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【発明の名称】 自動位置決め便器付きベッド
【発明者】 【氏名】佐々木 秀雄

【氏名】佐久間 哲夫

【要約】 【課題】病人等がベッドに横臥したままで用便を足すことのできる便器付きのベッドを提供する。

【解決手段】ベッドに横臥する人の頭の位置および体の両側位置を検知するセンサーをベッドに組み込み、かつ便器15に組み込んだ他のセンサーにより横臥する人の肛門部の位置を検出可能に構成し、横臥する人の上半身に当たる部分が所望の角度をもって起立可能で、この人の臀部に当たる部分に移動可能な便器の上部が臨み得る大きさを有し、かつその長手方向の中心軸がベッドの長手方向の中心軸線状にある開口を有するベッドにして、開口を通常は閉にし便器の使用時には開口を開にするためのベッドの一部を上下に移動するための電動モーターによって駆動される装置と、上記した開口が閉にされている時には便器をベッドの下に保持し開口が開のときには該開口中に便器の上部が臨み得るように便器を上下に移動するための電動モーターによって駆動される装置とを有す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベッドに横臥する人の頭の位置および体の両側位置を検知するセンサーをベッドに組み込み、かつ便器に組み込んだ他のセンサーにより横臥する人の肛門部の位置を検出可能に構成した自動位置決め便器付きベッド。
【請求項2】 横臥する人の上半身に当たる部分が所望の角度をもって起立可能で、この人の臀部に当たる部分に移動可能な便器の上部が臨み得る大きさを有し、かつその長手方向の中心軸がベッドの長手方向の中心軸線状にある開口を有するベッドにして、上記した開口を通常は閉にし便器の使用時には該開口を開にするためのベッドの一部を上下に移動するための電動モーターによって駆動される装置と、上記した開口が閉にされている時には便器をベッドの下に保持し開口が開のときには該開口中に便器の上部が臨み得るように便器を上下に移動するための電動モーターによって駆動される装置とを有し、上記したベッドの一部を上下に移動するための装置が便器をベッドの長手方向の中心軸線を横切る方向に動かすための電動モーターによって駆動される手段を備え、かつベッドの下にあってベッドとその開口の長手方向の中心軸線と共通な垂直平面上にあって該中心軸線とベッドの下方で平行に走る軸線上で電動モーターによって駆動される自走可能な単一の台車上にその平行に走る軸線に沿って互いに直列するように装架されてなる請求項1記載の自動位置決め便器付きベッド。
【請求項3】 肛門部がベッドの開口部に略位置決めされた状態で横臥している人の臀部の上部の尾底骨部分にあらかじめ貼り付けてある検知マークに便器が縦横に自動走行して肛門部に便器のセンターが位置されるようにした請求項1記載の自動位置決め便器付きベッド。
【請求項4】 便器の臀部洗浄用ノズル、ハンドシャワー等にそれぞれつながり、これらに水を供給するための洗浄用水タンクを備え、上記ハンドシャワーのヘッドがその使用目的によって交換可能である請求項1、2又は3記載の自動位置決め便器付きベッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病人等が横臥したままで用便を足すことができる便器付きベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】病人等が横臥したままで用便を足すことのできる便器付きのベッドは今までに知られるところであり、種々の形式と構造のものが市場に供されている。
【0003】それらに組み込まれている便器の作動機構は機械的な構造で、リンクとガイドレールの組合わせにより便器および部分的なベッドの移動および昇降を定位置の範囲内での単純な作動方式の構造であるため、実際の使用時に病人等の肛門部に正確に位置決めができず、排便時にベッドを汚したり不衛生になり、実用化されていないのが実情で、未だ広く利用されるに至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、便器の作動を電動モーターにより駆動し、横臥する病人の臀部上部の尾底骨部分にあらかじめ貼り付けてある検知マークを検知して、病人の肛門位置に正確に便器を位置決めすることにより、従来の機械的な作動方式による構造では正確な位置で用便ができず、ベッドを汚したり衛生的な排便ができなかった問題を解決するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明になる便器付きベッドの特徴の一つは、補助ベッドを通常は閉鎖位置に、そして用便時には開口位置にもたらして保持する補助ベッドのモーター駆動の上下移動装置と、通常はベッドの下方位置にそして用便時にはベッドの開口部に便器をもたらすようにする便器の電動モーター駆動の上下移動装置とを、ベッドの長手方向に沿って直列して並ぶように、ベッドの長手方向の中心軸線と共通な垂直な平面の下方で間隔をおいて該軸線と平行にベッドの下の空間中を電動モーターで自走し得る単一の台車上に設けたことにある。
【0006】さらに、本発明の他の特徴は、ベッドに横臥する人の頭の位置および体の両側位置を検知するセンサーをベッドに組み込み、かつ便器に組み込んだ他のセンサーにより横臥する人の肛門部の位置を検出可能に構成した自動位置決め装置を備える点である。
【0007】このような構造によって、上記した上下移動装置の双方が単一の台車上にあるので、それらをベッドに対して水平に駆動するためにそれぞれが別の駆動装置を必要とせず、しかもこれら便器の上下及び左右の移動装置が横臥してしている人の臀部及び肛門に対して正確な位置を容易に見つけ出すことができ、上述したこの種の便器付ベッドに共通する課題を解決したものである。以下、図面を参照して詳述する好適な一実施例によって、本発明のその他の目的とその他の特徴、及び本発明によるベッドの構造を更に明らかにする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明になる便器付きベッドの一例を示す一部を断面にした説明的な正面図、図2は図1のX−X線に沿ってその矢符方向より見た便器付きベッドの説明的な側面図、図3は図1のY−Y線に沿ってその矢符方向よりみた本発明の便器付きベッドの説明的な断面図、図4は本発明になる便器付きベッドの説明的な平面図である。
【0009】相対面して直立する前板1と後板2間に固定されて水平に伸展するベッド板3上にはマットが敷かれている。このマットは上半身用の部分4と下半身用の部分5と臀部周辺用部分6とからなり、この臀部周辺用部分のマット6とその下のベッド板3には、図4で特に明らかな通り、横臥する病人(仮想線で図示される)の臀部に当たるところに後述する便器の上部に見合った形状でかつそれよりも大きな寸法で貫通する開口11が設けられている。この開口11にはマットの上記各部分4、5、6の上面とその上面が水平になるように補助ベッド7が収められている。
【0010】ベッドの下方の床上で互いに平行して延びるように設けられた一対のガイドレール8、9の中央の軸線は、ベッドの長手方向の中央軸線と共通な垂直な平面上の真下で間隔を置いて該中央軸線と平行である。台車10の四隅に設けられた4個の車輪12はこのガイドレール8、9上にあり、該台車10上に固定されたモーター13の駆動によってプーリー14を介して回転し、台車10を後述するように前、後進せしめる。
【0011】上述したところから明らかな通り、台車10の前、後進の中心軸は、ベッド板3の長手方向の中心軸線と、従って開口11の長手方向の中心軸線と共通な垂直平面上で上下に間隔を置いて一致する。
【0012】台車10上には上記補助ベッド7の上下移動装置と、開口11中に臨ませることができる上部を有する便器15の上下移動装置とが設けられており、この補助ベッド7の上下移動装置は、補助ベッド7の下端に固着されたフレーム16と、台車10上に固定された一対のモーター17、18と、それぞれ一端がモーター17、18の駆動軸に連結され他端が補助ベッド7のフレーム16と螺状に係合して該モーター17、18の正・逆回転によって補助ベッド7を上下動させる回転軸19、20とよりなる。
【0013】一方、上記した便器15の上下移動装置は、便器15に取付けられかつ断面がL字形をなすガイドレール29、29によって担持されるブロック21、21と、台車10上に固定された一対のモーター22、23と、それぞれ一端が該モーター22、23の駆動軸に連結されて他端が上記したブロック21、21と螺状に係合して該モーターの正・逆回転によって該ブロック21、21、即ち便器15を上下動させる回転軸24、25とよりなる。
【0014】そして、所望の際には、この上下移動装置が便器15を上下動しうるのに加えて、便器をベッドの長手方向を横切る方向に動かすようにすることもできる。このためには、台車10上に固定された別のモーター26、26の駆動軸に一端が連結され、他端がレール29、29の一部と螺状に互いに係合する回転軸27、28を設け、モーターの正・逆回転によって便器に固着されたレールをブロック21、21上で摺動するようにベッドの長手方向を横切る方向(左右)に動かす。
【0015】このような手段は、ベッドに横臥する病人の身体がベッドの長手方向の中心軸線上にないときに、病人の臀部に便器15の上部開口をなす便座を合わせるためのものである。このためには、補助ベッド7を降下させて形成される開口11は、少なくともベッドの長手方向を横切る方向において便器15の上部開口よりも前述した通り幅広でなければならない。また、当然のこととして、そのような幅広な開口11を覆う補助ベッド7も幅広でなければならない。
【0016】便器15には、乾燥用ファン30と臀部洗浄用ノズル31が設けられ、汚物タンク32が着脱自在に装架されている。33はベッドの下の床上に置かれた洗浄用水タンクで、それぞれポンプ34、35、36とホースを介して便器15の臀部洗浄用ノズル31、便器洗浄用ノズル(図示せず)、ならびに図11〜14に図示される後述のハンドシャワー39に接続されている。
【0017】符号37、38は一群の光電管による位置センサーを示し、横臥する病人の頭の位置(頭端)と体の位置(体の左右両側)を検知し、図4中の一点鎖線で示される光電管の光線の領域内に人体がないと、即ち人体の一部が光電管の光線に触れると、上述した補助ベッド7の上下移動装置を働かせないようにするものであり、そのようにして後述する電気的中央制御装置中に配線される。また、図11中の符号40は、マットの上半身用部分4を所望の角度で起立させるためのシリンダーである。
【0018】なお、台車10の車輪12駆動用のモーター13、補助ベッド7の上下移動装置用モーター17、18、便器15の上下移動用モーター22、23、便器15の左右移動用モーター26、26、洗浄用水タンク33から水を揚水するポンプ34、35、36、及びマットの上半身用部分4を起立させるためのシリンダー40の各駆動源は、それぞれ中央制御装置(図示せず)に電気的に連ながれており、該制御装置自体またはこの装置を介してリモートコントロールするための手段を操作することによって駆動される。
【0019】42は横臥する病人の肛門の位置と便器15の位置とを正確に合わせるため、病人の臀部上部の尾底骨部分にあらかじめ貼り付ける検知マーク、43は便器15に組み込んだ該検知マーク42用のセンサーで、該センサー43により該検知マーク42を検出して、便器15を前後及び又は左右に移動させながら上昇させて行くことにより、自動的に臀部を便器15に正確に合わせることができるようになっている。
【0020】上記した構成になる本発明の便器付きベッドの作動と作用を以下に述べる。図1に示される通常時の状態のベッドは、用便時にはまず補助ベッド7の上下移動装置用モーター17、18を駆動して、図5(ベッドの作動を示すための説明的な正面図)にて示す通り補助ベッド7をベッドの下に降下させる。
【0021】そこで、台車10の車輪12を回転させるモーター13を駆動して台車10を前進させて停上させ、図6(ベッドの作動を示すための説明的な正面図)に示す通りに便器15の上下移動装置を開口11の直下にもたらす。
【0022】なお、図7(ベッドの作動を示すための説明的側面図)中の矢符にて示される通り、必要によっては便器15をベッドの長手方向の軸を横切る方向、即ち左右方向に動かしてもよい。このためには、上述した通りモーター26、26を駆動させる。
【0023】また、便器15の位置を調節するために、図8(ベッドの開口とその下にもたらされる便器との位置関係を示すためのベッドの一部の説明的な平面図)中の矢符によって示されるように便器15を台車に対して左右に動かすのに加えて、台車10全体を前後に微駆動させる。
【0024】そこで、図9(ベッドの作動を示すための説明的な正面図)に示すように、モーター22、23を駆動させ、便器15の上部をベッドの開口11中にもたらす。これにより、便器15の上部開口が病人の臀部に合い、病人が用便を足すことができるのである。
【0025】そして、次に図10(ベッドの作動を示すための説明的な正面図)に示される通り、用便を楽にするため、シリンダー40を駆動してマットの上半身部分4を斜めに起立させる。
【0026】用便が済んだ後、図11(ベッドの作動を示すための説明的な正面図)に示す如く、ポンプ34を駆動し、臀部洗浄用ノズル3から水を噴射して臀部を洗い、乾燥用ファン30により濡れた臀部を乾かす。また、必要によっては、ポンプ36を作動させてハンドシャワー39によって臀部及びその周囲を洗ってもよい。
【0027】このハンドシャワー39は、図13〜14に示す如く臀部に密着して使用できる柔軟な素材のヘッド41を有する形状としてもよい。
【0028】次いで、便器15を降下させ、台車10を元の位置に後退させ、補助ベッド7を上昇させてベッドの開口11を再び閉塞する。
【0029】なお、図12(ベッドの作動を示すための説明的な側面図)に示す通り、その後にポンプ35を作動させて便器15内に便器洗浄水を放出して便器15を洗った後、汚物タンク32を便器15より取り出して、汚物タンク32内の汚物を捨てることもできる。
【0030】
【発明の効果】上述した通り、本発明による便器付きベッドは構造が複雑でなく、従って操作が容易である。特に、補助ベッドを降下させてベッド上に便器を臨ませるための開口をつくる装置と、該開口中に便器をもたらすための装置とが単一の台車上に装架されて同一の軸線上で移動し、横臥している人の臀部の上部の尾底骨部分にあらかじめ貼り付ける検知マークに便器の位置が縦横に自動走行し、肛門部に便器のセンターが正確に位置されるので、ベッドを汚すことなく肛門部の洗浄と乾燥ができ、衛生的である等の卓越した効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000398
【氏名又は名称】厚木ナイロン工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】浅賀 一樹
【公開番号】 特開平11−56924
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−260770