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【発明の名称】 人工膝関節インプラント、大腿骨膝関節インプラント、及び大腿骨膝関節インプラントと共に使用されるためのモジュ―ル
【発明者】 【氏名】ジョン インサル

【氏名】マーク ヘルドレス

【氏名】ビンス ウェブスター

【氏名】スティーブ ザワズキ

【氏名】ロイ ヨシカズ ホリ

【氏名】大国 恭子

【氏名】オードリー ベックマン

【氏名】ウィリアム ロール

【要約】 【課題】拡張された屈曲域を有する人工膝関節インプラントを提供すること。

【解決手段】大腿骨膝関節インプラントは関節の第四区画を含む。第一に、大腿骨要素の上後顆部分の厚みを増加させ、後顆の上側後部の端部を広げることによって、上後関節表面が与えられる。第二に、上後顆に新しく作りだされた表面が滑らかに丸められて、表面形状において急な変化のない関節表面を提供する。一つの実施形態においては、本発明の第四関節区画が一つ部品大腿骨設計で提供される。他の実施形態においては、本発明の第四関節区画が既存の従来技術の大腿骨要素にモジュール式に追加されるように提供される。他の実施形態においては、第四関節区画が、カムの棘への低い係合を特徴とする脛骨柱とそれと協働する大腿骨カムとを含む後側安定化人工膝関節全置換術設計と結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脛骨関節表面を備える脛骨要素と、膝蓋フランジを形成するために共に結合される弓状の内側顆と外側顆とを備える大腿骨要素を含み、前記内側顆と前記外側顆の各々が、遠位顆と、後顆と、上顆とを含み、前記後顆の上向き面が前側の前記膝蓋フランジに向かって延ばされており、前記膝蓋フランジと、前記遠位顆と、前記後顆と、前記上顆とが脛骨関節表面と関節接合するために外周に延びる滑らかな関節表面を定めるように、前記上顆が前記後顆の前記上向き面に形成されており、前記上顆は膝蓋フランジに向かって戻るように関節表面を延ばして、脛骨要素に対する大腿骨要素の少なくとも160度の屈曲能力を提供する、人工膝関節インプラント。
【請求項2】 前記大腿骨要素は、膝蓋フランジと背中合わせの箱型部分前面と、遠位顆と背中合わせの箱型部分遠位面と、後顆と背中合わせの箱型部分後面とによって定められる中空内側部分をさらに含み、前記箱型部分前面と前記箱型部分遠位面とが箱型部分前側面取り面によって結合され、前記箱型部分遠位面と前記箱型部分後面とが箱型部分後側面取り面によって結合され、箱型部分遠位面と箱型部分後面との間の開先角度は90度よりも小さい、請求項1に記載の膝関節インプラント。
【請求項3】 前記大腿骨要素は、膝蓋フランジと背中合わせの箱型部分前面と、遠位顆と背中合わせの箱型部分遠位面と、後顆と背中合わせの箱型部分後面とによって定められる中空内側部分をさらに含み、前記箱型部分前面と前記箱型部分遠位面とが箱型部分前側面取り面によって結合され、前記箱型部分遠位面と前記箱型部分後面とが箱型部分後側面取り面によって結合され、前記遠位顆は最も突き出ている遠位点において接線を有し、前記箱型部分遠位面は前記接線から後方へ離れるように広がっている、請求項1に記載の膝関節インプラント。
【請求項4】 前記脛骨要素は、前記脛骨関節表面から延びる棘をさらに含み、前記棘は、前記脛骨関節表面から最も離れている上部面と、関節表面とを有し、前記大腿骨要素は各上後顆の間にカムを含み、前記カムは関節表面を有し、前記カム関節表面は、前記大腿骨要素と前記脛骨要素とが互いに対して90度を越えて屈曲されると共に前記棘関節表面に接触する垂直位置を変化させ、前記カム関節表面と前記棘関節表面との間の接触部から前記棘上部面までの距離は90度における距離よりも130度における距離の方が大きい、請求項1に記載の膝関節インプラント。
【請求項5】 前記カム関節表面と前記棘関節表面との間の接触部から前記棘上部面までの前記距離は130度から160度までの屈曲角度に対してはほぼ同じである、請求項4に記載の膝関節インプラント。
【請求項6】 前記脛骨要素は、前記脛骨関節表面から延びる棘をさらに含み、前記棘は、前記脛骨関節表面から最も離れている上部面と、関節表面とを有し、前記大腿骨要素は各上後顆の間にカムを含み、前記カムは、第一棘接触部分と同第一棘接触部分よりもさらに後方に設けられている第二棘接触部分とを有する非円柱状関節表面を有する、請求項1に記載の膝関節インプラント。
【請求項7】 前記第一棘接触部分は第一円を定める第一半径を有し、前記第二棘接触部分は第二円を定める第二半径を有しており、前記第一棘接触部分は前記第一円の円弧であり、前記第二棘接触部分は前記第二円の円弧であって、前記第二棘接触部分は前記第一円の円周よりもさらに後方へ延びている、請求項6に記載の膝関節インプラント。
【請求項8】 前記カム関節表面は湾曲表面をしていて、前記湾曲表面の半径は前記第一棘接触部分から前記第二棘接触部分にかけて増加していく、請求項6に記載の膝関節インプラント。
【請求項9】 前記第一棘接触部分は半径を有し、前記第二棘接触部分は半径を有し、前記第二棘接触部分の前記半径は前記第一棘接触部分の前記半径よりも大きい、請求項6に記載の膝関節インプラント。
【請求項10】 前記カムは第三棘接触部分を有し、前記第三棘接触部分は、前記第二棘接触部分よりもさらに後方に設けられており、前記第二半径よりも小さい第三半径を有する、請求項9に記載の膝関節インプラント。
【請求項11】 前記第三棘接触部分は前記後顆よりもさらに後方へ延びている、請求項10に記載の膝関節インプラント。
【請求項12】 内側箱型部分と、脛骨表面との関節接合のための関節表面とを有する大腿骨膝関節インプラントと共に使用されるためのものであり、背面と上面とを備え、前記背面が前記内部箱型部分の一部分に着座するような形状にされ、前記上面が前記関節表面の延長部を形成するような形状にされており、前記上面は前記関節表面と機能上融和して、前記背面が前記内部箱型部分の一部分に着座させられているときに前記大腿骨インプラントの前記脛骨表面でのさらに範囲の広い関節接合を可能とさせる、大腿骨膝関節インプラントと共に使用されるためのモジュール。
【請求項13】 脛骨表面と関節接合するためのものであり、前記脛骨表面と関節接合するための関節表面と、内側表面を定める箱型部分と、背面と上面とを備えるモジュールとを備える大腿骨膝関節インプラントであって、前記背面が前記箱型部分の一部分に着座するような形状にされ、前記上面が前記関節表面の延長部を形成するような形状にされ、前記上面は前記関節表面と機能上融和して、前記背面が前記箱型部分の一部分に着座させられているときに大腿骨インプラントの前記脛骨表面でのさらに範囲の広い関節接合を可能とさせる、大腿骨膝関節インプラント。
【請求項14】 膝蓋フランジを形成するために共に結合される弓状の内側顆と外側顆とをさらに備え、前記内側顆と前記外側顆の各々は、遠位顆と後顆とを含み、前記膝蓋フランジと前記遠位顆と前記後顆とは前記大腿骨膝関節インプラントの外周に延びる前記関節表面を定め、各後顆はその最も高い先端に頂端を含み、前記関節表面は前記後顆の前記頂端で終わっており、前記関節表面が前記頂端の近くにおいては半径Rによって定められ、前記上面は前記半径Rの部分と融和して、前記関節表面の機能上滑らかな継続部分を形成する、請求項13に記載の大腿骨膝関節インプラント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疾患のある又は損傷を受けた人間の膝の関節表面を置換するための人工膝関節(膝義足)に関する。より詳細には、本発明は拡張された屈曲域を有する人工膝関節に関する。
【0002】
【従来の技術】膝関節の各関節表面を冒す疾患及び外傷は、一般には、人工膝関節全置換術(TKR)と呼称される大腿骨及び脛骨の関節接合する端部を人工大腿骨インプラント(人工大腿骨移植装置)及び人工脛骨インプラント(人工脛骨移植装置)を外科的に置換することによって、実際上、治療される。ここで、インプラントとは、整形外科において関節再建に使用されるような移植装置を意味する。痛みの無い普通の膝関節機能を回復するように互いに対して関節接合するために、これらのインプラントは低摩擦係数を示す材料から作られる。現在のTKRで使用されるインプラントは三区画設計である。すなわち、これらのインプラントは膝関節の三つの独立した関節表面を置換する。これら三つの関節表面とは、すなわち、膝蓋骨─大腿骨関節と、脛骨─大腿骨外側下関節と、脛骨─大腿骨内側下関節とである。これらのインプラントは、僅かに過伸展になる位置から約115度から130までの屈曲位置まで関節接合するように設計されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような三区画設計は、健康な人の関節が170度に近づく可動域(ROM)の能力を持つとしても、大部分の人工膝関節全置換術患者の必要性を満足することができる。しかしながら、普通は文化上の理由の結果として、膝関節の非常に高度の屈曲を得る特別の必要性を持つ人工膝関節全置換術患者もいる。東洋の多くの人々、及び西洋のある種の人々にとっては、深く膝を曲げたり、しゃがんだり、脚を下に折り曲げた状態で床に座ったりできるようにするために、患者が150度以上の可動域を達成することを許容する人工膝関節全置換術が所望される。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような高度な屈曲の要求を満足するために、本発明は、第四の関節接合する区画、すなわち、上後大腿骨顆を提供する。従来の人工膝関節全置換術設計は全て上後顆を無視している。従来の人工膝関節全置換術インプラントの後顆の関節表面は、後顆が人工膝関節全置換術固定表面の内側後壁と交わるまで自然な湾曲を続けている。二つの表面が交わる所には、端部が形成される。単純な美的理由で、標準的な人工膝関節全置換術インプラントの後側上部の端部は小さな円縁を有していてもよい。このような人工膝関節全置換術インプラントが少しでも130度を越えて関節接合できるのであれば、その端部は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)から普通は構成されている脛骨関節表面に直接に関節接合する。このような条件は、各関節要素間の極めて小さい接触面積につながり、例外的な高摩耗速度につながり得るので、禁忌を示される。このような条件は、結局、人工膝関節全置換術の破壊及び失敗につながり得る。本発明においては、非常に高度な屈曲角度において適切な関節接合が維持されるように、上後大腿骨顆の各々に付加的な関節表面を付加するための準備がなされている。本発明の上後顆表面に沿った関節接合が企図されている。こうして、上後顆は関節の第四区画を与える。
【0005】上後関節表面は、第一に、後顆の上側後部の端部を広げるために、人工膝関節全置換術大腿骨要素の上後顆部分の厚みを増加させることによって得られる。第二に、表面形状に急な変化のない関節表面を提供するために、上後顆の新しく作りだされた表面が滑らかに丸められる。一つの実施形態においては、本発明の第四関節区画が一つ部品大腿骨設計において設けられる。他の実施形態においては、既存の従来技術の大腿骨要素にモジュール式に追加される。他の実施形態においては、第四関節区画が、棘のカムの低い係合を特徴とする脛骨柱とそれと協働する大腿骨カムとを含む後側安定化(PS)人工膝関節全置換術インプラントと組合せられる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1、図2、図3、図7、及び図15は、屈曲0度に位置を定められた本発明の大腿骨膝コンポネーントの実施形態を示している。特に言及されていなかったとしても、本発明の幾何学的関係はこの位置の大腿骨膝関節インプラントについての説明である。
【0007】図1は、本発明による一つ部品大腿骨膝関節インプラント1の例を示している。大腿骨膝関節インプラント1は、膝蓋フランジ4を形成する前面において共に結合されている弓状の内側顆2と(図示されていない)外側顆とを含む。内側顆2と外側顆は、それぞれ、遠位顆5、後顆6と、上顆7とを含む。膝蓋フランジ4と、遠位顆5と、後顆6と、上顆7とは、膝関節インプラント1の外周に延びる滑らかな関節表面を定める。膝関節インプラント1の内側が箱型部分9によって定められる。箱型部分9は、箱型部分前面10と、箱型部分遠位面11と、箱型部分後面12とを含む。箱型部分前面10と箱型部分遠位面11とが前側面取り面13によって融和されている。箱型部分遠位面11と箱型部分後面12が後側面取り面14によって融和されている。本発明の四区画膝関節は165度の範囲で曲を調節する。
【0008】本発明の上顆7を提供するために、後顆6の上側の面が前側フランジ4に向かって延長されており、関節表面が従前の大腿骨インプラントの場合よりもさらに周囲を取り巻いて前方へ戻って延びるようにさせている。後顆の上向き面を拡張することは幾通りかの方法でなされ得る。図1に示されるように、後顆全体は、箱型部分後面12が後顆6の外側表面からもっと遠く、箱型部分前面10のもっと近くになるように厚みを持たされている。このことは後顆の上向き面を広くさせて、上顆7を形成するために関節表面が延長され得るようにする。代替的には、後顆が上向き面から材料を除去することによって短くされることができ、この上向き面において後顆は先細りになり始め、このように材料を除去することは、上顆へ形成され得るより厚い上向き面をそのまま残す効果を有する。さらに別の代替実施形態は、箱型部分後面12が箱型部分遠位面11となす角度を変化させることである。これら二つの面の間の開先角度をより小さくすることによって、後顆の上向き面がより広くされて、上顆7を与える。
【0009】この角度の変更をすることはさらに図2の実施形態へとつながる。図2の実施形態においては、上顆20に十分な幅を与えるために、箱型部分後面16と箱型部分遠位面18との間の角度が90度よりも小さくされている。点線22は、典型的な従来技術の大腿骨要素の箱型部分後面の角度を示している。大腿骨要素を容易に移植可能であるようにするためには、箱型部分後面16と箱型部分前面24とが平行又は箱型部分開口部に向かって僅かに広がっていなければならない。したがって、箱型部分後面16が内側へ向いた角度に曲げられている図2に示されるように、箱型部分前面24を外側へ向いた角度に曲げる必要があるであろう。点線26は、典型的な従来技術の大腿骨要素の箱型部分前面の角度を示している。
【0010】図3は、後顆28の上向き面を前方へ動かす別の代替実施形態を示している。この実施形態においては、後面30と遠位面32と前面34と面取り面36及び38とを含む箱型部分全体が内側顆─外側顆軸線を中心として回転させられて、前顆40を短くさせ、後顆28を前方へ延ばして、さらに僅かに上方へ延ばしている。次に、上顆42が後顆28の上向き面に形成され得る。点線44は、箱型部分が回転させられる前の典型的な従来技術の大腿骨要素の箱型部分及び関節表面を示している。
【0011】従来技術のインプラントにおいては、(点線の)箱型部分遠位面27は、遠位顆の最も突き出た点における接線31と平行になっている。このことは、外科医が大腿骨要素を完全に広がった状態に向きを定めることを手助けする。図3の実施形態においては、遠位表面32が接線31に対して角度を持つように回転させられている。
【0012】図4〜図7は本発明の別のモジュール式の実施形態を示している。モジュール式付加装置の使用は、従来のインプラントが四区画関節へ適合させる。インプラント50は、前面において共に結合されて膝蓋フランジ54を形成する弓状の内側顆52と外側顆53とを含む。内側顆52と外側顆53のそれぞれが遠位顆55と後顆56とから構成されている。膝蓋フランジ54と、遠位顆55と、後顆56とは、インプラント50の外周に延びる滑らかな関節表面を定める。関節表面は後顆56の頂端58で終わっている。関節表面の終端部分が半径Rで形成されている。インプラント1の内側が箱型部分59によって定められている。箱型部分59は、箱型部分前面60と、箱型部分遠位面61と、箱型部分後面62とを含む。箱型部分前面60と箱型部分遠位面61とが前側面取り面63によって融和されている。箱型部分遠位面61と箱型部分後面62とが後側面取り面64によって融和されている。
【0013】図4及び図5は関節表面モジュール65を示している。関節表面モジュール65は、前面66と、背面67と、底面68と、両側の側面69と、上面70とを含む。関節表面モジュール65の背面67と底面68とがそれぞれ箱型部分後面62と後側面取り面64とに着座する形状にされている。上面70は頂端58の近くのインプラント50の関節表面と調和する関節形状をしている。関節表面モジュール65の背面67及び底面68とがインプラント箱型部分59に着座させられるとき、関節表面モジュールの上面70は、図6及び図7に示されるように、関節表面の延長部又は上側の第四区画を形成する。延長された関節表面は、関節表面と機能上で融和して、脛骨に対する大腿骨の付加的な関節を与える。したがって、インプラントの関節から関節表面モジュールの関節へ滑らかに遷移するようにされる。図7に示される実施形態においては、関節表面モジュール65は半径Rで延びている。内側顆と外側顆の両方で同様にモジュールが使用される。関節表面モジュール65の貫通孔71と後顆の対応するねじ孔とで関節表面モジュール65がインプラント50へしっかりと取り付けられるようにする。セメント又はクリップのような他の周知の取り付け手段が使用されてもよい。
【0014】本発明の大腿骨要素は、第四の関節領域の使用により深い屈曲の能力を提供する。他の大腿骨の外形的特徴はこの改良された関節表面設計の持つ潜在能力をを最大限に活用するのを手助けする。図8〜図14は脛骨要素80と関節接合する図1の大腿骨要素1を示している。脛骨要素80は、関節表面84を有する短く先のとがった骨の突起である棘82を含む。大腿骨要素1は、関節表面92を有するカム90を含む。屈曲においては、カム関節表面92は棘関節表面84を圧迫する。この棘/カムの相互作用は、脛骨要素に対する大腿骨要素の回転の中心を作りだし、脛骨要素に対する大腿骨要素の前方亜脱臼を防ぐ。棘/カム接触部から棘の頂点までの距離は、「飛び越し高さ(jump height)」と称され、亜脱臼が起こるためにはカムは棘を飛び越えなくてはならないので、特定の棘/カムの組合せの亜脱臼抵抗の尺度となる。本発明が設計される目的となるような極端な屈曲においては、飛び越し高さは重要性を増す。同様に、しゃがむことのような活動時には負荷を増すために、棘の曲げも重要事項である。数多くの従来技術のインプラント設計においては、カムが遠位顆の上部と比較して比較的低い位置に設けられる。これらの従来技術の膝関節が深く屈曲されると、カムは棘に乗り上がり始めて、飛び越し高さが大幅に短くされることがあり、より大きな曲げモーメントにより亜脱臼の可能性及び棘を曲げる可能性が増すことにつながる。本発明においては、ジンマー社(Zimmer Inc.)によって製造及び販売されているネクスゲン(NexGen)(登録商標)コンプリートニーソリューション(Complete Knee Solution)の設計と同じようにカムの高い配置が用いられている。カムの高い配置を第四の関節区画と結び付けることによって、膝関節の極端な屈曲の潜在能力が向上する。亜脱臼抵抗の安全な水準を維持しながら、極端な屈曲が容易にされる。図8〜図14に示されるように、飛び越し高さは図8の90度から図12の約130度まで増加する。130度を越えても、カムはほんの僅か上がるだけであり、深い屈曲においてさえ大きな飛び越し高さを維持する。
【0015】図15の実施形態は、棘カム関節の飛び越し高さをさらに向上させる。図1及び図8〜図14の例のカムは機能上の関節表面において円柱状である。屈曲における飛び越し高さを増加させるために、同カムが各上後顆の間のずっと上側に配置される。飛び越し高さをさらに向上させるために、図15〜図22のカムが非円柱状に作られ、混成円又は他の幾何形状から構成される。例としての非円柱状カムが図15に示されている。カム100は、比較的平坦な部分101と、円を定める第一半径を有する第一棘接触部分102と、円を定める第二半径を有する第二棘接触部分104とを含む。第一棘接触部分102は第一半径によって定められる円の円弧である。第二棘接触部分は第一半径によって定められる円の周囲よりもさらに後方へ延びている。図15に示される実施形態においては、第一及び第二棘接触部分は卵形の関節表面102、104を形成する。カム半径が後方へ延びているので、第二棘接触点はそうでない場合よりも棘に対して低くなっている。カム100の後側延長部分は、カムを下方へ延ばさせて、図16〜図20に示されるようにより高い屈曲角度で棘とより下側で接触させる。第二棘接触部分104は大腿骨を深い屈曲において押し返させて、後側箱型部分から出る大腿部の骨が脛骨関節表面に衝突するのを防止する。カム100の上部108がカム形状を完成させている。
【0016】カム100は、代替的には、図15にも示される円を定める第三半径を有する第三棘接触部分106を含む。代替的な第三棘接触部分は、深い屈曲において脛骨に対する適切な大腿骨位置を維持するために、顆部を越えて突出している。第三部分106の半径は、第三部分106があるときには、後側カム表面の大部分及びカム関節表面の端部を形成する。
【0017】各棘接触部分の間の前述の関係を達成する一つの方法は、第一棘接触部分102から第二棘接触部分104へ前方へカム100の半径を増加させることである。第三棘接触部分106が第二棘接触部分104よりも小さくされれば、図21及び図22に示されるように関節接合する。発明の関係を達成する別な方法は、前方向/後方向に第一及び第二半径の中心をオフセットすることである。特定の半径値及び選択されたオフセット値によっては、第一及び第二棘接触表面を滑らかに融和するためには、付加的な半径が必要とされるであろう。
【0018】前出の事項は本発明の好適な実施形態を説明したものであり、設計の変更及び構成が、特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、好適な実施形態に対してなされてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。
【出願人】 【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【出願日】 平成11年(1999)3月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開平11−313845
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平11−59648