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【発明の名称】 使い捨ておむつ
【発明者】 【氏名】末兼 真

【要約】 【課題】上面シートに弾性伸縮性の開口部が形成された着用感のよい使い捨ておむつ。

【解決手段】使い捨ておむつ1の表面シート2の上方に位置する上面シート200が、おむつ中央部に開口部14を有する。開口部14は、前胴周り域6寄りに位置する第1弾性部材31と、後胴周り域7寄りに位置する第2弾性部材32とによって囲まれる。第1,2弾性部材31,32のそれぞれは、開口部14の近傍で互いに交差し、さらに脚周り側縁の後胴周り域7寄りの部分と前胴周り域6寄りの部分とに沿って延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在する吸液性コアとからなり、着用者の胴周りに沿って延びる前後端縁と前記前後端縁と交差して延びる互いに並行な一対の側縁とを有し、前記前後端縁間が前胴周り域と後胴周り域とこれら両域間に介在する股下域とで構成され、前記股下域の側縁が内側へ向かって湾曲しているおむつ本体が、前記表面シートの上方に上面シートを有し、前記上面シートが、前記本体の股下域の幅方向中央部に前記前後胴周り域方向へ延び、周縁に伸縮性の弾性部材が伸長状態で取り付けられている開口部を有し、前記上面シートが、少なくとも前記開口部の周縁で前記表面シートから離間し、外周縁部で前記本体の内面に接合している使い捨てのおむつであって、前記弾性部材は、前記開口部の前胴周り域寄りの周縁に沿って延びる第1弾性部材と、前記開口部の後胴周り域寄りの周縁に沿って延びる第2弾性部材とで構成され、前記第1、2弾性部材が前記開口部周縁の近傍で交差し、さらに第1弾性部材が前記股下域側縁の後胴周り域寄りの部分に沿って延び、前記第2弾性部材が前記股下域側縁の前胴周り域寄りの部分に沿って延びていることを特徴とする前記おむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、使い捨ておむつの透液性表面シート上方に位置する上面シートがおむつ股下域に開口部を有し、その開口部周縁の少なくとも一部分が弾性伸縮性を備えている使い捨ておむつは、公知である。
【0003】例えば、特開昭61−41304号公報に開示の使い捨ておむつの上面シートは、前後方向に長い開口部の両側縁部に前後方向へ直線状に延びる伸縮性の弾性部材を有する。
【0004】また、特開平5−293138号公報に開示の使い捨ておむつの上面シートに弾性開口部を形成する方法によれば、上面シートの開口部の全周に弾性部材が延びているおむつを得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】おむつ着用者の肛門と泌尿器とを上面シートの開口部内側に位置させて排泄物を上面シートと表面シートとの間に捕捉すると、排泄物の漏れを防止したり、排泄物による着用者の肌の汚れを防止したりすることができる。このように作用する開口部は、その周縁が弾性的に伸縮するものであると、着用者の肌に密着し易く、排泄物の捕捉が確実になる。しかし、開口部の全周に弾性部材を機械的に取り付けることは、一般的に容易ではない。
【0006】前記特開昭61−41304号公報の使い捨ておむつは、開口部周縁の一部分のみが弾性的に変形して肌に密着し得るもので、開口部周縁のうちの非弾性的な部分は肌に密着し難く、そのような部分では排泄物が流出し易い。このおむつでは、開口部の全周に弾性部材を取り付けたいという要求に応えることができない。
【0007】前記特開平5−293138号公報の方法に基づいて得られるおむつは、上面シートの開口部全周に弾性部材を有する。しかしながら、この上面シートは、おむつの幅を二等分する2枚のシートをおむつの中央部で重ね合わせて接着することにより形成されているから、このおむつでは、着用者の肌に当接する上面シートにおむつの前後方向へ延びる接着線が存在し、この接着線が、おむつを着用したときの違和感を募らせることがある。
【0008】この発明が課題とするのは、おむつの着用感を妨げることなくおむつ上面シートの開口部全周に弾性的な伸縮性を付与することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題解決のために、この発明が前提とするのは、下記使い捨ておむつである。すなわち、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在する吸液性コアとからなり、着用者の胴周りに沿って延びる前後端縁と前記前後端縁と交差して延びる互いに並行な一対の側縁とを有し、前記前後端縁間が前胴周り域と後胴周り域とこれら両域間に介在する股下域とで構成され、前記股下域の側縁が内側へ向かって湾曲しているおむつ本体が、前記表面シートの上方に上面シートを有し、前記上面シートが、前記本体の股下域の幅方向中央部に前記前後胴周り域方向へ延び、周縁に伸縮性の弾性部材が伸長状態で取り付けられている開口部を有し、前記上面シートが、少なくとも前記開口部の周縁で前記表面シートから離間し、外周縁部で前記本体の内面に接合している使い捨てのおむつ。
【0010】かかる前提において、この発明が特徴とするところは、下記のとおりである。すなわち、前記弾性部材は、前記開口部の前胴周り域寄りの周縁に沿って延びる第1弾性部材と、前記開口部の後胴周り域寄りの周縁に沿って延びる第2弾性部材とで構成され、前記第1、2弾性部材が前記開口部周縁の近傍で交差し、さらに第1弾性部材が前記股下域側縁の後胴周り域寄りの部分に沿って延び、前記第2弾性部材が前記股下域側縁の前胴周り域寄りの部分に沿って延びている。
【0011】
【発明の実施の態様】添付の図面を参照して、この発明に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0012】図1、2、3は、使い捨ておむつ1の平面図と、そのII−II線およびIII−III線切断面を示す図面である。
【0013】おむつ1は、本体100と、本体100の上面に取り付けられた上面シート200とで構成されている。本体100は、砂時計型を呈し、透液性表面シート2と、不透液性裏面シート3と、これら両シート2,3間に介在する吸液性コア4とを有し、表裏面シート2,3がコア4の周縁から延出する部分で重なり合い、互いに接合している。かかるおむつ1は、幅方向へ延びる前後端縁11,12と、これら端縁11,12と交差して前後の長手方向へ延びる一対の側縁13とを有し、その長手方向に前胴周り域6と、後胴周り域7と、これら両域6,7間に位置する股下域8とを有する。側縁13は、股下域8においておむつ内方へ湾曲し、着用者の脚周りを囲繞し易いように作られた脚周り側縁25を有する。
【0014】上面シート200は、本体100と外形を同じくするもので、前後端縁21,22と一対の側縁23とを有し、本体100の股下域8において側縁23が内方へ湾曲し、脚周り側縁26を形成している。上面シート200の幅方向中央部には、本体100の股下域8を中心に前後胴周り域6,7方向へ延びる開口部14が形成され、開口部14からは、本体100の表面シート2がのぞいている(図1参照)。表面シート2と対向している上面シート200の内面には、第1弾性部材31と、第2弾性部材32と、第3弾性部材33とが伸長状態で接合している。第1弾性部材31は、開口部14の全周のうちの前胴周り域6寄りに位置するおよそ半周の部分に沿って延び、かつ脚周り側縁26のうちの後胴周り域7寄りの部分に沿って延びている。第2弾性部材32は、開口部14の後胴周り域7寄りに位置するおよそ半周の部分に沿って延び、かつ、脚周り側縁26のうちの前胴周り域6寄りの部分に沿って延びている。これら第1、2弾性部材31,32は、開口部14の近傍で互いに交差することによって、上面シート200の開口部14の全周と、脚周り側縁26の全体とに弾性的な伸縮性を付与している。第3弾性部材33は、後端縁22に平行して延び、上面シート200の胴周りに伸縮性を付与している。
【0015】かかる上面シート200は、おむつ1の少なくとも前後端縁11,12と側縁13とに沿う部分で本体100の内面に対して、その内面が図示例のように表面シート2で形成されている場合には、表面シート2に対して、体液が実質的に漏れることがないように、かつ、第1,2弾性部材31,32を伸長させた状態で接合する。図1には、その接合範囲が多数の小点35によって示されている。この図から明らかなように、上面シート200の脚周り側縁26を本体100に接合するときには、側縁26に沿って延びる第1,2弾性部材31,32近傍の部分がその接合に含まれるようにする。一方、開口部14の近傍では、第1,2弾性部材31,32を含む周縁部分が本体100に接合されないようにする。このように上面シート200と本体100とを接合することによって、おむつ1は、開口部14の全周と、脚周り側縁の全体と、後胴周り域7の端縁近傍とに伸縮性を有する。
【0016】図4は、おむつ1が着用されて、本体100が湾曲したときの図3と同様な図面である。肛門と泌尿器とが開口部14の内側となるようにしておむつ1を着用すると、本体100が上面シート200を内側にして図示のように湾曲する一方、第1,2弾性部材31,32の収縮によって、上面シート200は、開口部14の周縁部分が本体100から離間して着用者の肌へ密着する方向へ動き、上面シート200と本体100との間に排泄物を受け入れることが可能な空間300が生じる。かかる状態のおむつ1は、排泄物を開口部14の内側で確実に捕捉することができる。
【0017】図5は、発明の実施態様の一例を示す図3と同様の図面である。この態様のおむつ1では、上面シート200が、外面シート201と内面シート202とを接合することで形成され、第1,2,3弾性部材31,32,33が両シート201,202間に位置して、少なくともいずれかのシートの内面に伸長状態で接合している。かかる上面シート200では、外面シート201に不織布を使用し、内面シート202に不織布またはプラスチックフィルムを使用すると、肌触りがよく、しかも液不透過性に優れた上面シート200が得られる。
【0018】図6は、図1のおむつ1に使用する上面シート200の連続的製造方法を簡略化して示す図面である。図において、上面シート200とすべきウエブ320を左から右へと連続的に供給する。次に、供給されたウエブ320の片面の所要部位に接着剤336を塗布する。その片面に、第1〜3弾性部材31,32,33となるべき弾性部材331,332,333を伸長状態で連続的に供給する。このときに、弾性部材331と332とには、公知のトラバース手段(図示せず)を使用し、位相をずらした状態で正弦曲線状の曲線を画かせる。弾性部材333には、直線を画かせる。弾性部材331〜333は、塗布済みの接着剤336で固定する。次に、図示のように、ウエブ320に対して開口部14となるべき開口部314と、脚周りの湾曲した側縁26を形成するための開口部326とをウエブ供給方向において間欠的に形成する。さらに、ウエブ320を図示のように開口部326を二等分する線X−Xに沿って分断し、おむつ1個分の上面シート200を得る。このようにして得られる上面シート200には、開口部14の全周に第1,2弾性部材31,32が延在しているが、従来例のような着用感の妨げとなるシートどうしの接合線がない。ウエブ320は、それを本体100となるべきものに接合してから分断してもよい。
【0019】この発明において、各部材を接合するには、ホットメルト接着剤等の接着剤を使用する他に、部材が熱溶融性のものであれば、溶着技術を利用することもできる。
【0020】
【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつの上面シートは、開口部の全周に伸縮性を有するから、開口部周縁の肌に対する密着性がよく、排泄物を確実に開口部の中で捉えることができる。かかる上面シートには、シートどうしの継ぎ目がなく、おむつの着用感がよい。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
【公開番号】 特開平11−342156
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−188049