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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】村井 淳

【氏名】河崎 宏典

【氏名】滝田 浩美

【氏名】糸井 奈美江

【氏名】中西 稔

【要約】 【課題】フィット性が高く、ヨレ防止、漏れ防止性に優れた吸収性物品を提供すること。

【解決手段】液透過性の表面層2としての表面シート21液不透過性の防漏層4としての裏面シート41及び両層の間に介在する液保持性の吸収層3としての吸収体31を具備し、実質的に縦長に形成されてなり、ナプキンの左右両側縁部3a,3bに、それぞれ、帯状の弾性シート51が、それらの両側縁51a,51bが吸収体31の側縁31a,31bよりも生理用ナプキン1の内方に位置するように配設され、該弾性シートにより左右一対のループ状の中空部5が形成されている吸収性物品1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層の間に介在する液保持性の吸収層を具備し、実質的に縦長に形成されてなる吸収性物品において、上記吸収性物品の左右両側縁部には、それぞれ帯状の弾性シートが、それらの両側縁を上記吸収層の側縁よりも吸収性物品の内方に位置するように配設され、該弾性シートにより左右一対のループ状の中空部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】 一対の上記中空部は、それぞれ肌当接面から上方にむけて起立された状態を有することを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】 上記弾性シートは伸縮性を有し、吸収性物品の長手方向に伸張した状態で該吸収性物品の肌当接面側及び/又は非肌当接面側に固定されており、上記中空部は、該弾性シートの収縮力により、上方に向けて起立していることを特徴とする請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】 上記中空部の外周長さは、20〜80mmであることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【請求項5】 上記中空部の高さは、5〜40mmであることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、フィット性に優れ、ヨレ防止、漏れ防止性能が高い、生理用ナプキンや失禁パッドなどの吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】従来より、生理用ナプキンや失禁パッドなどの吸収性物品としては、液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層の間に介在する液保持性の吸収層を具備し、実質的に縦長に形成されてなるものが広く用いられている。このような吸収性物品は、フィット性を高くして漏れを防止することが要求されており、種々提案がなされている。
【0003】例えば、特表平7−502438号公報や特開平7−446号公報において、吸収層の幅方向外方に弾性部材を配して、吸収層と離隔された中空のループを有する吸収性物品が提案されている。しかし、このように吸収層から離隔されたループを有するものは、その大きさを十分なフィット性を得られる程度とすることができず、また、装着者の足の動き等の左右からの応力がかかった場合においても、ループ部分で緩衝できず、吸収層に直接応力がかかりヨレが発生し、漏れ防止性が十分ではなかった。
【0004】従って、本発明の目的は、フィット性が高く、ヨレ防止、漏れ防止性に優れた吸収性物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解消すべく検討した結果、吸収層の左右両側縁部に弾性シートを設けて、吸収層の両側縁部に中空の中空部を形成してなる吸収性物品が、上記目的を達成しうることを知見した。
【0006】本発明は、液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層の間に介在する液保持性の吸収層を具備し、実質的に縦長に形成されてなる吸収性物品において、上記吸収性物品の左右両側縁部には、それぞれ帯状の弾性シートが、それらの両側縁を上記吸収層の側縁よりも吸収性物品の内方に位置するように配設され、該弾性シートにより左右一対のループ状の中空部が形成されていることを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品について図面を参照して更に詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の吸収性物品の第1の実施形態としての生理用ナプキンを示す斜視図であり、図2は、図1のII-II 断面図であり、図3は、図1のIII-III 断面図である。
【0008】図1〜3に示す第1の実施形態の生理用ナプキン1は、液透過性の表面層2としての表面シート21液不透過性の防漏層4としての裏面シート41及び両層の間に介在する液保持性の吸収層3としての吸収体31を具備し、実質的に縦長に形成されてなる。
【0009】而して、本実施形態の生理用ナプキン1においては、ナプキンの左右両側縁部3a,3bに、それぞれ、帯状の弾性シート51が、それらの両側縁51a,51bが吸収体31の側縁31a,31bよりも生理用ナプキン1の内方に位置するように配設され、該弾性シートにより左右一対のループ状の中空部5が形成されている。
【0010】更に詳述すると、一対の上記中空部5,5は、それぞれナプキン1の肌当接面から上方にむけて起立された状態を有する。即ち、本形態においては、上記弾性シート51は、伸縮性を有し、ナプキン1の長手方向に伸張した状態で該ナプキン1の肌当接面側及び非肌当接面側に固定されており、上記中空部5は、弾性シート51,51の収縮力により、上方に向けて起立している。また、生理用ナプキン1は、図1に示すようにカップ状となされている。即ち、長手方向においては、図3に示すように、肌当接面側に凹に湾曲しており、幅方向においては、図2に示すように、左右の中空部5が起立しているため、全体としてカップ状になっている。ここで、「起立」は、ループ状の中空部の上面(最も上方に位置する部位)が肌当接面(表面シート21)よりも上方に位置する状態を意味し、好ましくは、中空部が傾斜した形態となってかかる状態となっている状態を意味する。また、図2及び3に示すように、吸収体31は、厚さが薄く大きい下層吸収体32と、該下層吸収体32の中央部に載置されて、生理用ナプキンの中央部に凸状の隆起部34を形成する上層吸収体33とからなる。表面シート21は、吸収体31の左右両側縁部を覆うように、側縁部が生理用ナプキン1の側部において吸収体31の裏面側に位置するように配されている。また、裏面シート1 は、吸収体31よりも幅広に形成されている。生理用ナプキン1の長手方向両端部においては、表面シート21と裏面シート41とが直接接合されている。尚、接合は、ヒートシールや接着剤を介する等して行うことができるが、本形態においては、ヒートシールにより接合している。
【0011】そして、弾性シート51は、吸収体31の左右両側縁部3a,3bに、それぞれ一枚づつ配されている。各弾性シート51は、表面シート21及び吸収体31を狭持するように一側縁51aが肌当接面側の表面に位置し、他側縁51bが表面シート21と裏面シート41との間に位置するように配されている。弾性シート51における他側縁51b側は裏面シート41にも接着されているが、裏面シート41と当接する部分がすべて接着されている必要はなく、本形態においては、吸収体31が存在する領域までは接着されているが、その外方においては接着されていない。中空部5は、楕円形状であり、吸収体31の斜め上方に向けて起立されている。
【0012】中空部5の外周長さL(図2参照、他の部材に固定されていない部分の長さ)は、好ましくは20〜80mmである。外周長さLが、20mm未満であると、フィット性が低下したり、ヨレ防止効果が不十分となる場合があり、80mmを超えると、ループ形状が大きすぎ、股間にフィットしずらくなる場合があるので好ましくない。中空部の高さは、好ましくは5〜40mmである。高さが、5mm未満であると、生理用ナプキン全体としてのカップ形状が損なわれ、漏れ防止効果がなくなる場合があり、40mmを超えると、生理用ナプキン中央部のフィット性が損なわれる場合があるので、好ましくない。
【0013】図1に示すように、上層吸収体33の周縁部分、生理用ナプキン1の側部から両端部にかけて、更には弾性シート51の一側縁部51aにおいて、溝部6が設けられている。この溝部6により、液流れが防止されると共に、吸収体の形状や弾性シートの接合状態が良好に維持される。裏面シートの表面には、粘着剤が塗布されてずれ止め部7が形成されている。
【0014】次いで、生理用ナプキンを構成する各部材の形成材料等について説明する。表面シート21、裏面シート41及び吸収体31の形成材料としては、通常、生理用ナプキンなどの吸収性物品に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。
【0015】上記弾性シートは、伸縮性を有するのが好ましく、ループ形状をつくった時、ループ形状を形成し、このループ形状を保ちながら違和感がなく自在に変形する剛性を持つことが必要である。また、液不透過性を有するのが好ましい。上記弾性シートの伸縮物性は、生理用ナプキンの長手方向において、5〜50%伸張した時の応力が50〜500gf/25mmが好ましく、100〜300gf/幅25mmがより好ましい。応力が50gf/25mm未満では、伸張力が弱すぎ、ループが上方に起立せず、また長手方向に好ましい湾曲が得られず、フィット性が不十分となってしまい、応力が500gf/幅25mmをこえると長手方向で湾曲がきつくなってしまい、同様にフィット性が低下するので好ましくない。
【0016】次に、弾性シートの剛性は、バルクソフトネス値で5〜200gfが好ましく、10〜100gfがより好ましい。バルクソフトネス値が5gf未満であると、柔らかすぎループ形状を安定に保てず、200gfを超えると、装着時に自在に変形しなかったり、違和感となるので好ましくない。尚、バルクソフトネスは、下記の如く測定できる。即ち、弾性シートを長手方向に150mm、幅方向に30mmの大きさの帯状体として切り出し、この帯状体の長手方向両端を5mm重ね合わせ、円筒状になる様にし、この重ね合わせた部分を側縁(円筒の上下縁)からほぼ10mmの位置にステープルで2ヶ所固定する。次いで、テンシロン圧縮試験機にて、圧縮速度10mm/分の速度で圧縮し、円筒が座屈するまでの最大圧縮強度を測定する。測定回数5回の平均値をとって、バルクソフトネス値とする。
【0017】弾性シートの伸縮材としては、上記伸縮物性及び剛性を有するシート材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、天然ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン−アクリル酸エチル等のエチレン−αオレフィン共重合体等からなるフィルム、不織布、織物、発泡体等が挙げられる。また、上記弾性シートは、ナプキンの両サイドで肌に直接触れるものであり、肌触り等を考慮すると、フィルム等よりも不織布材料の方が好ましい。また、伸縮性のフィルムにおいても、肌触りや吸収材や表面材とのヒートシール性及び剛性を向上する目的で、他のポリスチレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレンからなる熱可塑性不織布と積層し積層材として用いても良い。この様な不織布を用いる場合、不織布自体も伸縮材を有するものが好ましく、繊維自身がクリンプしているもので不織布化する事が好ましく、伸縮性に乏しい不織布においては、予め伸縮性フィルムをある伸びまで伸張させ、伸張させた伸縮性フィルムに伸張されていない不織布を重ね合わせ、これらの層を合わせてホットメルトやヒートシールにより接着して全体が伸縮するシートとして用いても良い。そして、生理用ナプキンの長手方向における肌当接面側に凹状に湾曲する湾曲率としては、曲率半径rが好ましくは50〜300mm、より好ましくは100〜200mmとなるようにするのが望ましい。曲率半径rが50mm未満では、ナプキンが湾曲しすぎフィット性が低下したりショーツにつけずらくなったりして好ましくなく、300mmを超えると、身体への好ましいフィト性が得られ難くなり好ましくない。
【0018】上述の如く構成されてなる本形態の生理用ナプキン1は、その使用時においてずれ止め部7を介してショーツなどの下着に装着して使用される。そして、常に身体にフィットした状態で保持でき、隙間をつくらず経血を吸収可能なため、特に横漏れ防止性に優れたものである。具体的には、上記中空部5は弾性シートにより形成されているため、使用時において着用者が動いても該中空部が自在に変形し装着部位に隙間が生じるのを防止して、体にフィットする。また、着用者が歩行するなどして吸収性物品の幅方向からの応力を受けた場合でも、中空部が応力を受けて緩和するため、吸収体の受ける応力が小さくてすむため、よれ難く、フィット性が高く、漏れを生じにくい。この効果は、特に弾性シートが直接吸収体に接合されている場合に顕著である。
【0019】本形態の生理用ナプキン1は、吸収体31を表面シート21で包装した後、これらの左右両側縁部3a,3bに弾性シート51を配し、さらに裏面側に裏面シート41を配して、最終にエンボス加工するなどして所定の溝部を形成することにより、得ることができる。
【0020】以下に、図4〜7を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。ここで、図4〜7は、それぞれ、本発明の吸収性物品の他の形態の要部を示す断面図(図2と同様に生理用ナプキンを長手方向中央で切断した断面における側部を拡大して示す図)である。尚、以下の説明においては、上述した第1の実施形態と異なる点について特に説明する。特に説明しない点については、上述した説明が適宜適用される。
【0021】図4に示す第2の形態の生理用ナプキン1は、長手方向ほぼ中央部の裏面シート41が幅方向外方に向けて延出されて左右一対のウイング部8が形成されてなる、いわゆるウイング型のナプキンである。
【0022】図5に示す第3の形態の生理用ナプキン1は、弾性シート51の両側縁51a,51bが共に表面シート21の上方に位置するように配されており、表面シート21と裏面シート41とは、吸収体31の側縁外方においてヒートシールされて接合されている。
【0023】図6に示す第4の形態の生理用ナプキン1は、弾性シート51の両側縁51a,51bが共に吸収体31と表面シート21との間に位置するようになされている。また、表面シート21は、吸収体の肌当接面側を覆うに止まり、裏面シート41が吸収体31の側面を覆って表面側に位置しており、弾性シート51の両側縁51a,51bは、共に裏面シート41と表面シート21とより挟持固定されている。
【0024】図7に示す第5の形態の生理用ナプキン1は、弾性シート51の一側縁51aが吸収体31と表面シート21との間に位置し、他側縁51bが吸収体31と裏面シート41との間に位置するようになされている。また、吸収体31の側面に表面シート21や裏面シート41は存在しないようになされている。
【0025】尚、本発明の吸収性物品は、上述の形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、第1〜5の形態において、溝部6を設けない形態とすることができる。また、第5の形態において、他側縁51bを裏面シート41の表面に位置させたり、一側縁51aを表面シート21の表面に位置させると共に他側縁51bを裏面シート41の表面に位置させる形態としてもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明の吸収性物品は、フィット性及びヨレ防止、漏れ防止性に優れ、特に横漏れを効果的に防止することができるものである。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開平11−299821
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−104859