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【発明の名称】 車椅子
【発明者】 【氏名】高橋 喜平

【要約】 【課題】座部に座った人が容易に高さ調整できるようにする。

【解決手段】フレーム1に左右一対の座部パイプ11を上下揺動自在に連結し、この左右一対の座部パイプ11に亘って座部シート15を取付けて座部とする。左右一対の座部パイプ11とフレーム1の左右一対の主パイプ8とに亘って操作レバー38を備えた高さ調整装置20をそれぞれ取付け、この操作レバー38を座部シート15よりも前方に突出する。これによって、座部シート15(座部)に座った人が操作レバー38を操作して容易に高さ調整ができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪2を備えたフレーム1に左右一対の座部パイプ11,11を上下揺動自在に連結し、この左右一対の座部パイプ11,11に亘って座部シート15を取付けて座部とし、前記フレーム1に左右一対の背部パイプ12,12を連結し、この左右一対の背部パイプ12,12に亘って背部シート16を取付けて背部とし、前記左右一対の座部パイプ11,11とフレーム1の左右両側部とに亘って操作レバー38,84を上下に揺動することで座部パイプ11が上下に揺動する左右一対の高さ調整装置20をそれぞれ取付け、その操作レバー38,84を座部シート15よりも前方に突出させたことを特徴とする車椅子。
【請求項2】 座部パイプ11に上下揺動自在に支承され、かつフレーム1の主パイプ8に沿って回転するローラ27を備えたアーム25と、このアーム25をほぼ垂直姿勢に揺動保持するスプリング29と、前記フレーム1の主パイプ8に上下揺動自在に支承された操作レバー38と、この操作レバー38とアーム25を連結するリンク41で高さ調整装置20とし、左右一対の高さ調整装置20,20のアーム25,25を連杆46で連結した請求項1記載の車椅子。
【請求項3】 座部パイプ11に取付けた可動部材66と、主パイプ8に上方に向けて取付けた支持杆74と、可動部材66に上下揺動自在に取付けたロック部材80と、このロック部材80を上下に揺動する操作レバー84と、可動部材66を上方に移動する弾性部材を備え、前記可動部材66を支持杆74に沿って上下動自在とし、ロック部材80のロック用孔82に支持杆74を挿通し、かつロック部材80を上方に揺動してロック用孔82と支持杆74とで可動部材66をロックして高さ調整装置20とした請求項1記載の車椅子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子としては、フレームに車輪、座部と背部を有する座席部等を取付け、座席部に座った人が車輪を手で回転して走行したり、他の人が押して走行するものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車椅子の利用方法として身体機能の回復、つまりリハビリとして用いられることがある。例えば車椅子の座席部に座った人が足で床をけって走行することがある。
【0004】前述のように、車椅子の座席部に座った人が足で床をけって走行する場合には、足が床に余裕をもって接し、スムーズに床をけることができるようにすることが必要であるが、従来の車椅子の座席部はフレームに固定、または一体的に設けてあるので、身長の差によっては座席部に座った人の足が床に接しなかったりしてスムーズに床をけることができないことがある。
【0005】なお、特開平8−336558号公報に示すように、座席部を構成する座席枠を上下方向に移動可能とした車椅子が提案されているが、この車椅子は、フレームに座席枠を上下揺動自在に取付け、この座席枠とフレームとに亘って伸縮自在な第1・第2棒体を連結し、その第1・第2棒体を伸縮することで座席枠を上下に揺動する構造である。
【0006】このために、座席枠を上下に揺動するには、座席枠の下部において第1・第2棒体の伸縮操作を行なうので、座席部に座った人が座席枠を上下に揺動することはできない。
【0007】また、座席枠の左右中央部に第1・第2棒体が連結してあるので、座席枠の左右方向に不安定となる。しかも、主フレームは座席枠の左右中央部に位置しているから、座席部に座った人が足で床をける時に主フレームが邪魔となる。
【0008】そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした車椅子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、車輪2を備えたフレーム1に左右一対の座部パイプ11,11を上下揺動自在に連結し、この左右一対の座部パイプ11,11に亘って座部シート15を取付けて座部とし、前記フレーム1に左右一対の背部パイプ12,12を連結し、この左右一対の背部パイプ12,12に亘って背部シート16を取付けて背部とし、前記左右一対の座部パイプ11,11とフレーム1の左右両側部とに亘って操作レバー38,84を上下に揺動することで座部パイプ11が上下に揺動する左右一対の高さ調整装置20をそれぞれ取付け、その操作レバー38,84を座部シート15よりも前方に突出させたことを特徴とする車椅子である。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、座部パイプ11に上下揺動自在に支承され、かつフレーム1の主パイプ8に沿って回転するローラ27を備えたアーム25と、このアーム25をほぼ垂直姿勢に揺動保持するスプリング29と、前記フレーム1の主パイプ8に上下揺動自在に支承された操作レバー38と、この操作レバー38とアーム25を連結するリンク41で高さ調整装置20とし、左右一対の高さ調整装置20,20のアーム25,25を連杆46で連結した車椅子である。
【0011】第3の発明は、第1の発明において、座部パイプ11に取付けた可動部材66と、主パイプ8に上方に向けて取付けた支持杆74と、可動部材66に上下揺動自在に取付けたロック部材80と、このロック部材80を上下に揺動する操作レバー84と、可動部材66を上方に移動する弾性部材を備え、前記可動部材66を支持杆74に沿って上下動自在とし、ロック部材80のロック用孔82に支持杆74を挿通し、かつロック部材80を上方に揺動してロック用孔82と支持杆74とで可動部材66をロックして高さ調整装置20とした車椅子である。
【0012】
【作 用】第1の発明によれば、左右一対の操作レバー38,84を上下に揺動することで左右一対の座部パイプ11,11が上下に揺動して座部の高さを調整できる。これによって、座部に座った人の身長等に応じて座部の高さを調整してスムーズに床をけって走行できる。
【0013】また、左右一対の操作レバー38,38,84,84は座部シート15よりも前方に突出しているので、座部に座った人が両方の手で操作レバー38,38,84,84を操作して座部の高さ調整ができる。
【0014】また、座部を構成する左右一対の座部パイプ11,11を左右一対の高さ調整装置20,20でフレーム1の左右両側部に支持しているから、座部を左右に安定して支持できるし、座部に座った人が足で床をける際に高さ調整装置が邪魔にならない。
【0015】第2の発明によれば、操作レバー38でアーム25を上下に揺動することでローラ27が主パイプ8に沿って回転動するから、アーム25がスムーズに上下に揺動するし、その左右のアーム25,25が連結杆46で連結されて同期して上下に揺動する。これによって、左右の操作レバー38,38によって座部の高さを容易に調整できる。
【0016】第3の発明によれば、操作レバー84を上下に揺動してロック部材80を上下に揺動することで、ロック部材80のロック用孔82と支持杆74で可動部材66がロック、ロック解除されて座部パイプ11が上下に揺動可能となる。できる。
【0017】これにより、操作レバー84を小さな力で操作することができ、高さ調整操作が容易となる。しかも、座部パイプ11を任意の位置でロックできるから、座部の高さを任意に調整できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に示すように、フレーム1に左右一対の車輪2、左右一対の前補助輪3、左右一対の後補助輪4、左右一対のブレーキ装置5等が取付けてある。このフレーム1は左右一対の基板6を第1連結パイプ7で連結し、各基板6に主パイプ8を前方に向けて取付け、その左右の主パイプ8を第2連結パイプ9で連結してある。
【0019】座席フレーム10は、各基板6に上下揺動自在に連結した左右一対の座部パイプ11と、各基板6に前後揺動自在に連結した左右一対の背部パイプ12と、この左右一対の背部パイプ12を連結する第3連結パイプ13と、各背部パイプ12に取付けた左右一対の肘掛け14で形成してある。
【0020】左右一対の座部パイプ11と第3連結パイプ13に亘って座部シート15が取付けられて座部を形成し、左右一対の背部パイプ12に亘って背部シート16が取付けてあり、これによって背部(背もたれ)を構成している。
【0021】前記左右一対の座部パイプ11の前部寄りは下方に向けて弯曲し、その各前端部に足乗せ台17がそれぞれ取付けてある。
【0022】前記左右の主パイプ8と左右の座部パイプ11とに亘って左右一対の高さ調整装置20がそれぞれ取付けてある。
【0023】次に高さ調整装置20の具体構造を図2ないし図4を参照して説明する。座部パイプ11にブラケット21が取付けてある。このブラケット21は一側プレート22と他側プレート23をボルト24で締付け、その一側プレート22と他側プレート23で座部パイプ11を狭持して取付けてある。この一側プレート22にアーム25がピン26で上下揺動自在に取付けてあり、このアーム25にローラ27がピン28で回転自在に取付けてある。
【0024】前記ローラ27は主パイプ8に沿って回転自在であり、アーム25はローラ27によって主パイプ8に沿って前後方向に揺動する。アーム25と主パイプ8とに亘ってスプリング29が取付けてあり、アーム25は後方に向けて揺動付勢されてストッパ片25aが他側プレート23の下端部23aに当接したほぼ垂直姿勢に保持してある。アーム25には支持ボルト30が螺合されていてロックナット31で固定してある。
【0025】前記主パイプ8には取付部材32が取付けてある。この取付部材32は主パイプ8にボルト33で取付けたガイドプレート34と、このガイドプレート34にボルト35で取付けたブラケット36で形成してある。ガイドプレート34には前記ローラ27を支承するピン28が摺動自在に嵌まり込むガイド凹溝37が形成してある。
【0026】前記ブラケット36には操作レバー38がピン39で上下揺動自在に取付けてあり、この操作レバー38に一体的に設けたレバー40にリンク41がピン42で連結してある。このリンク41は前記ピン28によってアーム25に連結してある。
【0027】前記ブラケット36には第1ネジ孔42と第2ネジ孔43が形成され、第1ネジ孔42にボルト44が螺合されてロックナット45で固定してある。このボルト44の先端部にはストッパー44aが出没可能に挿入してあり、そのストッパー44aはスプリング44bでブラケット36の内面よりも突出して操作レバー38の凹部38aに係合するようにしてある。なお、操作レバー38の凹部38aの揺動方向両側部分はストッパー44aが係合し易いように斜めとしてある。
【0028】前記ローラ28を支承するピン28は連結杆46に固定してあり、この連結杆46で左右の高さ調整装置20のアーム25を連結し、左右の高さ調整装置20が同期して作動するようにしてある。
【0029】次に作動を説明する。図示の状態では左右の座部フレーム11が最も上方に揺動しており、座部の高さが最も高い。図示の状態から左右の操作レバー38を上方に揺動すると、リンク41を介してアーム25がローラ27とともに前方に揺動し、操作レバー38の凹部38aにストッパー44aが係合するとアーム25、ローラ27が図2に仮想線で示す位置となる。なお、主パイプ8にガイドレール47がボルト48で取付けてあり、このガイドレール47に沿ってローラ27が移動するようにしてあるが、ローラ27を主パイプ8に直接的に接しても良い。
【0030】これによって、左右の座部フレーム11が最も下方に揺動して座部の高さが最も低くなる。
【0031】この時、支持ボルト30が主パイプ8に当接して座部パイプ11に作用する負荷を支持ボルト30を介して主パイプ8で支持する。
【0032】また、ロックナット45を弛めてボルト43を第1ネジ孔42から外し、そのボルト43を第2ネジ孔43に螺合してロックナット45で固定すれば、操作レバー38の上方への揺動角度が小さくなり、アーム25、ローラ27の前方への移動量が小さくなる。
【0033】これにより、座部パイプ11は中間位置まで揺動するから、座部の高さは中間高さとなる。この時は、支持ボルト30を若干弛めて取付長さを長くして主パイプ8と当接するようにする。
【0034】前記足乗せ台17は、図5、図6に示すように座部パイプ11に取付けてある。具体的には、座部パイプ11の前端寄りに中空の取付杆50を摺動自在に嵌挿し、この取付杆50の複数の孔51のいずれかに挿通したボルト52で取付杆50を座部パイプ11に固定する。
【0035】取付杆50の下端部に取付縦軸53をボルト54で取付け、この取付縦軸53にブラケット55を回転自在に取付ける。このブラケット55に前後方向に向う横軸56をボルト57で取付け、この横軸56が足乗せ台17の孔17aに挿通している。
【0036】このようであるから、ブラケット55を縦軸53の回りに回転すると共に、足乗せ台17を横軸56の回りに回転することで足乗せ台17を座部パイプ11よりも側方の位置に移動できる。
【0037】次に高さ調整装置20の第2の実施の形態を図7ないし図8を参照して説明する。座部パイプ11にブラケット60が取付けてある。このブラケット60は一側プレート61と他側プレート62をボルト63で締付け、その一側プレート61と他側プレート62で座部パイプ11を狭持して取付けてある。この一側プレート61にリンク64が第1ピン65で前後揺動自在に取付けてあり、このリンク64に可動部材66が第2ピン67で上下揺動自在に取付けてある。
【0038】前記主パイプ8には取付部材70が押え片71とボルト72で主パイプ8を狭持して取付けてある。この取付部材70は縦穴73を有し、この縦穴73に支持杆74の下端部が上向きに固定してある。
【0039】前記支持杆74は可動部材66の透孔68を貫通して上方に突出し、可動部材66と取付部材70との間に弾性部材、例えばコイルスプリング75が設けてあり、このコイルスプリング75は支持杆74の外周に沿って設けてある。
【0040】前記可動部材66にはロック部材80がピン81で上下揺動自在に取付けてあり、このロック部材80には支持杆74よりも若干大径のロック用孔82が形成され、このロック用孔82に支持杆74が挿通している。前記ロック部材80はスプリング83で上方に向けて揺動付勢され、ロック用孔82の上部開口縁82aと下部開口縁82bが支持杆74の前面、後面に接している。
【0041】前記ロック部材80に操作レバー84が前方に向けて取付けてあり、この操作レバー84は座部シート15よりも前方に突出している。左右の高さ調整装置20の操作レバー84が連杆85で連結してある。
【0042】次に作動を説明する。図7に示す状態ではロック部材80が上方に揺動してロック用孔82が支持杆74に対して平行でないから、上部開口縁82aと下部開口縁82bが支持杆74にそれぞれ接して可動部材66を支持杆74にロックする。このために、コイルスプリング75により可動部材66が上方に移動することを前述の2つの接触部(つまりクサビ作用)で阻止し、座部シートに座った人の体重により座部パイプ11とともに可動部材66が下方に移動することを前述の2つの接触部(つまり、クサビ作用)で阻止する。
【0043】操作レバー84を下方に揺動してロック部材80をスプリング83に対して下方に揺動するとロック用孔82と支持杆74が平行となり、可動部材66の支持杆74へのロックが解除される。
【0044】前述の状態の時に座部シート15に人が座っていれば座部パイプ11とともに可動部材66が支持杆74に沿って下方に移動する。座部シート15に人が座っていなければコイルスプリイグ75で可動部材66は座部パイプ11とともに上方に移動する。
【0045】また、可動部材66はブラケット60にリンク64で連結され、その可動部材66は座部パイプ11に対して前後に揺動するので、座部パイプ11が上下に揺動した時に可動部材66は真直ぐに上下揺動する。
【0046】これにより、可動部材66は支持杆74に沿ってスムーズに上下動する。
【0047】また、左右の高さ調整装置20の操作レバー84は連杆85で連結してあるから、左右のロック部材80は同期して上下揺動し、左右の可動部材66は同期してロックしたり、移動自在となるから、スムーズに高さ調整できる。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、左右一対の操作レバー38,84を上下に揺動することで左右一対の座部パイプ11,11が上下に揺動して座部の高さを調整できる。これによって、座部に座った人の身長等に応じて座部の高さを調整してスムーズに床をけって走行できる。
【0049】また、左右一対の操作レバー38,84は座部シート15よりも前方に突出しているので、座部に座った人が両方の手で操作レバー38,84を操作して座部の高さ調整ができる。
【0050】また、座部を構成する左右一対の座部パイプ11,11を左右一対の高さ調整装置20,20でフレーム1の左右両側部に支持しているから、座部を左右に安定して支持できるし、座部に座った人が足で床をける際に高さ調整装置が邪魔にならない。
【0051】請求項2の発明によれば、操作レバー38でアーム25を上下に揺動することでローラ27が主パイプ8に沿って回転動するから、アーム25がスムーズに上下に揺動するし、その左右のアーム25,25が連結杆46で連結されて同期して上下に揺動する。これによって、左右の操作レバー38,38によって座部の高さを容易に調整【0052】請求項3の発明によれば、操作レバー84を上下に揺動してロック部材80を上下に揺動することで、ロック部材80のロック用孔82と支持杆74で可動部材66がロック、ロック解除されて座部パイプ11が上下に揺動可能となる。できる。
【0053】これにより、操作レバー84を小さな力で操作することができ、高さ調整操作が容易となる。しかも、座部パイプ11を任意の位置でロックできるから、座部の高さを任意に調整できる。
【出願人】 【識別番号】000006828
【氏名又は名称】ワイケイケイ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】浜本 忠 (外1名)
【公開番号】 特開平11−42254
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−202826