トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】水谷 聡

【要約】 【課題】身体への適合密着性を向上するための生理用ナプキン等の提供。

【解決手段】吸収手段とその下面に位置する変形付与手段とから構成するとともに、該両手段の中央縦方向にそれらの変形誘導手段を設けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 縦方向中心線、これに直交する横方向中心線、肌当接面及び肌非当接面を有する実質的に縦長偏平の吸収性物品であって、前記物品が、吸収手段と、前記肌非当接面に隣接し前記吸収手段を前記肌当接面の側へ凸形に変形させる変形付与手段とを備え、前記変形付与手段が、ガレー値が少なくとも100mmgの疎水性パネル部材から成り、前記吸収手段及び前記パネル部材における凸形に変形する域が、前記縦方向中心線を介して前記吸収手段の対向両側に対称形に位置し、前記凸形変形域における前記縦方向中心線上に沿って前記肌非当接面の側に延在する第1の変形誘導手段を有することを特徴とする前記物品。
【請求項2】 前記第1の変形誘導手段が、圧搾条溝、スリット又は圧搾点群である請求項1に記載の物品。
【請求項3】 前記吸収手段における前記凸形変形域が、前記凸形変形域を画成するその輪郭縁の少なくとも対向両側縁に隣接する第2の変形誘導手段を有する請求項1に記載の物品。
【請求項4】 前記第2の変形誘導手段が、圧搾点群又は圧搾条溝である請求項3に記載の物品。
【請求項5】 前記パネル部材が、弾性を有する請求項1に記載の物品。
【請求項6】 前記吸収手段と前記パネル部材とが、それらの対向面において一体的に接合し、前記第1の変形誘導手段を介しての前記パネル部材の下面側への変形時におけるガレー値が最大限75mmgである請求項1に記載の物品。
【請求項7】 前記パネル部材が、紙質シート、繊維質シート、発泡プラスチックシート及び無発泡プラスチックシートの単独又はそれらの少なくとも二つのラミネートである請求項1に記載の物品。
【請求項8】 前記吸収手段が、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアとから成る請求項1に記載の物品。
【請求項9】 少なくとも前記凸形変形域における前記吸液性コアと前記バックシートとの互いの対向面が、一体的に接合されることなく互いに離反可能である請求項8に記載の物品。
【請求項10】 前記変形付与手段が、前記吸液性コアと前記バックシートとの間に介在する請求項8に記載の物品。
【請求項11】 前記変形付与手段が、前記バックシートの外面に位置する請求項8に記載の物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使い捨ての吸収性物品に関し、特に、経血を吸収保持する生理用ナプキン及び尿を吸収保持する女性用失禁パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、周知の生理用ナプキンは吸収性積層体から成るとともに、前記積層体は、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、これら両シートの間に介在する吸液性コアとから成る。特開平2−11138号は、前記吸液性コアの下面に配置された曲げ抵抗性である変形要素によって着用者の肌側へ凸形に変形する生理用ナプキンを開示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−11138号においては、前記凸形変形が変形要素の予め付与された凸形形状だけによってなされる。したがって、生理用ナプキンは、嵩張るところ、従来のナプキンの包装に見られるように、この嵩張りを少なくするナプキンの厚み方向へ圧縮する状態で包装されると、そして、その使用のため開封までの時間が比較的長いと、変形要素の圧縮復元性が低下し、所期の前記凸形変形が得られなくなることがある。もとより、こうした欠点は変形要素の材質の選択によって解消することはできるが、その選択が必ずしも容易でない。
【0004】この発明の課題は、前記従来の生理用ナプキンが有する利点を利用するとともに、それらナプキンが有する欠点を解消することができるナプキンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、縦方向中心線、これに直交する横方向中心線、肌当接面及び肌非当接面を有する実質的に縦長偏平の吸収性物品であって、次の点を特徴とする。
【0006】前記物品が、吸収手段と、前記肌非当接面に隣接し前記吸収手段を前記肌当接面の側へ凸形に変形させる変形付与手段とを備え、前記変形付与手段が、ガレー値が少なくとも100mmgの疎水性パネル部材から成り、前記吸収手段及び前記パネル部材における凸形に変形する域が、前記縦方向中心線を介して前記吸収手段の対向面側に対称形に位置し、前記凸形変形域における前記縦方向中心線上に沿って前記肌非当接面の側に延在する第1の変形誘導段を有する。
【0007】この発明に係る物品においては、着用時に吸収手段が、変形付与手段としての疎水性パネル部材の隆起作用により、肌当接面の側へ凸形に変形して着用者の陰部に適合密着する。
【0008】
【実施の形態】図面を参照して、この発明に係る吸収性物品の実施の形態を、生理用ナプキンを例にとって、説明すると、以下のとおりである。
【0009】図1〜図3において、生理用ナプキンは吸収手段1から成る。吸収手段1は、縦方向中心線2、これに直交する横方向中心線3、肌当接面4及び肌非当接面5を有する。吸収手段1は、透液性トップシート6、不透液性バックシート7及びこれら間に介在する吸液性コア8から成る。トップシート6及びバックシート7は、縦横寸法においてコア8よりも大きく、コア8の縦横方向縁から外方へ延出する。横方向へのトップシート6及びバックシート7の延出部分6a,7a並びに縦方向に二つ折りされていて延長部分6a,7aを挟持して被覆する細長シート9は、サイドフラップ10を形成する。サイドフラップ10は、その外側縁部内に縦方向へ収縮可能に取り付けられた弾性伸縮部材11で弾性を付与され、その収縮作用によって上方(着用者の肌側)への起き上がり性向を有する。
【0010】トップシート6、バックシート7及びコア8は、従来、生理用ナプキン及び使い捨ておむつにおいて周知の材料で作られる。トップシート6は、例えば、親水性又は疎水性不織布、多数の開孔を有するプラスチックフィルム又はこれらのラミネートを材料とする。バックシート7は、例えば、透湿性プラスチックフィルム又はこれと疎水性不織布とのラミネートを材料とする。コア8は、例えば、フラッフパルプ及び超吸収性ポリマー粒子の混合を材料とする。したがって、トップシート6及びバックシート7は、高度に可撓性を有し、コア8は半剛性を有する。トップシート6は、好ましくは、図示してないが、全域にわたって液誘導開孔を有し、後記凸形変形域12においては他の域よりも液誘導性の良好な比較的大きい開口を有する。トップシート6は、また、好ましくは、不織布から成る場合には、少なくとも熱融着に必要な熱可塑性繊維を含む。コア8も、必要に応じて吸収性を阻害しない限り、熱可塑性繊維を含んでいてもよい。細長シート9は、例えば、疎水性不織布又はプラスチックフィルムを素材とする。弾性伸縮部材11は、例えば、天然ゴム、合成ゴム又はスパンデックスを材料とする。
【0011】吸収手段1は、その縦横中央域において縦方向中心線2を介して横外方へ対称に湾曲して縦方向へ延びる凸形変形域12を画成する一対の変形誘導手段13を有し、かつ、変形誘導手段13の外側に隣接してこれとは反対向きの対称に湾曲して縦方向へ延びるもう一対の変形誘導手段20を有する。変形誘導手段13,20は、圧搾点群(エンボス)13a,20aから成るが、圧搾条溝であってもよい。吸収手段1はさらに、凸形変形域12における縦方向中心線2上に沿ってコア8の下面(肌非当接面5の側)に延在するさらに一条の変形誘導手段14を有する。変形誘導手段14は、圧搾条溝から成るが、コア8を分割するスリット又は圧搾点群(エンボス)であってもよい。凸形変形域12の中央部におけるコア8の下面(肌非当接面5の側)に公知のホットメルト等の疎水性接着剤(図示せず)を介して接合した変形付与手段15が位置する。変形付与手段15は、矩形の疎水性パネル部材16から成る。パネル部材16は、実質的に偏平に変形可能であって、縦方向中心線2上に沿って肌当接面4の側への折り曲げ性向(いわゆる折り曲げくせ)の中央部分18を有する。パネル部材16の中央部分18は、コア8の変形誘導手段としての圧搾条溝14と合致し、好ましくは圧搾条溝14と一体的に重なる同形の圧搾条溝である。パネル部材16は、ナプキンが着用者の陰部に着用されたとき、着用ショーツ圧迫下に陰部の外形に倣って、中央部18を介して、肌当接面4の側へ凸形に変形する。コア8は、トップシート6とともに、パネル部材16の変形にともなう持ち上げ作用により、変形誘導手段である圧搾条溝14を介して、凸形変形域12において上方(着用者の肌側)へ凸形に変形する。この変形により、凸形変形域12において、コア8とバックシート7との対向面の間に空間が生ずる。このように変形することで、凸形変形域12における肌当接面4は、着用者の陰部に適合密着し、経血の漏れを有効に防止する。
【0012】パネル部材16は、その対向両側縁が変形誘導手段13から外側へ僅かに延出し、変形誘導手段13としての圧搾点群(エンボス融着点)13aを利用してコア8の対向両側縁の近傍に接合する。この接合は、融着にかえて、ホットメルト接着手段によってなされていてもよい。
【0013】パネル部材16は、例えば、紙質シート、繊維質シート、発泡プラスチックシート及び無発泡プラスチックシートの単独又はそれらの少なくとも二つのラミネートを材料とし、一般的には、ガレー値が100〜250mmg、好ましくは130〜220mmgである。パネル部材16は、疎水性を有し、経血などの排泄体液で湿潤状態になっても、いわゆるヘタリ現象を起すことなく、コア8に対して所要の変形作用を及ぼすことができる。吸収手段1、特にコア8は、一般的には、ガレー値が50〜100mmg、好ましくは60〜90mmgである。そして、コア8とパネル部材16とを一体的に接合し、変形誘導手段14,18を介してのパネル部材16の下面側への変形時におけるガレー値は、5〜80mmg、好ましくは、60mmg以下である。
【0014】図4において、パネル部材16は、その対向両側縁が変形誘導手段13の内側に位置し、ホットメルト接着剤(図示せず)を介してバックシート7に接合する。この接合は、融着でなされていてもよい。
【0015】図5において、パネル部材16は、バックシート7の外面に変形誘導手段13としての圧搾点群(エンボス融着点)13aを利用して接合する。この接合は、融着にかえて、ホットメルト接着手段によってなされてもよい。また、パネル部材16は、その対向両側縁が変形誘導手段13の内側に位置していてもよい。この実施の形態においては、凸形変形域12における吸収手段1、即ち、トップシート6、コア8及びバックシート7が、パネル部材16によって一体的に凸形に変形することはいうまでもない。
【0016】図6において、パネル部材16は、コア8a,8bの間に位置し、コア8aと一体的に接合する。この場合におけるパネル部材16は、図示されていないが、体液が透過してコア8bに吸収されるように多数の開口を有する。
【0017】
【発明の効果】この発明に係る吸収性物品によれば、変形付与手段は、吸収手段とは別体に形成されてその肌非当接面の側に配置されていて疎水性及び所要の剛性を有しているから、経血などの排泄液で湿潤した状態でも、凸形変形域における吸収手段を着用者の肌側へ所期の凸形に変形させ、着用者の陰部に対する適合密着性を向上させて排泄液の漏れを防止することができる。
【0018】変形付与手段は、実質的に偏平に変形可能な疎水性パネル部材から成り、着用ショーツの圧迫下に着用者の陰部の外形に沿って凸形変形域における吸収手段を凸形に変形させるから、例えば、吸収手段及び変形付与手段を実質的に偏平状態にして物品を包装することができる。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
【公開番号】 特開平11−299827
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−109961