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【発明の名称】 手術台テーブルトップ保管装置
【発明者】 【氏名】森 千 春

【要約】 【課題】目的用途に応じて、より専門化された手術台テーブルトップを術者の要望に応じて供給することができる。

【解決手段】手術の種別に対応した手術台テーブルトップをそれぞれ収納する複数の収納室4と手術台テーブルトップを殺菌・消毒処理する手術台テーブルトップ殺菌・消毒室7を備えた手術台テーブルトップ保管庫1と、手術台テーブルトップ収納室4に収納された手術台テーブルトップを手術台テーブルトップ殺菌・消毒室7に搬送する搬送装置14と、搬送装置14を制御して手術に対応した手術台テーブルトップを手術台テーブルトップ殺菌・消毒室に搬送する制御手段31とから構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】手術の種別に対応した手術台テーブルトップをそれぞれ収納する複数の収納室と手術台テーブルトップを殺菌・消毒処理する手術台テーブルトップ殺菌室を備えた手術台テーブルトップ保管庫と、手術台テーブルトップ収納室に収納された手術台テーブルトップを手術台テーブルトップ殺菌・消毒室に搬送する搬送装置と、搬送装置を制御して手術に対応した手術台テーブルトップを手術台テーブルトップ殺菌・消毒室に搬送する制御手段とを有する手術台テーブルトップ保管装置。
【請求項2】手術台テーブルトップ殺菌・消毒室は、オゾン殺菌・消毒処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の手術台テーブルトップ保管装置。
【請求項3】手術台テーブルトップ移送装置を設け、この手術台テーブルトップ移送装置を手術台コラムを備えた手術室に連結し、殺菌・消毒処理された手術台テーブルトップを手術室の手術台コラムに移送することを特徴とする請求項1に記載の手術台テーブルトップ保管装置。
【請求項4】手術台テーブルトップ移送装置は、手術対象物を載置する載置台を有することを特徴とする請求項3に記載の手術台テーブルトップ保管供給システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療施設などにあって手術に対応して行われる手術台の運用管理操作を合理化するために用いられる手術台テーブルトップ保管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療施設において、脳外科手術、整形外科手術、産婦人科手術等の手術を行う場合、手術目的に対応する機能を備えた診療分野ごとに専用の一体型手術台が用意されるのが通常である。
【0003】一方、手術台をコラムとテーブルトップに分離し、テーブルトップを手術目的に対応して交換する、いわゆる分離型手術台も実用化されている。
【0004】いずれの形式の手術台であっても、手術台を手術前に殺菌消毒等を行う必要があり、この殺菌消毒作業は人手による薬剤の清拭などで行わている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記形式の一体型手術台および分離型手術台は、いずれも、殺菌消毒作業を人手による薬剤の清拭などで行なうため、その作業にかなりの時間と手間を要するという問題点がある。
【0006】本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、特に分離型手術台に関して専門化された手術台テーブルトップを術者の要望に応じて供給できる手術台テーブルトップ保管装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による手術台テーブルトップ保管装置は、術式に対応した手術台テーブルトップをそれぞれ収納する複数の収納室と手術台テーブルトップを殺菌・消毒処理する手術台テーブルトップ殺菌・消毒室を備えた手術台テーブルトップ保管庫と、手術台テーブルトップ収納室に収納された手術台テーブルトップを手術台テーブルトップ殺菌・消毒室に搬送する搬送装置と、搬送装置を制御して術式に対応した手術台テーブルトップを手術台テーブルトップ殺菌・消毒室に搬送する制御手段とを有し、術式ごとに専門化された手術台テーブルトップを術式の要望に応じて供給することができる。
【0008】また、本発明による手術台テーブルトップ保管装置は、手術台テーブルトップ移送装置を設け、この手術台テーブルトップ移送装置を手術台コラムを備えた手術室に連結し、殺菌・消毒処理された手術台テーブルトップを手術室の手術台コラムに移送することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1において符号1は手術台テーブルトップ保管装置の手術台テーブルトップ保管庫を示す。この手術台テーブルトップ保管庫1は、水平仕切り部材2および垂直仕切り部材3により上下3段左右4列の室4を区画している。各室4には前後方向に延びる2条のレール5,5が配置され、2条のレール5,5に手術台テーブルトップ(図示せず)が載置される。複数の室4のうちの下段の右側2つの室は、気密室7を形成するように前面開口部に開閉扉6が枢着されている。
【0010】上記気密室7は、図2に示すように、室本体4aと、この室本体4aの内側底面に配置された2条のレール5,5と、前面開口部8に枢着された開閉扉6と、室本体4aの後面壁7aに設けられたオゾン供給口9およびオゾン分解装置10を有する。開閉扉6にはロック機構が設けられ、このロック機構は開閉扉6が前面開口部8を閉じた時、気密状態を保持する。後面壁7aに設けられたオゾン供給口9は、送気ダクト11を介して室外に設置されたオゾン発生装置12に接続されている。
【0011】上記オゾン発生装置12は、発生するオゾンを送気ダクト11を介して室内に供給し、室内をオゾン殺菌に必要なオゾン濃度にする。室内のオゾン濃度は、殺菌処理の目安として算定されるCT値により決められる。ここで、CT値とは、室内のオゾン濃度(ppm)と対象物がオゾンガスに接触している時間の積で示される。
【0012】上記オゾン分解装置10は、二酸化チタン、二酸化マンガンを主体とした金属酸化物で成形したハニカム状触媒を有し、ハニカム状触媒に室内の空気を通すことで室内空気に含まれるオゾンを分解する。
【0013】一方、上記手術台テーブルトップ保管庫1にはスタッカクレーン14が付設されている。スタッカクレーン14は、シーケンスコントローラ31により、手術台テーブルトップの取込み、保管庫1への収納、保管庫1から気密室(殺菌室)7への移送、気密室(殺菌・消毒室)7からの取り出し、ストレッチャへの移載を行うように制御されている。
【0014】上記スタッカクレーン14は、図1に示すように、手術台テーブルトップ保管庫1の上方両側に沿って延びる一対の案内レール15,15と、これら案内レール15,15に滑車16,16を介して移動自在に橋絡された案内レール17とを有する。滑車16は、案内レール15,15に沿って移動し、そのため、滑車16に連結された案内レール17も案内レール15,15に沿って移動する。案内レール17には手術台テーブルトップ支持装置18が移動自在に配置されている。
【0015】上記手術台テーブルトップ支持装置18は、案内レール17に沿って移動自在に配置された駆動部19と、この駆動部19に下方に延びるように連結された伸縮アーム20と、この伸縮アーム20の下端に連結された手術台テーブルトップ支持具21を有する。手術台テーブルトップ支持具21は図示しない手術台テーブルトップを載置する。
【0016】すなわち、手術台テーブルトップ支持装置18の手術台テーブルトップ支持具21は、伸縮アーム20の伸縮によりを上下方向(Y方向)に移動し、駆動部19の案内レール17に沿った移動で水平方向(X方向)に移動し、案内レール17の案内レール15,15に沿った移動で前後方向(Z方向)に移動する。
【0017】他方、上記スタッカクレーン14に隣接して図示しない手術台テーブルトップ搬送用ストレッチャが配置されている。この手術台テーブルトップ搬送用ストレッチャは、手術対象物を載置する載置台を有し、手術台テーブルトップを移載する。手術台テーブルトップ搬送用ストレッチャは、たとえば、搬送の対象となるものを手術台テーブルトップとともに手術室のコラムに移送する。これにより、搬送回数を減らすことができる。この手術台テーブルトップ搬送用ストレッチャに自走台車を結合し、自走台車の運行をコンピュータ制御することで自動搬送を可能にする。
【0018】つぎに、本発明による手術台テーブルトップ保管装置の作用を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0019】手術目的に対応した手術台テーブルトップは、手術台テーブルトップ保管庫1の複数の室4にそれぞれ取り込まれ保管されている。
【0020】手術目的に対応した手術台テーブルトップが選択されると、手術台テーブルトップ保管装置のコンピュータ端末機30に選択された手術台テーブルトップを入力する。コンピュータ端末機30は、その入力信号をシーケンスコントローラ31に送る。これと同時に、手術台テーブルトップ保管庫1の対応する手術台テーブルトップを収納した室(所在番地)が表示される。
【0021】シーケンスコントローラ31は、制御信号を手術台テーブルトップ支持装置18の駆動部19に発し、その駆動部19を作動させる。手術台テーブルトップ支持装置18は、駆動部19の作動により案内レール17に沿って水平方向(X方向)に移動し、手術台テーブルトップ支持具21を手術台テーブルトップ保管庫1の手術目的に対応した手術台テーブルトップを保管した室を含む列に対応した位置に移動する。
【0022】つぎに、シーケンスコントローラ31の発する制御信号で手術台テーブルトップ支持装置18の伸縮アーム20が作動し、伸縮アーム20に連結された手術台テーブルトップ支持具21が上下方向(Y方向)に移動し、手術目的に対応した手術台テーブルトップを保管した室に対応した位置に移動する。
【0023】つぎに、スタッカクレーン14がシーケンスコントローラ31の発する制御信号で作動し、案内レール17を案内レール15,15に沿って手術台テーブルトップ保管庫1の方向(Z方向)に移動することで、手術台テーブルトップ支持具21が手術目的に対応した手術台テーブルトップを保管した室に挿入される。挿入された手術台テーブルトップ支持具21はその室に保管されている手術台テーブルトップを載置する。
【0024】手術台テーブルトップ支持具21が手術台テーブルトップを支持すると、スタッカクレーン14がシーケンスコントローラ31の発する制御信号で作動し、案内レール17を案内レール15,15に沿って手術台テーブルトップ保管庫1から離れる方向(Z方向)に移動し、これにより、手術台テーブルトップ支持具21が手術目的に対応した手術台テーブルトップを保管室からピッキングする。
【0025】手術台テーブルトップ支持具21が手術台テーブルトップを保管室からピッキングすると、シーケンスコントローラ31の発する制御信号で手術台テーブルトップ支持装置18の駆動部19が作動し、手術台テーブルトップ支持装置18が案内レール17に沿って移動し、手術台テーブルトップ支持具21を手術台テーブルトップ保管庫1の殺菌・消毒室7を含む列に対応した位置に移動する。
【0026】つぎに、シーケンスコントローラ31の発する制御信号で手術台テーブルトップ支持装置18の伸縮アーム20が作動し、手術台テーブルトップ支持具21を(Y方向)に移動し、手術台テーブルトップ支持具21を殺菌・消毒室7に対応した位置に移動する。
【0027】ついで、シーケンスコントローラ31の発する制御信号で殺菌・消毒室7に枢着された開閉扉6が開き、これに連動してスタッカクレーン14が作動し、案内レール17が案内レール15,15に沿って手術台テーブルトップ保管庫1の方向に移動し、手術台テーブルトップ支持具21が殺菌・消毒室7に挿入し、手術台テーブルトップ支持具21に支持された手術台テーブルトップを殺菌・消毒室7に設けたレール5,5の上に配置する。
【0028】手術台テーブルトップが殺菌・消毒室7に配置されると、スタッカクレーン14がシーケンスコントローラ31の発する制御信号で作動し、案内レール17が案内レール15,15に沿って手術台テーブルトップ保管庫1から離れる方向(Z方向)に移動し、手術台テーブルトップ支持具21が殺菌・消毒室7から離れ、これに続いて、シーケンスコントローラ31の発する制御信号で殺菌・消毒室7に枢着された開閉扉6が殺菌・消毒室7を閉じる。これにより、殺菌・消毒室7は気密の密閉室を形成する。
【0029】つぎに、シーケンスコントローラ31の発する制御信号でオゾン発生装置12が作動し、オゾン発生装置12から発生するオゾンが送気ダクト11を介して殺菌・消毒室7に供給され、室内をオゾン殺菌に必要なオゾン濃度にする。オゾン殺菌に必要なオゾン濃度は手術室における手術台テーブルトップの使用環境に対応して任意に設定することができる。たとえば、感染症と非感染症に区別して殺菌条件を変えることができる。
【0030】殺菌・消毒室7における手術台テーブルトップのオゾン殺菌が完了すると、シーケンスコントローラ31の発する制御信号でオゾン分解装置10が作動し、殺菌・消毒室7内のオゾンを含む空気をハニカム状触媒に通すことで室内空気に含まれるオゾンを分解中和する。
【0031】殺菌・消毒室7におけるオゾンの中和処理が完了すると、殺菌・消毒室7の開閉扉6が開き、スタッカクレーン14が作動し、案内レール17が案内レール15,15に沿って手術台テーブルトップ保管庫1の方向に移動し、手術台テーブルトップ支持具21が殺菌・消毒室7に挿入され、手術台テーブルトップ支持具21がオゾン殺菌された手術台テーブルトップを載置する。
【0032】手術台テーブルトップ支持具21がオゾン殺菌された手術台テーブルトップを載置すると、スタッカクレーン14が作動し、案内レール17が案内レール15,15に沿って手術台テーブルトップ保管庫1から離れる方向(Z方向)に移動し、オゾン殺菌された手術台テーブルトップを殺菌・消毒室7から取り出す。
【0033】殺菌・消毒室7から取り出された手術台テーブルトップは、スタッカクレーン14に隣接して配置された手術台テーブルトップ搬送用ストレッチャ(図示せず)に移載される。また制御用コンピュータ(シーケンスコントローラ)のプログラムを変えることにより、図3のフローチャートの中で、手術台テーブルトップの保管、殺菌・消毒処理の順序を変更することも容易にできる。例えば、最初に殺菌・消毒室に手術台テーブルトップを取込んだ後、殺菌・消毒処理した後に保管することもできる。
【0034】次に本発明による別の実施例について述べる。図1において、各手術台テーブルトップ収納室がそれぞれ手術台テーブルトップの殺菌・消毒室を兼ねる構造で手術台テーブルトップ保管装置を構成するものである。
【0035】言換えれば、各手術台テーブルトップの収納室に、それぞれ殺菌処理機能が付設される場合である。この場合には、スタッカークレーンにより手術台テーブルトップを保管装置内に収納した時点で、前述したと同様のシーケンスコントローラの作用により、一連の殺菌・消毒処理が行なわれる。
【0036】したがって、スタッカークレーンを介して行なわれる手術台テーブルトップの収納から殺菌・消毒処理に伴う移載並びに載置の工程が不要となり、手術台テーブルトップの手術室への迅速な供給が可能となる。テーブルトップの収納室並びに殺菌・消毒室のレイアウトは使用する施設の規模、手術運用状況に応じて設定することができる。
【0037】このように、手術台テーブルトップの選択からオゾン殺菌・消毒処理、そしてストレッチャへの移載に至る一連の作業をコンピュータを備えたシーケンスコントローラ31を介してナースステーションや手術室に設置された端末機において必要な手術台テーブルトップを指示するだけで自動的に行うことができる。
【0038】なお、手術台テーブルトップの指示は、手術カードなどによる入力情報をもとにコンピュータを介して自動的に行うこともできる。
【0039】また、手術台テーブルトップ保管庫に手術対象物を載置する載置台を備えた手術台テーブルトップ移送装置を設け、この手術台テーブルトップ移送装置を手術台コラムを備えた手術室に連結することで、殺菌・消毒処理された手術台テーブルトップを手術室の手術台コラムに移送することができる。
【0040】さらに、手術後の手術台テーブルトップは、手術台テーブルトップ搬送用ストレッチャにより回収され、手術台テーブルトップ保管装置に近い回収エリアに戻され、手術台テーブルトップ保管庫の所定の室に収納される。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、目的、用途に応じてより専門化された手術台テーブルトップを術者の要望に応じて供給することができ、手術室設計の自由度が大幅に高まり、また、手術の運用面においても、手術台テーブルトップの保管ならびに選択、殺菌・消毒処理、手術室への供給、そして回収された使用済み手術台テーブルトップの保管など一連の過程を自動的に行うことで手術室の作業効率を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000193612
【氏名又は名称】瑞穂医科工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
【公開番号】 特開平11−56934
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−226683