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【発明の名称】 リング状係止機構を有する股臼プロテ―ゼ
【発明者】 【氏名】ピエール・エス・オスティガイ・ジュニア

【氏名】ロバート・イー・サマリッチ

【要約】 【課題】骨の中に移植可能な外殻構成要素と、当該外殻構成要素に予め配置可能な係止部材と、当該係止部材を介して外殻構成要素に整合かつ係合可能なライナー構成要素とからなる股臼プロテーゼを提供する。

【解決手段】上記外殻構成要素は概ね凸状の骨係合用外側面と概ね凹状の内側面を有している。この外殻構成要素の内側面に当該外殻構成要素の内周の少なくとも一部分において溝が形成されている。上記ライナー構成要素は凹状の内側面と凸状の外側面を有しており、当該凸状の外側面は外殻構成要素の内側面に対して相補的かつ整合可能な形状を有している。上記係止部材に1個以上の変形可能なタブが形成されており、当該タブを介してライナー構成要素が外殻構成要素の中に固定可能となる。この場合、ライナー構成要素を外殻構成要素の中に押圧嵌合してこれらを一体接合することにより、係止部材がライナー構成要素の表面に起立する1個以上の隆起部に係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 概ね凸状の外側面と概ね凹状の内側面を有する外殻構成要素からなり、当該概ね凸状の外側面が外殻構成要素における縁領域および極領域の間に延在する骨係合面を画定し、前記概ね凹状の内側面が外殻構成要素の内周の少なくとも一部分において延在する内周溝と少なくとも1個の切欠領域を備えており、さらに、概ね凸状の外側面と概ね凹状の内側面を有するライナー構成要素からなり、当該ライナー構成要素の縁領域および極領域とこれらの領域間の形状が前記外殻構成要素の内側面に対して相補的かつ係合可能であり、さらに、前記ライナー構成要素の外側面に形成された少なくとも1個の起立した隆起部と、前記ライナー構成要素の外側面に形成された少なくとも1個の突出部とからなり、当該少なくとも1個の突出部の各々が前記外殻構成要素の少なくとも1個の切欠領域の各々の中に係合可能であり、さらに、概ね円形の基部を有する係止部材からなり、当該基部が少なくとも1個の内側に突出する変形可能なタブ部材を有しており、前記係止部材が前記外殻構成要素の内周溝の中に取り付け可能であることを特徴とする股臼外殻組立体。
【請求項2】 概ね凸状の外側面と概ね凹状の内側面を有する外殻構成要素からなり、当該概ね凸状の外側面が外殻構成要素における縁領域および極領域の間に延在する骨係合面を画定し、前記概ね凹状の内側面が外殻構成要素の内周の少なくとも一部分において延在する内周溝と少なくとも1個の切欠領域を備えており、さらに、概ね凸状の外側面と概ね凹状の内側面を有するライナー構成要素からなり、当該ライナー構成要素の縁領域および極領域とこれらの領域間の形状が前記外殻構成要素の内側面に対して相補的かつ係合可能であり、さらに、前記ライナー構成要素の外側面に形成された少なくとも1個の起立した隆起部と、概ね円形の基部を有する係止部材とからなり、当該基部が少なくとも1個の内側に突出する変形可能なタブ部材を有しており、前記係止部材が前記外殻構成要素の内周溝の中に取り付け可能であることを特徴とする股臼外殻組立体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は関節プロテーゼに関し、特に、股関節の部分的置換用または全体的置換用の股臼プロテーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】股臼プロテーゼ(acetabular prostheses)は全体的腰部プロテーゼ(hip prosthesis)の一構成要素としての使用が知られている。股臼プロテーゼは2個の分離した構成要素を含み、その内の1個は股臼の健康な骨に設けた穴の中に固定されるカップまたは外殻部材である。この股臼カップ部材は任意の患者に適合する外側形状(骨接触形状)を有することが可能である。また、この股臼カップ部材の内側形状は、通常、滑らかでほぼ球形の空孔部により特徴づけられる。この股臼カップは金属または金属合金により形成されているのが一般的である。しかしながら、場合によっては、ポリマー製の股臼カップ部材が用いられる。
【0003】この股臼カップ部材の内側形状にはライナー(内張り)要素がしばしば係合して大腿頭部に連接する低摩擦の支持面を構成する。すなわち、このライナーは股臼カップ部材の内側面との係合を可能にする大きさおよび形状の外側球状面を有している。同様に、このライナーの内側面は半球形状であって、滑らかで低摩擦の表面を有している。上述したように、大腿頭部がこのライナーの内側面内に収容されてこれと連接する。
【0004】股臼カップ部材は金属または金属合金により形成される場合が多いが、ポリマー製のカップ部材を使用することもある。また、ライナーの形成に一般に使用されるポリマーは超高分子量ポリエチレンである。しかしながら、金属、金属合金およびセラミックを含む他の材料によりライナーを形成することも可能である。
【0005】股臼プロテーゼに採用される材料および形状の如何によらず、上記の股臼カップ部材およびライナーを、通常、外科手術の途中において互いに接合する必要がある。すなわち、外科医はまず患者の股臼の中に股臼カップ部材を移植する。その後、ライナーをこの股臼カップ部材の中に別に固定する。この場合、種々のライナーの構成が存在し、その多くは対称形ではない。従って、外科医はライナーのカップ部材に対する適当な方向を決める必要がある。さらに、ライナーが適正に方向付けられると、カップ部材内の固定後にその方向を保持する必要がある。
【0006】しかしながら、股臼プロテーゼの構成によってライナーのカップ部材への係合が容易に行なえない場合があり、このような構成における係合が実際に極めて問題となっている。すなわち、これらの構成要素を接合するために特別な器具または別の構成要素が必要となり、あるいは、これらの要素を一体に永久固定することが必要である。外科手術中に係止機構を組み立てることが必要になる場合もある。このような付加的な処理工程によって、取付処理により多くの時間がかかり、外科的技量等の理由によるライナーと外殻部材との間の位置ずれが生じる可能性がある。さらに、上記の接合機構が2個の構成要素を一体固定する目的を達成し得ない恐れが常にある。
【0007】このようなライナーと外殻部材を一体に係止するための別の構成要素を使用する股臼プロテーゼの構成が数多くの特許に記載されている。このような特許の例には、米国特許第4,619,658号、同第4,770,658号、同第4,784,663号、同第4,969,910号、同第5,049,158号、同第5,171,285号、同第5,263,988号、同第5,425,779号、同第5,507,826号および同第5,658,348号が含まれる。
【0008】また、ライナーとカップ部材を接合するために別の係止機構を必要としない他の構成も知られている。しかしながら、その代わりに、締り嵌め手段のようなこれら2個の構成要素の他の形態の機械的係合手段が必要である。このような取付機構を開示する特許の例として、米国特許第4,172,296号、同第4,650,491号、同第5,376,122号、同第5,443,519号および同第5,549,698号がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、既知の股臼プロテーゼの構成が存在するが、上記ライナーとカップ部材との間の優れた取付強度を確保しつつ付加的な組立器具または付加的な構成要素を要することなく容易に組立可能な股臼プロテーゼが依然として要望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の股臼プロテーゼは骨に移植可能な外殻構成要素(または部材)と当該外殻構成要素(または部材)に係合可能なライナー構成要素を有している。さらに、係止部材が上記外殻部材の中に収容されていて、ライナー部材と外殻部材を一体に効果的かつ確実に接合する。この外殻部材は概ね凸状の骨係合用外側面と概ね凹状の内側面を有している。さらに、外殻部材の内側面内に少なくとも1個の溝部が形成されていて、当該外殻部材の内周の少なくとも一部分に対して延在している。一方、ライナー部材は内側の凹状面と外側の凸状面を有しており、この外側凸状面は外殻部材の内側面に対して相補的かつ係合可能な形状を有している。このライナーはまた少なくとも1個の隆起部を備えており、この隆起部はライナーの外側面から上昇して外殻部材の外周部の少なくとも一部分に対して延在している。
【0011】上記係止部材は、少なくとも1個の内側に突出して変形可能なタブ部材を有する概ね円形の基部を有している。好ましくは、この係止部材は外殻部材の中に予め組み立てられていて、外科手術中の股臼プロテーゼの組立を容易にする。
【0012】本発明の股臼プロテーゼはライナー部材と外殻部材の接合後にライナー部材の外殻部材に対する回転を阻止するような構造を有することが可能である。このような回転防止機構はライナー構成要素の外側面に形成した1個以上の突出部の形態として構成できる。さらに、少なくとも1個以上の切欠部が外殻部材に形成されており、この切欠部が上記突出部に対して相補的な大きさと形状を有して、各突出部が当該切欠部に係合するようになっている。
【0013】本発明のプロテーゼの利点の一つは組立が容易でライナー部材と外殻部材との間の良好な取付強度が得られることである。この場合、係止部材がライナー部材と外殻部材の接合を容易にするための補助を行なうが、この係止部材は外殻部材に予め取り付けられて外科手術中の組立をさらに容易にできる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は股臼プロテーゼの外殻構成要素(または部材)およびライナー構成要素(または部材)を接合かつ固定するための有効かつ便利な係止機構を有する股臼プロテーゼを提供する。図1乃至図4において、股臼プロテーゼ10は股臼外殻部材12、係止部材13およびライナー部材14を備えており、これらの部材はインターロック係合手段により互いに取り付け可能となっている。一般に、係止部材13が外殻部材12の中に取付けられていて、ライナー部材14を外殻部材12に対して固定する。すなわち、係止部材13に配置された変形可能なタブ部材100がライナー部材14の外側面に沿って形成された隆起部56に係合する。なお、このインターロック係合手段については、個々のプロテーゼの構成要素の説明の後に詳述する。
【0015】図5乃至図8に示すように、股臼外殻部材12は概ね凸状の骨係合面16を有するほぼ半球状の部材である。この外側面16に対向して、ほぼ半球状の概ね凹状の内側面18が備えられている。この外殻部材は赤道領域15および極領域17を有することで特徴づけられる。さらに、この外殻部材は赤道軸19および極軸21を有している。
【0016】この外側面16は、図6および図7に示すように、頂上ネジ(図示せず)を支持するための頂上穴20を備えている。さらに、骨ネジを支持するための1個以上の穴(図示せず)が外側面16を貫通していてもよい。この外殻部材12の外側面16はさらに隆起部のような表面形状部分(図示せず)を備えていて、骨に対する固定を最適化し、かつ/または、骨の内方成長(ingrowth)を助成するように構成することができる。当該技術分野における熟練者であれば、隆起部に加えて、プロテーゼの性能を最適化するために種々の付加的な表面形状部を外側面に形成できることは明らかである。
【0017】図7および図8に示すように、内側面18は赤道軸19にほぼ平行な溝部24を有している。この溝部24は外殻部12の内周において部分的または全体的に、別々の部分にまたは連続的に、延在している。図示の実施形態においては、溝部24は赤道領域15に近接して配置されており、外殻部12の縁26からは離間している。この溝部24は内側面18から外殻部12の外側面に向けて赤道軸19に平行な平面内に一定距離だけ延出している。この溝部24の寸法は、外殻部材の寸法、ライナー部材の寸法、ライナー部材上の特定の面形状の寸法および係止部材の寸法のような変数によって変化する。
【0018】この実施形態において、溝部24は約0.6mm乃至1.7mmの範囲内の高さ30と約2mm乃至4mmの範囲内の深さ32を有している。
【0019】さらに、溝部24は切欠領域28によって中断されており、この領域28は赤道軸19に対して垂直に延在している。これらの切欠領域28は図13乃至図15に示す係止部材13のタブ部材100を支持し、かつ、後述するように、ライナー部材14の突出部34に係合してライナー部材14が股臼外殻部材12に対して回転および移動しないように構成されている。これらの切欠領域28は縁26から極領域17に向けて延出している。この切欠領域28の深さ36は約1.5mm乃至4mmであり、高さ40は約2mm乃至8mmの範囲内であり、幅は約2mm乃至8mmの範囲内である。さらに、これらの切欠領域28は約30°乃至180°の範囲内の角度θで互いに分離している。
【0020】外殻部材12は種々の適当な材料により形成できる。しかしながら、一般的には、当該技術分野の熟練者に通常知られている生体許容性の(biocompatible)金属または金属合金により形成されている。
【0021】図9乃至図12に示すように、ライナー部材14は赤道領域42および極領域46を有している。さらに、ライナー部材14の赤道軸48は赤道領域42に平行に延出しており、極軸50は赤道軸48に対して垂直に延出している。ライナー部材14はまた凸状の外側面52を有しており、この面52はほぼ半球形状をしていて外殻部材12の内側面18に対して相補的になっている。さらに、ライナー部材14は凹状の内側面54を有していて、この面54は股プロテーゼ(図示せず)の大腿頭部を支持するように構成されている。当該技術分野における熟練者であれば、この内側面54が滑らかで低摩擦の面であるべきことが分かる。
【0022】ライナー部材14はさらにその縁部44の近くにおいて外側面52から突出する1個以上の回転防止突出部34を備えている。この突出部34は上述した外殻部材12の切欠領域28に対して相補的かつ係合可能な任意形状を有し得る。また、この突出部34はライナー部材14の外側面52の任意位置に配置できる。
【0023】上述したように、ライナー部材14の突出部34は外殻部材12の切欠領域28と協働して外殻部材12に対するライナー部材14の回転を阻止する。この場合、任意数によりこの目的が達成できるので、特定数の突出部34および切欠部28はライナー14の外殻部材12に対する回転阻止のために必要でない。しかしながら、一般的に言えば、ライナー部材14および外殻部材12の大きさによって、2個以上で4個乃至12個の突出部の使用が可能である。
【0024】さらに、ライナー部材14の外側面52には少なくとも1個の起立した隆起部56が設けられている。実施形態の一例においては、この隆起部56はライナー部材14の外側面52から約0.5mm乃至1.5mmだけ突出している。この隆起部56は連続的な構造であってもよく、ライナー部材14の外側面52において区分された部分に存在していてもよい。さらに、隆起部56はライナー部材14の外周に対して全体的または部分的に延在して連続的または区分された部分に存在することができる。
【0025】図12に示すように、隆起部56は赤道軸48にほぼ平行な上位壁68を有している。この上位壁68に隣接しかつこれに対して下位の位置に端部壁72があり、この端部壁72は極軸50に対してほぼ平行に延在している。さらに、この隆起部56は下位壁74を有しており、この壁74は上位壁68と同様に赤道軸48とほぼ平行に延在している。また、他の実施形態においては、上位壁68および/または下位壁74が端部壁72に対して鋭角を成していてもよい。
【0026】上記隆起部56の寸法およびその種々の構成要素は外殻部材12、係止部材13およびライナー部材14の相対的な大きさ並びに所望の取付強度によって変化し得る。上述したように、多数個の隆起部56をライナー部材12の外側面52の外周に対して延在させることができる。図10は各隆起部56が突出部34に対して上方に整合配置されて外側面52の外周に約30°の角度αで延在している実施形態を示している図である。なお、当該技術分野における熟練者であれば隆起部56が種々のあるいは別の角度で互いに離間し得ることが明らかである。
【0027】隆起部56はライナー部材14の外側面52に一体成形してもよい。実施形態の一例においては、この隆起部56は縁部44の上方に位置する外側面52の部分82に一体に形成されている。この隆起部56と突出部34は協働してライナー部材14の下位部84に凹所85を形成する。この凹所85は隆起部56の下位壁74により定められる上方位置と突出部34の上位壁87により定められる下方位置を連接する。
【0028】次に、図13,14および図15において、係止部材13が少なくとも1個の突出した変形可能なタブ部材100を有する概ね円形の基部96を備えて示されている。この基部96は平坦なワイヤ、あるいは他の実施形態においては、丸いワイヤにより構成することができる。係止部材13は赤道軸98を有しており、この軸98は当該係止部材13の外殻部材12内への取付時に外殻部材12の赤道軸19に平行に延在する。好ましくは、係止部材13は外殻部材12の溝部24の中に予め組み立てられて、外科手術中における股臼プロテーゼの組立を容易にするように構成されている。上記基部96は取付用切欠部(installation notch)108を備えていて係止部材13の股臼外殻部材12内への挿入が容易になっている。すなわち、この切欠部108は基部96の部分的変形(すなわち半径方向の圧縮)を可能にして係止部材13の外殻部材12内への挿入を容易にする。この基部96の寸法は外殻部材12の寸法および突出部34のようなライナー部材14に存在する特定の表面形状の寸法のような変数によって異なる。
【0029】さらに図15に示すように、変形可能なタブ部材100は係止部材13の円形基部96に一体成形できる。このタブ部材100は赤道軸98に対して傾けることができ、これによって、このタブ100が上向き(すなわち外殻部材12の極領域17に向く)になる。さらに、このタブ部材100は基部96の周りに互いに約20°乃至90°の範囲内の角度αを成して配列される。基部96から先端部118までのタブ部材100の長さ110は約1.5mm乃至3.5mmである。当該技術分野における熟練者であれば、この変形可能なタブ部材100がライナー部材14の外殻部材12内への挿入を行なうために完全に曲げることを可能にする必要のないことは明らかに理解できる。また、タブ部材100の形状がライナー部材14の挿入を容易にするために変形可能であることも理解できる。
【0030】係止部材13はさらに付加的な形態を採ることができる。例えば、図16は、ほぼ円形断面を有するワイヤ構造に形成されたほぼ円形の基部124を有する係止部材120を示している図である。この基部124は少なくとも1個の内側に突出する変形可能なタブ部材128を備えている。各タブ部材128は基部124に一体であり、ほぼ半球状の形状を有している。この基部124もまた取付切欠部134を有していて係止部材120の股臼外殻部材への挿入が容易になっている。
【0031】次に、プロテーゼの各構成要素のインターロック係合について詳述する。図3および図4に示すように、本発明は係止部材を使用して外殻部材をライナー部材に選択的に接合するための高信頼性かつ簡便な取付機構を提供する。これら2個の構成要素を一体に取付けるために、係止部材13は、係止部材基部96を外殻部材12の溝部24内に配置することにより、外殻部材12の中に予め取付けられているのが好ましい。このように組み立てる時に、上記の変形可能なタブ部材100が外殻部材12の切欠領域28に整合する。この構成において、タブ部材100は外殻部材12の極領域17に向けて延在している。この段階において、ライナー部材14は、当該ライナー部材14の突出部34を外殻部材12の切欠領域28に整合することによって、外殻部材12の中に配置可能となる。さらに、隣接する起立隆起部56が外殻部材12の切欠領域28および係止部材13のタブ部材100に整合する。
【0032】ライナー部材14が外殻部材12の中に押し込められると、起立隆起部56が変形可能なタブ100に当接して一定の抵抗力が生じる。さらに付加的な力を加えることにより、変形可能なタブ部材100は起立隆起部56の端部壁72を乗り越えて図4に示すようにライナー部材14の下位部分84の中に収容される。従って、このような変形によって、ライナー部材14および隆起部56が外殻部材12の中に嵌合する。ライナー部材14が外殻部材12の中に適正に支持されると、変形可能なタブ部材100は部分的に変形したままになって隆起部56の下位壁74に係合し、これによって、ライナー部材14は外殻部材12に固定される。ライナー部材の挿入および配置の間のタブ部材100の変形量は、例えば、ライナー部材および当該ライナー部材の全ての表面形状の寸法、タブ部材の寸法または係止部材の材料によって変化する。
【0033】本発明のプロテーゼの利点は組立が容易であること、および、ライナー部材および外殻部材の間に良好な取付強度を与えることである。なお、上記の環状係止部材がライナー部材と外殻部材の接合を容易にする補助を行なうが、この係止部材は外殻部材の中に予め取付けられて外科手術中の組立を容易にする。また、係止部材はライナー部材を頂部側に押してその微動を抑制すると共に疲労くずの発生を減少する。
【0034】以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、当該技術分野における通常の熟練者によれば、本発明の概念を含む他の実施形態が使用可能であることが明らかである。それゆえ、本発明の実施形態は本明細書に開示する実施形態に制限されるものではなく、本明細書に記載する特許請求の範囲によってのみ制限されるものと解するべきである。なお、本明細書に引用した特許出願、公告およびその他の参考文献はそれらの内容の全てが本明細書に参考文献として含まれる。
【0035】本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)前記溝部が前記外殻構成要素の内側面の全周において延在している請求項1に記載の組立体。
(2)前記少なくとも1個のタブ部材の各1個が前記係止部材の前記内周溝部内への取付時に前記外殻構成要素の極領域に向って延出するように方向付けられる実施態様(1)に記載の組立体。
(3)前記少なくとも1個のタブ部材の各1個が約1.5mm乃至3.5mmの範囲内の距離で前記基部から突出している実施態様(2)に記載の組立体。
(4)前記少なくとも1個のタブ部材の各1個が前記基部から突出する距離が前記少なくとも1個の切欠領域の高さよりも小さい実施態様(3)に記載の組立体。
(5)前記少なくとも1個の切欠領域の各1個が前記内周溝部を交差している請求項1に記載の組立体。
【0036】(6)前記少なくとも1個の切欠領域が約1.5mm乃至4mmの高さを有している請求項1に記載の組立体。
(7)前記少なくとも1個の切欠領域が約2mm乃至8mmの深さを有している実施態様(6)に記載の組立体。
(8)前記少なくとも1個の切欠領域が約2mm乃至8mmの幅を有している実施態様(7)に記載の組立体。
(9)前記係止部材の基部が平坦ワイヤおよび丸ワイヤからなる群から選択される請求項1に記載の組立体。
(10)前記基部が平坦ワイヤであり、当該ワイヤは前記基部の前記内周溝部内への取付時に前記外殻構成要素の縁領域の平面に対して平行な平面内に配置される実施態様(9)に記載の組立体。
【0037】(11)前記ライナー構成要素が複数の起立した隆起部を有しており、各起立隆起部が前記少なくとも1個の突出部に隣接している請求項1に記載の組立体。
(12)前記少なくとも1個の突出部の各1個が前記外殻構成要素の縁領域に隣接して形成されている請求項1に記載の組立体。
(13)前記少なくとも1個の起立隆起部の各1個が約0.5mm乃至1.5mmの距離で前記ライナー構成要素の外側面から突出している請求項1に記載の組立体。
(14)前記少なくとも1個の起立隆起部の各1個が端部壁と、当該端部壁にほぼ垂直な上位壁と、端部壁に対して鋭角をなすように構成された下位壁を有する実施態様(13)に記載の組立体。
(15)前記下位壁が前記端部壁に対して約0°乃至45°の範囲内の角度をなすように構成されている実施態様(14)に記載の組立体。
【0038】(16)前記少なくとも1個の突出部を前記少なくとも1個の切欠領域に整合して前記ライナー構成要素を前記外殻構成要素の中に押し入れて、前記少なくとも1個の隆起部が前記少なくとも1個のタブ部材を当該タブ部材が前記下位壁に積極的に係合するまで変形することにより、前記ライナー構成要素および外殻構成要素が互いに整合可能となる実施態様(14)に記載の組立体。
(17)前記少なくとも1個の起立隆起部が前記ライナー構成要素の外側面の全周において連続的に延在している請求項1に記載の組立体。
(18)前記係止部材が前記円形基部に沿って形成された取付用切欠部を有している請求項1に記載の組立体。
(19)前記溝部が約0.6mm乃至1.7mmの範囲内の高さを有している請求項1に記載の組立体。
(20)前記溝部が約2mm乃至4mmの範囲内の深さを有している実施態様(19)に記載の組立体。
(21)さらに、前記ライナー構成要素の外側面に形成された少なくとも1個の突出部からなり、当該少なくとも1個の突出部の各1個が前記外殻構成要素の少なくとも1個の切欠領域の1個の中にそれぞれ係合可能である請求項2に記載の組立体。
(22)前記係止部材が前記円形基部に沿って形成された取付用切欠部を有している請求項2に記載の組立体。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ライナーとカップまたは外殻部材との間の優れた取付強度を確保しつつ付加的な組立器具または構成要素を要することなく容易に組立可能な股臼プロテーゼが提供できる。
【出願人】 【識別番号】594052607
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・プロフェッショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Professional,Inc.
【出願日】 平成11年(1999)3月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開平11−313843
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平11−68659