| 【発明の名称】 |
排便・排尿検知可能おむつとそれに用いるサンプリング管 |
| 【発明者】 |
【氏名】大賀 隆裕
|
| 【要約】 |
【課題】おむつ内のガスを外部へ導出して排泄の有無を検知する場合に、おむつ内に気液分離膜を挿入して、位置決めが容易かつ対象者の運動によってずれにくい構造であり、おむつと胴部との間に隙間を作らず、既存の紙おむつの構造を極力変更せずに気液分離膜を内蔵させるような簡易かつ確実な手法を提供する。
【解決手段】紙おむつの最外層の防水シート2に、おむつ内部と外部との開口部6を設け、開口部から気液セパレータを挿入可能にするとともに、開口部において気液分離膜7と紙おむつ防水シートとを水密的に連結するコネクターを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 最内層とそれより外側層として水不通過性シート層を含む多層構造を有するおむつの前記水不通過性シート層に設けた開口部を通して、前記水不通過性シート層と前記最内層との間に、中空管に連結された撥水通気性素材からなる気液分離膜が挿入されることを特徴とする排便・排尿検知可能おむつ。 【請求項2】 前記おむつが、前記水不通過性シート層の内側に布帛層を有し、前記布帛層が前記水不通過性シート層に部分接着されて、前記水不通過性シート層と前記布帛層の間に区画された間隙を有するものであり、そして、前記中空管に連結された前記気液分離膜が前記区画された間隙に挿入される請求項1に記載の排便・排尿検知可能おむつ。 【請求項3】 前記水不通過性シート層にコネクターを有し、前記中空管が前記コネクターを通して前記おむつの前記多層構造内に挿入され、前記中空管が前記コネクターによって前記水不通過性シート層に封止される請求項1または2に記載の排便・排尿検知可能おむつ。 【請求項4】 前記中空管が前記コネクターと係合して水密封止可能なストッパーを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の排便・排尿検知可能おむつ。 【請求項5】 請求項1に記載の排便・排尿検知可能おむつに用いる、撥水通気性素材からなる気液分離膜とそれに連結した中空管とからなることを特徴とする排便・排尿検知用サンプリング管。 【請求項6】 排便・排尿検知可能おむつにに設置されたコネクターと係合して水密封止可能なストッパーを前記中空管の途中に有する請求項5に記載の排便・排尿検知用サンプリング管。 【請求項7】 前記気液分離膜が延伸多孔性ポリテトラフルオロエチレン製である請求項5または6に記載の排便・排尿検知用サンプリング管。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は排便・排尿検知可能おむつおよびそれに用いるサンプリング管に関する。これらは、おむつにより排泄介護が必要な老人、病人、乳幼児、また尿/便失禁の治療、診断を必要とする者に対し、おむつ内のガス成分のみをおむつ外へ吸引、導出し、適当なガス分析手段によって排便、排尿を検知するシステムに適用されるものである。 【0002】 【従来の技術】特開平8−159934号公報には、撥水性通気膜をガスサンプリング導管の経路に有する気体分析システムが記載されている。この発明によれば、撥水性通気膜のチューブまたはフィルムからなる気液分離膜をおむつ内に留置し、ここからおむつ内の気体のみを吸引、サンプリングして、サンプリング路の途中経路に設けられたセンサー部に導き、必要な分析、例えば、湿度あるいはアルコール系ガスや含イオウガスの分析を実施することで、排泄の有無を検知することが可能になる。 【0003】このとき、老人介護などの現場で使用される紙おむつは、対象者の胴部を外周する部分に伸縮性の素材を用い、胴部を軽く緊縛しておむつを固定すると共に排泄物が漏れないように工夫したり、あるいは特に伸縮性素材を用いないタイプのものでも胴部はやはり排泄物が漏れないように胴部を締めつけて固定するものが一般的である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のようなおむつでは、下記の如き問題がある。紙おむつは各種素材の多層構造になっているが、体表面から最も外側の層は排泄物を洩らさないようポリオレフィン系フィルムが使用されている例が殆どである。そのフィルムは水および気体も比較的通過しにくいため、排泄臭をサンプリングするにはおむつ外側からでは困難である。従って、効率的にガスサンプリングを実施するには気液分離膜部分を直接おむつ内へ挿入してガスを吸引する必要があるが、気液分離膜部が直接肌に接触するため、特に若干固いチューブ型の気液分離膜などで異物感、不快感を覚えることもある。 【0005】気液分離膜をおむつ内へ直接挿入すると、排泄物で気液分離膜が汚染されやすく、比較的短い周期で交換する必要がある。サンプリング管をおむつ外へ取り出す場合、通常は対象者の胴部を外周する部分から取り出すことになるが、サンプリング管は圧力損失を抑制するためにある程度太径のチューブが適用されるため、胴部を外周する部分に隙間を生じてしまう。従って、排泄物が漏れてしまう危険性がある。 【0006】サンプリング管が胴部肌に直接接触し、異物感・不快感を覚えることがある。気液分離膜部分のおむつ内での位置を一定に保ちにくい。設置にあたって予め設定した位置へ気液分離膜を設置する様、気を使う必要があるが、仮にそうした場合でも対象者の寝返り運動などで位置がずれやすい。位置ずれを起こしてしまうと適切な場所、即ち排泄箇所である会陰部近傍からガス吸引ができず、排便・排尿を検知できない例がある。 【0007】気液分離膜部分が比較的柔軟なフィルム状撥水性通気膜からなるパッド状である場合、対象者の寝返り運動によってパッド部がよじれた状態になり必要な気液分離面積を欠くことがある。そこで、本発明は、おむつ内のガスを外部へ吸引・導出し、しかる後に適当な手段でガス成分分析を実施して排泄の有無を検知する場合において、おむつ内の所定位置へ気液分離膜を挿入するにあたり、位置決めが容易かつ対象者の運動によってずれにくい設置であり、気液分離膜からのサンプリング管が胴部を経由せず、おむつと胴部との間に隙間を作らず、しかも既存の紙おむつの構造を極力変更せずに気液分離膜を内蔵させるような簡易かつ確実な手法を開発すると共に、その手法によって適切な気液分離膜内蔵式のおむつおよびそのために使用するサンプリング用具を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の課題をふまえ、鋭意研究を重ねた結果、紙おむつの最外層の防水シート部におむつ内部と外部との開口部を設け、該開口部から気液分離膜を挿入可能にすると共に、該開口部において気液分離膜と紙おむつ防水シートとを水密的に連結するコネクターを設けることにより実用上極めて優れた気液分離膜内蔵式のおむつが得られることを見い出した。 【0009】即ち、本発明は、最内層とそれより外側層として水不通過性シート層を含む多層構造を有するおむつの前記水不通過性シート層に設けた開口部を通して、前記水不通過性シート層と前記最内層との間に、中空管に連結された撥水通気性素材からなる気液分離膜が挿入されることを特徴とする排便・排尿検知可能おむつにある。 【0010】また、本発明によれば、この排便・排尿検知可能おむつに用いるための、撥水通気性素材からなる気液分離膜とそれに連結した中空管とからなることを特徴とする排便・排尿検知用サンプリング管も提供される。 【0011】 【発明の実施の形態】図面を参照しながら説明する。図1に示す通り、市販の紙おむつ1は体表より最も外側にポリオレフィン系素材からなる防水シート2と、この防水シート2にホットメルトで一体化されたポリエステルやポリオレフィン系材料の不織布3を有するのが一般的である。なお、不織布のほか、織布、編布などの帛布でもよい。このホットメルトはおむつの略長手方向に対し、平行線状に塗布されており、ホットメルトのライン4の間隙は防水シート2と接着しておらず封筒状の通路5を形成する。 【0012】そこで、図2の如く防水シート2の不織布3と一体化していない部分に開口部6を設け、ここから気液分離膜7を挿入してやれば、おむつ内の特に会陰部周辺に適切に気液分離膜7を設置でき、また、寝返りなどの運動によってもホットメルトのラインに妨げられて横方向へ位置がずれにくい。但し、単純に開口部を設けて気液分離膜を挿入しただけでもよいが、この開口部から排泄物が漏れる可能性があるため、図3の如く、気液分離膜のサンプリング管部分8に水密的に嵌合するコネクター9を設けるのがよい。このコネクター9は防水シート1と水密的に接着されるが、接着剤や両面テープ、ホットメルトのほか熱融着などの方法が採られる。 【0013】なお、コネクターはポリカーボネイト、ポリオレフィン、ポリエステル等の比較的硬質の合成樹脂で製造しても差し支えないが、弾性を有する合成樹脂、例えば軟質塩化ビニール、ポリウレタン、シリコーン樹脂等で製作するのが好適である。また、コネクターは、図3のように端面につばを有するチューブ状9の他、図4のような肉厚のシート状10であってよく、シート10では貫通した開口部10aを有する。チューブ9の通路(開口部)あるいはシート10の開口部を通じて気液分離膜をおむつ内に挿入する。 【0014】このとき、図5に示すように、気液分離膜7はサンプリング管8に接続するが、途中にストッパー11を設け、ストッパー11の大きさをチューブ9の内径(あるいはシート10の開口部10a)より大きくして、圧入するようにすると封止できて好適である。ストッパーあるいはコネクターの開口部にテーパを設けたり、抜け止めとなる突起を設けることができる。あるいは、開口部に対して、気液分離膜を挿入したサンプリング管をテープなどで封止するだけでもよい。 【0015】また、コネクターとストッパーの材質を、例えば、硬質素材と弾性素材で構成して、圧入による封止あるいは固定を容易化することもできる。さらに、気液分離膜に対してストッパーとコネクターを一体に形成し、防水シートには単純な開口部を設け、一体型コネクターの防水シート接触面に、あるいは防水シートの開口部の周辺に、両面テープや接着剤で固定手段を設けておいて、両者を固定するようにしてもよい。 【0016】図6のようなチューブ8途中につば12を設け、防水シートへの固定面積を増加させておくのが好ましいが、単純なチューブを防水シートの開口部に挿入し、周囲をホットメルト等で封止したものでもかまわない。つば12はサンプリング管に対し直角になる形状のほか、つば13の如く角度をつけてもよい。これらの形状はあくまでも一例であって、サンプリング管を水密的におむつ防水シート内へ導入する機能を有すればどのような構成・形状をも取りうる。 【0017】また、図7の如く、コネクター14も防水シートに対して角度をつけることができる。こうして、気液分離膜を防水シートの開口部を通しておむつ内に挿入したとき、おむつ内の気液分離膜の左右位置は挿入する封筒状の通路によって定まり(図1参照)、前後位置は図8の通り、挿入されるサンプリング管の長さによって定まる。図8(ア)は挿入されるサンプリング管が長い場合で、気液分離膜の位置が開口部から遠くにあるが、図8(イ)は挿入されるサンプリング管が短い場合で、気液分離膜の位置が開口部から近くにある。これらの位置は、例えば、対象者の性別や、排便と排尿のいずれを検知するのが目的かなどによって任意に設定可能である。気液分離膜の位置決めをより簡便・正確に行うために、前記のようにサンプリング管の途中に設けたストッパーを利用することができる。ストッパーは、図3の如く、コネクターの内径より若干大きな外径を有する例えばテーパー状の合成樹脂等で成型し、位置決めと共に弾性を有するコネクターに圧入する事で容易にシール性を高めることに役立つ。 【0018】また、図9に示すように、気液分離膜の挿入時には特に気液分離膜がチューブ状あるいは略封筒状の構造である場合、気液分離膜内部に気液分離膜全長(サンプリング管を含む)より若干短い剛性を有する棒状素材を予め挿入しておくなどして、気液分離膜部をおむつ内へ挿入しやすくすることができる。図9の16はセンサーへの取付け部を示す。 【0019】ここで、市販紙おむつの構造につき更に詳述すると図10の通り、多層構造となっているのが一般的である。上述部では防水シート1に最も近い不織布層3との間に気液分離膜を挿入したが、更に肌に近い層にも挿入することも可能である。図10において、17、18は第2および第3の不織布層、19、20は第1および第2の吸水層である。このとき、気液分離膜の挿入位置21は、肌に近づくに従い、排泄ガスの吸引には有利になるが、一方で排泄物による汚染とおむつ左右方向への位置固定精度は不利になる。 【0020】本発明で用いる気液分離膜は、おむつ内から気体を選択的に導出する一方、液体によるセンサーへの危害を防止するために、気体透過性かつ液体不透過性の素材(撥水性通気性素材)で構成され、サンプリング管に接続されるものである。このような撥水性通気膜としては、水(液体)を通さず、気体だけを通過する膜であれば特に限定されることなく使用できるが、撥水性を持つ有機ポリマーの多孔質膜、特に延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜、あるいは例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの多孔質膜、またこのような多孔質膜を多孔質高分子基材としてその骨格を撥水性有機ポリマーで被覆した連続多孔質膜などを用いることができる。耐水圧の高さ、褥創を持つ病人への適用を考えた場合、高圧蒸気滅菌が可能な延伸多孔質PTFE膜が好適である。 【0021】多孔質高分子基材の骨格を撥水性有機ポリマーで被覆した連続多孔質膜の基材の材質としては、上記したポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の樹脂、あるいはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂などを用いることができる。なかでも、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンのフィルム、チューブは、撥水性、耐熱性、耐薬品性などに優れている。 【0022】多孔質高分子基材の骨格を撥水性有機ポリマーで被覆した連続多孔質膜の撥水性有機ポリマーとしては、撥水性を有する有機ポリマーであれば特に限定されないが、フッ素化有機側鎖を繰り返し表われるペンダント基として有するポリマーが好適である。この有機ポリマーはポリマー鎖のペンダント基が高くフッ素化されているので、基材である多孔質高分子材料の撥水性および撥油性を増大する働きがある。この有機ポリマーの具体例は特表平8−511040号、特表平10−501294号公報等に開示されているが、一例を挙げると、下記式【0023】 【化1】
【0024】(式中、nは3〜13の整数であり、RはH又はCH3 である。)のフルオロアルキルアクリレート及びフルオロアルキルメタクリレートがある。また、「AFポリマー」(デュポン社の商品名)、「サイトップ」(旭硝子社の商品名)なども使用できる。さらに、これらの有機ポリマーを構成するモノマーの共重合体も使用できる。 【0025】このような撥水性を有する有機ポリマーを多孔質高分子基材の骨格に被覆して基材に撥水性(及び撥油性)を付与しながら基材の持つ連続気孔を維持することが必要であるが、これは、例えば「フロリナート」(3M社商品名)などの不活性溶剤にこれらのポリマーを溶解させ、多孔質高分子基材に含浸させた後、溶剤を蒸発除去することによって可能である。 【0026】また有機ポリマーを平均粒径が0.01〜0.5μm 程度の微粒子とすることにより、多孔質基材の微細構造によく入り込み、その骨格組織に均一な厚みの被覆を形成することが可能である。このような微細なポリマー粒子を含む水性ラテックスは、モノマーのマイクロエマルジョンを注意深く選択することにより可能にされる(特表平8−511040号公報)。例えば、フルオロアルキル基を有する不飽和有機モノマー、フルオロ界面活性剤、及び任意に補助溶剤又は無機塩を混合してモノマーマイクロエマルジョンを調製し、重合開始剤を導入するなどして重合させる。モノマーマイクロエマルジョンはモノマー1〜40重量%、好ましくは5〜15重量%、界面活性剤1〜40重量%、好ましくは2〜25重量%、残部水である。 【0027】このようにして製造したポリマーの水性ラテックスを基材に適用できる。また、基材にモノマーマイクロエマルジョンを適用してから、それを重合させて基材にポリマーを被覆することも可能である。基材にポリマーを適用後、残っている水、界面活性剤、重合開始剤などを適宜除去する。次いで、あるいはその除去操作と同一の処理で、基材の気孔内に残ったポリマーを溶融させることにより、多孔質基材の骨格をポリマーで被覆しかつ連続気孔を維持することができる。 【0028】本発明の撥水性通気膜の好ましい物性としては、10μm 以下、より好ましくは3μm 以下の孔径、30%以上、より好ましくは50%以上の気孔率である。例えば延伸多孔質PTFEの場合、孔径が10μm を超えると耐水圧が小さくなってしまい、減圧度の大きい吸引手段では液体が浸入してしまう。また、空孔率が小さいと撥水性通気膜での圧力損失が大きくなり好ましくない。また膜厚は特に限定されないが、孔径、気孔率を損なわないで入手できるならば耐久性(強度)の面から厚くすることもできる。さらに、強度の面から、必要に応じて不織布などとラミネートして使用してもよい。 【0029】本発明のサンプリング管に用いられる中空管としてはキンク、つぶれが少なく、柔軟であるものが好ましく、ポリ塩化ビニルその他の樹脂製導管が好適であるが、内面をフッ素樹脂などでライニング加工して、耐腐食性を向上させることもできる。気液分離膜の形状は、特に限定されないが、コネクターを通しておむつ内へ挿入することが前提となるため、比較的断面積の小さい形状、即ち、ごく幅狭の封筒状か、チューブ状にするのが望ましい。特に、内腔に気体通過路を確保するため、スペーサーを有するようにしてよい。 【0030】チューブは、多孔質チューブ押出品でも、多孔質フィルムをラッピングして、チューブ状に成形したものでもよい。このようなチューブ状撥水性通気膜は、好ましくは押出ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)チューブを延伸多孔質化して得ることができるが、一軸延伸チューブでは耐水性が若干低くなることがある。その対策としては、■前記した撥水性・撥油性有機ポリマーで被覆する表面処理、■一軸延伸チューブの外周を、耐水圧76cmHg以上の一軸延伸または二軸延伸した延伸多孔質PTFEフヘルムで被覆する方法が採用できる。図11にその様子を示す。図11(ア)の如く一軸延伸多孔質PTFEチューブ22の外周をフィルム23で螺旋巻きするか、図11(イ)の如く平行に巻き付ける。このフィルム23はチューブ22に対して部分接着してもよいが、簡単かつ確実な方法としては未焼成の一軸または二軸延伸した延伸多孔質PTFEフィルムで被覆した後加熱焼成して一体化する方法がよい。そのほか、チューブ状撥水性通気膜は、未焼成のフィルム状の延伸多孔質PTFEをステンレス、銅などの心材にらせん状或いは平行様に巻き付けて焼成した後に心材を取出してチューブ状の延伸多孔質PTFEを得ることもできる。 【0031】本発明のおむつに取りつけた排便・排尿検知用サンプリング管は、吸引手段を介してガスセンサーあるいはガス分析手段に接続される。吸引手段としては吸引ポンプ、アスピレータなど各種の吸引手段のいずれでもよい。ガスセンサーは、システムの分析目的に応じて使用される各種の分析手段のいずれでもよい。おむつの大便検出用としてはプロパンガス、メタンガス、アルコールなどのセンサーが簡単で小型であることから好適である。しかし、目的に応じて、酸素、水素などのセンサーも用いられ、さらには例えば赤外分析装置の如く大型の分析手段でもよい。 【0032】〔作用〕本発明の方法によれば、市販の紙おむつ構造には大きな変更なしに気液分離膜内蔵式おむつを製造することができる。即ち、■紙おむつの構成そのものは市販品のままであり、既存工程で紙おむつを成型した後にコネクターを固定化するだけでよい。■コネクターによってサンプリング管が水密的におむつ外へ導出されているため、胴部周囲からの排泄物の漏れあるいはサンプリング管の肌への刺激がない。■気液分離膜の位置決めが容易かつずれにくい。これにより、対象者の運動に妨げられず、また、性差などによる気液分離膜位置不適切による排泄検知精度の低下もない。■気液分離膜が直接肌に触れないため、肌への刺激がなく、また、排泄物による汚染が少ない。■コネクターに圧入されている気液分離膜は容易に抜去でき、汚染がない場合は複数回再利用して、1回あたりコストを低減できると共に、気液分離膜の材質によっては分別廃棄しやすい。 【0033】 【実施例】(実施例)この実施例は図5に示す態様である。外径1.86mm、内径1.05mm、空孔率50%、長さ305mmの延伸多孔質PTFE製チューブ7を、外径3.8mm、内径2.5mm、長さ930mmの塩化ビニール製チューブ8の先端に2液混合性エポキシ接着剤で固定し、先端開口部をポリウレタン樹脂で封管した気液分離膜7を作製した。なお、塩化ビニール製チューブ8のPTFEチューブ接続端から75mmの位置には最大径7mmの硬質塩化ビニール製テーパー部品11を接着した。 【0034】市販の成人用紙おむつの防水シート2に直径約5mmの開口部を設け、その外側に内径6mmの軟質塩化ビニール製つばつきコネクター9をホットメルトにより水密的に接続した。コネクター9の内腔を通し、気液分離膜7を防水シート2と不織布3の間に挿入し、紙おむつを成人臀部の模型に固定した。 【0035】(参考例)気液分離膜は実施例1と同様にして製造した。但し、テーパー部品は用いなかった。成人臀部模型の会陰部に気液分離膜を仮置きし、市販の成人用紙おむつで抑えるようにして固定した。 【0036】〔発明の効果〕参考例では紙おむつの胴部にサンプリング管による隙間が形成された。この隙間を小さくするよう胴部締め付け力を増すとサンプリング管がつぶれ気体の吸引ができなくなることが判明した。一方、実施例では胴部を経由するサンプリング管は存在せず、隙間も形成されなかった。 【0037】臀部模型を左右に90°ずつ横転させ、寝返り運動を模倣した。左右に各5回横転させたところ、参考例では気液分離膜先端が会陰部からずれるのが確認されたが、実施例では挿入した位置から移動することはなかった。 【0038】 【発明の効果】本発明によれば、おむつ内のガスを外部へ吸引・導出し、しかる後に適当な手段でガス成分分析を実施して排泄の有無を検知する場合において、おむつ内の所定位置へ気液分離膜を挿入するにあたり、位置決めが容易でかつ対象者の運動によってずれにくい構造であり、気液分離膜に続くサンプリング管が胴部を経由せず、おむつと胴部との間に隙間を作らず、しかも既存の紙おむつの構造を極力変更せずに気液分離膜を内蔵させるような簡易かつ確実な手法を開発すると共に、その手法を実現するための適切な気液分離膜内蔵式のおむつおよびそのために使用するサンプリング用具を提供する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000107387 【氏名又は名称】ジャパンゴアテックス株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−299830 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−106634 |
|