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【発明の名称】 テープファスナ付きの使い捨ておむつ
【発明者】 【氏名】下江 成明

【氏名】大西 和彰

【要約】 【課題】使い捨ておむつにおいて、テープファスナの止着の確実性を向上させる。

【解決手段】使い捨ておむつのテープファスナ21が、弾性伸縮性のテープ部材22と、テープ部材22の延出端部27の内面に取り付けられたフック部材23とで構成される。フック部材23の内縁部33は、幅方向の中央部位がテープ部材22の基端部26に向かって突出している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、互いに並行して胴周り方向へ延びる両端縁部と、これら両端縁部と交差して互いに並行して延びる両側縁部とを有し、前記両側縁部のそれぞれから前記胴周り方向へテープファスナが延出している使い捨てのおむつであって、前記テープファスナは、前記胴周り方向に弾性伸縮性を有するテープ部材と、フック部材およびループ部材で構成されるメカニカルファスナの前記フック部材とを有し、前記テープ部材が、前記胴周り方向に並行する長さ方向と、前記胴周り方向に直交する幅方向とを有し、前記長さ方向が前記おむつ側縁部に固定されている基端部と、前記おむつ側縁部から延出して前記基端部の反対端部を形成する延出端部とで構成され、前記フック部材が、前記テープ部材の延出端部内面に前記基端部から離間して取り付けられており、前記テープ部材の幅方向へ互いに対向して延びる一対の縁部のうちの前記基端部寄りに位置する内縁部が、前記テープ部材の幅方向中間部位において、前記テープ部材の基端部へ向かって突出していることを特徴とする前記おむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、テープファスナを使って着用する使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、後胴周り域の側縁部から側方へ延出するテープファスナを、前胴周り域に離脱可能に係合させて着用する使い捨ておむつは、よく知られている。かかるテープファスナの一つとして、おむつ胴周り方向に弾性伸縮性を有するテープの一端部をおむつ側縁部に固定し、その一端部の反対端部にメカニカルファスナのフック部材を取り付けたものがある。おむつを着用するときには、テープを伸長してフック部材を前胴周り域に配置したループ部材に係合させる。フック部材は多くの場合、ほぼ矩形を呈している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような伸縮性のテープファスナは、それを前胴周り域に係合させようとしてテープを胴周り方向へ伸長すると、その伸長方向と交差する幅方向がおむつ外側へ向かって湾曲し、それに伴いフック部材も湾曲することがある。そのときのフック部材は、フックが外側となるように湾曲して、係合すべき相手方のループ部材の表面から離間する方向へ動き、ループ部材に係合しにくくなる。湾曲したフック部材は、実際の表面積に比べ、有効利用される面積が実質的に少なくなる。このときには、比較的大きなフック部材を使用したにもかかわらず、高い係合力を得ることができないという問題が生じる。
【0004】この発明が課題とするのは、伸縮性テープファスナに取り付けるフック部材の面積をいかにして有効に利用するかということにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、この発明が前提とするのは、 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、互いに並行して胴周り方向へ延びる両端縁部と、これら両端縁部と交差して互いに並行して延びる両側縁部とを有し、前記両側縁部のそれぞれから前記胴周り方向へテープファスナが延出している使い捨てのおむつである。
【0006】かかる前提において、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記テープファスナは、前記胴周り方向に弾性伸縮性を有するテープ部材と、フック部材およびループ部材で構成されるメカニカルファスナの前記フック部材とを有する。前記テープ部材が、前記胴周り方向に並行する長さ方向と、前記胴周り方向に直交する幅方向とを有し、前記長さ方向が前記おむつ側縁部に固定されている基端部と、前記おむつ側縁部から延出して前記基端部の反対端部を形成する延出端部とで構成される。前記フック部材は、前記テープ部材の延出端部内面に前記基端部から離間して取り付けられており、前記テープ部材の幅方向へ互いに対向して延びる一対の縁部のうちの前記基端部寄りに位置する内縁部が、前記テープ部材の幅方向中間部位において、前記テープ部材の基端部へ向かって突出している。
【0007】
【発明の実施の形態】添付の図面を参照して、この発明に係るテープファスナ付きの使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0008】図1に部分破断斜視図で示されたテープファスナ付きの使い捨ておむつ1は、透液性表面シート2と、不透液性裏面シート3と、これら両シート2,3間に介在する吸液性コア4とを有し、前後の長手方向が前胴周り域6と、後胴周り域7と、これら両域6,7間に位置する股下域8とで構成されている。
【0009】表裏面シート2,3は、コア4の周縁から延出する部分で重なり合い、互いに接合して胴周り方向へ延びる前後端縁部11,12と、これら端縁部11,12と交差して前後方向へ延びる左右側縁部13とを形成している。後端縁部12と側縁部13とには、胴周り弾性部材14と脚周り弾性部材16とが表裏面シート2,3間に位置し、これら表裏面シート2,3の少なくとも一方の内面に伸長状態で接合している。後胴周り域7の側縁部13からは、テープファスナ21が側方へ延出している。ファスナ21は、おむつ1を着用するときに、前胴周り域6の外面に離脱可能に係合させることができる。
【0010】図2,3はテープファスナ21の詳細を示すおむつ1の部分平面図と、ファスナ21を図の上下方向において二等分する中心線C−Cに沿って切断したときの面を示す図である。ファスナ21は、胴周り方向に弾性伸縮性を有するテープ部材22と、フック部材およびループ部材からなるメカニカルファスナのフック部材23と、非伸縮性シート部材24とで構成されている。
【0011】テープ部材22は、おむつ胴周り方向に並行する長さ方向と、胴周り方向に直交する幅方向とを有し、おむつ側縁部13において表裏面シート2,3の少なくとも一方に固定されている基端部26と、側縁部13から側方へ延出して基端部26の反対端部を形成している延出端部27とを有し、延出端部27は、側縁部13の近傍に伸縮部位28を有する。テープ部材22は、互いに並行して胴周り方向へ延びる上下の縁部31,32を有する。
【0012】フック部材23は、テープ部材22の内面側に位置し、延出端部27のやや内側において上下の縁部31,32間に延在しているもので、テープ部材22の基端部26に近い内縁部33と基端部26から遠い外縁部34とを有する。内縁部33は、中心線C−Cの近傍の部位が、上下の縁部31,32の近傍の部位よりも、基端部26へ向かって突出するように形成されている。内縁部33と基端部26との間は、テープ部材22が胴周り方向へ伸縮可能な部位28である。外縁部34は、図においてほぼ垂直に、テープ部材22の幅方向へ延びている。
【0013】非伸縮性シート部材24は、ファスナ21の厚み方向においてテープ部材22とフック部材23との間に位置し、延出端部27の内面の一部を覆っている。シート部材24の内縁部は、フック部材23のそれに一致し、外縁部は、フック部材23のそれよりも外方へ延びて、テープ部材22の先端部分の形状に一致している。シート部材24は、テープ部材22の延出端部27の剛性を部分的に高めてフック部材23を前胴周り域6のループ部材(図示せず)に止着する操作を容易にしたり、延出端部27の先端部分を非伸縮性にしてテープファスナ21の摘持を容易にしたりすることができる。もっとも、テープファスナ21に、非伸縮性シート部材24によるこれらの作用・効果を必要としないときには、シート部材24の使用を省いてこの発明を実施することができる。
【0014】図4は、図1のIV−IV線切断面を示している。仮想線は、平坦なテープファスナ21が胴周り方向へ伸長されて、テープ部材22がおむつ1の外方へ向かって湾曲したときの状態を示している。フック部材23の内縁部33は、中心線C−C近傍のみに位置しているから、テープ部材22が湾曲しても、その影響を受けることが殆どなく、平坦な状態を維持している。
【0015】このように構成された使い捨ておむつのテープファスナ21では、フック部材23の表面積のうちの多くが中心線C−Cの近傍に集中していることによって、伸縮性テープ部材22が胴周り方向へ伸長されて、その幅方向が図4のようにおむつ1の外方へ向かって湾曲する場合でも、フック部材23は、その表面の主要な部分が殆ど湾曲せずに平坦な状態を維持し、ループ部材に容易かつ確実に止着する。かかるフック部材23は、その表面積の60〜80%が、テープファスナ21の幅全体に対して、中心線C−Cを中心とする上下25%ずつの範囲内にあることが好ましい。フック部材23の隅部30(図2参照)は、着用者の肌を刺激することがないように、半径0.5〜5mmの円弧を画いていることが好ましい。フック部材23は、その全体が図示例のようにテープ部材22に積層されていることが好ましいが、その必要性がないときには、内縁部33とその近傍のみがテープ部材22に積層され、外縁部34が非積層状態にあってもよい。
【0016】おむつ1において、各部材を固定したり接合したりするためには、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤を使用することができる。部材が熱溶融性の材料であれば、溶着技術を適用することもできる。
【0017】
【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつでは、伸縮性テープファスナの幅方向中央部位において、フック部材の内縁部をファスナの基端部方向へ突出させたから、ファスナを伸長してその幅方向がおむつの外方へ向かって湾曲する場合でも、フック部材をループ部材に対して容易かつ確実に止着することができる。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
【公開番号】 特開平11−299832
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−109689