| 【発明の名称】 |
コンドーム |
| 【発明者】 |
【氏名】広田 豊
【氏名】斎藤 準
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| 【要約】 |
【課題】脱落しにくいコンドームを提供すること。
【解決手段】この発明のコンドーム10は、スチレンエチレンブチレンスチレン共重合体と可塑剤とを混合した組成物を主成分としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スチレンエチレンブチレンスチレン共重合体と可塑剤とを混合した組成物を主成分とすることを特徴とするコンドーム。 【請求項2】 請求項1に記載のコンドームにおいて、前記可塑剤がパラフィン系またはナフテン系の可塑剤であることを特徴とするコンドーム。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のコンドームにおいて、陰茎の亀頭を収容する亀頭収容部と、一端が該亀頭収容部に接続された筒状部とを備え、該筒状部の長さが、前記亀頭収容部の長さより短いことを特徴とするコンドーム。 【請求項4】 請求項3に記載のコンドームにおいて、前記亀頭収容部の内径が、前記筒状部の内径より大きいことを特徴とするコンドーム。 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載のコンドームにおいて、前記筒状部の内径が、前記一端側から他端側に向かって、先細っていることを特徴とするコンドーム。 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載のコンドームにおいて、陰茎の亀頭のみを収容することを特徴とするコンドーム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、コンドームに関し、より詳細には、スチレンエチレンブチレンスチレン共重合体を含むコンドームに関する。 【0002】 【従来の技術】コンドームは、一般に、ラテックスを主成分としている。このようなコンドームは、略円筒状の型を水槽内のラテックス溶液に浸漬した後に引き上げる、いわゆるディピングによって製造される。 【0003】また、ラテックスに代えて、ウレタンを主成分としたコンドームも、提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラテックス、ウレタンは、伸縮性が高い材料ではない。このため、ラテックス又はウレタンを主成分とするコンドームには、使用中に脱落し易い等の問題がある。 【0005】この発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、伸縮性の高い材料を使用することにより、脱落しにくいコンドームを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明のコンドームは、スチレンエチレンブチレンスチレン共重合体(SEBSポリマ)と可塑剤とを混合した組成物を主成分としている。 【0007】このコンドームに含まれるSEBSポリマと可塑剤とを混合した組成物は、引張破断伸び、引張破断強さが非常に優れている。例えば、10倍以上の伸縮性を有する。したがって、この組成物を主成分とする材料からなるコンドームは、伸縮性および柔軟性が極めて高い。このため、装着し易く、密着性が高いため使用中に脱落しにくく、さらに、使用後に取り外し易い。また、伸縮性が高いため、従来の材質のものより小さめの寸法であっても、勃起した陰茎に装着することが可能となる。この結果、陰茎が収縮したときにも、脱落しにくくなり、コンドームが不用意に脱落することに起因する種々の問題が防止される。 【0008】また、SEBSポリマと可塑剤とを混合した組成物は、無臭である。従って、この発明のコンドームでは、ゴム臭などによる不快感が生じない。さらに、この組成物は耐候性が高いため、この発明のコンドームは長期間にわたる保存が可能となる。 【0009】さらに、この発明のコンドームは、金型などの型の内部に形成された空間に、材料を、射出、流し込み、あるいは、押し出すことなどにより、製造されるため、型の内部空間の形に応じた自由な形状、肉厚をとることが可能となる。このため、この発明のコンドームでは、種々の形状とすることができたり、場所によって肉厚を変化させたり、内側あるいは外側に滑り止め用などの凹凸形状を付すことが容易に可能である。 【0010】この発明で使用される混成物では、SEBSポリマと可塑剤である流動パラフィンとを、重量比で13:100ないし100:100の範囲で、混合して使用するのが好ましい。また、コンドームとしては、SEBSポリマと可塑剤である流動パラフィンとを、重量比で30:100程度の割合で混合するのが特に好ましい。なお、組成物全体に対するSEBSポリマの混合の割合が低くなるほど、組成物の柔軟性が向上し、この割合が高くなるほど組成物の柔軟性が低下する。 【0011】また、この発明のコンドームに使用される組成物の硬さとしては、JISショアAで、2ないし40°程度が好ましい。 【0012】この発明を実施するにあたって、SEBSポリマに混合する可塑剤は、パラフィン系またはナフテン系の可塑剤であるのが好ましい。 【0013】この発明を実施するにあたって、コンドームが、陰茎の亀頭を収容する亀頭収容部と、一端が亀頭収容部に接続されている筒状部とを備え、この筒状部の長さが、亀頭収容部の長さより短い構成としてもよい。 【0014】このような構成によれば、コンドームを陰茎に装着したとき、コンドームの末端(開口端)は、陰茎の本体の付け根まで達しない。したがって、例えば、陰茎の先端側の部分のみが、コンドームに覆われることになる。この結果、装着感が少なくなる。そして、このような効果がありながら、この発明のコンドームは、伸縮性が高い材料で構成されているので、コンドームの不用意な脱落が、起こりにくい。 【0015】この発明を実施するにあたって、亀頭収容部の内径が、筒状部の内径より大きい構成としてもよい。尚、亀頭収容部は、陰茎の亀頭に適応した形状を有する。したがって、亀頭収容部は、全ての部分の内径が、筒状部の内径より大きいわけではなく、少なくとも、最大径の部分で比較したとき、亀頭収容部の内径が、筒状部の内径より大きい構成である。 【0016】このような構成によれば、径の大きな亀頭を収容する亀頭収容部が、大きな内径を有しているので、フィット感に優れ、さらに、筒状部が小径であるので、コンドームが、陰茎から抜けにくく、不用意に脱落しにくくなる。なお、亀頭収容部ならびに筒状部の内径、これらの比率は、使用対象の寸法に応じて適宜変更可能である。 【0017】また、このコンドームは、伸縮性が極めて高い材料で構成されているので、亀頭収容部の内径と筒状部の内径との比率を、陰茎の亀頭の外径と陰茎の本体(亀頭につながる部分)の外径との比率より、大きく設定することもできる。このように、設定することにより、陰茎の本体に対するコンドームの押圧力が大きくなり、コンドームの不用意な脱落が、より起こりにくくなる。 【0018】この発明を実施するにあたって、筒状部の内径が、一端側から他端側に向かって、先細っている構成としもよい。。 【0019】このような構成によれば、筒状部の開口端部分での、陰茎に対する締め付けが強くなるため、この開口端部分でのめくれが減少し、コンドームの不用意な脱落が、さらに、起こりにくくなる。 【0020】この発明を実施するにあたって、コンドームを、陰茎の亀頭のみを収容する構成としてもよい。 【0021】このような構成によれば、コンドームは、亀頭のみを覆うことになるので、装着感が極めて少なくなる。そして、このような効果がありながら、この発明のコンドームは、伸縮性が高い材料で構成されているので、コンドームの不用意な脱落が、起こりにくい。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明のコンドームの実施の形態について説明する。尚、図は、この発明を理解できる程度に、大きさおよび形状を概略的に示してあるに過ぎない。従って、この発明は、図示例に限定されるものではない。 【0023】図1は、この発明の実施の形態のコンドーム10の側面図である。 【0024】図1に示されているように、コンドーム10は、陰茎の亀頭を収容する袋状の亀頭収容部12と、一端が亀頭収容部12に接続された筒状の筒状部14とを備えている。 【0025】筒状部14は、略円筒形の形状を有している。筒状部14の一端は、亀頭収容部12に接続され、筒状部14の内部空間と亀頭収容部12の内部空間とが、連通されている。また、筒状部14の他端は、外方に向かって開口している。したがって、コンドーム10は、装着されると、亀頭収容部12に陰茎の亀頭部分を収容し、筒状部14に陰茎の本体(陰茎の亀頭以外の部分)の亀頭側部分を収容することになる。 【0026】筒状部14は、その内径が、亀頭収容部12に接続された一端側から、外方に向かって開口している他端側に向かって、徐々に、小さくなるように構成されている。この実施の形態のコンドーム10では、亀頭収容部12に接続された筒状部14の一端の内径が約20mmに、そして、外方に向かって開口している他端の内径が約18mmに設定されている。 【0027】亀頭収容部12は、その大部分の領域で、筒状部14より大きな内径を有している。亀頭収容部12は、筒状部14との接続部から、一旦、外方に向かって拡がった後、先端に向かうにつれて徐々に縮径する、陰茎の亀頭に対応する形状を有している。この実施の形態のコンドーム10では、亀頭収容部12の最も太い部分では、内径が約32mmに設定されている。 【0028】なお、亀頭収容部12ならびに筒状部14の内径、および、これらの比率などの寸法は、適宜、変更可能である。 【0029】コンドーム10では、筒状部14の長さが、亀頭収容部12の長さより短く設定されている。好ましい長さとしては、例えば、筒状部14の長さ(図1における上下方向の長さ)が約10mm、亀頭収容部12の長さ(図1における上下方向の長さ)が約32mmである。したがって、このコンドーム10は、陰茎に装着されたとき、筒状部14の開口端が、陰茎の本体の付け根まで達しない。したがって、陰茎の先端側の部分のみが、コンドームに覆われることになる。 【0030】さらに、亀頭収容部12の先端には、従来のコンドームと同様の精液溜部16が設けられている。 【0031】コンドーム10では、各部分の内表面および外表面は平滑であり、筒状部14は厚さが約1mmであり、他の部分は、厚さが約0.5乃至0.6mmとなっている。しかしながら、各部の厚さは適宜変更可能であり、また、全体が均一な厚さでもよい。 【0032】この実施の形態でのコンドーム10は、SEBSポリマと可塑剤である流動パラフィンとを重量比で30対100の割合で混合した組成物を主成分としている。この組成物は、加熱し、圧力をかけて型に流入させることによって、所望の形状に成形することができる。 【0033】この実施の形態では、SEBSポリマと流動パラフィンとを重量比で30対100の割合で混合したが、この混合比は、13:100ないし100:100の範囲で、適宜変更可能である。なお、組成物全体に対するSEBSポリマの混合の割合が低くなるほど、組成物の柔軟性が向上し、この割合が高くなるほど組成物の柔軟性が低下する。 【0034】また、このコンドーム10に使用される組成物の硬さとしては、JISショアAで、2ないし40°程度が好ましい。 【0035】ここで使用されるSEBSポリマは、市販の樹脂である。この樹脂の具体例としては、例えば、シェル・ジャパン(株)から販売されている商品名「クレイトン」、または、(株)クラレから販売されている商品名「セプトン」がある。 【0036】次に、この実施の形態のコンドーム10の製造方法を説明する。この製造方法は、公知の射出成型法と同一である。なお、この発明のコンドームは、他の方法でも製造可能である。例えば、5mm以上の肉厚の場合には、流し込み成型でも製造できる。 【0037】コンドーム10は、公知の射出装置から、金型内に形成された空間に、原料を射出することによって製造される。金型は、例えば、左右に二分割可能であり内部にコンドーム10の外形と等しい形状の空間部が複数、形成されている左右の雌型と、コンドームの内部空間の形状に等しい外形を有し雌型の空間部内に配置される複数の中子などを備えている。したがって、この金型は、左右の雌型を、各空間部内にそれぞれ中子を位置決めした状態で、合わせると、内部にコンドーム10の形状に対応するキャビティが形成されるように構成されている。このキャビティ内に、公知の射出装置から、加熱した組成物(原料)を射出することにより、複数個のコンドーム10が同時に製造される。所定時間経過後に、左右の雌型が開かれ、中子の表面に付着したコンドーム10が取り外される。上述したように、コンドーム10は、極めて伸縮性の大きな材料で形成されているので、手などで伸ばすことにより、容易に中子から取り外すことができる。 【0038】組成物の成型時の加熱温度は、140−220℃の範囲内であるのが好ましく、コンドームとしての柔軟性、強度性、弾力性、成型性等を考慮すると、180−200℃の範囲内の温度とするのがより好ましい。また、成型時の射出圧力は、40−50Kg/cm2 の範囲内であるのが好ましく、作業性の観点からは、20−50Kg/cm2 の範囲内の圧力とするのが良い。 【0039】また、射出に先立って、組成物に色素を混合することにより、容易に、コンドームに着色を行うことができる。この場合、射出装置に収容できる材料の量は、少ないので、従来のディッピングに比べて、色の変更が容易にできる。 【0040】次に、表1を参照して、SEBSポリマと可塑剤とを混合した組成物の物性の試験結果について説明する。表1は、SEBSポリマと流動パラフィンとを重量比で13対100の割合で混合した組成物の試験結果を示す。 【0041】 【表1】
【0042】表1に示すように、SEBSポリマと流動パラフィンとを重量比で13対100の割合で混合した組成物の引張降伏強さは、JIS−K7113の試験方法に則って試験したところ、2.0Kgf/cm2 であった。 【0043】また、この組成物の引張破断強さをJIS−K7113の試験方法に則って試験したところ、この組成物は破断しなかった。従って、この組成物は、非常に優れた引張破断強さを有し、切れにくいことが分かった。 【0044】また、この組成物の引張破断伸びは、JIS−K7113の試験方法に則って試験したところ、1000%であった。従って、この組成物は、非常に優れた引張破断伸びを有し、柔軟性に富むことが分かった。 【0045】また、この組成物の比重は、JIS−K7112の試験方法に則って試験したところ、約0.85であった。 【0046】次に、表2を参照して、SEBSポリマと可塑剤とを重量比で13対100の割合で混合した組成物の溶出試験の試験結果について説明する。表2は、実施の形態のコンドームに用いた組成物の物性の試験結果を示す。この試験は、食品衛生法・食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)、おもちゃまたはその原材料の規格およびおもちゃの製造基準、おもちゃの製造に用いる塩化ビニル樹脂塗料および塩化ビニル重合体を主体とする材料(昭和47年厚生省告示第257号)に準拠して行った。 【0047】 【表2】
【0048】表2に示すように、この組成物の重金属の溶出試験結果は、1ppm以下(Pbとして)であった。また、この組成物のカドミウムの溶出試験結果は、0.5ppm以下であった。また、この組成物のヒ素の溶出試験結果は、0.1ppm以下(As2 O3 として)であった。また、この組成物の過マンガン酸カリウム消費量は、2.8ppmであった。また、この組成物の蒸発残留物は1.5ppmであった。また、この組成物の着色料の溶出は、検出されなかった(溶出せず)。 【0049】この溶出試験結果から、この組成物は、検査項目については毒性がなく、衛生上の観点から好ましいことが分かる。 【0050】この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更・変形が可能である。 【0051】上述した実施の形態では、パラフィン系の可塑剤として流動パラフィンを使用したが、この発明では、可塑剤はこれに限定されるものではなく、例えば、他のパラフィン系の可塑剤、または、ナフテン系のオイルなどのナフテン系の可塑剤でも良い。 【0052】又、上述した実施の形態のコンドーム10は、陰茎の亀頭を収容する袋状の亀頭収容部12と、一端が亀頭収容部12に接続された筒状の筒状部14とを備えている。しかし、筒状部を備えていない構成でもよい。この場合、コンドームは、亀頭収容部とその先端に設けられた精液溜部とを備えた構成となる。 【0053】このようなコンドームは、亀頭のみを覆うので、装着感が極めて少なくなる。そして、このような効果がありながら、このコンドームは、伸縮性が高い材料で構成されているので、コンドームの不用意な脱落が、起こりにくい。また、上述したコンドーム10は、筒状部14の長さが、亀頭収容部12の長さより短く設定されている。しかしながら、筒状部と亀頭収容部の長さを略等し、または、筒状部を亀頭収容部より長くしてもよい。 【0054】さらに、上述したコンドーム10は、筒状部14の内径が、亀頭収容部12に接続された一端側から、外方に向かって開口している他端側に向かって、先細るように構成されている。しかしながら、筒状部の内径が一定である構成としてもよい。 【0055】また、上述したコンドーム10は、各部分の外表面および内表面は平滑であるが、必要に応じて、外表面または内表面に、滑り止めなどの目的の凹凸を付しても良い。この場合、雌型または中子に、コンドームに付す凹凸に対応した凹凸形状を付し、これらの型を使用してコンドームを製造することにより、コンドームの外表面または内表面に、容易に凹凸を付すことができる。 【0056】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、伸縮性の高い材料を使用することにより、脱落にしにくいコンドームが提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593199873 【氏名又は名称】広田 豊 【識別番号】596177135 【氏名又は名称】斎藤 準
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】大垣 孝
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| 【公開番号】 |
特開平11−299816 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−107997 |
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