| 【発明の名称】 |
介護用の搬送用具と、それを使用する介護用の搬送システム |
| 【発明者】 |
【氏名】喜多 嘉一郎
|
| 【要約】 |
【課題】患者を移載して搬送するに際し、介護者の作業を簡便にする。
【解決手段】椅子状に屈曲可能なベッド状の支持フレーム11と、支持フレーム11に装着するシート材12、12…と、吊上げ用のベルト13、13とを組み合わせる。支持フレーム11は、ベッド状にして患者を移載し、ベルト13、13、ワイヤロープWを介して上方に吊り上げて椅子状に屈曲させ、患者を搬送することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベッド状の支持フレームと、該支持フレームに装着するシート材と、前記支持フレームを吊下するベルトとを備えてなり、前記支持フレームは、椅子状に屈曲可能であることを特徴とする介護用の搬送用具。 【請求項2】 前記シート材は、メッシュ材から形成することを特徴とする請求項1記載の介護用の搬送用具。 【請求項3】 前記シート材は、排出口を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の介護用の搬送用具。 【請求項4】 前記支持フレームは、車椅子に搭載可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の介護用の搬送用具。 【請求項5】 前記ベルトは、患者を車椅子に固定可能であることを特徴とする請求項4記載の介護用の搬送用具。 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか記載の介護用の搬送用具と、ワイヤロープを介して前記搬送用具を昇降可能に吊下する吊下ユニットとを備えてなり、該吊下ユニットは、ハンガレールに沿って移動可能であることを特徴とする介護用の搬送システム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、患者を載せて搬送するために使用する介護用の搬送用具と、それを使用する介護用の搬送システムに関する。 【0002】 【従来の技術】自力で起き上がることができない患者や老人(以下、単に患者という)をトイレや洗面所、浴室等に搬送するとき、介護用の搬送用具を使用することがある。 【0003】従来の搬送用具は、いわゆる車椅子が多用されており、このものは、椅子状の支持フレームにクッション材を装着し、車輪が付設されている。そこで、このものは、患者が寝ているベッドの横に移動させ、患者を起こしてベッド上から搬送用具上に移動させ、目的とする場所にまで患者を搬送することができる。 【0004】なお、車付きの搬送用ベッドも広く使用されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術の前者によるときは、支持フレームは、その形状が椅子状に固定されているから、患者が寝ている場合などにおいて、複数の介護者によって患者を抱き上げ、姿勢を着座状態に変更して搬送用具上に移動させなければならず、移載作業が厄介であり、1人の介護者による作業が困難であるという問題があった。また、搬送用ベッドは、患者の姿勢が寝ている状態に限定されているから、狭いトイレや浴室等に移動することは、極めて困難である。 【0006】そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、椅子状に屈曲可能な支持フレームを採用することによって、1人の介護者により患者を容易に移載し、トイレ等を含む任意の場所に搬送することができる介護用の搬送用具と、それを使用する介護用の搬送システムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明の構成は、ベッド状の支持フレームと、支持フレームに装着するシート材と、支持フレームを吊下するベルトとを備えてなり、支持フレームは、椅子状に屈曲可能であることをその要旨とする。 【0008】なお、シート材は、メッシュ材から形成してもよく、排出口を有してもよい。 【0009】また、支持フレームは、車椅子に搭載可能であってもよく、ベルトは、患者を車椅子に固定可能であってもよい。 【0010】第2発明の構成は、第1発明に係る介護用の搬送用具と、ワイヤロープを介して搬送用具を昇降可能に吊下する吊下ユニットとを備えてなり、吊下ユニットは、ハンガレールに沿って移動可能であることをその要旨とする。 【0011】 【作用】かかる第1発明の構成によるときは、支持フレームは、屈曲させてベッド状の形態から椅子状の形態に変形させることができるから、患者の姿勢を就寝状態から着座状態に容易に変えることができる。すなわち、患者は、ベッド上に寝た状態のまま、支持フレーム上に容易に移動させ、支持フレームを椅子状に屈曲させることにより着座状態にして、ベルトによって全体を吊り下げて任意の場所に搬送することができる。 【0012】メッシュ材から形成するシート材は、支持フレーム上に患者を載せたまま浴槽に沈め、患者を支障なく入浴させることができる。 【0013】シート材に排出口を設ければ、患者は、トイレに搬送されると、そのまま排出口を介して排泄することができ、便器に着座させる必要がない。 【0014】車椅子に搭載可能な支持フレームは、支持フレームとともに患者を車椅子に載せることができ、介護者の作業負担を最少にすることができる。 【0015】ベルトは、車椅子の患者を固定可能にすることにより、車椅子上の患者の姿勢を安定に保持し、搬送中の危険を最少にすることができる。 【0016】第2発明の構成によれば、吊下ユニットは、ハンガレールに沿って移動することにより、搬送用具上の患者を速やかに任意の位置に搬送することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。 【0018】介護用の搬送用具10は、支持フレーム11と、支持フレーム11に装着するシート材12、12…と、ベルト13、13とを備えてなり(図1、図2)、ベルト13、13を利用して、ワイヤロープWによって安定に吊り上げることができる。 【0019】支持フレーム11は、連結ロッド11d、11dを介して左右のフレーム材11a、11a、11b、11b、11c、11cを梯子状に連結するとともに、フレーム材11a、11aの先端に連結材11gを付設し、フレーム材11c、11cの先端に副フレーム材11fを付設して構成されている。フレーム材11a、11aは、それぞれ連結片11a1 、11b1 、連結ロッド11dを介し、フレーム材11b、11bに対して下方に屈曲可能に連結されている。なお、フレーム材11a、11aは、図示しないばねを介して上向きに付勢されており、ばねの付勢力は、連結ロッド11dの一端に装着する調節ノブ11d1 を介して自在に調節することができる。また、各フレーム材11c、11cは、それぞれ連結片11b1 、11c1 、連結ロッド11dを介し、フレーム材11b、11bに対して上方に屈曲可能に連結されている。 【0020】副フレーム材11fは、フレーム材11c、11cに対して屈曲不能に連結されている(図1、図3)。副フレーム材11fは、補助フレーム材11f1 、11f1 によって補強されており、フック部材11f2 が先端部に内向きに突設されている。また、各フレーム材11b、11cには、長孔11e1 を有する係止部材11e、11eが内向きに付設されている。支持フレーム11は、フレーム材11a、11a、11b、11b、11c、11cを直線状に伸展して平坦なベッド状にすることができ(図1の実線)、フレーム材11c、11cを起立させ、フレーム材11a、11aを下方に揺動させることにより、椅子状に屈曲させることができる(同図の二点鎖線)。 【0021】シート材12、12…は、それぞれメッシュ材から形成されており(図1、図3)、支持フレーム11のフレーム材11a、11a、11b、11b、11c、11cの各部分に対し、縁材12a、12a…を介して装着されている。なお、副フレーム材11fの部分には、別の大面積の縁材12aが付設されている。また、縁材12a、12a…には、係止部材11e、11e…、フック部材11f2 に対応して、ベルト13、ワイヤロープWを挿通させる孔が形成されている。フレーム材11b、11b間のシート材12には、縦長の排出口12bが形成されており(図1、図4)、排出口12bの全周には、縁材12b1 が付設されている。 【0022】ベルト13、13は、それぞれの一端部に補助ベルト13aが付設されている(図1、図3)。ベルト13の一端、補助ベルト13aの先端には、それぞれバックル状の係止金具13bが取り付けられ、ベルト13の他端には、吊金具13cが付設されている。各ベルト13の一端、補助ベルト13aの先端は、それぞれ係止金具13bを対応する係止部材11eに挿通させ(図3の実線)、係止金具13bを係止部材11eの下面に平行にすることにより(同図の二点鎖線)、支持フレーム10に連結して抜け止めすることができる。また、各ベルト13の他端は、吊金具13cをワイヤロープWのフックW1 に掛けて固定することができる(図1)。 【0023】かかる介護用の搬送用具10は、吊下ユニット21と組み合わせて介護用の搬送システムを構築することができる(図5、図6)。 【0024】吊下ユニット21は、走行ランナ22を介してハンガレールRに沿って移動自在に吊下されている。走行ランナ22は、ハンガレールR内を転動するローラが装着されており、吊下ユニット21を吊下する連結ロッド23が下面に垂設されている。なお、吊下ユニット21には、ワイヤロープWを巻き取る図示しない電動ドラムが内蔵されており、ワイヤロープWの先端には、棒状のストッパW2 が付設され、中間部には、フックW1 が付設されている。ハンガレールRは、たとえばベッドB1 、トイレB2 、浴室B3 、洗面所B4 を連結するように建物Bの天井に敷設されており、建物Bには、出入口Ba 、連絡通路Bb 、窓Bc 、Bc…、手摺りBd 、Bd が設備されている。 【0025】かかる搬送システムは、搬送用具10を介してベッドB1 上の患者を建物B内の任意の位置に搬送することができる。 【0026】すなわち、搬送用具10をベッドB1 に沿うようにして伸展させ、寝た状態のままの患者を搬送用具10上に移載する。次いで、吊下ユニット21からのワイヤロープWの先端を搬送用具10の先端のフック部材11f2 に係止させ、ベルト13、13の一端、補助ベルト13a、13aの先端を搬送用具10の係止部材11e、11e…に連結し、ベルト13、13の他端をワイヤロープWのフックW1 に係止する。つづいて、吊下ユニット21を介してワイヤロープWを巻き上げると、搬送用具10は、ベッド状から椅子状に変形し、患者を着座姿勢にして吊り上げることができる。そこで、吊下ユニット21を介し、ハンガレールRに沿って搬送用具10を移動させることにより、患者をトイレB2 、浴室B3 、洗面所B4 を含む任意の場所に搬送することができる。 【0027】一方、吊下ユニット21は、トイレB2 において搬送用具10を下降させ、患者を便器上にそのまま着座させることができ、このときの患者は、排出口12bを介して搬送用具10上から排泄することができる。また、吊下ユニット21は、浴室B3 において、搬送用具10を下降させて搬送用具10上の患者を入浴させることができる。搬送用具10は、シート材12、12…がメッシュ材から形成されているから、全体を支障なく浴槽に沈めることができる上、患者を浴槽から引き上げることにより速やかに水切りすることができる。なお、浴槽は、搬送用具10上の患者が湯に十分に浸かることができるように、深めのものが好適である。 【0028】搬送用具10は、車椅子Cに搭載することができる(図7)。すなわち、吊下ユニット21を介し、椅子状にして吊り上げた搬送用具10は、車椅子C上に患者とともに移載することができる。このとき、ベルト13、補助ベルト13aの係止金具13b、13bを搬送用具10の片側に連結し、ベルト13を患者の前方から車椅子Cの上部フレームC1 、C1 、バックレストC2 の後方に引き回し、患者の前方において、吊金具13cを介して搬送用具10の他方の側に連結することにより、患者を車椅子C上に安定に固定することができる。 【0029】 【他の実施の形態】ワイヤロープWの先端には、ストッパW2 に代えて、吊りフックW3 を付設してもよい(図8)。また、搬送用具10側のフック部材11f2 は、副フレーム材11fに対し、外向きに突設してもよい(同図)。 【0030】以上の説明において、ベルト13、補助ベルト13aの係止金具13b、吊金具13cは、支持フレーム11側の係止部材11eとともに、自動車または航空機の客席用のシートベルト用のタングプレートと、それに適合するバックルとを組み合わせて使用することができる。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第1発明によれば、椅子状に屈曲可能な支持フレームにシート材を装着することによって、支持フレームは、ベッド状にして患者を移載し、椅子状にして患者を搬送することができるから、患者の移載作業を容易にし、複数の介護者を必要とせず、トイレ等を含む任意の場所に患者を簡便に搬送することができるという優れた効果がある。 【0032】第2発明によれば、吊下ユニットは、搬送用具を椅子状に保持して吊下することができ、ハンガレールに沿って移動させることができるから、搬送用具上の患者を容易に任意の場所に搬送することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】398005250 【氏名又は名称】株式会社丸協物流
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松田 忠秋
|
| 【公開番号】 |
特開平11−226061 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−33255 |
|