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【発明の名称】 骨壺及び納骨用包装袋
【発明者】 【氏名】佐々木 宣政

【要約】 【課題】不要になった骨壺を、特別に手を加えることなく、処分し得るようにする。

【解決手段】骨壺を、環境を汚染せず、かつ、自然環境の中で経時的に分解する素材からつくる。素材としては、例えば、木、木粉、紙、布、生分解可能なプラスティック、自然鉱石などがある。本発明に係る骨壺によれば、人骨とともに骨壺自体も土中で微生物分解され、土壌に返還される。このため、環境を汚染することなく、骨壺を処分することができ、不要になった骨壺を処分しなければならないという問題を解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自然環境を汚染せず、かつ、自然環境の中で経時的に分解する素材からなる骨壺。
【請求項2】 前記素材は木又は木の削り粉を固めたものであることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項3】 前記素材は紙であることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項4】 前記素材は布であることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項5】 前記素材は生分解可能なプラスティックであることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項6】 前記素材は自然鉱石であることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項7】 前記素材は石の削り粉を固めたものであることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項8】 前記素材は土又は土砂であることを特徴とする請求項1に記載の骨壺。
【請求項9】 骨壺の中に収容可能な形状を有し、耐熱性素材からなる納骨用包装袋。
【請求項10】 自然環境を汚染せず、かつ、自然環境の中で経時的に分解する素材からなることを特徴とする請求項9に記載の納骨用包装袋。
【請求項11】 前記素材は紙であることを特徴とする請求項9又は10に記載の納骨用包装袋。
【請求項12】 前記素材は布であることを特徴とする請求項9又は10に記載の納骨用包装袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は骨壺及び骨壺の中に入れて用いる納骨用包装袋、特に、特定の材質からなる骨壺及び納骨用包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】墓中への納骨方法は地域により異なるが、次の2通りに大きく分けられる。第一の方法は、遺骨を入れた骨壺をそのまま墓中に納骨する方法である。第二の方法は、骨壺から遺骨を取り出し、墓中に遺骨のみを納骨する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記第一の方法における骨壺は陶器製であるため、時間の経過に伴って、骨壺が微生物分解して土壌に返還されることはなく、そのままの形状を維持する。このため、墓中のスペースが骨壺で満たされた場合には、例えば、古い骨壺から処分する必要があった。
【0004】しかしながら、遺骨が入っている骨壺を処分する体制は社会的に未だ整備されておらず、結局、他の墓に移すという方法しかないというのが現状であるが、土地取得の困難な現代においては、墓地を確保することは困難である。特に、無縁の墓中骨壺の処分は国又は地方公共団体にとって深刻な問題となっている。前記第二の方法においては、空になった骨壺の処分は家族や有縁の人に委ねられることになるが、骨壺は産業廃棄物として処分しなければならないため、その処分は極めて困難であるのが現状である。多くの地方公共団体でも骨壺の処分を引き受けることを見合わせており、各寺院、各霊園、各葬儀関係者の間では骨壺の処分は深刻な問題となっている。
【0005】また、第二の方法により、骨壺から遺骨を取り出して、墓中に遺骨のみを納骨する場合、通常、骨壺を上下逆さまにして遺骨を墓中に直接落下させるか、あるいは、遺骨を手で掴んで骨壺から取り出し、墓中に移すという二つの形態がとられていた。しかしながら、これら二つの形態は以下の問題点を有していた。遺体が火葬場で焼かれた後、遺骨を骨壺に移す際、足の骨から始まって最後に頭部の骨を骨壺に移すという宗教上の慣習が確立されている。ところが、前述の第二の方法のうちの第一の形態により、骨壺を上下逆さまにして遺骨を墓中に落下させると、頭部の骨が一番下に、かつ、足の骨が一番上に位置することになり、前述の慣習が損なわれる結果となる。さらに、骨壺を上下逆さまにして遺骨を落下させると、遺骨が墓中で散乱することは避けられず、このため、第一の形態による納骨は遺族の感情にも逆行するものであった。
【0006】さらに、骨壺を上下逆さまにして遺骨を墓中に全て移行したと思っていた場合であっても、遺骨の一部が骨壺の中に残っていることが往々にしてあった。後で気がついたとしても、納骨は既に完了してしまっているので、残骨の処分は上述のように極めて困難であった。また、遺骨を直接手で触れて納骨する前述の第二の形態はそれを行う者にとっても、また、見守る者にとっても不快感を禁じえないものであった。
【0007】本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、不要になった骨壺を特別に手を加えることなく処分することを可能にする骨壺、及び、遺骨を確実に墓中に納骨することを可能にする納骨用包装袋を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は、自然環境を汚染せず、かつ、自然環境の中で経時的に分解する素材からなる骨壺を提供する。骨壺の素材としては、木(木粉を含む)、金属などの自然鉱石、自然石、石粉、土又は土砂などの自然素材を用いることができる。あるいは、紙、布、生分解可能なプラスティックなどの人工加工物ではあるが、生態系を汚染することなく、自然に分解される素材を用いることができる。
【0009】このように、本発明に係る骨壺は、環境を汚染せず、かつ、自然環境の中で自然に分解する素材からなる。このため、骨壺を遺骨とともに墓中に納骨する前述の第一の方法においては、遺骨とともに骨壺自体も微生物分解され、土壌に返還される。すなわち、環境を汚染することなく、骨壺を処分することができるため、不要になった骨壺を処分しなければならないという問題を解決することができる。
【0010】また、遺骨のみを納骨し、骨壺を別に処分する前述の第二の方法においても、今後は、遺骨と骨壺とを分けて納骨することは不要となる。従って、骨壺を廃棄物として処分する必要性もなくなる。仮に、骨壺のみを別個に処分するような場合であっても、骨壺を土中に埋めるか、あるいは、焼却することにより、環境を害することなく、処分することが可能である。
【0011】本発明は、さらに、骨壺の中に収容可能な、あるいは、骨壺の内側形状に合わせた形状を有し、耐熱性素材からなる納骨用包装袋を提供する。この納骨用包装袋は以下のように用いられる。先ず、納骨用包装袋は予め骨壺の中に入れられる。納骨用包装袋を骨壺の中に入れた状態で、火葬場で焼かれた遺骨を骨壺の中に移す。従って、遺骨は全て納骨用包装袋の中に収容されることになる。納骨の際には、骨壺から納骨用包装袋を取り出せば、全ての遺骨を取り出すことができ、その納骨用包装袋をそのまま墓中に移せばよい。
【0012】このように、本納骨用包装袋によれば、頭部の骨を一番上に、かつ、足の骨を一番下に位置させた状態のまま、納骨することが可能になる。さらに、墓中での遺骨の散乱を防止することもでき、遺骨を手で直接触れる必要もなくなる。骨壺の中に収納できる形状を有している限り、納骨用包装袋の形状は特に限定されない。一の開口部を有する有底の袋としての一般的な形状でよい。ただし、納骨用包装袋の形状は骨壺の内側形状に合わせることが最も好ましい。
【0013】また、焼かれた直後の遺骨は相当量の熱を有しているので、納骨用包装袋は耐熱性のある素材からつくられることが必要である。この納骨用包装袋は、自然環境を汚染せず、かつ、自然環境の中で時間の経過とともに分解し得る素材からつくることができる。このような素材で納骨用包装袋をつくることにより、長年のうちに、納骨用包装袋及びその中の遺骨の順に自然に分解され、土壌に戻っていく。従って、将来、遺骨を改めて処分する必要がなくなる。
【0014】また、納骨用包装袋の素材としては、紙や布などの人工加工物ではあるが、生態系を汚染することなく、微生物分解で自然に分解される素材を用いることができる。ただし、紙や布に限定されるものではなく、例えば、繊維や生分解可能なプラスティックなども用いることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】〔第一実施形態〕第一実施形態においては、木又は木粉を固めたものを素材として骨壺がつくられる。骨壺の形状は特に限定されない。通常の骨壺のように、遺骨を入れる開口部を有する有底容器であればよい。本実施形態に係る骨壺は、一本の木から骨壺を削り出したり、あるいは、平面状の木材を接合させることにより、つくることができる。また、木粉を糊などの接着剤(いわゆるセメダインなどの化学合成によりつくられる接着剤を除く)で固めて骨壺を成形したり、あるいは、ベニヤ材を加工して骨壺を成形することができる。
【0016】成形された骨壺には、彫刻、漆や各色付けなどによる塗装、印刷、金や銀などによる箔押しなどによって装飾を施すことができる。
〔第二実施形態〕第二実施形態においては、紙又は布を素材として骨壺がつくられる。第一実施形態と同様に骨壺の形状は任意である。骨壺は、紙又は布の裁断と貼り付けを繰り返すことにより成形される。あるいは、プレス機械を用いて骨壺を成形してもよい。
【0017】成形された骨壺には第一実施形態の場合と同様の装飾を施すことができる。
〔第三実施形態〕第三実施形態においては、生分解可能なプラスティックを素材として骨壺がつくられる。第一実施形態と同様に骨壺の形状は任意である。骨壺は、プレス機械又は鋳型を用いてつくられる。
【0018】成形された骨壺には第一実施形態の場合と同様の装飾を施すことができる。
〔第四実施形態〕第四実施形態においては、自然鉱石、例えば、鉄などの金属を素材として骨壺がつくられる。金属の種類は鉄には限定されないが、自然土の中で微生物分解しても、生態系に悪影響を及ぼすことのない金属であることを必要とする。第一実施形態と同様に骨壺の形状は任意である。骨壺は、切削や接合(溶接など)を繰り返してつくられる。あるいは、プレス機械又は鋳型を用いてつくられる。
【0019】成形された骨壺には第一実施形態の場合と同様の装飾を施すことができる。
〔第五実施形態〕第五実施形態においては、土、土砂又は石粉を素材として骨壺がつくられる。第一実施形態と同様に骨壺の形状は任意である。骨壺は、土又は土砂を素材とする場合には、土又は土砂を、固めたり、焼いたり、又は、削ることによりつくられる。石粉を素材とする場合には、結合剤を用いて石粉を一旦固めたうえで、切削などにより、骨壺をつくりあげる。
【0020】成形された骨壺には第一実施形態の場合と同様の装飾を施すことができる。
〔第六実施形態〕第六実施形態においては、紙を素材として納骨用包装袋がつくられる。袋の形状は特に限定されないが、骨壺の形状に合わせて袋の直径、深さ、厚みなどのサイズを決定することができる。袋は上方に開口部を有する有底容器となる。袋の開口部に蓋を設けてもよいし、納骨時に取り出しいやすいように把手を設けることができる。また、開口部をガマ口状にし、上部に紐を通し、両手で引っ張ると上袋が閉まるようにすることもできる。袋の形成は、裁断と貼り付けを繰り返すことにより成形される。あるいは、プレス機械を用いて納骨用包装袋を成形してもよい。
【0021】成形された納骨用包装袋には、各色付けなどによる塗装、印刷、金や銀などによる箔押し、絵の描写などによって装飾を施すことができる。
〔第七実施形態〕第七実施形態においては、布を素材として納骨用包装袋がつくられる。第一実施形態と同様に袋の形状は任意である。骨壺の形状に合わせて大きさ、形状、布の厚さを決定することができる。袋は上方に開口部を有する有底容器となる。袋の開口部に蓋を設けてもよいし、納骨時に取り出しやすいように把手を設けることができる。また、開口部をガマ口状にし、上部に紐を通し、両手で引っ張ると上袋が閉まるようにすることもできる。袋の形成は、裁断と貼り付けを繰り返すことにより成形される。あるいは、プレス機械を用いて納骨用包装袋を成形してもよい。
【0022】成形された納骨用包装袋には、第六実施形態の場合と同様の装飾を施すことができる。
〔第八実施形態〕第八実施形態においては、紙と布を素材として納骨用包装袋がつくられる。紙と布との組み合わせによりそれぞれの特色を利用することができる。例えば、紙と布を層状に重ね合わせたものを素材として納骨用包装袋をつくってもよく、あるいは、納骨用包装袋を一部を紙で、他の部分を布でつくるようにしてもよい。第六実施形態と同様に袋の形状は任意である。また、第六実施形態と同様、袋のサイズ、仕様は任意に決定することができる。
【0023】成形された納骨用包装袋には、第六実施形態の場合と同様の装飾を施すことができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る骨壺によれば、環境を汚染することなく、土中における微生物分解又は焼却により、骨壺を処分することができる。このため、骨壺の処分のために特別な処理を施す必要がない。また、遺骨と骨壺とを分けて納骨し、骨壺を別個に処分する方法においても、遺骨と骨壺とを分けて納骨することは不要となるため、廃棄物としての骨壺を減らすことができる。さらに、遺骨と骨壺とを分けて納骨し、骨壺を別個に処分する場合であっても、骨壺は、土中に埋めるか、あるいは、焼却することにより、環境を害することなく、安全に処分することができる。
【0025】さらに、本発明に係る納骨用包装袋によれば、頭部の骨を一番上に、かつ、足の骨を一番下に位置させた状態のまま、納骨することが可能になる。さらに、墓中での遺骨の散乱を防止することもでき、遺骨を手で直接触れる必要もなくなる。特に、本納骨用包装袋を、自然環境の中で時間の経過とともに分解し得る素材でつくった場合には、長年のうちに、納骨用包装袋、次いで、その中の遺骨が自然に分解され、環境を汚染することなく、土壌に戻っていく。このため、特別な処理を施すことなく、遺骨を自然に処理することができる。
【出願人】 【識別番号】597178364
【氏名又は名称】佐々木 宣政
【出願日】 平成9年(1997)12月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】天野 広
【公開番号】 特開平11−178868
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−354819