トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 組立て式担架
【発明者】 【氏名】荒木 義寛

【氏名】長谷 久仁和

【要約】 【課題】軽量でコンパクトであって、収納及び運搬が容易である上、山林などでの蛇行救助活動や水難事故などでの水中救助活動などが容易となる組立て式担架を提供する。

【解決手段】ベルトが格子状に縫着された長方形状のネットの長手方向両側端縁部に沿って、先端部に補助支棒の接続が可能な組立て式軽量パイプで組立てられた支持棒が、ベルト端部に取付けられている面ファスナーにより、着脱自在に装着された構造を有する組立て式担架である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】両端部に面ファスナーが取付けられた複数本の繊維製ベルトがその先端部がネットから突出するように幅方向に縫着されるとともに、1本以上の繊維製ベルトが長手方向に縫着されてなる長方形状の繊維製ネットの長手方向両側端縁部に沿って、該ネットの長辺より長く、かつ先端部に補助支棒の接続が可能な組立て式軽量パイプで組立てられた支持棒が前記面ファスナーにより着脱自在に装着された構造を有することを特徴とする組立て式担架。
【請求項2】ネットの幅方向両端部近傍において、埋め込み防止用差え棒を2本の支持棒間に着脱自在に渡設してなる請求項1記載の組立て式担架。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な組立て式担架に関し、さらに詳しくは、軽量でかつコンパクトであって、収納及び運搬が容易である上、従来の担架では困難であった山林などでの蛇行運搬救助活動や水難事故などでの水中救助活動などが容易となる組立て式担架に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、担架は病人や怪我人などの傷病者、あるいは遺体などの運搬に用いられており、そして一般に、折りたたみ式や、2本の長杆(支持棒)に厚い布やポリ塩化ビニルシートなどが張設され、一体化された構造を有している。しかしながら、このような構造の従来の担架は様々な問題を有し、必ずしも十分に満足しうるものではなかった。例えば、これまでの担架は、(1)重量物であったり、広い保管収納スペースを必要とする、(2)支持棒が長すぎ、現場までの移動時に邪魔になる、(3)傷病者や遺体などを載置する本体部が厚い布やポリ塩化ビニルシートなどであるため、降雨時には水が溜り、また、水難事故などで水難者を載せる際に水溜りが発生し、水中救助活動が困難である、(4)山岳事故などの場合、折りたたみ寸法が大きく、1人での運搬が不可能である、(5)山林などでの救助活動においては、両支持棒の長さ及び本体部の調節ができないため、自在性に欠け、木立ち間での蛇行運搬などの救助活動が困難である、(6)体重により、シートの横寄りによる埋め込み現象や、腕力だけの運搬で搬送される者や搬送する人にとって苦痛が多い、などの問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来の担架における問題を解決し、軽量でかつコンパクトであって収納や運搬が容易である上、山林などでの救助活動においては、自在性がよく、木立ち間での蛇行運搬が可能であって、容易に救助活動を行うことができ、また水難事故などでは、水中救助活動を容易に行いうるとともに、埋め込み現象を抑制し、かつ傷病者などの搬送が容易な担架を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優れた性能を有する担架を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、組立て式担架であって、本体部としてベルトが格子状に縫着された繊維製ネットを、支持棒として先端部に補助支棒の接続が可能な組立て式軽量パイプを用い、上記ネットの長手方向両側端縁部に沿って、該支持棒を面ファスナーで着脱自在に装着し、さらに場合により、埋め込み防止用差え棒や吊り下げ用ベルトを取付けた構造のものが、その目的に適合しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)両端部に面ファスナーが取付けられた複数本の繊維製ベルトがその先端部がネットから突出するように幅方向に縫着されるとともに、1本以上の繊維製ベルトが長手方向に縫着されてなる長方形状の繊維製ネットの長手方向両側端縁部に沿って、該ネットの長辺より長く、かつ先端部に補助支棒の接続が可能な組立て式軽量パイプで組立てられた支持棒が前記面ファスナーにより着脱自在に装着された構造を有することを特徴とする組立て式担架を提供するものである。また、本発明の好ましい態様は、(2)ネットの幅方向両端部近傍において、埋め込み防止用差え棒を2本の支持棒間に着脱自在に渡設してなる第(1)項記載の組立て式担架、及び(3)支持棒の両先端部近傍それぞれに、吊り下げ用ベルトを、その両端を2本の支持棒に着脱自在に取付けて装着してなる第(1)、(2)項記載の組立て式担架、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の組立て式担架は、ベルトが格子状に縫着されたネットと、組立て式軽量パイプからなる支持棒と、所望により用いられる補助支棒、埋め込み防止用差え棒及び吊り下げ用ベルトとから組立てられる。上記ベルトが格子状に縫着されたネットは、本発明担架の本体を構成するものであって、長方形状の繊維製ネットの幅方向に、両端部に面ファスナーが取付けられた複数本、通常は8〜10本の繊維製ベルトが、その先端部がネットから突出するように縫着されている。また、長手方向に、1本以上、通常は1〜4本の繊維製ベルトが縫着されている。このベルトの幅としては特に制限はないが、通常は40〜60mm程度のものが用いられる。さらに、ネット及びベルトの材質については特に制限はなく、天然繊維及び合成繊維のいずれも用いることができるが、耐水性、耐候性に優れ、かつ強度の高いものが好ましく、例えばポリアミド繊維などが好ましく用いられる。ネットの空間部の大きさについては特に制限はなく、強度及び価格などを考慮して適宜選べばよい。このネットの幅方向に縫着されるベルトの両端部には、支持棒をネットに装着するために面ファスナーが取付けられている。この面ファスナーは、該ベルトの先端部に面ファスナーのオス部を縫着し、支持棒を包み込みできる間隔をあけて、面ファスナーのメス部を縫着するのがよい。また、この面ファスナーは、ネット本体に人を載せた場合、その体重によって面ファスナーが圧着され、付着力が強化されるように取付けることが肝要である。本発明担架においては、支持棒として、組立て前担架部品の運搬や取扱い性などを考慮して、組立て式の軽量パイプが用いられる。組立て方法としては、差し込み式が便利である。複数本の軽量パイプを用いて、ネットの長辺より長い所望の長さの2本の支持棒を組立て、前記ネットの長手方向の両側端縁部に装着する。この支持棒の先端部は補助支棒が取付けられるようになっており、必要に応じて、支持棒の先端部に補助支棒が着脱自在に取付けられる。例えば山林などでの救助活動の際に、蛇行運搬が必要な場合には、補助支棒を取付ければ、蛇行運搬が可能となる。この補助支棒も、支持棒と同様に軽量パイプからなるものである。前記支持棒及び補助支棒の材質としては、軽量性及び価格などの点から、アルミニウム製のものが好適である。この支持棒を構成する各パイプの長さについては特に制限はないが、組立て前担架部品の運搬性などの点から、160cm程度以下であるのが望ましい。また、補助支棒としては、通常30〜50cm程度の長さのものが用いられる。この支持棒は、前記ネットの長手方向両側端縁部に沿って、ネットの幅方向に縫着された複数本のベルトの両端部に取付けられている面ファスナーにより、着脱自在に装着される。本発明担架においては、人を載せて持ち上げる際に、人の体重で、本体のネット部が埋め込まれるのを防止するために、ネットの幅方向両端部近傍において、埋め込み防止用差え棒を支持棒間に着脱自在に渡設することができる。このように差え棒を渡設することにより、この差え棒の上に人の頭や足が載り、人の体重によりネットが埋め込まれるのが防止される。この埋め込み防止用差え棒の材質としては、軽量性及び価格などの点から、アルミニウム製のものが好適であるまた、本発明担架においては、運搬者の手が支持棒から離れても、担架を落とすことがないように、支持棒の両先端部近傍それぞれに、吊り下げ用ベルトを、その両端を2本に支持棒に着脱自在に取付けることにより、装着してもよい。運搬時に、この吊り下げ用ベルトを運搬者の首に掛けることにより、運搬者の手が支持棒から離れても、担架が落下することはない。さらに、本発明担架においては、担架に載せた人を固定する目的で、支持棒の適当なケ所に固定用ベルトを1つ以上着脱自在に取付けてもよい。
【0006】
【実施例】次に、本発明の組立て式担架について、添付図面に従って説明する。図1は、本発明の組立て式担架の組立て後の構造の1例を示す平面図であって、ベルト3、3’が格子状に縫着された長方形状のネット2の長手方向両側端縁部に沿って、組立て式軽量パイプにより組立てられた2本の支持棒1、1’が着脱自在に装着され、さらに、ネット2の幅方向両端部近傍に、埋め込み防止用差え棒4、4’が支持棒1、1’間に着脱自在に渡設された構造を示している。上記支持棒1、1’の先端部は、補助支棒が接続可能構造となっており、また、ネット2の幅方向に縫着された複数本のベルト3の両端部には面ファスナーが取付けられており、この面ファスナーにより、支持棒1、1’が着脱自在に装着されている。なお、図において、ネット2の長手方向に縫着されたベルト3’は1本になっているが、もちろん、これに限定されるものではなく、複数本縫着されていてもよい。図2は、本発明の組立て式担架の支持棒に用いられる組立て式軽量パイプの組立て及び補助支棒の接続を説明するための1例の斜視図である。1a、1b及び1cは、支持棒を組み立てるための軽量パイプであり、5は補助支棒である。パイプ1aは両端にスプリング嵌入孔7を有し、両端に他のパイプが挿入される構造であり、パイプ1bは、両端にスプリング6を有する挿入部が設けられた構造である。またパイプ1cは一方の端部にスプリング6を有する挿入部が設けられており、他方の端部はスプリング嵌入孔7を有し、他のパイプが挿入される構造である。例えばパイプ1bをパイプ1aに挿入した場合、パイプ1bのスプリング6が、パイプ1aのスプリング嵌入孔7に嵌入され、それぞれのパイプが固定される。補助支棒5は、一方の端部にスプリング6を有する挿入部が設けられており、支持棒の先端部に接続しうる構造となっている。図3は、ベルトの端部に取付けられた面ファスナーにより、支持棒を着脱自在にネットに装着させる方法の1例を示す説明図である。ネット2の幅方向に縫着されたベルト3の先端部に面ファスナーのオス部8aを縫着し、さらに、支持棒1を包み込みできる間隔をあけて、面ファスナーのメス部8bをベルト3に縫着し、ベルト先端部を折り曲げて支持棒1を包み込むとともに、面ファスナーのメス部8bにオス部8aを重ねる。これにより、人の体重で面ファスナーが押さえられるので、オス部とメス部がしっかりと付着する。このようにして、ベルトが格子状に縫着されたネットの長手方向両側端縁部に沿って、支持棒が装着される。図4は、埋め込み防止用差え棒が支持棒間に渡設された状態の1例を示す断面図である。T字型埋め込み防止用差え棒4が、支持棒1及び1’間に着脱自在に渡設されている。なお、図1には示されていないが、図1において支持棒1、1’の両先端部近傍それぞれに、吊り下げ用ベルトを、その両端を支持棒1、1’に着脱自在に取付けることにより、装着することができるし、また、担架に載せた人を固定するために、支持棒1又は1’の適当なケ所に、固定用ベルトを1つ以上取付けることがきる。
【0007】
【発明の効果】本発明の組立て式担架は以下に示す効果を奏する。
(1)組立て式であるので収納がコンパクトである上、軽量であることから、組立て用担架部品の運搬や、人を載せての運搬が容易である。
(2)山林などでの救助活動において、自在性がよく、木立ち間での蛇行運搬が可能であって、容易に救助活動を行うことがきる。
(3)本体にネットを用いているので、水難事故などでは、水中の救助活動を容易に行うことができ、また、降雨時に人を載せて運搬する場合に担架本体に水が溜ることがない。
【出願人】 【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】内山 充
【公開番号】 特開平11−123208
【公開日】 平成11年(1999)5月11日
【出願番号】 特願平9−290843