| 【発明の名称】 |
歩行障害者用排便設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥田 泉示
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| 【要約】 |
【課題】寝たきりや車椅子の生活を余儀無くされている歩行障害者用の排便設備に関し、清潔で使用が容易な排便設備を得ることを課題とする。
【解決手段】水洗便器をベッドの下や床下に昇降自在に設置し、必要な時に上昇させて歩行障害者が利用し易い位置に上昇させる。寝たきりの人のためには、中央部に開閉自在な切欠孔5を有するベッド2と、リフト装置11、24で前記ベッドの切欠孔5の直下に昇降自在に配置された水洗便器15とを備え、リフト装置11、24は開放された切欠孔5の上縁に水洗便器15の上縁を臨ませる構造を採用する。車椅子の人のためには、開閉自在な切欠孔28を備えた床板25と、リフト装置11で前記床板の切欠孔28の直下に昇降自在に配置された水洗便器15とを備え、リフト装置11は開放された切欠孔28を通して水洗便器15の上縁を床板の上方所定高さに上昇させる構造を採用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央部に開閉自在な切欠孔(5) を有するベッド(2) と、リフト装置(11,24) で前記ベッドの切欠孔(5) の直下に昇降自在に配置した水洗便器(15)とを備え、リフト装置(11,24) は開放された切欠孔(5) の上縁に水洗便器(15)の上縁を臨ませることを特徴とする、歩行障害者用排便設備。 【請求項2】 開閉自在な切欠孔(28)を備えた床板(25)と、リフト装置(11)で前記床板の切欠孔(28)の直下に昇降自在に配置された水洗便器(15)とを備え、リフト装置(11)は開放された切欠孔(28)を通して水洗便器(15)の上縁を床板の上方に上昇させることを特徴とする、歩行障害者用排便設備。 【請求項3】 切欠孔(5) がベッド(2) に設けられたマットのスライド部分(6a,6b) をスライドすることによって開閉され、マットの当該スライド部分(6a,6b) の切欠孔(5) を閉鎖する部分は水洗便器(15)の上縁を切欠孔(5) の上縁に近接させて待機可能に斜めにまたは薄肉に形成されており、水洗便器(15)は外容器(17)で囲まれた内容器(16)を備え、外容器(17)と内容器(16)との間から内容器(16)内に洗浄水を流入することを特徴とする、請求項1記載の歩行障害者用排便設備。 【請求項4】 内容器(16)はその上縁面に便通過孔(9) を備えた目皿(8) を備えていることを特徴とする、請求項3記載の歩行障害者用排便設備。 【請求項5】 水洗便器(15)及びリフト装置(11,24) がユニットケース(10)に収容されていることを特徴とする、請求項3または4記載の歩行障害者用排便設備。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、運動神経の麻痺によりベッドに寝たきりになった人や種々の原因により車椅子による生活を余儀なくされた人、病気により身体が衰弱した人、治療等のため絶対安静が必要な人のように、歩行が困難な人(歩行障害者)に好適な排便設備に関するものである。 【0002】 【従来の技術】歩行障害者が排便をしようとするとき、寝たきりの人は病院や住宅に設けられた水洗便所に行くことができず、また、車椅子の人は便所に行くことができても通常の排便設備を使用することができない。 【0003】そこで、寝たきりの人は、介護者に起こしてもらいベッドの側にあるポータブル式のトイレに移動したあと排便するか、紙おむつに排便して一定時間毎に紙おむつを交換してもらっていた。一方、車椅子の人は、把手を設けた歩行障害者用便所に行って排便を済ませるか、車椅子から部屋の隅にあるポータブル式のトイレに移動して排便を行っていた。ポータブル式のトイレは、プラスチックスで製造された台形の本体と本体の上縁に起伏可能な馬啼形の便座を備えている。本体の下部中央には便や尿を受けるための引出し式の受皿が収容されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】病院や住宅の水洗便所では排便後すぐに水洗することができるので、清潔で臭いが残らないが、ポータブル式のトイレは、排便後直ぐに汚物を便所に流しに行かないと不潔であり、便器の臭いが見舞い客等に不快な思いをさせるほか、歩行障害者に引け目を感じさせ、明るく快適な生活を送るのを妨げる。一方、介護者にとっても、排便後の受皿をすぐに水洗便所へ持っていくことは困難であり、更に汚物を水洗便所へ流したあと受皿を洗浄しなければならない。 【0005】本発明は、排便後すぐに洗い流すことができ、必要により尻を洗浄することができる歩行障害者用排便設備を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、ポータブル式のトイレに代えて水洗便器を設置している。水洗便器はベッドの下や床下に昇降自在に設置し、必要な時に上昇させて歩行障害者が利用し易い位置に上昇させる。 【0007】即ち、請求項1記載の歩行障害者用排便設備は、中央部に開閉自在な切欠孔5を有するベッド2と、リフト装置11、24で前記ベッドの切欠孔5の直下に昇降自在に配置された水洗便器15とを備え、リフト装置11、24は開放された切欠孔5の上縁に水洗便器15の上縁を臨ませることを特徴とするものである。 【0008】請求項2記載の歩行障害者用排便設備は、開閉自在な切欠孔28を備えた床板25と、リフト装置11で前記床板の切欠孔28の直下に昇降自在に配置された水洗便器15とを備え、リフト装置11は開放された切欠孔28を通して水洗便器15の上縁を床板の上方所定高さに上昇させることを特徴とするものである。 【0009】請求項3記載の発明は、請求項1記載の歩行障害者用排便設備において、切欠孔5がベッド2に設けられたマットのスライド部分6a、6bをスライドすることによって開閉され、マットの当該スライド部6a、6bの切欠孔5を閉鎖する部分は水洗便器15の上縁を切欠孔5の上縁に近接させて待機可能に斜めにまたは薄肉に形成されており、水洗便器15は外容器17で囲まれた内容器16を備え、外容器17と内容器16との間から内容器16内に洗浄水を流入することを特徴とするものである。 【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の歩行障害者用排便設備において、内容器16はその上縁面に便通過孔9を備えた目皿8を備えていることを特徴とするものである。 【0011】請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の歩行障害者用排便設備において、水洗便器15及びリフト装置11、24がユニットケース10に収容されていることを特徴とするものである。 【0012】 【作用】請求項1記載の歩行障害者用排便設備は、寝たきりの人に好適な構造をしている。ベッドの切欠孔5を開放して歩行障害者の尻を切欠孔5に臨ませ、リフト装置11、24を動作させることにより、水洗便器15を尻に当てることができる。従って介護人が歩行障害者を持ち上げる必要がない。また、歩行障害者が排便したあとすぐに便器を水洗することができ、衛生的で部屋に臭いが残らない。 【0013】請求項3の発明では、ベッド上に寝ている歩行障害者に恐怖感を与えることなく切欠孔5を円滑に開閉することができるほか、リフト装置11、24の昇降ストロークを小さくでき、かつ切欠孔5が開いたときの尻の落込み量を小さくできる。さらに外容器を設けて外容器の内側と内容器16の内外面を洗浄することが可能であるから、水洗便器の内部をより清潔にすることができる。 【0014】さらに請求項4の発明によれば、目皿8が排便中の歩行障害者の尻を支えることができる。特にベッドの背を起こして座った姿勢で排便をするとき、目皿8によって歩行障害者の尻がより安定に保持され、歩行障害者に恐怖感を与えることもなくなる。この目皿8はたとえばゴム質の弾性体で形成するとか、合成樹脂成形品で製作したものを内容器16に弾性材を介して装着するようにしてより使用感の優れたものにすることができる。 【0015】請求項5の発明では、リフト装置を含む水洗便器全体がユニットケースに収容されるので、外観が良く移動や設置が容易である。またこのユニットケース10の上縁を水洗便器15の上縁より高くしておくことにより、ユニットケース内で水洗便器15全体を洗うことも可能であり、水洗便器15をより清潔な状態で維持管理することが可能である。 【0016】請求項2記載の発明は、車椅子の人に好適な構造をしている。便意を催したときは、リフト装置11を作動させ、自分に適した高さに水洗便器15を上昇させる。歩行障害者は、車椅子から便座に移動して排便を済ませ、便器を水洗する。車椅子に戻ってリフト装置を作動して水洗便器15を下降させ切欠孔28を閉じる。このように、水洗便器は床下に収納されかつ切欠孔28が閉鎖されるので、車椅子の移動に支障を生じることはない。また、訪問客等は水洗便器15があることを知らないので、歩行障害者は引け目を感じることがなく、明るく快適な生活を送ることができる。 【0017】 【発明の実施の形態】図1ないし図3は請求項1記載の歩行障害者用排便設備を示したものである。この排便設備は、寝たきりの人に好適な構造をしており、歩行障害者1が横たわるベッド2とベッドの下方に位置する水洗便器15を備えている。ベッドは4本の脚3によってコンクリート製床面4から一定の高さに支持されている。ベッドの略中央、即ち仰臥した歩行障害者の尻が当たる部分には、鉛直方向の矩形の切欠孔5が設けられている。この切欠孔5は、通常はベッド2に装着されているマット6のスライド部分6a、6bによって閉鎖されている。マットのスライド部分6a、6bは図示しないモータなどにより左右にスライドできるようになっており、これを左右すなわち左側の部分6bを左外に、右側の部分6aを右外に移動させることにより、切欠孔5が開放される。 【0018】切欠孔5の直下のベッド2と床面4との間にはパンタグラフ装置11が配置されている。パンタグラフ装置は、X字形のリンク12とその上端に装着された昇降台13を備えている。昇降台13はモータ14によって上下動する。昇降台13には水洗便器15が装着されている。水洗便器15はその本体18が内容器16と外容器17とで形成された二重構造をしており、内容器16の上縁は外容器17の上縁の下方に位置しており、内容器の下部は排水管21に連通している。排水管21は蛇腹を介して床面に固定された配管22に接続されている。外容器17にはフラッシュバルブを有する湯水管19が接続されており、湯水管から放出される湯水は内外の容器16、17の間隙を通って内容器16の上縁から内側に流入し、排水管から排出される。 【0019】図4は請求項1記載の歩行障害者用排便設備の他の例を示したもので、S字形に屈曲するベッド2とこれに好適なリフト装置を示したものである。このベッドは歩行障害者1の尻を下げながら上半身を起こす構造のものであり、水洗便器15の上昇量を少なくできる。従って、基台に4本のねじ杆を回動自在かつ軸方向移動不能に設け、昇降台をねじ杆に螺合させ、モータ14でねじ杆24を同期回転させることにより、昇降台13を上下動させるリフト装置を採用している。 【0020】以下に請求項1の排便設備の使用方法を説明する。ベッド上の歩行障害者が便意を催したら、適宜な操作ボタン等によってモータを駆動して、マットのスライド部分6a、6bを外側へスライドさせて切欠孔5を開く。このとき歩行障害者の尻は移動したマットのスライド部分6a、6bの間に落ち込むが、次にリフト装置11、24が動作して水洗便器15が上昇してくることにより、水洗便器の便座で尻が支えられる。図4の装置ではこのときベッドの背もたれの部分が上昇して歩行障害者は座った姿勢になる。排便が終わったら、水洗便器15に内蔵した図示しないノズルから湯水が噴射されて排便後の尻を洗い、次に温風が送風されて乾燥する。これと並行して湯水管19から便器内に湯水が放され、汚物を排出するとともに、便器を洗浄する。次いでリフト装置11、24が逆動作して水洗便器15を下降させ、その後マットのスライド部分6a、6bが内側に移動して切欠孔5を閉鎖する。図4の実施例のものでは、ベッドの背もたれ部分が下降して歩行障害者を寝た姿勢に戻す。 【0021】以上説明した実施例のものでは、マットのスライド部分6a、6bを開いたときの尻の降下量が大きい。これによって歩行障害者が不快感や恐怖感を感じるのを避けたいときは、図5及び図6に示すようにマットのスライド部分6a、6bの切欠孔5に位置する部分7a、7bをテーパ状にするか、薄肉にして待機状態にあるときの便器15の上縁が切欠孔5の上縁近傍に位置するようにする。このようにすれば、マットのスライド部分6a、6bを移動させてもすぐその下に便器15の上縁が位置して落ち込もうとする尻を支えるので、歩行障害者に与える恐怖感や不快感を軽減できる。この構造は、図4に示すように、排便時にベッドの背もたれを起こすようにしたときの構造としてより好ましいものである。 【0022】さらに図7に示すように、内容器16の上面に歩行障害者の尻を支持する目皿8を設けてやれば、排便時に歩行障害者の尻をより安定に支えることができる。この目皿8は便通過孔9を備えている。このような目皿8を設けることにより、便器15の上面の大きさを広くすることができ、排便時に汚物が飛散して切欠孔5の周辺等を汚すおそれを回避することができる。 【0023】水洗便器15及びリフト装置11、24は、それら全体を図8に示すようにユニットケース10に収容することができる。ユニットケース10はリフト装置11、24を下降させた状態での水洗便器15の上縁より高い位置に上縁15aを備えており、リフト装置11、24を下降させた状態で水洗便器15全体を水洗できる構造となっている。水洗便器15とリフト装置11、24をこのようなユニットケース10に収容することにより、この発明の排便設備の設置が容易であるとともに、必要により設置場所を移動することも可能で、設置したときの外観にも優れている。 【0024】図9及び図10は請求項2記載の歩行障害者用排便設備を示したものである。この排便設備は、木造住宅で生活している車椅子の人のために好適なものである。排便設備はフロア25に埋没されたレール26に移動自在に設けた扉27を有している。扉27はフロア25に設けた切欠孔28を閉鎖しており、切欠孔28の内側円周には扉を受ける鍔29が突設されている。床下には台枠31に固定された基板32が配置されている。基板32の上面中央にはパンタグラフ装置11のコ字形ガイド33が2本平行に配置され、四隅にガイドバー34が立設されている。パンタグラフ装置のリンク12はX字形のリンクを2個接続したものであり、上端に昇降台13が装着されている。昇降台はフロアの切欠の直下の位置に水洗便器15を支持している。水洗便器15はロータンク式の洗浄装置を備えており、高さを低くおさえている。排水管21は本体18の背面下方に連結されており、その先端は昇降台13を貫通して床下まで延びる。排水管21の先端は台枠31に固定された配管22に蛇腹を介して接続されている。水洗便器の本体上面には便座35及び蓋板36が設けられており、本体側方には便座35と一体のコントロールボックス37が設けられている。コントロールボックス37には噴水器及び乾燥器のスイッチボタンが配列されている。 【0025】以下、本実施例の排便設備の使用方法を説明する。常態では水洗便器15は床下に収納されており、切欠孔28は扉27で閉鎖されている。歩行障害者は便意を催したときはスイッチを操作して扉27を開き、リフト装置11を作動して水洗便器15を上昇させる。モータ14を操作して任意の高さに便器の高さを設定し、車椅子から便座へ移動して排便を済ませる。排便が完了したら尻を湯で洗浄して乾燥し、摘みを操作して水洗したあと車椅子に戻り、水洗便器15を下降させて扉27を閉じる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】397006807 【氏名又は名称】有限会社バリアフリー金沢
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西 孝雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−42257 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−215537 |
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