| 【発明の名称】 |
温熱治療用シャワー装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河栗 正明
【氏名】白井 滋
【氏名】古田 聡
|
| 【要約】 |
【課題】患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、温熱治療としての皮膚温上昇を与えることができる温熱治療用シャワー装置を提供する。
【解決手段】身体一部を包囲する断面を持つ温熱治療用シャワー装置本体15と、身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段23と、噴出部支持手段23の身体対向面に設けた複数の温水噴出部24から身体に噴出された温水をシャワー装置本体15外部に導出する流下水導出手段16を備えたものでホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、温熱治療としての皮膚温上昇を与えることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】身体一部の断面を芯として前記芯を包囲する断面を持つ温熱治療用シャワー装置本体と、前記温熱治療用シャワー装置本体に設けた前記身体を覆う略平板状の噴出部支持手段と、前記噴出部支持手段の前記身体対向面に設けた複数の温水噴出部と、前記温水噴出部から前記身体へ噴出された温水を前記温熱治療用シャワー装置本体外部に導出する流下水導出手段を備えた温熱治療用シャワー装置。 【請求項2】身体の特定部位は、腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢のいずれか1ヶ所または複数箇所とした請求項1記載の温熱治療用シャワー装置。 【請求項3】温熱治療用シャワー装置本体内周に前記内周が近接する身体皮膚面と接する水密パッキンを設けた請求項1または2記載の温熱治療用シャワー装置。 【請求項4】噴出部支持手段と対向する身体皮膚面の露出部以外の皮膚面を覆うカバーと、前記露出部周辺のカバー縁を身体皮膚面に押圧するカバー縁押圧手段を設けた請求項1ないし3のいずれか1項記載の温熱治療用シャワー装置。 【請求項5】流下水導出手段から導出した流下水を貯水する貯水手段と、貯水した流下水を加熱する加熱手段と、加熱した流下水を温水噴出部に循環する循環路および循環のための圧送手段を設けた請求項1ないし4のいずれか1項記載の温熱治療用シャワー装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は温熱治療に用いる装置で、特に部分シャワー浴による温熱作用により、物理療法を行うシャワー装置に関する。 【0002】 【従来の技術】病院などで行われる温熱治療は、骨折後遺症、打撲、捻挫、関節拘縮、リウマチ、腱鞘炎、筋痙性等に対する鎮静効果、運動療法その他リハビリテーション療法の前処置としての筋緊張を緩和する効果を目的として施術されている。これは温熱作用によるもので、温熱作用は体温よりわずかに高い温度で血行を促進させ、生理的諸機能も活性化させ膝関節痛、慢性関節リウマチ等にも温熱による鎮静効果が有効である。この温度が高くなるにつれて温熱による効用はますます盛んになるが、ある程度以上に達すると熱傷を起こしてしまうので注意が必要である。 【0003】温熱を用いた治療法としては、温熱治療が一般的に行われている。これは主に湿熱ホットパックを用いる湿熱式とエレクトロホットパックを用いる乾熱式に大別できる。湿熱ホットパックは、シリカゲルやベントナイトを木綿の袋でパック状にしたものを熱水に十分浸したのち、バスタオルなどにくるみ患部に置いて温める。シリカゲルは吸水力が大きい(吸水後は約3倍の重量になる)うえに、30分以上の熱放出が可能である。エレクトロホットパックはニクロム線などに通電し蓄熱しパック状にしたものである。 【0004】熱の伝導効果を考えると、湿熱が乾熱よりもすぐれている。すなわち、水や水蒸気の伝導率は空気よりも大きいので同一温度のホットパックであれば、生体への熱伝導は湿熱のほうが乾熱より大きくなる。また、ホットパックは処方部位の形状に合わせたパックの大きさや形を決めて使用される。 【0005】次にホットパックの具体使用例を示す。シリカゲルやベントナイトを木綿の袋でパック状にしたものを熱水(80〜90℃)に十分浸したのち、バスタオルなどにくるみ患部に置いて温める。シリカゲルは吸水力が大きい(吸水後は約3倍の重量になる)うえに、30分以上の熱放出が可能である。これらの特徴から、ホットパックは多くの場合湿熱療法として用いられる(湿熱ホットパック)。パックをビニールでくるみ、その上からバスタオルを巻く方法は蒸気や水蒸気を遮断することになるため乾熱療法になる。恒温浴(ハイドロコレータ)からホツトパツクを取り出しバスタオルでパックを8〜10枚重ねにして患部に処方する湿熱と、パックをビニールで包んだあとにバスタオルを重ねる乾熱の温度変化の相違は、乾熱ホットパックの外層温度は湿熱の場合と比較して時間経過毎に高い値を示している。これは湿熱ホットパックの熱伝導が乾熱に比べ、はるかによいことを示している。生体に両ホットパックを用いたときの結果では、パック施行時の皮膚温(乾熱3枚め、湿熱10枚めの温度比較)ではタオル枚数の違いがあるにもかかわらず、乾熱に比べ湿熱が高くなっているが、パック除去後の皮膚温は逆転している。この皮膚温逆転は、下着に相当するタオルが水分を吸収した結果生じた現象で、気化熱と水の熱伝導率の大きさにより、湿熱ホットパック除去後の皮膚温の低下を引き起こしたと解釈されている。 【0006】またホットパック施術中の皮膚温上昇の分布を見ると、図7に示すように、矩形ホットパックの中心部に近い部分の平均皮膚温と、外周部に近い部分の平均皮膚温の比較では、中心部平均皮膚温がピーク時で40℃程度まで上がるが、外周部平均皮膚温はピーク時で37℃程度の上昇にとどまっている。つまりピーク時比較で中心部平均皮膚温は、外周部平均皮膚温より3℃ほど高い値を示しており、矩形の投影部分の皮膚面が一様には加温されていないことがわかる。これは図8に示すように、患者の体躯断面が楕円形であるのに対して、バスタオルでパックを8〜10枚重ねにしたものは、ホットパックのシリカゲルやベントナイトが熱水を十分含むことにより、全体の柔軟性が少なくなることに加え、バスタオルが幾重にも重ねられることにより、全体の柔軟性がより少なくなり、ほぼ平板に近い形状を保つことになる。そしてホットパック外周部が身体皮膚面に密着しにくくなることが、皮膚面の一様加温を妨げていることの要因であると考えられる。 【0007】一方、一般の温熱治療ではなく、水治療時または入浴時に患部に対して、温水による皮膚温上昇を与える治療のための入浴装置が従来から開示されている。例えば特開平6−125958号公報では体温以上の熱水を線状にして噴射箇所を相対的に移動して皮膚に噴射し、ツボを噴射するとき灸に準じた疲労回復の効果を生じさせる熱水噴射治療具が開示されている。 【0008】これは図9に示すような構成である。1は水道水などの圧力をもつ水を加熱する加熱釜、2は水道水の給水管、3は熱水送給管であつて末端部に加減バルブ4を設け、その末端部に給水管2の分岐管5を接続し、その分岐管5に加減バルブ6を設ける。7は給水栓、8は熱水送給及び中断用のバルブで、いずれも加熱釜1の外部にハンドルを有している。9は加減バルブ4、6により温度を調節した熱水を通す熱硬化性樹脂製中空断熱ハンドルであつて、熱水送給管3の末端部に耐熱可撓ゴム管10を介して連結し、先端に1〜数個のノズル孔11を穿つた金属の耐熱板12を当て、締めリング13により交換不能または交換可能に取付ける。14は中空断熱ハンドル9中に設けL形ハンドルで90°程度以内の可逆回転により注湯量を加減したり、止めたりする調節バルブである。この構成により、体温以上の熱水(体質により異なるが45℃〜70℃の範囲、平均的には50℃〜60℃)を温度調節及び噴射量調節のもとにノズル孔11から皮膚に線状に噴射し、体あるいはノズル孔11を相対的に移動して熱水を噴射する位置を変えることによりツボ(灸、マツサージ等に使用する慣用語)を探り当てると、刺激をより一層感じて灸療法と同様の熱刺激療法を施すことができるものである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】水や水蒸気の伝導率は空気よりも大きいので同一温度のホットパックであれば、生体への熱伝導は湿熱のほうが乾熱より大きくなる。熱の伝導効果を考えると、湿熱が乾熱よりもすぐれている。また温熱治療としてのホットパックは、処方部位の形状に合わせたパックの大きさや形を決めて使用している。また温熱による鎮静効果が有効に得られるように、かつ熱傷を起こさないようにタオルによる患部への熱伝導調整が細かく行われている。しかし、前述の通り、矩形ホットパックの投影部分の皮膚面が一様には加温されていないので、タオルによる患部への細かな熱伝導調整が完全には活かされていないので、従来のホットパックによる温熱治療ではこの点で課題を有している。 【0010】また一般の温熱治療ではなく、水治療時または入浴時に患部に対して、温水による皮膚温上昇を与える治療のための入浴装置でも、温熱治療としての皮膚温上昇を与えるためには、ホットパック施術と同様の患部に対する温度管理が求められるが、従来の特開平6−125958号公報では、45℃〜70℃程度の熱水を線状にして噴射する噴射ノズル孔を設け、皮膚とノズル孔の相対移動により噴射位置を相対的に変更して皮膚に熱水による熱刺激を与えるため、ノズル孔の移動に伴い、皮膚への熱量供給が変動するため、患部に対するホットパック施術と同様の温度管理が行うことが困難であり、この点でも課題を有している。 【0011】本発明ではこのような課題に対して、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる温熱治療用シャワー装置を提供するものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解決するため、身体一部の断面を芯として前記芯を包囲する断面を持つ温熱治療用シャワー装置本体と、温熱治療用シャワー装置本体に設けた前記身体を覆う略平板状の噴出部支持手段と、前記支持手段の身体対向面に設けた複数の温水噴出部と、この温水噴出部から前記身体へ噴出された温水を前記温熱治療用シャワー装置本体外部に導出する流下水導出手段を備えたものである。 【0013】上記発明によれば温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出しながら、身体に噴出された温水を流下水導出手段が、身体へ噴出された温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出することにより、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明は、身体一部の断面を芯として同芯を包囲する断面を持つ温熱治療用シャワー装置本体と、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段と、この噴出部支持手段の身体対向面に設けた複数の温水噴出部と、温水噴出部から身体へ噴出された温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出する流下水導出手段を備えたものである。 【0015】そして、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出しながら、身体へ噴出された温水を流下水導出手段が、身体に噴出された温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出することにより、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。 【0016】さらに上記に加えて、身体の特定部位は、腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢のいずれか1ヶ所または複数箇所としたものである。 【0017】そして、温熱治療用シャワー装置本体に設けた患者身体の腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢のいずれか1ヶ所または複数箇所を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部である腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢に噴出しながら、身体に噴出された温水を流下水導出手段が、身体に噴出された温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出することにより、患部である腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。 【0018】さらに上記に加えて、温熱治療用シャワー装置本体内周に内周が近接する身体皮膚面と接する水密パッキンを設けたものである。 【0019】そして、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患者患部へ噴出し、施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与える際に、温熱治療用シャワー装置本体外周に設けた身体皮膚面と接する水密パッキンにより、温熱治療用シャワー装置本体外に噴出温水が流出することを防ぐことができる。 【0020】さらに上記に加えて、噴出部支持手段と対向する身体皮膚面の一部を露出し、露出部以外の皮膚面を覆うカバーと、露出部周辺のカバー縁を身体皮膚面に押圧するカバー縁押圧手段を設けたものである。 【0021】そして、温熱治療用シャワー装置本体に設けた患者身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患者患部に噴出し、施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与える際に、噴出部支持手段と対向する患者身体皮膚面の一部露出部以外の皮膚面を覆うカバーの露出部周辺のカバー縁をカバー縁押圧手段が身体皮膚面に押圧することにより、露出部以外の皮膚面が噴出温水により濡れることを防ぐことができる。 【0022】さらに上記に加えて、流下水導出手段から温熱治療用シャワー装置本体外部に導出した流下水を貯水する貯水手段と、貯水した流下水を加熱する加熱手段と、加熱した流下水を温水噴出部に循環する循環路および前記循環のための圧送手段を設けたものである。 【0023】そして、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出し、流下水導出手段が温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出し、貯水手段が流下水導出手段から導出した流下水を貯水し、加熱手段が貯水した流下水を加熱し、圧送手段が循環路から加熱した流下水を温水噴出部に循環することにより、温水の供給ができない温水配管のない場所でも、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。 【0024】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。 【0025】(実施例1)本発明の実施例1について、図1、図2、図3および図4を参照しながら説明する。図1は同実施例の温熱治療用シャワー装置本体の断面詳細図、図2は同実施例の温熱治療用シャワー装置のシステム構成図、図3は同実施例の温熱治療用シャワー装置の温水噴出部の詳細図、図4は同実施例の温熱治療用シャワー装置の水密パッキンの詳細図である。 【0026】図2において、15は身体の特定部位としての腰の断面を芯として、この芯を包囲する断面を持つ円筒形のシャワー装置本体、16はシャワー装置本体15最下部に設けた流下水導出手段、17は流下水導出手段16からの導出水を貯水する貯水手段、18は貯水手段17に貯水された流下水を加熱する加熱手段、19は貯水手段17に貯水した流下水をシャワー装置本体15内まで循環するための循環路、20は流下水をシャワー装置本体内まで循環させるための圧送手段、21は循環水の温度、流量を監視する温度・流量センサー、22は温度・流量センサー21からの入力に基づいて加熱手段18の加熱および圧送手段20の圧送出力を制御する制御手段である。流下水導出手段16は流下水を貯水手段17までの連通管に重力により導出を行う開閉弁付き導管であるが、ポンプも考えられる。貯水手段17は断熱性容器で構成される。加熱手段18はシーズヒーターその他の電熱式ヒーターで構成されるが、燃焼熱を利用するものも考えられる。この場合加熱能力は供給電力に制限されない利点がある。圧送手段20は容積型ポンプ、温度・流量センサー21はサーミスタおよび羽根車型流量計の複合センサー等で構成される。 【0027】図1は、シャワー装置本体15を開いた状態の詳細を示す。シャワー装置本体15は円筒形の中心軸を通る水平面を境に蝶番構造により開閉可能な構成としてある。23はシャワー装置本体15に設けた身体の腰を覆う略平板状の噴出部支持手段で、支持手段23の身体対向面には複数の温水噴出部24が設けてある。25はシャワー装置本体15内側底面に備えた身体支持部、26は身体支持部25下方に設けた流下水導管である。流下水導管26は身体支持部25両側に溜まった流下水のうち、流下水導出手段16と反対側に溜まった流下水を流下水導出手段16側へ導くように水勾配をとった導管である。 【0028】図3は、温水噴出手段24の具体構成を示す。27は流体を旋回する旋回チップであり、同一円周上に3カ所の旋回部である旋回孔28と旋回孔の略中心に中心孔29が設けられている。3カ所の旋回孔28は、それぞれの旋回孔28から出る旋回流が均等となるように、開口面積が等しく、また、円周を3等分するように設けられている。そして3カ所の旋回孔28は流入した流体を旋回するように所定の角度がつけられている。また、中心孔29は、旋回孔28からの旋回流の中心流れを形成する。30は旋回チップ27下流側に設けられ、旋回孔28で旋回されたそれぞれの旋回流が混合する旋回室であり、旋回流を安定させている。また、旋回室30には旋回された流体を噴出する噴出孔31が設けられている。 【0029】図4において、32はシャワー装置本体15の円筒端部両側の上方に取り付けた水密パッキン(A)、33はシャワー装置本体15の円筒端部両側の下方に取り付けた水密パッキン(B)である。水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33は、身体を芯としてシャワー装置本体15を閉じた際に芯である身体断面積よりやや小さい断面の開口を持つように柔軟性・弾力性のある材料で成形したもので発泡ウレタンの成形品が考えられる。水密パッキン(A)32の外周はシャワー装置本体15の内周上方である半円状縁に密着固定してある。同様に水密パッキン(A)33の外周はシャワー装置本体15の内周下方である半円状縁に密着固定してある。 【0030】次に動作、作用について説明する。治療を受けたい人(患者と記す)は患部である腰を上にして腹部を身体支持部25に載せる。この腰を芯として、この芯を包囲する形にシャワー装置本体15を閉じる。このとき腰の位置は、患部と支持手段23が対向するように調節した上で、シャワー装置本体15を閉じる。シャワー装置本体15を閉じた際に芯である患者身体断面積よりやや小さい断面の開口を持つ水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33が患者身体に押圧されることにより、患者身体と水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33の間隙がなくなり、シャワー装置本体15の円筒形端部と患者身体との間隙は水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33で閉じられる。 【0031】貯水手段17には予め設定量の温水を貯水しておく。その後、制御手段22が温度・流量センサー21からの入力に基づいて圧送手段20二次側の温度・流量を温熱治療に適当な値になるように加熱手段18の加熱および圧送手段20の圧送出力を制御する。そして温熱治療に適当な温度・流量の温水を圧送手段20が循環路19を通じてシャワー装置本体15内まで循環する。そして制御された二次側温水が噴出部支持手段23の身体対向面に複数設けた温水噴出部24から患部めがけて噴出する。 【0032】温水噴出手段24の内部動作としては、温水が旋回チップ27において、開口面積比で流体は3カ所の旋回孔28と中心孔29の各流路に分けられる。旋回孔28に入った流体は、旋回力を有する旋回流となり旋回室30に至る。旋回室30では、旋回孔28からの旋回流が、中心孔29から噴出孔31に形成されている軸流れを中心に旋回、混合され、安定した旋回流となる。そして、軸流れをもつ旋回流は噴出孔31から噴出される。そして患部に温水を霧状の噴霧とし、各温水噴出手段24の近接対向面の皮膚表面に噴霧する。略平板状の噴出部支持手段23のほぼ全面に温水噴出手段24を設けてあることにより、各温水噴出手段24と近接対向面の皮膚表面の距離は、ほぼ均一になっており、患部全面に均一な温水の温熱作用を与え、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、温熱治療としての皮膚温上昇を与えることができる。 【0033】噴出され、温熱治療としての皮膚温上昇を与えた後の流下水は、シャワー装置本体15最下部に設けた流下水導出手段16から貯水手段17までの導出され、再度、温度・流量を温熱治療に適当な値になるように加熱手段18により加熱され、圧送手段20により循環路19を通じてシャワー装置本体15内まで循環する。シャワー装置本体15の形状、およびシャワー装置本体15の円筒形端部と患者身体との間の水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33により、閉じられた空間の中での温水噴出になり、温水から身体へ与える熱量以外の熱ロスを少なく抑えることが出来るので、再度、温度・流量を温熱治療に適当な値になるように加熱手段18により加熱される際の加熱手段18への入力エネルギーを少なく抑えることができる。 【0034】なお、本実施例では、患部を腰として説明したが、上肢または他の身体部位に対してもシャワー装置本体15の形状を工夫することで容易に対応できる。 【0035】(実施例2)本発明の実施例2について、図5を参照しながら説明する。図5は同実施例の温熱治療用シャワー装置の構成図である。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。 【0036】図5において、34は貯水手段17に貯水され圧送手段20から圧送されてくる流下水を瞬間加熱する瞬間加熱手段、35は温度・流量センサー21からの入力に基づいて瞬間加熱手段34の加熱および圧送手段20の圧送出力を制御する制御手段(B)である。瞬間加熱手段34は温水流路の一部壁面をセラミックヒーターその他電熱式ヒーターで構成し、流路延長を蛇行型流路により十分に取ったものが考えられる。 【0037】次に動作、作用について説明する。患者は患部である腰を上にして腹部を身体支持部25に載せる。この腰を芯として、この芯を包囲する形にシャワー装置本体15を閉じる。このとき腰の位置は、患部と支持手段23が対向するように調節した上で、シャワー装置本体15を閉じる。シャワー装置本体15を閉じた際に芯である患者身体断面積よりやや小さい断面の開口を持つ水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33が患者身体に押圧されることにより、患者身体と水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33の間隙がなくなり、シャワー装置本体15の円筒形端部と患者身体との間隙は水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33で閉じられる。 【0038】貯水手段17には予め設定量の温水を貯水しておく。その後、制御手段35が温度・流量センサー21からの入力に基づいて圧送手段20二次側の温度・流量を温熱治療に適当な値になるように瞬間加熱手段34の加熱および圧送手段20の圧送出力を制御する。そして温熱治療に適当な温度・流量の温水を圧送手段20が循環路19を通じてシャワー装置本体15内まで循環する。そして制御された二次側温水が噴出部支持手段23の身体対向面に複数設けた温水噴出部24から患部めがけて噴出される。この場合実施例1と異なり、圧送手段20二次側の温度・流量をリアルタイムで変更することが出来るので、患部全面に均一な温水の温熱作用を与え、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現できることに加えて、段階的に温度を上げて行く、温度・流量を変動させる等のプログラム制御を行い易い構成である。 【0039】(実施例3)本発明の実施例3について、図6を参照しながら説明する。図6は同実施例の温熱治療用シャワー装置本体の断面詳細図である。なお上記実施例と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。 【0040】図6において、36は中央に孔が空いたカバーで噴出部支持手段23と対向する患者身体皮膚面の一部を露出し、露出部以外の皮膚面をシャワー装置本体15の円筒端部両側の上方内側に一部が取り付けてある。材質はナイロンその他防水性のある繊維で織り上げた撥水加工を施してある布で覆う形状になっている。37はカバー縁押圧手段でカバー36の中央孔周辺縁の上方のシャワー装置本体15の円筒端部両側の上方内側に取り付けられた弾力性のある突起で、取り付け部から身体皮膚面まで届くための十分な長さと剛性を有している。材質はウレタンゴム等が適当である。突起先端はカバー36の中央孔周辺縁を押圧するに足る幅およびピッチを有している。 【0041】次に動作、作用について説明する。患者は患部である腰を上にして腹部を身体支持部25に載せる。この腰を芯として、この芯を包囲する形にシャワー装置本体15を閉じる。このとき患部中心がカバー36中央孔中心に合うように腰の位置を調節した上で、カバー36を身体皮膚面に敷いた後、シャワー装置本体15を閉じる。同時にカバー縁押圧手段37の先端突起がカバー36の中央孔周辺縁を身体皮膚面に押圧する。シャワー装置本体15を閉じた際に芯である患者身体断面積よりやや小さい断面の開口を持つ水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33が患者身体に押圧されることにより、患者身体と水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33の間隙がなくなり、シャワー装置本体15の円筒形端部と患者身体との間隙は水密パッキン(A)32および水密パッキン(B)33で閉じられる。 【0042】貯水手段17には予め設定量の温水を貯水しておく。その後、制御手段22が温度・流量センサー21からの入力に基づいて圧送手段20二次側の温度・流量を温熱治療に適当な値になるように加熱手段18の加熱および圧送手段20の圧送出力を制御する。そして温熱治療に適当な温度・流量の温水を圧送手段20が循環路19を通じてシャワー装置本体15内まで循環する。そして制御された二次側温水が噴出部支持手段23の身体対向面に複数設けた温水噴出部24から患部めがけて噴出する。 【0043】温水噴出部24から患部めがけて噴出した温水はカバー36表面を流下し、シャワー装置本体15最下部に設けた流下水導出手段16から貯水手段17までの導出され、再度、温度・流量を温熱治療に適当な値になるように加熱手段18により加熱され、圧送手段20により循環路19を通じてシャワー装置本体15内まで循環する。 【0044】なお、カバー36はシャワー装置本体15の円筒端部両側の上方内側に着脱自在に取り付けてある構成とし、カバー36中央孔の位置および大きさ別に複数種類のカバー36から選択して取り付ける構成とすれば、患部の大きさ、位置により適切なカバー36を選択でき、患部の大きさ、位置に対応することができる。 【0045】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出しながら、身体に噴出された温水を流下水導出手段が、身体に噴出された温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出することにより、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。 【0046】またシャワー装置本体により閉じられた空間の中での温水噴出により、温水から身体へ与える熱量以外の熱ロスを少なく抑えることが出来る。 【0047】また、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢のいずれか1ヶ所または複数箇所を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部である腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢に噴出しながら、患者身体に噴出された温水を流下水導出手段が、患者身体に噴出された温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出することにより、患部である腰背部、肩峰肩甲頚部、上肢、下肢に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。 【0048】また、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出し、施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与える際に、温熱治療用シャワー装置本体外周に設けた身体皮膚面と接する水密パッキンにより、温熱治療用シャワー装置本体外に噴出温水が流出することを防ぐことができ、温水の飛び散り等により施術中に不快になることを防ぐ。 【0049】また、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出し、施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与える際に、噴出部支持手段と対向する身体皮膚面の一部露出部以外の皮膚面を覆うカバーの露出部周辺のカバー縁をカバー縁押圧手段が身体皮膚面に押圧することにより、露出部以外の皮膚面が噴出温水により濡れることを防ぎ、施術後の濡れた皮膚による不快感を防ぐことができる。 【0050】また、温熱治療用シャワー装置本体に設けた身体の特定部位を覆う略平板状の噴出部支持手段の身体対向面に支持された温水噴出部から、温水を患部に噴出し、流下水導出手段が温水を温熱治療用シャワー装置本体外部に導出し、貯水手段が流下水導出手段から温熱治療用シャワー装置本体外部に導出した流下水を貯水し、加熱手段が貯水した流下水を加熱し、圧送手段が循環路から加熱した流下水を温水噴出部に循環することにより、温水の供給ができない温水配管のない場所でも、患部に対してホットパック施術と同様のきめ細かな温度管理が実現でき、かつ施術したい患部に対して温熱治療としての一様な分布の皮膚温上昇を与えることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−342148 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−150980 |
|