トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 車椅子対応の歯科治療台
【発明者】 【氏名】鈴木 孝之

【要約】 【課題】車椅子に乗ったままの状態で上顎の歯科治療を受けることができ、しかも、容易に歯科治療状態にすることのできる歯科治療台を提供する。

【解決手段】車椅子を乗り上げることのできる基板1と、この基板1の手前側を回転中心として該基板の前方を上下動する駆動機構と、該基板の一方の側方手前側に立設された支柱3と、該支柱3に回動自動に取り付けられた安頭台4及び背もたれ5とを有する。安頭台及び背もたれを回動して該安頭台及び背もたれが車椅子の前記基板への乗り上げに邪魔にならない状態にし、この状態で、前記基板に車椅子を前向きに乗り上げ、該基板1に固定する。その後、前記安頭台及び背もたれを患者の頭部後側に戻して基板1上の車椅子を後傾させて上顎治療状態にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子を乗り上げることのできる基板と、該基板の手前側を回転中心として該基板の前方を上下動する駆動機構と、該基板の一方の側方手前側に立設された支柱と、該支柱に回動自在に取り付けられた安頭台及び背もたれ支持柱とを有し、該安頭台及び背もたれを回動して該安頭台及び背もたれが車椅子の前記基板への乗り上げに邪魔にならない状態にし、この状態で、前記基板に車椅子を前向きに乗り上げ、該基板に固定し、前記安頭台及び背もたれを患者の後側に戻すように構成されていることを特徴とする車椅子対応の歯科治療台。
【請求項2】 前記基板の手前に車椅子を該基板の上に乗り上げるための助走板を有し、車椅子を助走板に乗り上げた後、該助走板の手前側を持ち上げて前記支持又は支持柱に懸架可能にしたことを特徴とする請求項1記載の車椅子対応の歯科治療台。
【請求項3】 車椅子を前記基板に固定する手段は、該基板の前方両側に設けられた紐固定部材と、該紐固定部材間に張設される紐部材であり、該紐部材を車椅子の後側を通して掛け渡して締めつけるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の車椅子対応の歯科治療台。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子対応の歯科治療、より詳細には、車椅子に乗ったままの状態で(つまり車椅子ごと)歯科治療台に載ることができ、そのままの状態で、歯科治療が受けられるようにした歯科治療台に関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子に乗った患者に対して歯科治療等の医療行為を施すことは多い。この場合、患者が治療椅子へ移動できれば比較的問題は少ないが、それでも、移動のため患者に負担をかけ、あるいは、治療前と治療終了後の際の治療椅子と車椅子との間の移動に時間を要し、能率的な治療を行うことができない問題がある。
【0003】これに対処して、車椅子に乗ったままで歯科治療を行なうことができるようにするため、車椅子に着脱可能な安頭台や背もたれを準備しておき、これらを車椅子に装着することによって、車椅子へ乗ったまま歯科治療できるようにすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、車椅子に着脱自在の安頭台や背もたれを用いて、車椅子を乗ったままの状態で歯科治療を行うようにすることは、それ自体有効であるが、近年、高年令層人口の増加に伴い、車椅子を利用する老人が多くなっており、多くの車椅子搭乗患者に対応するためには、安頭台や背もたれの着脱作業を頻繁に行なわなければならず、その作業が大変であった。また、車椅子に乗ったままの状態では、車椅子を後傾することができず、上顎等の治療が大変であった。
【0005】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、車椅子に乗ったままの状態で上顎の歯科治療を受けることができ、しかも、容易に歯科治療状態にすることのできる歯科治療台を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車椅子を乗り上げることのできる基板と、該基板の手前側を回転中心として該基板の前方を上下動する駆動機構と、該基板の一方の側方手前側に立設された支柱と、該支柱に回動自在に取り付けられた安頭台及び背もたれ支持柱とを有し、該安頭台及び背もたれを回動して該安頭台及び背もたれが車椅子の前記基板への乗り上げに邪魔にならない状態にし、この状態で、前記基板に車椅子を前向きに乗り上げ、該基板に固定し、前記安頭台及び背もたれを患者の後側に戻すように構成されていることを特徴とし、もって、車椅子に乗ったままの状態で上顎の治療を容易に行うことができ、しかも、容易に歯科治療状態にできるようにしたものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基板の手前に車椅子を該基板の上に乗り上げるための助走板を有し、車椅子を助走板に乗り上げた後、該助走板の手前側を持ち上げて前記支持又は支持柱に懸架可能にしたことを特徴とし、もって、車椅子の基板への乗り上げを容易にするとともに、上顎の治療等を行う場合に必要とされる患者後部の治療空間を確保するようにしたものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、車椅子を前記基板に固定する手段は、該基板の前方両側に設けられた紐固定部材と、該紐固定部材間に張設される紐部材であり、該紐部材を車椅子の後側を通して掛け渡して締めつけるものであることを特徴とし、もって、車椅子を治療台に確実に固定し、該車椅子の後傾を可能とし、上顎の治療を可能にしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による歯科治療台の一実施例を説明するための要部概略側面図、図2は正面図、図3は該歯科治療台に車椅子を搭乗させた時の側面図で、図中、1は車椅子が搭乗する基板、2は該基板1の手前側に配設された助走板、3は前記基板1の一方の側方前方に立設された支柱で、該支柱3には、安頭台4及び背もたれ5を支持した支持柱6が、例えば、ピン軸7を中心に回動自在に設けられている。
【0010】歯科治療に当り、安頭台4及び背もたれ5を、図2に鎖線にて示す状態にして車椅子の通過に邪魔にならない状態にし、その状態で、患者は車椅子に乗ったまま矢印A方向に前進し、助走板2の上を通って基板1の前面まで進んで、該前面に突き当って止まり、その状態で車椅子をロックする。
【0011】基板1の前部両側部には、紐固定具8が設けられており、該紐固定具8間に紐9を、図3に示すように、車椅子20の後側を通してかけ渡し、車椅子20を後傾させた時に、該車椅子20が倒れないようにし、基板1にしっかりと固定する。なお、この紐固定具8は、図示例のバックル式のものに限ることなく、単なるかぎ型、他の形状の引っかけ部材でもよいことは容易に理解されよう。
【0012】上述のようにして、車椅子20を基板1上にしっかりと固定した後、安頭台4及び背もたれ5を、もとの状態(図2の実線位置)に戻し(つまり、患者の頭部及び背部後側にし)、歯科治療態勢にし、この状態で歯科治療をし、或いは、基板1を、図1に鎖線にて示すように、後側に傾斜して(つまり、上顎治療状態にして)、歯科治療を行う。
【0013】而して、上顎治療時においては、術者は、患者の背部から治療を行う体勢になるため、助走板2が邪魔になる。そのため、この助走板2は、図1に鎖線にて示すように、その手前部を持ち上げて支柱3又は支持柱6に懸架されるようになっており、これにより、上顎治療時における術者の作業スペースが確保される。なお、10は前記基板1を傾動させるためのフットスイッチである。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明は、車椅子を乗り上げることのできる基板と、該基板の手前側を回転中心として該基板の前方を上下動する駆動機構と、該基板の一方の側方手前側に立設された支柱と、該支柱に回動自在に取り付けられた安頭台及び背もたれ支持柱とを有し、該安頭台及び背もたれを回動して該安頭台及び背もたれが車椅子の前記基板への乗り上げに邪魔にならない状態にし、この状態で、前記基板に車椅子を前向きに乗り上げ、該基板に固定し、前記安頭台及び背もたれを患者の後側に戻すように構成されているので、車椅子に乗ったままの状態で上顎の治療を容易に行うことができ、しかも、容易に歯科治療状態にすることができる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基板の手前に車椅子を該基板の上に乗り上げるための助走板を有し、車椅子を助走板に乗り上げた後、該助走板の手前側を持ち上げて前記支持又は支持柱に懸架可能にしたので、車椅子の基板への乗り上げを容易にするとともに、上顎の治療等を行う場合に必要とされる患者後部の治療空間を確保することができる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、車椅子を前記基板に固定する手段は、該基板の前方両側に設けられた紐固定部材と、該紐固定部材間に張設される紐部材であり、該紐部材を車椅子の後側を通して掛け渡して締めつけるものであるので、車椅子を治療台に確実に固定し、該車椅子の後傾を可能とし、上顎の治療が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000150671
【氏名又は名称】株式会社長田中央研究所
【出願日】 平成10年(1998)2月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高野 明近
【公開番号】 特開平11−226064
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−30180