| 【発明の名称】 |
医療廃液処理方法、医療廃液処理剤及び医療廃液処理容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 浩人
【氏名】山崎 浩樹
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| 【要約】 |
【課題】従来の医療廃液処理剤における問題点を解決し、処理作業又は運搬作業中の作業者の充分な安全性を確保でき、かつ、精神的な負担を軽減することのできる医療廃液処理方法、医療廃液処理剤及び医療廃液処理容器を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係る医療廃液処理方法は、医療用廃液中に、塩素系殺菌剤、塩素還元剤、吸水性高分子を添加することで、前記塩素系殺菌剤で医療廃液中の細菌やウィルスを殺菌し、前記塩素還元剤で塩素系殺菌剤の余剰な酸化力を消費し、前記吸水性高分子で医療用廃液を吸水して固形化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 医療用廃液中に、塩素系殺菌剤、塩素還元剤、吸水性高分子を添加し、前記塩素系殺菌剤で医療廃液中の細菌やウィルスを殺菌し、前記塩素還元剤で塩素系殺菌剤の余剰な酸化力を消費し、前記吸水性高分子で医療用廃液を吸水して固形化することを特徴とする医療廃液処理方法。 【請求項2】 前記塩素系殺菌剤、塩素還元剤及び吸水性高分子を順に添加することを特徴とする請求項1に記載の医療廃液処理方法。 【請求項3】 少なくとも、前記塩素系殺菌剤の殺菌速度及び塩素還元剤の余剰な酸化力の消費速度より、医療廃液を吸水する速度が遅い吸水性高分子を用いて、前記塩素系殺菌剤、塩素還元剤及び吸水性高分子を同時に添加することを特徴とする請求項1に記載の医療廃液処理方法。 【請求項4】 前記吸水性高分子を水崩壊性又は水溶解性材料で覆い、該吸水性高分子の作用開始時間を、前記塩素系殺菌剤及び塩素還元剤の作用開始時間より遅らせることにより、前記吸水性高分子の吸水時間を遅くすることを特徴とする請求項1に記載の医療廃液処理方法。 【請求項5】 医療廃液中の細菌やウィルスを殺菌する塩素系殺菌剤と、前記塩素系殺菌剤の余剰な酸化力を消費する塩素還元剤と、医療廃液を吸水して固形化する吸水性高分子とを有することを特徴とする医療廃液処理剤。 【請求項6】 前記吸水性高分子の吸水速度が、前記塩素系殺菌剤の殺菌速度及び塩素還元剤の消費速度より遅いことを特徴とする請求項5に記載の医療廃液処理剤。 【請求項7】 少なくとも前記吸水性高分子を水崩壊性又は水溶解性材料で覆うことを特徴とする請求項5に記載の医療廃液処理剤。 【請求項8】 前記塩素系殺菌剤がジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、さらし粉又は高度さらし粉から成ることを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の医療廃液処理剤。 【請求項9】 前記塩素還元剤が、蛋白質又はチオ硫酸ナトリウムから成ることを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の医療廃液処理剤。 【請求項10】 塩素系殺菌剤投入後の医療廃液中のpHを、塩素ガスの発生を防止でき、かつ、塩素ガスの発生を防止できる範囲で殺菌効果の高い値に調整するためのpH調整剤をさらに含むことを特徴とする請求項5〜9の何れか一項に記載の医療廃液処理剤。 【請求項11】 廃液中に含まれる電解質のイオン強度を低下させ、前記吸水性高分子が持つ親水性基と電解質との結合を防止する物質をさらに含むことを特徴とする請求項5〜10の何れか一項に記載の医療廃液処理剤。 【請求項12】 塩素系殺菌剤、塩素還元剤、及び吸水性高分子が、少なくとも医療廃液中に投入後に、これら各成分を医療廃液中へ放出可能な容器に収容されていることを特徴とする請求項5〜11の何れか一項に記載の医療廃液処理剤。 【請求項13】 前記容器の少なくとも一部が水溶性材料又は水崩壊性材料から成ることを特徴とする請求項12に記載の医療廃液処理剤。 【請求項14】 内部に医療廃液を収容でき、請求項5〜13の何れか一項に記載の医療廃液処理剤を、医療廃液中に放出可能に備えていることを特徴とする医療廃液処理容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、手術、出産、又は分析等の医療行為により排出される医療廃液を安全に廃棄処理するための医療廃液処理方法の改良に関し、かつ、前記処理方法を実行可能な医療廃液処理剤及び医療廃液処理容器に関する。 【0002】 【従来の技術】病院での手術や出産の際に排出される血液や羊水又は検査後の尿や血液等のような液状の医療廃液は、医療従事者や廃棄業者に対する感染症を防止するために、使い捨ての廃液容器に回収され、所定量溜まった時点で医療用廃棄物業者に依頼して容器ごと焼却処理されるか、又は、施設内で医療従事者等により適当な方法で処理されていた。しかし、廃棄処理を医療用廃棄物業者に依頼する場合には、業者が感染性の廃液を液状のまま収容した廃液容器を廃棄場まで輸送しなければならないので、万一の事故等により廃液容器が破損して廃液が流出又は飛散して周囲の人間に感染する恐れがあるという問題があり、また、施設内で医療従事者等が廃液を処理する場合にも処理中に廃液が飛散して感染する恐れがあるという問題がある。上記したように、医療廃液を液状のまま廃棄処理することは感染症の観点から見て非常に危険であるため、これらを固形化した後、廃棄処理することが望まれる。医療廃液を固形化する廃液処理剤としては、吸水性が高く、一旦吸水した水は多少の圧力を加えても離水しないという保水性を有する吸水性樹脂から成る処理剤が特開平4−122263号公報及び特開平6−216号公報で提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記した吸水性樹脂は、水と接触すると瞬時に吸水・膨潤して、水全体をゲル状にする性質をもつ合成高分子であるので、医療廃液をゲル状まで固形化することはできるが、固形化がゲル状までしか達成できないため、固形化された医療廃液はその表面が湿っている。従って、運搬中の収容容器の破損等が原因で処理作業者が固形化した医療廃液の表面に触れる可能性があることを考えると、前記した従来の医療廃液処理剤では充分な安全性が確保できるとは言えず、改善の余地がある。また、医療廃液の中でも特に血液等は、その色が処理作業者に視覚的な不安感を与え、運搬作業や処理作業を行う作業者の精神的な負担を大きくするという問題があり、また、このように精神的な負担が大きくなると、作業中に通常では考えられない事故を招く危険もあるという問題も生じる。本発明は、上記した従来の医療廃液処理剤における問題点を解決し、処理作業又は運搬作業中の作業者の充分な安全性を確保でき、かつ、精神的な負担を軽減することのできる医療廃液処理方法、医療廃液処理剤及び医療廃液処理容器を提供することを目的としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明に係る医療廃液処理方法は、医療用廃液中に、塩素系殺菌剤、塩素還元剤、吸水性高分子を添加し、前記塩素系殺菌剤で医療廃液中の細菌やウィルスを殺菌し、前記塩素還元剤で塩素系殺菌剤の余剰な酸化力を消費し、前記吸水性高分子で医療用廃液を吸水して固形化することを特徴とするものである。好ましくは、これら塩素系殺菌剤、塩素還元剤及び吸水性高分子は順に添加されるか、又は少なくとも、前記塩素系殺菌剤の殺菌速度及び塩素還元剤の余剰な酸化力の消費速度より、医療廃液を吸水する速度が遅い吸水性高分子を用いて、同時に添加され得る。また、有利には、前記吸水性高分子を水崩壊性又は水溶解性材料で覆い、該吸水性高分子の作用開始時間を、前記塩素系殺菌剤及び塩素還元剤の作用開始時間より遅らせることにより、前記吸水性高分子の吸水時間が遅くされ得る。また、本発明に係る医療廃液処理剤は、医療廃液中の細菌やウィルスを殺菌する塩素系殺菌剤と、前記塩素系殺菌剤の余剰な酸化力を消費する塩素還元剤と、医療廃液を吸水して固形化する吸水性高分子とを有し、好ましくは、前記吸水性高分子は、その吸水速度が、前記塩素系殺菌剤の殺菌速度及び塩素還元剤の消費速度より遅いものが選ばれるか、又は水崩壊性又は水溶解性材料で覆われ得る。また、この場合、前記塩素系殺菌剤は、例えば、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、次亜塩素ナトリウム、さらし粉又は高度さらし粉から成り得、また、前記塩素還元剤は、例えば、蛋白質又はチオ硫酸ナトリウムから成り得る。有利には、前記医療廃液処理剤は、塩素系殺菌剤投入後の医療廃液中のpHを、塩素ガスの発生を防止でき、かつ、塩素ガスの発生を防止できる範囲で殺菌効果の高い値に調整するためのpH調整剤をさらに含むことができ、また、廃液中に含まれる電解質のイオン強度を低下させ、前記吸水性高分子が持つ親水性基と電解質との結合を防止する物質をさらに含むこともできる。好ましくは、塩素系殺菌剤、塩素還元剤、及び吸水性高分子は、少なくとも医療廃液中に投入後に、これら各成分を医療廃液中へ放出可能な容器に収容され得、この場合、前記容器は、少なくとも一部が水溶性材料又は水崩壊性材料から成り得る。また、本発明に係る医療廃液処理容器は、内部に医療廃液を収容でき、前記した医療廃液処理剤を医療廃液中に放出可能に備えていることを特徴とするものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明に係る医療廃液処理方法及び処理剤における吸水性樹脂は、その組成からデンプン系、セルロース系及び合成高分子系の三種類に大別され、例えば、デンプン系としては、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、デンプン−ビニルスルホン酸グラフト共重合体、又はデンプン−スチレンスルホン酸グラフト共重合体が挙げられ、セルロース系としては、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体、セルロース−スチレンスルホン酸グラフト共重合体、又はカルボキシメチルセルロース架橋重合体が挙げられる。また、合成高分子系は、その組成からアクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキサイド系、ポリビニルピロリドン系、その他に大別され、例えば、アクリル系としては、ポリアクリロニトリル系重合体、又はポリアクリル酸塩架橋重合体が挙げられ、ポリビニルアルコール系としては、ポリビニルアルコール架橋重合体、又はアクリル−酢酸ビニル共重合体が挙げられ、ポリエチレンオキサイド系としては、ポリエチレングリコールジアクリレート架橋重合体が挙げられ、ポリビニルピロリドン系としては、ポリビニルピロリドン系架橋重合体が挙げられ、また、上記した分類に属さないものとして、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸塩、又はスルホン酸基等の構造を含む重合体が挙げられる。 【0006】また、本発明に係る医療廃液処理方法及び処理剤における塩素系殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム(さらし粉の主成分)やジクロロイソシアヌール酸ナトリウム等が挙げられる。この中でも、特に次亜塩素酸ナトリウムは、有効塩素濃度1000ppmの添加量で、他の細菌やウィルスに比べて殺菌剤に対する耐性が非常に高いHBVウィルスに対しても有効であり、従って、その他の感染源となる細菌やウィルスに対しても有効であるといえるので、殺菌力の観点から見ると好ましい。また、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウムは有機物存在下でも殺菌効果が高いという効果を奏し、次亜塩素酸カルシウムは入手が容易で安価であるという効果を有する。また、前記塩素系殺菌剤は、使い勝手がよいため固形の殺菌剤が好ましいが、勿論、液状のものでもよく、適用する医療廃液の種類に応じて、適宜決められ得る。尚、上記した例では、次亜塩素酸ナトリウム以外は全て固形の塩素系殺菌剤である。 【0007】また、本発明に係る医療廃液処理方法及び処理剤における塩素還元剤としては、蛋白質やチオ硫酸ナトリウム等の無機還元剤が挙げられる。 【0008】上記した、吸水性高分子、塩素系殺菌剤及び塩素還元剤を順次或いは同時に医療廃液に添加され、塩素系殺菌剤による廃液の殺菌、塩素還元剤による殺菌剤の余剰な酸化力の消費、及び吸水性高分子による廃液の吸収の反応が順次生じるようにされる。各処理剤を順に添加する場合には、始めに塩素系殺菌剤を添加し、次いで塩素還元剤を添加し、最後に吸水性高分子が添加され得る。また、各処理剤を同時に添加する場合には、塩素系殺菌剤及び塩素系還元剤の反応速度より吸水速度の遅い吸水性高分子を用いることにより、前記反応順が達成され得る。吸水速度の遅い吸水性高分子としては、例えば、住友精化製のアクアキープSA60S(商標)が挙げられる。同社製のアクアキープ60NtypeII(商標)や三菱化成製のアクアパールZS45(商標)が、約2分又は2分30秒で1g当たり0.9%の濃度の塩化ナトリウム溶液100mlを吸水するのに対して、このアクアキープSA60S(商標)は吸水速度が遅いため、約5分の時間を必要とする。尚、これは、単なる一例であり、吸水性高分子は、その吸水速度が、吸水性高分子が医療廃液を完全に吸水固化してしまう前に、塩素系殺菌剤及び塩素還元剤の殺菌及び消費反応が終わるのに十分な遅さであれば任意のものでよく、この条件を満たせる場合には、例えば、上記したアクアキープ60NtypeII(商標)やアクアパールZS45(商標)を用いてもよい。またさらに、各処理剤を同時に添加する場合には、吸水性高分子を水崩壊性又は水溶解性材料で覆うことによっても、前記反応順は達成され得る。上記した反応順により、塩素系殺菌剤の余剰酸化力が吸水性樹脂を浸食する前に、塩素還元剤が余剰酸化力を消費するので、吸水性樹脂により固化された廃液の固化状態が塩素系殺菌剤の作用で経時低下することなはく、また、吸水性樹脂が、塩素系殺菌剤で充分に殺菌された医療廃液を吸収することになるので、固化状態がゲル状であっても感染の恐れが無くなる。さらに、塩素系殺菌剤は、消臭及び脱色の効果もあるため、廃液中に血球成分が混入している場合でも、その色は脱色されるので、作業者に視覚的な不安感を与えることがなくなる。 【0009】ここで、前記塩素系殺菌剤として、次亜塩素酸ナトリウムを用い、塩素還元剤としてチオ硫酸ナトリウムを使用した場合の殺菌作用と余剰酸化力消費作用について具体的に説明すると、次亜塩素ナトリウムは、水溶液中で、次式(1)及び(2)のような平衡状態で存在する。 Na+ + H+ + OCl- <=> Na+ + HOCl (1) HOCl + Cl- + H+ <=> Cl2 + H2O (2) ここで、HOCl及びCl2が殺菌に寄与し、次亜塩素HOClが次式(3)のように酸化反応を起こし、殺菌は酸化され、その機能を失う。 HOCl → H+ + Cl+ + O(活性酸素) (3) 上記塩素系殺菌剤の細菌との酸化反応と共に、塩素還元剤としてのチオ塩素酸ナトリウムが次式(4)のように塩素系殺菌剤の塩素と反応を起こして、余剰塩素は還元される。 Na2S2O3 + 4Cl2 + 5H2O → 2NaCl + 2H2SO4 + 6HCl (4) これにより、上記式(2)の平衡は右へ移動し、次亜塩素酸は消費されることになる。 【0010】さらに、上記した構成成分以外の添加剤として、pH調整剤が添加され得る。このpH調整剤は、医療廃液が酸性の場合、塩素系殺菌剤と酸性廃液とが反応して塩素ガスが発生することを防止する。pH調整剤は、強アルカリの塩、弱酸又は弱塩基等、任意のものが使用され得るが、好ましくは、塩素ガスの発生を防止できる範囲内で殺菌効果の高い所定のpH(例えば、pH6〜pH8.5)に調整できる緩衝作用のあるものがよい。このようなpH調整剤として、例えば、リン酸塩等が挙げられ、これらは、吸水性樹脂の吸水力を低下する原因となるCa2+と結合して沈殿するため、吸水性樹脂の吸水力低下が起こらないという点において都合がよい。さらにまた、上記した構成成分以外の添加剤として、廃液中の電解質のイオン強度を低下させ、吸水性樹脂の持つ親水性基と電解質の結合を防止する物質が添加され得る。具体的には、医療廃液中に含まれるCa2+やMg2+をキレート化するEDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)等のキレート剤や、イオン交換樹脂、イオン感応物質、又は電解質と結合して沈殿する沈殿剤等が挙げられ、キレート剤を用いた場合には医療廃液中に含まれる電解質に広範囲に反応して電解質のイオン強度を低下させることができ、イオン交換樹脂やイオン感応物質を用いる場合には医療廃液中に含まれるハロゲンイオンも除去することが可能であり、また、沈殿剤は、電解質の成分毎に用いればキレート剤等に比べて効果が高い。尚、前記キレート剤は、金属イオンとの配位構造に基づいて、N,O−配位型、O,O−配位型、N,S−配位型、及びS,S−配位型に分類することができるが、処理すべき医療廃液の電解質濃度に応じてある程度の水溶性を持つものであれば特に限定されることなく、これらのキレート剤から任意のものが使用され得、これらキレート剤は適当な塩の形でも用いられ得る。これらキレート剤の中でも、コンプレクサン類、ルタレインコンプレクソン類、オキシン類が知られているN,O−配位型のキレート剤が、特に好ましいキレート剤として挙げられ得る。さらに好ましくは、前記N,O−配位型のキレート剤の中でも、前記EDTAを含むコンプレクサン類が良好なキレート剤として挙げられる。前記コンプレクサン類のキレート剤としては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸(CyDTA)、グリコールエーテルジアミン4酢酸(GEDTA)、ヘキサメチレンジアミン4酢酸(HDTA)、イミノ2酢酸(IDA)、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(HIDA)、1,3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸(DPTA−OH)、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、エチレンジアミン2酢酸(EDDA)、エチレンジアミン2酢酸2プロピオン酸(EDDP)、エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)4酢酸(EGTA、グリコールエーテルジアミン4酢酸とも呼ばれる。)、エチレンジアミンーテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)、エチレンジアミン2プロピオン酸(EDDP)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸(EDTA−OH)、N−(2−ヒドロキシルエチル)エチレンジアミン3酢酸(HEEDTA)、ニトリロ3酢酸(NTA)、ニトリロ3プロピオン酸(NTP)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、2(ヒドロキシエチル)グリシン(NTPO)、1,2−ジアミノプロパン4酢酸(Methyl−EDTA)等が挙げられ、これらのキレート剤の中でも、特にEDTAやCyDTA、或いはこれらの塩が特に好ましい。また、上記の他に芳香剤を加えることも考えられ得る。 【0011】以上説明した医療廃液処理方法を達成可能な成分を含有する医療廃液処理剤は、例えば、吸水性樹脂、塩素系殺菌剤、及び塩素還元剤が、重量比で80%,15%,5%の割合で含有され得る。また、医療廃液処理剤は、前記各処理剤をオブラート状のデンプンや、薬のカプセル等に利用されているゼラチン等のような水溶性の包装容器内に、上記した反応順で各処理剤が反応できるように収容し得る。具体的には、例えば、図1に示すように、吸水性高分子をカプセルに包み、それを塩素還元剤と共にオブラートで包み、さらにこれを殺菌剤と共にオブラートで包むことで前記医療廃液処理剤は製造され得る。さらに、前記医療廃液処理剤は、例えば、廃液容器に医療廃液が溜まった後に添加することができるように形成され得る。このように廃液容器に医療廃液が溜まった後に添加できるように医療廃液処理剤を生成することにより、専用の廃液容器を使う必要がなくなるので、既存の医療検査装置で使用されている廃液ボトル等にも簡単に適用することができる。また、医療廃液処理剤の材料として水崩壊性樹脂を利用する場合には、例えば、繊維同士を水溶性の接着剤で結合した水崩壊性不織布や水崩壊性紙等が利用され得、水溶性の接着剤としてはポリビニルアルコール系接着剤等が利用され得る。上記したような材料に各処理剤を封入して医療廃液処理剤を形成すれば、医療廃液処理剤を、そのまま、廃液中に投入することができるが、例えば、各処理剤だけを廃液中に投入できる形態の包装容器に各処理剤を収容することも考えられ得る。 【0012】上記した前記医療廃液処理剤は、密閉性のある廃液容器内に様々な方法で配置され得る。例えば、図2に示すように配置した場合には、密閉性のある廃液容器内に廃液が溜まるに従って、医療廃液処理剤が順次廃液中に自動的に放出され、廃液を順次殺菌及び固形化する。また、例えば、図3に示すように配置した場合には、医療廃液が廃液容器の上まで溜まってから医療廃液処理剤が廃液中に自動的に放出され、廃液を殺菌及び固形化する。さらに、例えば、図4に示すように配置した場合には、作業者が適宜、放出棒を押すことにより医療廃液処理剤を一度に、又は数回に分けて廃液中に放出することができる。尚、図2〜図4に示すように廃液容器を構成する場合には、医療廃液処理剤は、各処理剤が上述の反応順で反応できるように、例えば、図1に示すように生成される。また、廃液容器は、図5に示すように構成することもでき、このように構成した場合には、作業者が適宜、必要な処理剤に対応する放出棒を押すことで各処理剤を順に放出することができる。 【0013】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る医療廃液処理方法及び医療廃液処理剤は、前記塩素系殺菌剤による医療廃液中の細菌の殺菌、塩素還元剤による塩素系殺菌剤の余剰な酸化力の消費、及び吸水性高分子による医療用廃液の固形化が順次行われるので、固形化された医療廃液からの感染の可能性は全くなくなり、処理作業者に対する充分な安全性を確保することができる。また、殺菌剤として塩素系殺菌剤を用いることにより、医療廃液の脱色を行えるので、例えば、医療廃液中に血液が混入している場合でも、血液の赤色は脱色され、処理作業者に視覚的な不安感を与えることがなくなり、処理作業者の精神的負担を軽減することができる。また、本発明に係る医療廃液処理容器は、内部に医療廃液を収容でき、本発明に係る医療廃液処理剤を医療廃液中に放出可能に備えているので、単に医療廃液を医療廃液処理容器内に排出していくだけで、作業者を介さずに廃液の殺菌及び固形化が達成できるようになるので、簡単に医療廃液を処理できるようになり、また安全性も向上するという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591086854 【氏名又は名称】株式会社テクノメデイカ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】八木田 茂 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299844 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−106043 |
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