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【発明の名称】 使い捨ておむつ
【発明者】 【氏名】佐々木 徹

【要約】 【課題】使い捨ておむつにおいて、脚周り弾性伸縮部材をコアに拘束されることなく伸縮させる。

【解決手段】使い捨ておむつ1において、コア4の上面17を被覆する表面シート2が、コア4の側面23に沿って折曲されてコア4の下面18を覆う。コア4の下面側では、表面シート2と裏面シート3とが、コア4の側面23よりもおむつ中心線C−C寄りの位置で接合する。脚周り弾性伸縮部材37が、コア4の側面23の近傍において、裏面シート3に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在する吸液性コアとを有し、前胴周り域と、後胴周り域と、これら両域間に位置する股下域とで前後方向が構成され、前記股下域を中心に前記前後方向へ延びる脚周り弾性伸縮部材が左右の側縁部に配置されている使い捨ておむつであって、前記コアが、前記股下域を中心に前記前後胴周り域間に延在し、おむつ着用者の肌側に位置する上面と、前記上面の反対面である下面と、これら両面間に位置して胴周り方向へ延びる前後端面および前後方向へ延びる両側面とを有し、前記コアの上面を被覆している表面シートが、前記コアの両側面に沿って前記コアの下面側へ折り返されて、該下面の少なくとも一部分を被覆し、前記裏面シートが、前記下面側へ折り返されている部分の表面シートよりも下方に位置して前記コアから外方へ延出しており、前記下面側へ折曲されている部分の表面シートが、前記コアの側面よりも前記おむつの幅方向を二分する中心線寄りの位置で前記裏面シートに接合しており、前記脚周り弾性伸縮部材が、前記コアの側面近傍において前記裏面シートに取り付けられていることを特徴とする前記おむつ。
【請求項2】 前記脚周り弾性伸縮部材が、前記おむつの股下域において、前記コアの側面からおむつ幅方向内方へ10mm、外方へ30mmの範囲内に位置している請求項1記載のおむつ。
【請求項3】 前記裏面シートの内面に、比較的変形自在な自由縁部が前記コアの各側面よりも外側で前記おむつの前後方向へ延びている防漏カフが形成され、前記防漏カフが、前記コアの側面の外側および内側のいずれかで前記裏面シート内面に固定されて前記前後方向へ延びる基端部を有し、前記自由縁部の頂縁に前記前後方向へ伸長された弾性伸縮部材が取り付けられて、前記防漏カフが前記裏面シート内面からの起立性向を有している請求項1または2記載のおむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭52−40267号公報によれば、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアを介在させ、コアの周縁から延出する表裏面シートを互いに接合することにより使い捨ておむつが形成されている。このおむつでは、側縁部分に前後方向へ延びる弾性伸縮部材が配置され、この部材による弾性伸縮線が、コアのへりから少なくとも1.91cm隔てられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特公昭52−40267号公報が教示するところによれば、脚周り弾性部材は、剛性なコアに拘束されることがないように、コアのヘリから1.91cm以上隔てられる。かかる教示によれば、コアの剛性が高くなるほどコアと弾性部材との離隔距離を大きくすることが望ましいであろうが、そのことによって、おむつ股下域の幅が広くなりすぎるという場合を生じかねない。
【0004】この発明の解決課題は、コアの剛性によって脚周り弾性部材の伸縮性が拘束されるということがないようにおむつを構成することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題解決のために、この発明が前提とするのは、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在する吸液性コアとを有し、前胴周り域と、後胴周り域と、これら両域間に位置する股下域とで前後方向が構成され、前記股下域を中心に前記前後方向へ延びる脚周り弾性伸縮部材が左右の側縁部に配置されている使い捨ておむつである。
【0006】かかる前提において、この発明が特徴とするところは、前記コアが、前記股下域を中心に前記前後胴周り域間に延在し、おむつ着用者の肌側に位置する上面と、前記上面の反対面である下面と、これら両面間に位置して胴周り方向へ延びる前後端面および前後方向へ延びる両側面とを有し、前記コアの上面を被覆している表面シートが、前記コアの両側面に沿って前記コアの下面側へ折り返されて、該下面の少なくとも一部分を被覆し、前記裏面シートが、前記下面側へ折り返されている部分の表面シートよりも下方に位置して前記コアから外方へ延出しており、前記下面側へ折曲されている部分の表面シートが、前記コアの側面よりも前記おむつの幅方向を二分する中心線寄りの位置で前記裏面シートに接合しており、前記脚周り弾性伸縮部材が、前記コアの側面近傍において前記裏面シートに取り付けられていること、にある。
【0007】この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記脚周り弾性伸縮部材が、前記股下域において、前記コアの側面からおむつ幅方向内方へ10mm、外方へ30mmの範囲内に位置している。
【0008】実施態様の他の一つにおいて、前記裏面シートの内面に、比較的変形自在な自由縁部が前記コアの各側面よりも外側で前記おむつの前後方向へ延びている防漏カフが形成され、前記防漏カフが、前記コアの側面の外側および内側のいずれかで前記裏面シート内面に固定されて前記前後方向へ延びる基端部を有し、前記自由縁部の頂縁に前記前後方向へ伸長された弾性伸縮部材が取り付けられて、前記防漏カフが前記裏面シート内面からの起立性向を有している。
【0009】
【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、この発明に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0010】図1に部分破断斜視図で示されたおむつ1は、透液性表面シート2と、表面シート2で被覆された吸液性コア4と、砂時計型の不透液性裏面シート3とを有し、前後方向が前胴周り域6と、後胴周り域7と、これら両域6,7間に位置する股下域8とで構成されている。
【0011】コア4は、粉砕パルプと高吸水性ポリマー粒子との混合物からなる吸液材11をティッシュペーパ12で被覆することにより形成されており、股下域8を中心に前後胴周り域6,7方向へ延びている。コア4の外形は、ほぼ矩形または砂時計型を呈し、おむつ着用者の肌側に位置する上面17と、上面17の反対面である下面18(図2参照)と、これら両面17,18間に介在して胴周り方向へ延びる前後端面21,22と、前後方向へ延びる左右側面23とを有する。
【0012】表面シート2は、コア4の上面17を覆い、側面23に沿って折曲されて下面18の幅方向内方へ延び、コア4の中心線C−C近傍で重なり合っている(図2参照)。表面シート2は、コア4の上下面17,18それぞれにおいて、コア4の前後端面21,22から前後方向へ延出し、表面シート2どうしが部位26,27で重なり合い、互いに接合している。
【0013】裏面シート3は、不透液性プラスチックフィルムからなる内層シート28と、不織布からなる外層シート29とが互いに接着剤10(図2参照)を介して接合している積層シートであって、コア4の下面側に折曲された表面シート2の下方に位置している。裏面シート3は、コア4の前後端面21,22と左右側面23とから外方へ延出し、胴周り方向へ延びる前後端縁部31,32と、前後方向へ延びる側縁部33とを形成している。後端縁部32と側縁部33とには、内外層シート28,29間に胴周り弾性伸縮部材36と脚周り弾性伸縮部材37とが配置され、これら部材36,37が内外層シート28,29の少なくとも一方の内面に接合している。裏面シート3の後胴周り域7の左右側縁部33には、テープファスナ38が取り付けられている。
【0014】図2には、図1のII−II線切断面が示されている。表面シート2で被覆されたコア4の下面18は、中央域が接着剤39を介して裏面シート3に接合しているが、側面23の近傍は裏面シート3に接合しておらず、シート3との間に空隙41を形成することができる。おむつ1の前後方向において、接着剤39の塗布域は、連続的または間欠的に延びてコア4の前後端面21,22、またはその近傍にまで達している。おむつ股下域8の幅方向において、接着剤39の塗布域は、コア4の側面23からの離間距離Lが、15mm以上、より好ましくは20mm以上である。同じく股下域8の幅方向において、脚周り弾性伸縮部材37は、コア4の側面23からおむつ1内方の中心線C−Cへ向かって10mm、外方へ向かって30mmの範囲A内にある。コア4の前後端面21,22の近傍では、コア4の幅方向全体が表面シート2を介して裏面シート3に接合していてもよい。
【0015】このように構成されたおむつ1では、脚周り弾性伸縮部材37が、コア4の剛性に殆ど拘束されることなく自由に伸縮することができる。それゆえ、コア4が比較的高剛性なものであっても、脚周り弾性伸縮部材37をコア4の近傍に配置して、排泄物の横漏れを防止することができる。かかるおむつは、股下域8の幅が徒に広くならず、着用感のよいものになる。また、このおむつ1では、コア4の側面23近傍において、コア4の下面側からも排泄物の吸収が可能であるから、従来のおむつのように、主としてコアの上面と側面とのみから排泄物を吸収する場合に比べ、排泄物を直接吸収できるコア4の表面積が大きくなり、速やかな排泄物の吸収が可能になる。
【0016】図3は、この発明の実施態様の一例を示す図2と同様の図面である。このおむつ1では、コア4の下面側へ延びた表面シート2の両側縁部分2Aどうしが、重なり合うことなく接着剤39を介して裏面シート3に接合している。脚周り弾性伸縮部材37は、コア4の側面23よりも内方および外方に位置している。側面23よりも内方に位置する弾性伸縮部材37Aは、コア4を着用者の肌に密着させるように作用する。
【0017】図4,5は、この発明の実施態様の一例を示す図1と同様の図面と、図4のV−V線切断面を示す図面である。このおむつ1は、側縁部32において股下域8を中心に前後胴周り6,7方向へ延びる防漏カフ46を備えている。カフ46は、不織布、好ましくは実質的に不透液性の不織布、より好ましくは通気・不透液性の不織布からなるもので、裏面シート3内面に接着剤52を介して接合し、前後方向へ延びる基端縁部47と、基端縁部47に並行し、前後方向へ伸張された弾性伸縮部材48が取り付けられている自由縁部49と、これら両縁部47,49間に位置する中間域51とを有する。基端縁部47は、コア4の側面23よりも内方または外方、より好ましくは内方において裏面シート3に接合している。図示の基端縁部47は、側面23よりも内方に位置し、コア4の下面18との間にポケット53を形成している。カフ46の前後両端部56,57は、おむつ1の外方または内方へ向かって倒伏し、倒伏したときに当接する表面シート2および/または裏面シート3に接合している。ただし、図4では、それら両端部56,57がおむつ1の内方へ倒伏している場合のカフ46が、示されている。かかるおむつ1は、それを着用するときに、コア4を内側にして前後方向が湾曲すると、弾性伸縮部材48が収縮して、カフ46がおむつ1の内面から起立し、図5に仮想線で示す状態となる。おむつ1では、幅方向へ流れる排泄物がカフ46によって止められる。排泄物は、カフ46に沿ってコア4の下面側へ流れ、表面シート2を介して下面18から吸収される。このおむつ1であれば、図1のそれに比べて、排泄物がコア4の下面側へ一層確実に流れる。
【0018】この発明において、表面シート2には、不織布や開孔プラスチックフィルムを使用することができる。おむつ1の各部材の接合には、ホットメルト接着剤等の接着剤を使用することができる。部材が熱溶融性のものである場合には、接着技術を利用することができる。
【0019】
【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつは、吸液性コアの側縁部が裏面シートから離間し、裏面シートの脚周り弾性伸縮部材は、コアに拘束されることなく伸縮することができる。かかるおむつでは、コアの剛性が高くても、脚周り弾性伸縮部材をコアの側面近傍に配置できるから、おむつ股下域の幅は徒に広くなることがない。
【0020】また、かかるおむつでは、コアの下面側からも排泄物が吸収されるから、コアの吸収速度が向上するばかりでなく、コアの側縁部に滞留する排泄物を速やかに吸収して、排泄物の横漏れを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
【公開番号】 特開平11−299826
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−109960