| 【発明の名称】 |
座部押上げ装置付き椅子 |
| 【発明者】 |
【氏名】江川 進
【氏名】川上 彰二郎
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| 【要約】 |
【課題】高齢者等の足腰の弱い人に、立ち上がり容易な椅子を提供する。
【解決手段】椅子の座部底部を偏心カムで上下させる。レバー(3)でカム軸(4)を駆動する目的で一方向性クラッチ(7)を装着し、更に、カム(5)が座部(2)を押し上げる途中で逆回転するのを防ぐ目的でもう一個の一方向性クラッチ(8)をカム軸(4)と椅子本体との間に装着する。この手段によって、椅子(1)に座った人がレバー(3)を手で漕ぐように操作すれば、椅子の座部(2)が前傾回転する方向に持ち上がり、立ち上がりが容易になる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 座部(2)を下から押上げるための偏心カム(5)を設け、このカムの軸(4)に、第一の、一方向回転性のクラッチ(8)を設けて前記カムの逆転を防ぐ構造と、前記軸と直角に操作レバー(3)を設け、軸(4)とレバー(3)の間に、第二の、一方向回転性のクラッチ(7)を設けてレバー(3)の反復円弧運動を軸(4)の一方向回転に変換させる構造とを有し、上記カム(5)を一方向回転させて座部を押し上げる装置付きの椅子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高齢者等脚力の弱い人むけの立ち上がりを容易ならしめる装置を付した椅子に関するものである。 【0002】 【従来の技術】フランスベッド社のスタンダップチェアSC101、日本フオームサービス社のパワーリフトチェア フォービス3などの商品例があるが、共通して、大型で直進モーターを装備しリモートコントロールで操作し、電源コードが必要となるし、また、必然的に高値なものになる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】椅子から立ち上がる際に多少の困難を感じる高齢者に向けて、軽量・安価・手動式の、座部押上げ装置付の椅子を提供しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、椅子の座部の底面に偏心カムを褶動回転させ、その動きで座面を数十度、例えば約15度前傾方向に回転上昇させる。偏心カムが座部を押上げる際の反作用によりカムが逆回転しないように、一方向性クラッチを使う。さらに、偏心カムの軸を回転させるためのレバーを、軸と直角に装着するが、レバーと軸の交点部分に、もう一個の一方向性クラッチを用い、ボートでオールを漕ぐ時のように、手で反復円弧動作をレバーに与えて、軸を一方向に回転させる。この力が偏心カムを回転させ、椅子の座部を押し上げる。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明のための椅子は、一般市販品を改造すれば足りる。即ち、座面の前縁を回転軸として、うしろの部分が持ち上がるようにする。座部の下に偏心カム、カム軸、一方向性クラッチ付き軸受け部、一方向性クラッチ付きレバーを装着した構成となる。軽い動作を求めてレバーは一対にして両手で漕ぐ形にしても良い。また、偏心カムを二個以上並置して支点(18)とカムを接近させ、軸(4)を曲げるトルク値を小さくし軸およびカムの軽量化が図れる。さらに、レバー操作を、ボートを漕ぐのと逆に、前方に抑え付ける運動により偏心カムが座部を押し上げるような第二の設計も可能である。 【0006】(レバー駆動力の検討)カムの約180度の回転により座部を15cm持ち上げるとする。このためレバーの端を約1.5m円弧状に動かす。仕事の原理によりレバーを持ち上げる力は体重の約十分の一という平均値が得られる。カムの角度をθとし、座部が水平のときを原点とし、持ち上がる距離をHで表すと[図5]のグラフが得られる。このグラフの勾配がレバーの重さに比例する。レバーの重さの最大値は、カムの角度が90度の時で平均値の約50%増しとなる。座部にかかる力を40kgとするとレバーの重さの平均値は4kg、最大値は6kgとなり高齢者にも無理がない。さらにレバーを左右両側に設ければ、一方の手あたりの必要とされる力は半減する。概算結果は上記のようになるが、本発明の二重クラッチ・カム方式の大きな特徴は、[図5]の余弦曲線によって了解される。即ち、カムが回転を始める原点付近の勾配は極めて小さく、椅子は極めて軽く持ち上がり始める。カムの回転が、90度に近付いてレバーがやや重くなる頃、両足が床に荷重を加えはじめ、座面への体重分力が減ってくる。試作椅子による実験結果では、軽く円滑なレバー操作が得られた。なお、本発明の応用例として、楕円カム・卵形カム等を用いたり、カムに一部切り欠き又は小突起を設けたりして、[図5]の曲線と異なる特性を得ることができる。 【0007】 【実施例】以下、添付図面に従って一実施例を説明する。[図1]は実施例の椅子の側面図で、(1)は椅子本体、(2)は椅子の座部を示す。座部は前縁の軸(6)と突起状部材(9)で保持されている。レバー(3)を、ボートを漕ぐように前後に作動させると、主軸(4)に取付けられたカム(5)が回転し座部(2)を点線で示した位置まで押上げる。この時、座部の前縁の軸(6)を回転軸として約15度、前傾するので椅子から容易に立ち上がれる。 【0008】レバー(3)の作動が座部を押上げるまでの詳細を、椅子の背面図[図2]を使って説明する。レバー(3)の円弧動作が主軸(4)に伝えられる際、レバー3の軸受部分に装着された、一方向性クラッチ(7)(例えば、NSK社シェル型ローラクラッチFC20)が働いて主軸(4)は[図1]の矢印で示した方向にだけ回転する。主軸(4)に装着された偏心カム(5)が主軸と共に回転すると座部(2)を下から持ち上げ始める。この時、カムは座部からの反作用によって反対方向に回す力をうける。主軸(4)を逆転させない目的で、もう一種類の一方向性クラッチ(8)が装着されている。これは、主軸の軸受けとしてクラッチ外周が椅子本体に固定されるもので、ローラクラッチとローラベアリングが一体化したものが良い。(例、NSK社FCB20) 【0009】偏心カム(5)と座部(2)の底面の構成の詳細を[図3]によって説明する。前記カムと接触する底面の位置に、戸車形のローラー(10)を装着してカムとの摩擦を軽減すると共に、カム周縁上の小突起(11)と協働して、座部(2)の最高位置を知らせるストッパーの役目をはたす。レバー(3)を漕いで座部がもちあがり、[図3]の左に示す如く小突起(11)がローラー(10)に当たった時、その感触で最高位置が知れる。前傾した座から離れてから更にレバーをひと漕ぎすると小突起(11)は座が軽くなっているので容易にローラー(10)を押し上げて最高位置を越えて回転しカムは座部に押されて、座面が水平になる位置に復帰する。急激な復帰を抑えるためにはダンパーを利用すると良い。 【0010】座部が最高位置に達した後座面を水平位置に復帰させる方法の一変形実施例を[図4]によって説明する。カム周縁上の小突起(11)をカム(5)から切り離しレバー状の部材(13)によってカムの中心(12)と連結し、小突起(11)はカム(5)の周縁を滑動する。座部下面のローラー(10)と小突起(11)とが離れている時は小突起は(11a)の位置にあり、部材(13)はストッパー(15)に当接している。カム(5)が矢印方向に回転してローラー(10)が小突起(11)に当たって更にカム(5)が軸(4)を中心に約15度回転すると、部材(13)はストッパー(16)に当接してとまり、[図2]のレバー(3)が重くなって座面傾斜の終了が知られる。この時、引きバネ(14)は部材(13)を引いた状態で止まっている。人が傾斜座面から離れ、座部(2)に取付けた把手(17)を軽く2cm程もちあげると、ローラー(10)と小突起(11)とが離れてバネ(14)が部材(13)を強く引きストッパー(16)に部材(13)が当たる。この時のエネルギーがカム(5)を、軸(4)を中心にして矢印方向に回転させる。把手(17)は軽くもちあげられた後は手が離れているので、座部の自重がローラー(10)を介してカム(5)に加わり小突起(11)が最も低い位置に来ると共に、座面は水平位置に復帰する。 【0011】 【発明の効果】上述のように、本発明の椅子は付属のレバーを手で漕ぐように操作することによって椅子の座面が、軽く前傾方向に持ち上がるので椅子から立ち上がり易く、足の弱った高齢者等の椅子を使う日常生活の快適化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597149973 【氏名又は名称】江川 進
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】福森 久夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−123213 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月11日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−290693 |
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