| 【発明の名称】 |
起立補助装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横川 明
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| 【要約】 |
【課題】座った状態からの起立を補助する。
【解決手段】椅子などの座面上に設置されるベース板10と、着座する人の臀部を支持する座面板12をその各前端10a,12aで蝶番14,14により結合し、ベース板10と座面板12との間にエアバッグ16を配備する。エアバッグ16の周面は、蛇腹状になっている。座面板12は、中間で蝶番18,18により結合されており、ベース板10側に折れ曲がり自在になっている。座面板12の後端12b近傍と、ベース板10の後端10b近傍との間に、座面板12をベース板10に引き付ける適度な引張力のスプリング20,20を掛け渡してある。エアバッグ16の開口16aはバルブ26aを介してコンプレッサ28の排気口に、バルブ26bを介してコンプレッサ28の吸気口に接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベース材と、当該ベース材の前端部に回動自在に連結され、中間の少なくとも1箇所で折れ曲がり自在な座面材と、当該ベース材と当該座面材との間に配置され、当該座面材の、臀部を支持する部分を前上方向に持ち上げる起上部材と、当該起上部材を駆動する駆動部材とからなることを特徴とする起立補助装置。 【請求項2】 当該起上部材がエアバッグからなる請求項1に記載の起立補助装置。 【請求項3】 当該ベース材と当該座面材の互いに対する面に、当該起上部材を収容する凹みを設けてある請求項1又は2に記載の起立補助装置。 【請求項4】 更に、当該ベース材の後部と当該座面材の後部との間に、当該座面材を当該ベース材の方に引張する弾性材を具備する請求項1又は2に記載の起立補助装置。 【請求項5】 当該起上部材が、戻り緩衝機能を具備する請求項1乃至4の何れか1項に記載の起立補助装置。 【請求項6】 当該座面材の前側に位置する部分が伸縮自在である請求項1に記載の起立補助装置。 【請求項7】 当該座面材が、臀部が主として載る中央面材、当該中央面材より前に位置する前面材、及び当該中央面材より後側に位置する後面材を具備し、当該前面材が前後に伸縮自在である請求項1乃至6の何れか1項に記載の起立補助装置。 【請求項8】 更に、当該中央面材の後部を当該ベース材に引き寄せる第1の弾性材を具備する請求項7に記載の起立補助装置。 【請求項9】 更に、当該後面材の後部と当該中央面材の前部とを結合し、当該起上部材による当該座面材の持ち上げの際に、当該後面材を当該中央面材よりも起立させる第2の弾性材を具備する請求項7又は8に記載の起立補助装置。 【請求項10】 当該座面材を当該ベース材に所定の位置関係で密接させる密接補助部材を具備する請求項1乃至9の何れか1項に記載の起立補助装置。 【請求項11】 当該密接補助部材が、当該ベース材と当該座面材の互いの対面する位置に設置され、磁力で結合する磁力結合部材である請求項10に記載の起立補助装置。 【請求項12】 ベース材と、折れ曲がり自在に順次連結された第1、第2及び第3の面材からなり、当該第1の面材の前端部を当該ベース材の前端部に回動自在に連結された座面材と、当該ベース材と当該座面材との間に配置され、当該座面材の当該第1、第2及び第3の面材を個別に持ち上げる第1、第2及び第3の起上部材と、当該第1、第2及び第3の起上部材を駆動する駆動部材とからなり、座っている人の起立に際して当該第1、第2及び第3の面材を前傾するように持ち上げ、且つ、当該第2の面材を当該第1及び第3の面材より相対的に平坦に持ち上げることを特徴とする起立補助装置。 【請求項13】 当該第1、第2及び第3の起上部材がそれぞれ、エアバッグからなる請求項12に記載の起立補助装置。 【請求項14】 当該第1の起上部材が第1のエアバッグを具備し、当該第2の起上部材が当該第1の面材と当該第2の面材との間に端部を連結された支持板で分離された2つのエアバッグを具備し、当該第3の起上部材が、当該第2の面材と当該第3の面材との間で端部を連結された別の支持板で分離された2つのエアバッグを具備する請求項からなる請求項12に記載の起立補助装置。 【請求項15】 当該第1、第2及び第3の起上部材が、戻り緩衝機能を具備する請求項12乃至14の何れか1項に記載の起立補助装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、起立補助装置に関し、より具体的には、和式畳上、椅子及び洋式便座などに座った状態から立ち上がるのを補助する起立補助装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の起立補助装置は、座面を上昇又は傾斜させることで、立上がりを容易にするものである。座面を上昇又は傾斜させる手段としては電動歯車機構やエアバッグを使用するものが知られている。 【0003】電動歯車機構を使用する起立補助装置は、適用できる椅子などが限られる、重くなるので移動しにくくなる、安価に製造できない、といった欠点がある。 【0004】これに対し、エアバッグを使用する起立補助装置は、座面の下にエアバッグを装備し、それを膨らますことで、座面を上昇又は前傾させるものであり、軽くなる、既存の椅子にも適用できる、安価に製造できるといった利点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】座った状態から少ない力で立ち上がるためには、座面上にある重心を、起立時の重心位置にスムーズに移動させる必要がある。起立補助装置としては、この重心移動を補助するものでなければならない。 【0006】この点、従来例では、単に座面を上昇させたり前傾させたりするだけであるのでいまだ不十分であり、単に、臀部を座面から離すのを補助する程度に過ぎず、重心の移動を補助するまでにはいたっていない。 【0007】本発明は、座っている人の重心移動をより効果的に補助する起立補助装置を提示することを目的とする。 【0008】本発明はまた、既存の椅子などにも容易に適用できる起立補助装置を提示することを目的とする。 【0009】本発明はまた、安価に製造できる起立補助装置を提示することを目的とする。 【0010】本発明は更に、着座を補助する機能も具備する起立補助装置を提示することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明では、ベース材の前端部に、中間の少なくとも1箇所で折れ曲がり自在な座面材を回動自在に連結し、ベース材と座面材との間に、座面材の、臀部を支持する部分を前上方向に持ち上げる起上部材を配置する。そして、起上部材を駆動部材、例えば起上部材がエアバッグからなる場合にはコンプレッサで駆動する。 【0012】これにより、非常に簡単で且つ、軽量な構成で、座っている人の重心を前上方向に移動させることができ、起立を容易にする。座面材が折れ曲がることで、尻部が座面材上を滑らずに密着し、また、大腿部下に空きができ、立ち上がりやすくなる。 【0013】起上部材がエアバッグからなることで、大幅に軽量化でき、持ち運びも容易になり、製造コストも低減できる。 【0014】ベース材と座面材の互いに対する面に起上部材を収容する凹みを設けることで、ベース材と座面材を密着させた状態で起上部材を内部に収容でき、持ち運びと収納が容易になる。 【0015】ベース材の後端部と座面材の後端部との間に座面材をベース材の方に引張する弾性材を設けることで、座面材が持ち上げられる際に、座面材の、臀部が載る部分を比較的平坦化でき、持ち上げられる座面材を安定化できる。 【0016】起上部材が戻り緩衝機能を具備することにより、着座を補助する機能も持たせられる。戻り緩衝機能は例えば、エアバッグに選択的に閉成できる排気口を設け、その開口度を適切に調整することで実現できる。 【0017】座面材が、臀部が主として載る中央面材、中央面材より前に位置する前面材、及び中央面材より後側に位置する後面材を具備し、前面材を前後に伸縮自在とした。これにより、中央面材が起上部材により持ち上げられる際に、前面材が伸長することで、中央面材を比較的に水平に近い状態で上前方向に持ち上げることができる。これにより、座っている人の重心を起立状態での重心位置により近づけることができ、起立がより容易になる。 【0018】中央面材の後部をベース材に引き寄せる第1の弾性材を設けることで、中央面材を水平に近い状態で持ち上げることができる。 【0019】後面材の後部と中央面材の前部とを結合し、起上部材による座面材の持ち上げの際に、後面材を中央面材よりも起立させる第2の弾性材を設けることで、座っている人の臀部を後面材により前方向に押しやることになり、これもスムーズな起立を補助することにつながる。 【0020】座面材をベース材に所定の位置関係で密接させる密接補助部材を設けることで、着座状態で、座面材をベース材に対して一定位置に密着させやすくなり、座り心地が良くなる。密接補助部材は例えば、ベース材と座面材の互いの対面する位置に設置され、磁力で結合する磁力結合部材であり、これにより、安価で所望の機能を持たせることができる。 【0021】本発明ではまた、折れ曲がり自在に順次連結された第1、第2及び第3の面材からなり、当該第1の面材の前端部をベース材の前端部に回動自在に連結された座面材を設け、更に、座面材の第1、第2及び第3の面材を個別に持ち上げる第1、第2及び第3の起上部材をベース材と座面材との間に配置する。そして、座っている人の起立に際して第1、第2及び第3の面材を前傾するように持ち上げ、且つ、第2の面材を第1及び第3の面材より相対的に平坦に持ち上げる。 【0022】このようにすることで、座っている人の臀部を第2の面材に安定的に載せた状態で、前上方向に運ぶことができる。第1の面材が前傾することで、自律的な立上がりも容易になる。第2の面材が前傾することで、臀部が背面から押される形になり、これも、立上がりを補助することにつながる。これらの結果、座った状態から立ち上がるのに大きな力を必要としなくなり、容易に立ち上がれるようになる。 【0023】第1、第2及び第3の起上部材がエアバッグからなることで、大幅に軽量化でき、持ち運びも容易になり、製造コストも低減できる。 【0024】第2及び第3の起上部材がそれぞれ支持板で区切られた2つのエアバッグからなることで、持ち上げの程度の調節が容易になり、起立補助の際の座面材の形状の変化を適切なものに設定しやすくなる。 【0025】第1、第2及び第3の起上部材が戻り緩衝機能を具備することにより、着座を補助する機能も持たせられる。戻り緩衝機能は例えば、エアバッグに選択的に閉成できる排気口を設け、その開口度を適切に調整することで実現できる。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0027】図1は、本発明の一実施例の中央断面図(a)と平面図(b)を示す。図1は、座面の下に装備するエアバッグを膨張させた状態を示す。 【0028】本実施例の構成を説明する。10は、椅子などの座面上に設置されるベース板、12は、着座する人の臀部を支持する座面板である。ベース板10と座面板12をこれらの前端10a,12aで蝶番14,14により結合し、ベース板10と座面板12との間にエアバッグ16を配備してある。ベース板10は、例えば、既存の洋式椅子又は和式の座椅子の座面上に設置されることになる。エアバッグ16の周面は、蛇腹状になっている。 【0029】座面板12は、中間で蝶番18,18によりベース板10側に折れ曲がり自在になっている。座面板12の、蝶番14とは反対側の後端12b近傍と、ベース板10の、同様に蝶番14との反対の後端10b近傍との間に、座面板12をベース板10に引き付ける適度な引張力のスプリング20,20を掛け渡してある。エアバッグ16は、座面板12に対しては、蝶番18と後端12bとの間に結合されている。これにより、エアバッグ16の膨張により座面板12が蝶番14を中心に回動してベース板16から離れようとするときに、スプリング20,20が、座面板12の、後端12bをベース板10に引き付けるように作用し、この結果、座面板12は、蝶番18の部分でベース板10側に折れ曲がり、蝶番18と後端10bとの間の部分は相対的に水平に保たれて前方向に移動する。スプリング20は、中空伸縮性のパイプ22内に収容されている。座面板12の表面には全面にわたり、折れ曲がりに対して柔軟なクッション材24を固定してある。 【0030】また、ベース板10と座面板12の互いに向き合う面には、収縮状態のエアバッグ16を収納する凹み10c,12cを形成してある。これにより、エアバッグ16を収縮させたときには、座面板12はベース板10に密接して、ベース板10と並行になり、エアバッグ16を収納した状態で全体を扁平な形にすることができ、持ち運びなどが容易になる。エアバッグ16を収縮させた状態の断面図を図2に示す。 【0031】エアバッグ16の一側面には、吸排気用の開口16aを設けてある。即ち、開口16aは、バルブ26aを介してコンプレッサ28の排気側に接続すると共に、バルブ26bを介してコンプレッサ28の吸気側に接続する。コンプレッサ28の排気側とバルブ26aとの間は、バルブ26cを介して外気に連通する。コンプレッサ28の吸気側はまた、バルブ26dを介して外気と連通する。 【0032】エアバッグ16を膨らますときには、バルブ26b,26cを閉めると共に、バルブ26a,26dを開ける。逆に、エアバッグ16から排気するときには、バルブ26a,26dを閉め、バルブ26b,26cを開ける。操作スイッチ30により、コンプレッサ28の電源オン/オフとバルブ26a〜26dの開閉を制御する。操作スイッチ30は、例えば、フットスイッチとして足元に、又は、座った状態で手の届く位置(例えば、椅子の側面)に配置される。 【0033】なお、本実施例に着座補助機能を持たせたいときに、バルブにより閉成自在な排気用開口を設けておき、エアバッグ16を膨張させるときにはその開口を閉成しておき、着座の際にそのバルブを開けるようにすればよい。着座したい人がクッション24上に座ると、その圧力でエアバッグ16内の空気がその排気用開口から徐々に排出され、エアバッグ16が収縮する。最後には、座面板12がベース板10に密着する図2に示す状態になる。この間の座面板12の移動が緩やかに安定して行われるように、排気用開口の空気排出抵抗を設定しておけばよい。 【0034】図3、図4及び図5は、収縮状態のエアバッグ16を膨張させたときの座面板12の移動の様子を示す側面図であって、図3は、初期状態又は誰かが着座している状態、図4は少しエアバッグ16を膨張させた状態、図5は、エアバッグ16を最大、膨張させた状態をそれぞれ示す。 【0035】図2、図3、図4及び図5を参照して、本実施例の作用を説明する。初期状態又は誰かが着座している状態では、図2及び図3に示すように、座面板12は、ベース板10に密着した位置にある。操作スイッチ30によりバルブ26a,26dを開けると共にバルブ26b,26cを閉めて、コンプレッサ28を動作させ、エアバッグ16に圧縮空気を供給する。すると、エアバッグ16が膨張し、座面板12は蝶番14を回動中心として回動して、ベース板10から持ち上げられる。但し、スプリング20により座面板12の後端12bがベース板10の後端10bの方に引っ張られているので、図4に示すように、座面板12が蝶番18の部分でベース板10側に少し折れ曲がり、座面板12の前部分(蝶番14と蝶番18の間)の傾斜面が座面板12の後部分(蝶番18と端部12bとの間)の傾斜面より急になる。更にエアバッグ16が膨張すると、図5に示すように、座面板12の前部分(蝶番14と蝶番18の間)の傾斜が急になり、座面板12の後部分(蝶番18と端部12bとの間)は傾斜角があまり増加せずに前方向に運ばれる。 【0036】このようにして、本実施例では、座面板12の、臀部が接する部分(蝶番18と後端12bとの間の部分)は前部分(蝶番14と蝶番18の間)よりも相対的に水平を保ちつつ、前方向に移動する。これにより、座っている人は、少し持ち上げられつつ、前に押されるような状態になるので、重心が少し持ち上げられて前方向に運ばれることになり、膝の力の弱い人でも起立しやすくなる。座面板12の前部分(蝶番14と蝶番18の間)が相対的に立った状態になるので、座った人の大腿部の下側を圧迫しなくなり、これもまた、立上がりを容易にする。 【0037】蝶番18による折れ曲がり可能部分を設けずに、着座面全体を平坦なまま、その後端を単純に持ち上げたり、着座面を傾けたりする構造の場合、座っている人の臀部が斜め前方向に押されはするもののその移動量はわずかであり、しかも、着座面上を滑り落ちるような形になるので、重心を持ち上げて前に運ぶ作用力が弱くなる。本実施例では、このような問題は無く、座っている人の臀部又は重心を安定した状態で上前方向に移動させることができる。 【0038】通常の椅子に適用する実施例として説明したが、座面板12の中央部分に孔を開け、エアバッグ16も、中空構造としたり周辺部に選択的に配置する構造として、排泄物の通路を確保することで、洋式便座にも適用できる。 【0039】次に、本発明の第2実施例を説明する。図6は、その実施例の着座部分の側面図を示す。この実施例では、座面板を3分割して2箇所に折れ曲がり可能部を設け、座面板自体が椅子の形状になるようにしている。これにより、座っている人の臀部を、安定した状態で、前上方向に移動させることが可能になり、その立上がりを更に容易にすることができる。 【0040】図6に示す実施例の構成を説明する。40は、椅子などの座面上に設置されるベース板、42は、着座する人の臀部を支持する座面板である。先に説明したように、本実施例では、座面板42は、基本的に3つの面材44,46,48からなり、面材44の前端は蝶番50によりベース板40の前端に連結し、面材44の後端は蝶番52により支持板54の前端に連結する。支持板54の前端は更に、蝶番56により面材46の前端に連結する。面材46の後端は、蝶番58により支持板60の前端に連結する。支持板60の前端は更に、蝶番62により面材48の前端に連結する。面材46と支持板54は、奥行き、即ちその前後方向の幅が同程度であり、面材48と支持板60もまた、奥行きその前後方向の幅が同程度である。 【0041】ベース板40と面材44との間、ベース板40と支持板54との間、支持板54と面材46との間、ベース板40と支持板60との間、及び支持板60と面材48との間には、それぞれ、周辺が蛇腹状のエアバッグ64,66,68,70,72を取り付けてある。エアバッグ64,66,68,70,72は、コンプレッサ74に結合し、そのコンプレッサ74より圧縮空気を供給され、また、排気される。図示は省略してあるが、コンプレッサ74を排気用に使用でできるように、図1に示す実施例のバルブ26a〜26dと同様の通気切替え機構をコンプレッサ74にも設けてある。操作スイッチ76によりコンプレッサ74の電源オン/オフと吸排気を制する。 【0042】コンプレッサ74により圧縮空気を供給されるときのエアバッグ64〜72の膨張力は、以下のように設定されている。即ち、エアバッグ66,70がそれぞれ支持板54,60をほぼ水平に且つ、支持板60を支持板54より高く持ち上げるように、エアバッグ66,70の膨張力を設定する。エアバッグ64,72がそれぞれ面材44,48を大きく前傾させる間にエアバッグ68が面材46を僅かに前傾させるように、エアバッグ64,68,72の膨張力を設定する。エアバッグ68の膨張は極く僅かでよいので、この点でも、支持板54を省略し、エアバッグ66とエアバッグ68を一体化しても良いが、図示実施例の方が、板材46が安定化しやすい。エアバッグ66,68は、座った人の重量を支える機能を果たすので、それが可能な程に強力である必要がある。 【0043】支持板54,60(及びエアバッグ66,70)は、座面板42をベース板40から持ち上げる際に面材46,48の傾斜角を適正な状態に維持し、且つ、面材46,48を捻りにくく安定したものとするために設けられており、無くても良い。支持板54,60を省略する場合、エアバッグ66,68は一体化され、エアバッグ70,72も一体化される。 【0044】座面板42の表面には、図1に示す実施例と同様に、その全面にわたり折れ曲がりに対して柔軟なクッション材78を取り付けてある。 【0045】本実施例の動作を説明する。図7は、エアバッグ64〜72の膨張による座面板42の移動の様子をワイヤフレームで示す側面図である。エアバッグ64〜72を収縮させた状態では、座面板42の面材44,46,48及び支持板54,60は、ベース板40に密着しており、クッション材78は通常の座面と同様に、水平で平坦になっている。 【0046】操作スイッチ76によりコンプレッサ74を動作させてエアバッグ64〜72に圧縮空気を供給すると、エアバッグ66,70の膨張により支持板60が最も高く、次に支持板54が高く持ち上げれら、エアバッグ64の膨張により面材44が前傾するように蝶番50を中心として回動し、エアバッグ68の膨張により面材46が少し前傾するように蝶番56を中心に回動し、エアバッグ72の膨張により面材48が面材44と同程度に前傾するように蝶番62を中心に回動する。 【0047】更に、エアバッグ64〜72に圧縮空気を供給すると、面材44,48の傾斜が強まるが、面材46の傾斜は僅かに増加する程度である。 【0048】着座している人の臀部は専ら面材46上にある。従って、このような面材44,46,48の動きにより、図6からも容易に理解できるように、座っていた人は、面材46により、ほぼ水平に近い状態で前上方向に運ばれる。面材48が座っていた人の臀部をその背面から前方向に押し出す形となるので、図1に示す実施例よりも更に、重心の移動に大きな力を要しなくなり、起立しやすくなる。 【0049】膨張したエアバッグ64〜72は、コンプレッサ74により排気して収縮させることができる。勿論、エアバッグ64〜72を膨張させた状態で着座させ、その圧力でエアバッグ64〜72内の空気を外部に排出するようにすることで、図1に示す実施例と同様に、着座を補助することもできる。急激に腰を落とす危険と不安感を緩和又は解消できる。 【0050】次に、図6に示す実施例に比べてより少ないエアバッグ数を使用しつつ、起立補助効果をより改善した本発明の第3実施例を説明する。図8は、その実施例の起立補助途中の状態の縦断面図を示し、図9は、図8のA−A線から見た平面図を示す。 【0051】図8及び図9に示す実施例の構成を説明する。110は、ベース板10,40と同様に、椅子などの座面上に設置されるベース板、112は、着座する人の臀部を支持する座面板である。本実施例の座面板112は、座面板42と同様に、基本的に前後方向で分割された3つの面材114,116,118からなる。面材114の前端は蝶番120によりベース板110の前端に連結し、面材114の後端は蝶番122により面材116の前端に、面材116をベース板110側に折り曲げられるように連結する。面材116の後端は、蝶番124により面材118の前端に、面材118をベース板110から離す方向に折り曲げられるように連結する。但し、図示するのを省略してあるが、面材118が面材116に対して30゜程度の所定の角度までしか折り曲げられないようなストッパ機構を面材116,118に設けてある。 【0052】面材118の後端の3箇所には鉄板126を固定してあり、図9に示すように、ベース板110の後端の、対応する3箇所に鉄板126に対面するように、磁石128を固定してある。着座時、即ち、座面112がベース板110に密接する状態では、互いに対面する鉄板126と磁石128が磁力で密着し、これにより、座面112をベース板110に対して一定位置に安定させることができる。 【0053】面材116の後端の両側の2点と、ベース材110の対応する2箇所との間に、それぞれ、スプリング20と同様に、面材116の後端をベース材110の方に引き寄せるスプリング130を掛け渡してある。本実施例では更に、面材118の後端と面材116の前端との間で両脇の部分に、引張力のスプリング132を渡してある。このスプリング132により、自由状態では、面材118は図8に示すように、上述のストッパ機構で規制される角度までベース材110から離れた、即ち、起き上がった状態にある。スプリング132の作用力は、着座する人の臀部が面材118の上に載ることで、面材118が面材116と平行な位置に移動できる程度である。 【0054】ベース板110と面材116との間には、膨らむことで面材116を持ち上げるエアバッグ134,134を配置してある。本実施例では、左右に1つずつの2つのエアバッグ134を設ける。これにより、起立補助の際に、左右のぐらつきを軽減又は防止できる。2つのエアバッグ134,134にはそれぞれ、図1に示す実施例のバルブ26a〜26d及びコンプレッサ28と同様の構成からなる給排気機構が結合する。これらの給排気機構は、単一の操作スイッチで操作可能であり、2つのエアバッグ134,134を同時に、膨張又は収縮させることができる。 【0055】面材114,116,118の上面には、全体をおおうようにクッション材136が載せられている。但し、クッション材136は面材116にのみ固定されていればよい。 【0056】エアバッグ134の膨張時には、面材116の後端がスプリング130によりベース板110の方に引っ張られているので、単に蝶番122で面材114,116を互いに折り曲げ自在とするのみでは、面材114に過重な引張り力が作用する。更には、面材116を可能な限り水平に近い状態で前上方向に持ち上げるのは難しい。 【0057】そこで、本実施例では、面材114を前後方向に伸縮自在とした。即ち、面材114を前部114aと後部114bの2つに分割し、両者をほぞ組み結合した。結合部の断面構造を図10に示す。図10(a)は、縮んだ状態、同(b)は伸びた状態をそれぞれ示す。後部114bに深い凹み138を設けると共に、前部114aには相応する突起140を設けて後部114bの凹み138に嵌合する。凹み138内には、引張りスプリング142が挿入されている。引張りスプリング142は、常時、前部114a(の突起140)を後部114b(の凹み138内に)引き込む方向、即ち、面材114を縮める方向に軽く付勢している。 【0058】凹み138の横にスロット144を開け、突起140の横には、スロット144内に入るピン146を植立する。ピン146がスロット144内で移動できる範囲で、面材114が伸縮できることになる。例えば、本実施例では、面材114は、1〜5cm程度、伸長できるようにした。 【0059】図8は、起立補助のために、エアバッグ134を膨張させた状態を示している。先の実施例と同様に、エアバッグ134から排気することで、エアバッグ134が収縮するに伴い、スプリング130の収縮力により座面材112がベース板110に接近し、面材116がベース板110上の所定の位置に運ばれ、鉄板126と磁石128が密着する。その過程で、面材114は引張りスプリング142により収縮する。その結果、面材112はベース板110にほぼぴったりと密着し、クッション材136の表面もほぼ平坦になる。 【0060】着座している状態から起立したいとき、図示しない操作スイッチ及びコンプレッサによりエアバッグ134に吸気し、エアバッグ134を膨張させる。すると、主として、中間の面材116が押し上げられるが、面材116の前端は面材114を介してベース板110の前端に結合し、面材116の後端はスプリング130によりベース板110の方向に引っ張られているので、面材116は前傾気味に持ち上げられることになる。但し、面材114が伸縮自在であり、面材116が持ち上げられるに従い、引張りスプリング142の作用力に抗して面材114が伸びるので、面材116は、図1に示す実施例及び図6に示す実施例に比較して、より平坦に近い状態で持ち上げられる。 【0061】面材116が少し持ち上げられた段階で、鉄板126が磁石128から離れる。すると、面材118はスプリング132の作用力により、背板のごとくに起立する。これは、座っている人の臀部を前方向にわずかに押し出す作用を奏する。これも起立を補助する機能を果たす。 【0062】本実施例では、座面板112の最も前の面材114が、起立補助の際に伸長するので、臀部の載る面材116を比較的水平に近い状態で前上方向に移動させることができる。これらの作用により、上述の実施例よりも安定に起立を補助できる。 【0063】最も前側の面材114を伸縮自在とする構成は、図1に示す実施例及び図6に示す実施例に適用しても有効である。即ち、臀部の載っている座面部の前側部分も起立に際して持ち上げることで、臀部の載っている座面部をより高く、しかもより水平に近い前傾状態で前上方向に移動させることができるからである。面材114を伸縮自在とすることで、エアバッグの膨張時にこの部分にかかる過大な引っ張り力により破壊されるのを防止できる。 【0064】 【発明の効果】以上の説明から容易に理解できるように、本発明によれば、非常に簡単な構造で、効果的に起立を補助できる。簡単な構造であり、構成部品も少ないので、安価に製造できる。エアバッグを使用することにより軽量になり、持ち運びも容易で、既存の椅子などへの据え付けも容易になる。 【0065】また、着座の際に逆方向に座面を移動させることで、着座の補助にも使用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597154966 【氏名又は名称】学校法人高知工科大学
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田中 常雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−226056 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−29581 |
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