体受け部に対する球体の納まりの向き等を考える必要がない。
【0011】また本発明においては、上記構成に加えて、上記複数の球体受け部間で上記球体を転がり移動させるガイド溝を備えることができる。使用者が刺激するつぼ位置を変更する際には、指先で球体を球体受け部から押し出し、このガイド溝に沿わせて球体を転がしていき、他の球体受け部まで移動させることができる。
【0012】さらに本発明においては、上記基台の両面に上記球体受け部及び上記ガイド溝を形成することができる。これによって片手の大きさの基台に対して左右両手のひらのつぼ指圧が可能となる。
【0013】さらに本発明においては、複数の受け部とガイド溝とを備えた基台上に、上記球体に代えて、下部に上記ガイド溝内を摺動する突部を備えた指圧体を、上記受け部間で移動自在に設置することもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、手を載置可能な基台上面に、手のひらの複数のつぼ位置に対応して複数の球体受け部を形成し、この球体受け部に上方部を基台面より突出させて球体を挿脱自在に納めてなるものである。この場合に上記基台及び球体は、合成樹脂、木材、金属、天然又は人工石、セラミックス等の材料により成型することができるが、加工性、量産性の面ではプラスチックスで形成することが望ましい。また上記球体受け部は、球体を移動しないように受け入れる種々の形状とすることができるが(例えば、半円形状、方形孔状等)、球体受け部を円形状とし、その開口縁で上記球体を受ける構成とすることが望ましく、円形孔の直径は、球体の直径の略5/6程度とすることが好ましい。
【0015】手のひらにおけるつぼの位置及びそのつぽの刺激によって影響を受ける人体上の臓腑、器官等の部分については、種々の学説のあるところであるが、上記球体受け部の数及び配置は、これら学説にいわれるつぼの位置に完全に対応させる必要はなく、主要と思われるつぼの幾つかを抽出し配置しても、また学説等によらずに一般に治療効果のあるといわれる手のひらの位置に配置しても良い。
【0016】また上記基台の複数の球体受け部間にガイド溝を形成し、このガイド溝内で球体を転がり移動させることによって別のつぼ位置へ球体を容易に移動させるように本発明を構成することもできる。この場合にガイド溝は、近接する球体受け部同士を結ぶように配置してもよいし、利尿作用の増進に関連するつぼ位置の球体受け部同士を結び付ける等、つぼ指圧の順序を特定するようにその配置を工夫してもよい。
【0017】また本発明は、上記ガイド溝を備えたもの及び備えないものの何れの場合においても、基台の外延を手形に形成して手の載置位置を明確にすることができるが、任意形状の基台面上に手型を象った線、溝等によって載置位置を明確にしても良い。さらに基台の手を載置する領域を僅かにすり鉢状に窪ませて基台上に載置した手の安定を図るように構成することもできる。
【0018】また本発明においては、基台を両手を載置可能な大きさに形成し、両手のひらのつぽ位置に対してそれぞれ球体受け部を形成してもよく、また基台を片手を載置可能な大きさに形成し、片手のつぼ位置に対して球体受け部を形成してもよい。両手を載置可能に本発明を構成した場合には、球体を各手用に2つ用意してそれぞれの球体受け部に納め、両手同時につぼの指圧を行うこともできるし、1つの球体を左右の手位置の球体受け部間で移動して片手ずつ指圧を行うようにしてもよい。後者の場合には左右の手位置の何れかの球体受け部間を上記ガイド溝で連続させることによって球体の移動を容易に行えるようにすることが好ましい。
【0019】また、本発明は、基台の両面に上記球体受け部及び上記ガイド溝を形成して構成してもよく、この場合には、両面で異なるつぼ位置に球体受け部を設けても、同じ位置に設けても良い。同じ位置に設ける場合には、基台を貫通させて球体受け部又はガイド溝を形成することができ、成型が容易になると共に、本発明を片手用で構成した場合には、表裏で左右の手用として使用することができる。
【0020】さらに本発明は、複数の受け部とガイド溝とを備えた基台上に、下部に上記ガイド溝内を摺動する突部を備えた指圧体を、上記受け部間で移動自在に設置することもできる。この場合に指圧体の上半部を半球状とし、その下面より上記受け部に係合する段部及び上記ガイド溝に係合する突部を形成することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1〜図6は本発明の第1の実施例に係る手のひらつぼ指圧具を示したものである。図において右手型に合わせて形成された基台1上には、複数の球体受け部2と、これら球体受け部2を連続させるように配置されるガイド溝3が形成されている。球体受け部2及びガイド溝3は、基台1の両面側に貫通する一条の溝によって形成されており、球体受け部2に対応する位置を溝幅よりも僅かに大径の円形状にすることによって、溝上を転がる球体4がここに落ち込んで休止するよう構成されている。
【0022】すなわち、上記球体受け部2は基台1の両面側に貫通する円形孔によって構成され、図3に示すようにその開口縁2aによって球体4を支承する。実施例においては、球体4の直径D1を約15mmとし、球体受け部2の直径D2を約12.5mm(直径D1の5/6)としており、球体4は球体受け部2に受け入れられた状態で、その約1/5(約3mm)が球体受け部2へ納まり、その約4/5(12mm)が基台面より上方へ突出する。この状態で球体4は、上方及び斜め上方から力が加わっても、球体受け部2から容易には押し出されることはないが、側方から力を加えると極めて小さな力で球体受け部2より押し出される。
【0023】なお実施例では、基台1及び球体4は、プラスチックスによって形成されているが、球体4と球体受け部2との直径差(D1−D2)がこれ以上小さくなると、球体4に荷重が加わった際に球体受け部2に嵌り込んで抜き取りが困難となるので、この程度の直径差が適当である。実施例では球体4の表面を粗く仕上げ、球体受け部2に対する摩擦係数が大となるようにしてある。
【0024】上記球体受け部2は、手のひらのつぼ位置に対応して上記基台1上に配置されている。図2において各球体受け部2は、右手のつぼ用として図の上方から順にガイド溝3の経路に沿って、頭、左目、甲状腺、胃、右副腎、肺、肝臓、腎臓、腸、膀胱及び生殖器に効用のあるとされるつぼの位置に対応して設けられている。本実施例における手つぼ指圧具は、基台1の表裏を反転して左手つぼ用として使用することができる。この場合に各球体受け部2は、図2の上方から順に、頭、右目、甲状腺、胃、左副腎、肺、心臓、腎臓、腸、膀胱及び生殖器に効用のあるとされるつぼに対応する。
【0025】上記ガイド溝3は、複数の球体受け部2を貫通させるように配置され、実施例では基台1の両面側に貫通した溝によって形成される。ガイド溝3は、図4に示すようにその両縁部3aをレールとして球体4を転がり移動可能にする。ガイド溝3の幅Wは、球体受け部2の直径D2よりも幅狭にされ、実施例では約10mmである。従って、図5に示すように指先で球体受け部2より球体4を次の球体受け部2へ向けて押し出すと、球体4は、僅かに上方に持ち上がってガイド溝3に乗り、これにガイドされながら溝内を転がって次の球体受け部2まで移動される。
【0026】本実施例に係る手のひらつぼ指圧具は、次のようにして使用される。基台1を平坦な床面に置き、何れかの球体受け部2に球体4を納め、基台1の外形に合わせて右手を基台面上に置く。球体4は手のひらの所望のつぽ位置に当たるので、図6(A)、(B)に示すように、この位置で体重を掛けて数回(10回程度)の手のひら押しを行う。次に、指先で球体受け部2から球体4を押し出し、先に説明したようにガイド溝3を介して次の球体受け部2に球体4を移動させ、同様に手のひら押しを行う。順次、各球体受け部2に球体4を移動して、指圧を行い、すべてのつぼ位置での指圧を終えたら、基台1を表裏反転させて上記同様に左手のひらの指圧を行い、約7分程度で両手の指圧を終了する。
【0027】図7は本発明の第2の実施例に係る手のひら指圧具を示したものである。本実施例は両手を載置できる大きさに基台1を構成した例を示すもので、基台1は右手を象った右手部1a、左手を象った左手部1b及び右手部1aと左手部1bを連結する連結部1cとから構成される。本実施例では、左右両手の指圧を行うのに、基台1を反転させる必要がなくなる。
【0028】図8は、本発明の第3の実施例に係る手のひら指圧具を示したものである。本実施例は、ガイド溝3を断面U字状とし、該U字溝内で球体4を転がすことによって、一方の球体受け部2から他方の球体受け部2へ球体4を移動できるように構成したものである。U字状ガイド溝3は先の実施例と異なり、基台1を貫通しないので、複数の球体受け部2をガイド溝3によって環状に連鎖させても基台面が抜け落ちることがない(図参照)。従って、複数の球体受け部2のガイド溝3による連結の自由度を高めることができる。本実施例では基台1の表面側にも同様にU字状ガイド溝を形成することができる。
【0029】図9及び図10は、本発明の第4及び第5の実施例に係る手のひらつぼ指圧具を示したものである。図9及び図10には、先の第1〜第3の実施例と異なり、ガイド溝を有していないタイプのものを示してある。すなわち、基台1には円形孔からなる複数の球体受け部2が形成され、球体4はこの球体受け部2に納めされ使用される。球体4の移動は、手で球体4を摘んで他の球体受け部2に納めることによってなされる。なお、図10に示した例では、基台1は横長方形状をなし、その面上に手型の境界線5を描いて手の載置位置を明確にしている。この場合に、手の載置領域を手のひらの凸凹に合わせて窪ませて構成することもできる。
【0030】図11〜図13は、本発明の第6の実施例に係る手つぼ指圧具を示したものである。本実施例においては、第1の実施例で示された基台1上に、球体に代えて、きのこ型の指圧体10を使用している。指圧体10はその上部を半球状として手のひらに接触する指圧面10aを備えると共に、下部には、台形状段部11及び突部12を備える。図12に示すように、台形状段部11は基台1の受け部2の直径D2より僅かに小径の直径を有して該受け部2内に納まり、指圧体10を受け部2内で保持する。突部12はこの台形状段部11の中央より下方に延びる円筒形状をなす。図13に示すように該突部12は、ガイド溝3の溝幅Wよりも僅かに小径の直径を有してガイド溝3内を摺動自在にされている。実施例では指圧体10の直径D1を約15mm、受け部2の直径D2を約10mm、ガイド溝3の幅を約7.5mmとした。
【0031】従って、指圧体10は、ガイド溝3間では、その突部12を溝内に係合することによってその移動を可能とし、受け部2内ではその台形状段部11を係合して指圧体10を固定する。なお、台形状段部11の傾斜面によって、指圧体10は、側方より力を受けると容易に受け部2から押し出され、ガイド溝内に移動する。
【0032】以上、本発明の実施例を図面に沿って説明したが、本発明の手のひらつぼ指圧具は上記実施例で示された内容に限定されることなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の改良、変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0034】手のひらのつぽに刺激を与える部材を球体で構成し、基台にはこの球体を複数のつぼ位置に合わせて設置できるように複数の球体受け部を形成したことから、手のひらの複数のつぼ位置に対して順次に刺激を与えることができ、従来に比してつぼ指圧の効用を高めることができる。
【0035】また手のひらのつぼに刺激を与える部材を球体で構成したことから、基台に対する設置向き等を考慮する必要がなくなり、その設置及び移動が極めて簡単に行える。
【0036】さらに、ガイド溝を形成することによって、球体を球体受け部から指先等で押し出すだけで、球体を他のつぼ位置に容易に移動させることができる。
【0037】また、基台の両面に球体受け部及びガイド溝を形成したことにより、基台の何れの面においても指圧具としての機能を実現しうるようになり、一方の面を右手のひらの指圧用、他方の面を左手のひらの指圧用とすれば、全体をコンパクトに構成することができる。
【0038】また、複数の受け部とガイド溝とを備えた基台上に、上記球体に代えて、下部に上記ガイド溝内を摺動する突部を備えた指圧体を、上記受け部間で移動自在に設置することにより、各受け部間で容易に指圧体の移動ができる。
【出願人】 【識別番号】594115728
【氏名又は名称】桑原 知教
【出願日】 平成9年(1997)7月28日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−42270
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−233197