| 【発明の名称】 |
車椅子 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 実穂子
|
| 【要約】 |
【課題】狭いところでも容易に方向転換することができる車椅子の提供。
【解決手段】車椅子本体2の座部4bの下面がわに、車椅子本体2を走行可能な接地状態から回転可能な浮上状態に上昇させて支持する昇降自立支柱材3が備えられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子本体の座部下面がわに、車椅子本体を走行可能な接地状態から回転可能な浮上状態に上昇させて支持する昇降自立支柱材が備えられていることを特徴とする車椅子。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子に関する。 【0002】 【従来の技術】高齢者や身障者にとって、車椅子は、単調になりがちな生活に変化をもたらし、精神的、身体的な自立を助け、また、行動範囲を拡大させて社会参加を可能にする重要な手段である。そして、最近では、住宅や道路、建物の出入口や中の通路から段差がなくされつつあり、車椅子にて通行できる範囲が徐々に拡大されていく傾向にある。また、車椅子自体も、使用者にとってより使い勝手の良いものへと改良が進められている状況にある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車椅子を使用する上で常につきまとう厄介な問題の一つに、方向転換の問題がある。即ち、車椅子には一般に大小併せて4つの車輪が備えられており、そのため、180°向きを転換するためには、よほどのエキスパートでもない限り、広い方向転換スペースを必要とする。 【0004】例えば、住宅内の狭い廊下で方向転換することはほとんど不可能であり、一旦廊下を通り抜けて広いスペースに出て方向転換する必要がある。また、エレベーターに正面を向いたまま車椅子で乗り込んだなら、エレベーターが特別に広いものである場合は別として、普通、エレベーターの中で出口側に向くように向きを180°変えることは困難であり、後ろ向きの状態のまま不器用に車椅子を操作しながら、閉じようとするドアをさえぎりつつ、エレベーターから危険を犯しながら必死の思いで出ていかなければならないことも少なくない。 【0005】特に、介助型の車椅子や電動式の車椅子では、使用者がハンドリムにて操作するようになっておらず、そのため車輪が4輪とも比較的小さく設計されており、方向転換にかなり広いスペースを必要とする。 【0006】本発明は、上記のような従来の車椅子の有する欠点を解消し、狭いところでもスペースをとらずに容易に方向転換することができる車椅子を提供することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題は、車椅子本体の座部下面がわに、車椅子本体を走行可能な接地状態から回転可能な浮上状態に上昇させて支持する昇降自立支柱材が備えられていることを特徴とする車椅子によって解決される。 【0008】即ち、この車椅子では、通常は、車椅子本体を走行可能な接地状態、即ち車輪を接地させた状態で用いられるが、住宅内の廊下やエレベーターの中などの狭いところで方向転換を行う場合、車椅子に備えられている昇降自立支柱材を下方に進出させて車椅子本体を上昇させ、車輪を地面から浮上させる。そして、この浮上状態において、車椅子本体を回転させ、方向転換を行う。車椅子本体は座部をを回転中心として回転されるから、回転に要するスペースはわずかでよく、住宅内の廊下やエレベーターの中などの狭いところでの方向転換も可能となる。方向転換後は、昇降支柱材を上方に後退させて車椅子本体を下降させ、車輪を元どおりに接地させれば、車輪走行可能な普通の車椅子に復帰する。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0010】図1及び図2には、自立型と介助型、手動型と電動型とある車椅子の中で、自立手動型の車椅子1に本発明を適用した例を示す。2は車椅子本体、3は昇降自立支柱材であり、支柱材3は、車椅子本体2を、走行可能な接地状態から回転可能な浮上状態に上昇させて自立して支持するものである。 【0011】車椅子本体2において、4はシート部分であり、4aは背もたれ、4bは座部である。5はフットレスト、そして、6,6は前輪であるキャスター、7,7は後輪であり、後輪7,7には走行操作用のハンドリム8,8が一体的に備えられている。 【0012】昇降自立支柱材3は、車椅子本体2の座部4bの下面がわにおいて、車椅子本体2の重心位置ないしはその近傍位置に、車椅子本体2に固着状態に強度的にしっかりと垂設されている。 【0013】この支柱材3は、その長さを長短伸縮調整できるようになっており、その先端部、即ち下端部に備えられた接地板9の下面が、車輪7,7の最下部高さ位置を挟んで上下に変位動作できるように設計されている。支柱材3の長短伸縮機構には、例えば、テレスコープ構造によるものやパンタグラフ構造によるものなど、各種伸縮機構が採用されてよい。また、接地板9は、それ単独で車椅子本体2を自立して安定支持させ得る広さと強度をもったものであればよい。 【0014】支柱材3を伸縮動作させる駆動機構としては、例えば、操作ハンドルの回転を減速歯車を介して支柱材3の伸縮動作に変換するようになされたものや、油圧ジャッキなどのような液圧を利用した駆動機構によるもの、あるいは、事務用椅子において高さ調整にために用いられているガススプリング式の駆動機構によるなど、各種の駆動機構が採用されてよい。また、手動によるものであってもよいし、電動によるものであってもよい。 【0015】更に、車椅子1には、支柱材3を伸張させて車椅子本体2を地面から浮上させた支持状態において、車椅子本体2を回転させる回転機構が備えられるが、この回転機構は、支柱材3と車椅子本体2の座部4bの下面との連結部にベアリングを備えさせて構成された構造のものであってもよいし、支柱材3を長手方向に複数分割しそれらが相対回転されるように組み合わせたものであってもよいし、支柱材3の本体部分と接地板9とが相対回転可能に連結された構造のものであってもよいし、その他の構成態様によるものであってもよい。また、この回転機構は、車椅子本体2の自由な回転を許容する手動式の回転機構に構成されてもよいし、スイッチ操作等によって電気にて回転駆動される電動式の回転機構に構成されてもよい。 【0016】上記の車椅子1では、これに座って使用する者が、図5に示すように住宅内の廊下21やエレベーター22の中などで方向転換を行う場合には、図1に示すように、昇降用の支柱材3を手動操作あるいは電動操作にて下方に伸張進出させ、接地板9を接地させ、車椅子本体2の車輪6,6,7,7を地面から離間、浮上させる。この操作では、昇降駆動機構の形式、種類に応じて、自らの身体を車椅子1に完全に支えさせたままこの操作を行う場合もあるし、自らの身体を自分の足で若干支えるようにしてこの操作を行う場合もあってよい。そして、車椅子本体2を回転させ、方向転換を行う。車椅子本体2は支柱材3を中心として回転されるから、方向転換に広いスペースは不要である。しかる後、支柱材3を上記とは逆に短縮させ、車輪6,6,7,7を地面に接地させ、走行可能な状態に復帰させる。 【0017】図3及び図4には、介助型ないしは電動型の車椅子1を示す。介助型や電動型では、後輪7,7に走行操作用のハンドリムが備えられておらず、そのため、後輪10…が、自立型の車椅子の場合に比べて小さく設計されている。これらの車輪6,6,7,7を接地させたまま方向転換を行うことは、自立型の車椅子1の場合よりも遙かに広い方向転換スペースが必要となる。そこで、本実施形態では、これら介助型ないしは電動型の車椅子本体2の座部4bの下面側に昇降自立支柱材3を装備させた。この装備に要する各種機構は、上記の自立型車椅子の場合と同様な機構が採用されてよい。このようにして構成された介助型車椅子では、介助者が支柱材3を昇降・回転操作することにより、狭いスペースでも難なくうまく方向転換を行うことができ、また、電動型の車椅子では、これを利用する身障者や高齢者が自らの操作により狭いスペースで難なくうまく方向転換を行うことができる。 【0018】 【発明の効果】以上の次第で、本発明の車椅子は、車椅子本体の座部下面がわに、車椅子本体を走行可能な接地状態から回転可能な浮上状態に上昇させて支持する昇降自立支柱材が備えられているものであるから、この支柱材を長短伸縮操作することで住宅内の廊下やエレベーターの中などの狭いところでの方向転換を容易に行うことができ、車椅子の使い勝手をより良いものにすることができる。 【0019】しかも、昇降自立支柱材は、車椅子本体の座部下面がわの空きスペースを使用して車椅子本体に備えさせることができ、車椅子のコンパクト性を損なわせることもない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390037154 【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】播磨 祐之
|
| 【公開番号】 |
特開平11−178857 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−365190 |
|